2022年6月5日日曜日

The Thornhill Sound / Claude Thornhill And His Orchestra (1958)

1曲目の "Snowfall" 以外は Gil Evans の編曲です。
Claude Thornhill 時代の Gil Evans の録音はほとんど入手困難なので、非常に貴重です。
1958年の発売となっていますが、録音は1947年のはずです。

Gil Evans は1930年代に自分のオーケストラを持った後、ピアニスト Claude Thornhill と出会い、彼が新しく編成したオーケストラのアレンジャーとなります。1941年から10年ほど Claude Thornhill と一緒に仕事をし、いくつかの編曲を残しています。
最も Gil Evans の編曲がまとまって聴けるのがこのアルバムになります。

Gil Evans の編曲について、オーケストラのもう一人のアレンジャー Bill Borden によれば、「Gil の編曲は革新的、天才的。ただしあまりに多くを詰め込み過ぎてスイングしないこともあった」とのこと。
当時のジャズバンドでスイングしない、というのがどういう意味を持っていたのかは分かりませんが、その後の Gil Evans はスイングしないジャズを推し進めていったように思えます。
スイングしないジャズの系譜は Duke Ellington につながるように思いますが、Gil のアイドルは Louis Armstrong だったというのは興味深い事実です。

しかし、このアルバムを聴くと、職業音楽家の最初から基本的にはずっと同じことをやってきているんだなあ、と感じます。


  1. Snowfall [Thornhill]
  2. Anthropology [C. Parker, Gillespie]
  3. Polka Dots And Moonbeams [Burke Van Heusen]
  4. Donna Lee [C. Parker]
  5. Lover Man (Oh, Where Can You Be?) [J. Davis, Jimmy Sherman, Ramirez]
  6. Robbins' Nest [Jacquet, Thompson]
  7. Yardbird Suite [C. Parker]
  8. La Paloma Gris (The Grey Dove) [De Yradier]
  9. Sorta Kinda [J. Young]
  10. Arab Dance [Based on the Nutcracker Suite of Tchaikovsky]


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