はっぴいえんどのセカンド ”風街ろまん” とサード “HAPPY END” の間に出た、Presley のファースト “Elvis Presley” に触発されて自分の名前をアルバム・タイトルにしたというファースト・ソロ。(ちなみに Presley のファーストのジャケットは、”London Calling” でもオマージュされてますね)
はっぴいえんどの曲の中では、”はいからはくち” が一番ロックを感じましたが、その期待に違わず、このファーストはアメリカン・ロックへの愛情があふれたすばらしいアルバムになっています。
The Beach Boys ばりのアカペラ “おもい” で始まり、Buffalo Springfield のような “それはぼくぢゃないよ” 、The Staple Singers の “Respect Yourself” を意識した “指切り” に続きます。“指切り” はシュガー・ベイブのカバーを最初に聞きましたが、無論大瀧詠一バージョンの方がいいです。独特な楽器の使い方とコーラス。
“びんぼう” は Sly と重なるファンク、“五月雨” は鈴木茂のギターが良いソウルナンバー。ちなみに “びんぼう” は最初ウルフルズで知りました。
“あつさのせい” は Delaney & Bonnie と Sam Cooke の “Shake” にインスパイヤされたグルーブのあるロックで、”朝寝坊” は一転してデキシーズ。
“水彩画の町” と “乱れ髪” は、"A Long Vacation” を思わせるバラードで、特に “乱れ髪” はストリングスに驚かされます。
"The Loco-Motion" マナーの “恋の汽車ポッポ第二部” (ちなみに “第一部” はシングル)に続き、最後は Presley のタイトルをつなげた “いかすぜ! この恋” で、これが一番ぶっ飛んでます。カセット・プレーヤーの音で録音(SP盤の音を狙ったとのこと)し、しかも左チャンネルのみ。テープの最後に“あつさのせい” のイントロが消し残っていたのと、カセットが終わってボタンが上る音まで入っています。
12曲入って30分。これは密度が高いです。
- おもい
- それはぼくぢゃないよ
- 指切り
- びんぼう
- 五月雨
- ウララカ
- あつさのせい
- 朝寝坊
- 水彩画の町
- 乱れ髪
- 恋の汽車ポッポ第二部
- いかすぜ! この恋
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