ポップなロックン・ロール "In France They Kiss on Main Street" でアルバムは始まりますが、驚きなのは2曲目 "The Jungle Line" です。アフリカのドラム・サウンドが大胆にフィーチャされており、そこにムーグ、ギターが絡まります。かなり挑戦的なサウンドですが、こういう音楽を作れるところが、Joni Mitchell を偉大なミュージシャンたらしめているのかもしれません。
歌の内容は、僕も敬愛する Henri Rousseau へのオマージュ。 "They go steaming up to Blooklyn Bridge, steaming up the jungle line"
その他 "The Hissing of Summer Lawns"、"The Boho Dance" など、味わい深い曲が揃っています。
ちなみに、彼女のファンである Prince は、このアルバムを最も愛しているとのこと。ちょっと分かるような気がします。
ドラッグ、セックス、犯罪というダークな世界観音楽の中心的存在 The Weeknd のセカンド・アルバムにして、彼をスターダムに昇らせたヒット・アルバムです。
サウンド的には、ヘビー R&B とでも言うんでしょうか。音数の絞りとシンセとコーラスの重装のコントラストが効いています。 また、80年代のシンセ・ポップ的なところもあり、決してヘビー一辺倒ではないところが不思議な感じです。 "Can't Feel My Face" はベース・ラインの効いたダンス・チューンですし。
特徴は、やはり彼の声。ファルセットを含めた高音が綺麗で艶かしい。 世間が言うように、また本人がリスペクトしているように、Micheal Jackson 的な感じが強く感じられます。
Real Life
Losers (feat. Labrinth)
Tell Your Friends
Often
The Hills
Acquainted
Can't Feel My Face
Shameless
Earned It
In the Night
As You Are
Dark Times (feat. Ed Sheeran)
Prisoner (feat.Lana Del Rey)
Angel
Produce:Jason "Daheala" Quenneville, Stephan Moccio, Carlo "Illangelo" Montagnese, Labrinth, The Pope, Kanye West, Ben Billions, Mano, Dannyboystyles, Quenneville, Ali Payami, Max Martin, Peter Svensson
Brian Lynch は、トランペッターですが、Eddie Palmieri と永年一緒に働いていたように、ラテン・ジャズ・フィールドのプレーヤーでもあり、Art Blakey の最後のバンドにもいたように、ストレート・ジャズでも活躍しています。
Art Blakey 自体は、アフロなビッグ・ビートが特徴のドラマーですので、アフロ・ジャズのフィールドとも言えます。
そんな Brian Lynch ですから、このアルバムでも、ラテン、アフロ、ストレートのそれぞれのテイストをブレンドしたジャズを聴かせてくれます。ビッグ・バンド編成で、スウィングするきっちり構成された楽曲に好感が持てます。
特に、アルバムの冒頭の3曲、"Crucible for Crisis"、"The Struggle Is in Your Name"、"Affective Affinities" は、ラテン、アフロ・テイストがあり、特に印象に残ります。ラテンの特徴であるフルートを使ったり、ボレロ、チャチャチャそのものを取り入れたりしています。もちろんコンガも効いてます。
70年代初め以降のブラック・コンテンポラリー路線をまた1つ推し進め、次の "Sounds...And Stuff Like That!!" へのブリッジとなっています。
ポップR&B "Things Could Be Worse For Me" ゴスペル調の "What Good Is A Song" TV Show "Rebop" の曲 "You Have To Do It Yourself" O'jays のような "There's A Train Leavin'" 弾むシンセとホーンが絡むインスト "Midnight Soul Patrol" 最高です。 Toots Thielemans のハーモニカがほっこりさせる "Brown Soft Shoe"
あいかわらず松木恒秀のギターはカッコいいし、時折入ってくる Mike Mainieri のヴィブラフォンも心地いい。
TORNADO
RAINY DAY
BLACK MOON
SUNSET
AIRPORT
MIRAGE
MIDNIGHT DRIVER
午後 (AFTERNOON)
Musician:吉田美奈子(key)、松木恒秀(G)、岡沢章(B)、渡嘉敷祐一(D)、清水靖晃(Sax)、Mile Mainieri(Mallets) Produced by 吉田美奈子 Sound by 吉田保 All songs written by 吉田美奈子 except #2 by 山下達郎
先日、Harrison Ford が CIA 情報分析官 Jack Ryan を演じる映画 “Clear and Present Danger”(邦題「今そこにある危機」)を観たところでした。
麻薬組織のあるコロンビアの首都ボゴタが映画のステージになってます。
1994年の映画ですが、ボゴタはちゃんとした都会でした。でもめっちゃ危険そう。
僕の数少ないコロンビアの知識、コーヒー、麻薬、以上。くらいなもんで、場所もはっきり認識できてませんでした。ベネズエラの隣なんですね。
そのコロンビアの太平洋側のティンビキという地域をホームにしている、伝統音楽集団が、この Canalón De Tinmbiqui です。直訳すれば、ティンビキの樋。
コロンビアというのは、北はカリブ海に、西は太平洋とエクアドルに、東はベネズエラに、南はペルーとブラジルに面しているという位置関係になります。
その太平洋側のカウカ県にティンビキはあります。
この地域はアフリカ系住民が95%だそうで、伝統音楽というのはつまりアフリカ音楽なんですね。それにちょっとラテンが混じっている。
Canalón De Tinmbiqui も、マリンバとパーカッションにボーカル、といったシンプルな構成を基本としているアフリカン・スタイルの音楽をやってます。
このシンプルさが素晴らしく、いい!シンプルなアンサンブル。
マリンバのリズムとサウンドが心地よい。
アフリカのポップ・ミュージックはいくつか聞いたことはありますが、この Canalón De Tinmbiqui のスタイルは、そのどれとも違います。アフリカの純粋なコア部分だけが残ったように感じます。昔の京言葉が沖縄で一部残っているような。
Canalón De Tinmbiqui はなんと1974年に結成された歴史あるバンドだそうで、今はボーカルの Nidia Góngora に率いられています。堂々としたハスキーなスモーキン・ボーカルがいい感じです。
ライブ映像も、シンプルそのもの。
こういう風に、伝統音楽を真摯にやって、発展させているバンドが世界中にいて欲しいと願います。
Tio Guachupesito グアチュペシトおじさん
A Palanquero パランケロへ
Quitate de mi escalera 梯子を降りて
De mar y río 海と川から
En Belén nació ベツレヘムで生まれた
Subiendo bubuey arriba ブブエイ川を上流に向かって
La casa de la compañia 仲間の家
Digna y feliz ふさわしく幸せな
La posada ラ・ポサーダ
Agustín se casó アグスティンは結婚した
Malvada 悪女
Oí yo オイ・ジョ
Bárbara aplaca tu llanto バルバラ、鳴き声を鎮めて
Nidia Góngora Bonilla – Voz principal y Dirección Musical
Policarpa Angulo Hinestroza – Voz y guasa
María Celia Zuñiga Sinisterra – Voz y guasa
Yuli Magali Castro Bonilla – Voz y guasa
Lizandro Vallecilla – Bombo Arullador
Duvan Dias del Castillo – Cununo
Danilo Cuenú Carabalí – Bombo Golpeador
Andrés Lucumí – Cununo
Cristian Bonilla Zuñiga – Marimba
Stanley Road は、Paul Weller が生まれ育った通りの名前らしく、つまり、このアルバムでは、彼のルーツ・ミュージックに焦点を当てたものです。
Steve Winwood がゲスト参加しているのが象徴的なのですが、かなり、ソウル寄りの曲が集められています。そして、ブルーズ。
ブリティッシュ・ロックというよりは、アメリカン・ミュージックへのあこがれが詰まっています。
元々、イギリスのロックはアメリカのR&B、ブルーズに強い憧憬をもったものでしたから、ルーツをたどると、そこへ行きつくのは当然かもしれません。
彼のアイドル、The Who はともかくとして、Small Faces は強くソウルを意識したバンドでしたし、Small Faces の Steve Marriott が作ったバンド Humble Pie はまさしくヘビー・ソウルともいえるサウンドが特徴でした。
The Jam、The Style Council に続く Paul Weller のキャリア3世代目のソロ時代は、原点回帰、アメリカン・ロックの追求時代なのでしょうか。
The Jam、The Style Council ともに、いたってイギリス的でした。
キャリア最高傑作(だと僕は思います)の "All Mod Cons" の "Down in the Tube Station at Midnight" なんかは、イギリス人の、かつ彼でなければ書けない曲だと思います。
The Style Council も確実に時代を作っていました。
0:00 :”We are, we are, we are” だけの曲ですが、イントロ的に、このアルバムは私たち自身の物語なのだと宣言してるのかもしれません。
Algorhysm:アルゴリズムに合わせて “Move your body”, “That’s gonna make you move and groove”。いつの間にかアルゴリズムに囚われてないか、という問いかけなんでしょうか。機械的なバックにエフェクトのラップが不気味さを表してます。Tom Waits にも通じるような。
Time:”Running out of time” 時間が足りない。地球環境を憂えとるのか、社会の動くスピードを憂えとるのか。Ariana Grande フィーチャですが、彼女らしさはほぼなし。でも、曲としてはポップに仕上がってます。
19:10 “Beautiful”;Prince そのものの、なかなかポップなええ曲です。”To be beautiful is to hunted”。うーん、ちょっと意味不明。
24.19 “Sweet Thing, Thank You”:パートナーへのラブソング。素直にこう言いたいね。Sly Stone のような曲調が心地よいです。
32:22 “Warlord”:かなり実験的な曲。”Billie Jean is on fire” 何を指しているんやろう。
35.31 “Little Foot, Big Foot”:young drug dealer に向けての警告?童謡調が遊び心を出してます。
39.28 “Why Go To The Party”:ミステリアスなアカペラ調の曲。パーティに行ったから2発やられてもた。
42:26 “Feel Like Summer”:ミニマルなバックに、美しいメロディが乗っかって進みます。Everyday gets hotter, slow down, go down.
47:48 “The Violence”:暴力についての複雑な曲。”Beat him up, keep him down, never say what you see, keep quiet” と言いながら “Don’t worry ‘bout tomorrow” と言う。アメリカでの黒人に対する暴力への反対デモを先取りしたような歌詞に驚きます。終盤の子供とのやりとりにほっとさせられます。
Bob Andy 自身、優れたソング・ライターですが、ここではほぼカバーに徹しています。
ソウル・ミュージックからロックまで幅広くピックアップされ、誰が選曲したのかは分かりませんが、超有名ではない曲の選曲はなかなかいいです。
さらに、それを、全体的にハッピーに感じるロック・ステディ・アレンジがすばらしいです。
Eric Clapton が “I Shot the Sheriff” をカバーしたのが1974年ですので、この1970年という年では、まだ世界中にレゲエが広まっていなかったと推測されます。
その中で、欧米のポピュラー曲をカバーすることによって、レゲエが世界中に大衆性を持つということを示したのではないでしょうか。親しみやすい曲が揃っています。
“Young Gifted And Black” は、Aretha Franklin が1972年にカバーしており、これもまた素晴らしいアレンジで、曲の気高さが際立っています。ちなみに、この曲を表題曲にした Aretha のアルバムは大名盤です。
その Aretha Franklin のバージョンより、この Bob Andy バージョンの方が好きになりました。Nina Simone のオリジナル・バージョンも含めて、Bob Andy バージョンが一番いいんじゃないでしょうか。この曲の持つ若さへの賛辞が、レゲエ・アレンジによって明るく前面に出て、素晴らしい出来になっています。
続く、”Private Number” もいい、こちらも明るい。
すべての曲がハッピーです。Bob Dylan の “It Ain't Me Babe” でさえハッピーに聞こえます。
Bob Andy だけではなく Marcia Griffiths の伸びやかなヴォーカルが入っているのがいいんでしょうね。