"Miles in the Sky" が出たのは1968年。
Herbie Hancock にフェンダー・ローズ、Ron Carter にエレクトリック・ベースを持たせ、初めてロックを取り入れました。
ジャズ界は Miles の動きに触発され、怒涛のようにクロス・オーバー、フュージョンへと流れていきます。
その曲 "Stuff" は最初に取り組んだとは思えない完成度の高い曲になってます。
それから、8年。
Gordon Edwards は "Miles in the Sky" を意識したのかどうか分かりませんが、名うてのセッション・ミュージシャンを集めて "Stuff" というバンドを組み、ファースト・アルバムを出します。
ドラムスの Steve Gadd だけがジャズ畑出身で、他のメンバーは全て R&B 畑ですので、決してジャズ、フュージョンといった音楽をやりたかったわけではなさそうです。
ジャズ、フュージョンの枠じゃなくて、R&B とかソウル・ミュージックというジャンルで語られることも多いんですが、それもちょっと違うんよねぇ。
ファンクとかグルーブを強調したような言われ方もするんですが、どっちかというと「インスト軽音楽」って感じでしょうか。とはいってもイージー・リスニングとはだいぶ違う。
フュージョンのようにテクニックを前面に出すのではなく、曲の雰囲気を一番大切にしてそれそれがいい仕事をする、さすがセッション・ミュージシャンの集まりですね、と言いたくなります。
このアルバムは全体的に曲調は明るくて好きです。軽快な気持ちにさせてくれます。
- "Foots" は Gale と Dupree のギターがブルージーですが、ソウルフルで明るい、さわやかな曲になっています。最初の Dupree のギターの入りなんかは、これは絶対ジャズじゃないです。エレクトリック・ブルースとR&Bが混じったような。このアルバムを代表する曲だと思います。
- "My Sweetness" はフュージョンっぽい曲。途中盛り上がる箇所がありますが、そこから急に下る。Tee のキーボードがメロウです。
- "(Do You) Want Some Of This" は、Edwards のうねるようなベースではじまり、Tee のキーボードがフィーチャされたリズミカルな曲。
- "Looking For The Juice" と "Reflections Of Divine Love" は、Gale と Dupree のギター・プレイを活かしたゆっくり目の曲で、"Reflections Of Divine Love" は、ゴスペル・マナーで、後半盛り上がっていきます。
- "How Long Will It Last" はB面の1曲目らしく、はじけるジャンプ・ナンバー。少しデキシーズ。
- 一転して次の "Sun Song" はスロー・テンポに、Dupree の低音ギターと Tee のキーボードが絡みます。
- "Happy Farms" は曲名通りハッピーなカントリー調の曲で、結構好きです。いっときの細野晴臣の曲調を感じさせます。
- ラストは、ラストらしく "Dixie / Up On The Roof"、眠りに誘うような心地よさです。
リード楽器でグイグイ引っ張っていく感じじゃなくて、アンサンブル重視のバンド・サウンドが素晴らしいです。
- Foots (Written by Stuff)
- My Sweetness (Written by R.Tee)
- (Do You) Want Some Of This (Written by R.Tee)
- Looking For The Juice (Written by G.Edwards, R.Tee)
- Reflections Of Divine Love (Written by G.White)
- How Long Will It Last (Written by E.Gale)
- Sun Song (Written by L.Thomas)
- Happy Farms (Written by C.Dupree)
- Dixie / Up On The Roof
Gordon Edwards(b), Cornell Dupree(g), Eric Gale(g), Richard Tee(k), Chris Parker(d), Steve Gadd(d)
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