2020年2月9日日曜日

Magic Windows / Herbie Hancock (1981)

これは、ジャズでもフュージョンでもありません。100% R&B アルバムです。
"Monster (1980)" から始まり、"Lite Me Up (1982)" で完結した R&B イヤーズの真ん中くらいにあたります。R&B イヤーズというより、Quincy 路線といった方が合っているかもしれません。

この時代、なぜここまで R&B / ブラック・コンテンポラリーにこだわったのかは分かりません。彼の卓越したピアノプレイは全く生かせず、高度な音楽理論も通用しない世界のはずです。時代に敏感だからなのか、ポピュラリティが音楽の本質と理化していたからなのか、はたまた Quincy Jopnes のアプローチに強くシンパシーを感じていたのか。
一方で、この1981年というのは、純正ジャズ・バンド(Ron Carter, and Tony Williams, Wynton Marsalis)でツアーを忙しく回っていた時期なので、そういったジャズ的なものは、そっちで満足していたのかもしれませんね。

"Magic Number"、"Help Yourself" といった R&B、”Everybody's Broke"のファンク(ベースラインが心地よい)、メロウな "Tonight the Night"、"Satisfied with Love" など、極上のR&B が並んでいます。Herbie Hancock という色眼鏡を外せば、素晴らしいブラック・コンテンポラリー・アルバムの快作です。

ヴォコーダーは使わず、多彩なゲストで脇を固めています。また、作曲の共作に Ray Parker, Jr., Adrian Belew などが参加してるのも面白いところです。

  • Ray Parker, Jr. (Guitar)
  • Freddie Washington (Bass)
  • Michael Brecker (Saxophone)
  • Brothers Johnson (Guitar, Bass)
  • Wah Wah Watson (Guitar)
  • Adrian Belew (Guitar)


https://www.herbiehancock.com/music/discography/album/694/

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