Bob Andy 自身、優れたソング・ライターですが、ここではほぼカバーに徹しています。
ソウル・ミュージックからロックまで幅広くピックアップされ、誰が選曲したのかは分かりませんが、超有名ではない曲の選曲はなかなかいいです。
さらに、それを、全体的にハッピーに感じるロック・ステディ・アレンジがすばらしいです。
Eric Clapton が “I Shot the Sheriff” をカバーしたのが1974年ですので、この1970年という年では、まだ世界中にレゲエが広まっていなかったと推測されます。
その中で、欧米のポピュラー曲をカバーすることによって、レゲエが世界中に大衆性を持つということを示したのではないでしょうか。親しみやすい曲が揃っています。
“Young Gifted And Black” は、Aretha Franklin が1972年にカバーしており、これもまた素晴らしいアレンジで、曲の気高さが際立っています。ちなみに、この曲を表題曲にした Aretha のアルバムは大名盤です。
その Aretha Franklin のバージョンより、この Bob Andy バージョンの方が好きになりました。Nina Simone のオリジナル・バージョンも含めて、Bob Andy バージョンが一番いいんじゃないでしょうか。この曲の持つ若さへの賛辞が、レゲエ・アレンジによって明るく前面に出て、素晴らしい出来になっています。
続く、”Private Number” もいい、こちらも明るい。
すべての曲がハッピーです。Bob Dylan の “It Ain't Me Babe” でさえハッピーに聞こえます。
Bob Andy だけではなく Marcia Griffiths の伸びやかなヴォーカルが入っているのがいいんでしょうね。
アルバム全体として、何度聴いても心地よい、ポップ・レゲエ・アルバムに仕上がっていると思います。
- Young Gifted And Black (Original by Nina Simone ”To Be Young, Gifted, And Black”)
- Private Number (Original by Judy Clay & William Bell)
- United We Stand (Original by Brotherhood Of Man)
- We've Got To Get Ourselves Together (Original by The Staple Singers)
- Peace Of Mine
- It's a Rocking Good Way (Original by Priscilla Bowman “A Rockin' Good Way”)
- It Ain't Me Babe (Original by Bob Dylan)
- Ain't Nothing But The Real Thing (Original by Marvin Gaye & Tammi Terrell)
- Put a Little Love In Your Heart (Original by Jackie DeShannon)
- Onion Song (Original by Marvin Gaye & Tammi Terrell)
- Gee Baby
- Keep The Customers Satisfied (Original by Simon and Garfunkel “Keep The Customer Satisfied”)
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