2021年12月26日日曜日

Almas Conectadas / Quantic & Nidia Góngora (2021)

Quantic って誰?ってことですけど、クラブシーンでは有名なのかな?
正直、僕は全く知らなかったのですが、WEBでは「天才音楽家」と書かれてるし、実績のある人なんね。
チラッと聞いてみると、なんだかダンスミュージックっぽい。ラテン・グルーヴを取り入れたヒット曲もあるようで、そういう流れで Nidia Góngora なんですかね。実際彼はコロンビアに住んでいたこともあるようで。

詳しいクレジットがないので確かなことは言えませんが、このアルバムは Quantic & Nidia Góngora 名義にはなっているものの、Nidia Góngora のソロ・プロジェクトを Quantic がプロデュースしたって感じじゃないでしょうか。録音はニュー・ヨークです。

Nidia Góngora 自体も僕は詳しいわけじゃないですが、ヴォーカルとリーダーを務める "Canalon de Timbiqui" はアルバムを聴いたことがあります。素晴らしいアルバムでした。地方に残る伝統音楽を、コンテンポラリーに消化し、グローバルに受け入れられるレベルに昇華しており、ちょっとした驚きでした。
察するに、かなりの才能を持ってるんでしょうね。

このアルバムでも、その才能全開。いい曲と、いい声を届けてくれてます。ヴォーカルは華やかで、曲は渋め。日本人にもしっくりくる、アーシーな感じです。


  1. Doncella
  2. El Chiclan
  3. Balada Borracha
  4. Almas Conectadas
  5. Pronto Alivio
  6. Adios Chacon
  7. Adorar la Sangre
  8. Orozul
  9. Macumba de Marea
  10. El Avion
  11. Vuelve


2021年12月19日日曜日

An Evening with Silk Sonic / Bruno Mars and Anderson .Paak Silk Sonic(2021)

正直 Bruno Mars はあまり好きではありませんでした。もちろんヒット曲はラジオで聴いたことはありましたが、R&B というにはあまりにポップというか、フックがきついというか。ちょっと敬遠してました。
Anderson .Paak は気になる存在ではありましたが、これまた聴いたことがない。
じゃあ、Silk Sonic は話題騒然だし、この際聞いてみようか、と思い立って聴いたところ、これが素晴らしくいい!
Bruno Mars さんごめんなさい、聴かず嫌いでした。

R&B, Funk, Pop が見事に融合し、Northern soul に Philly soul、Rap に Disco、消化の仕方がすごい。
それと意外だったのは、生音中心ということ。70年代を彷彿とさせます。

どの曲もキャッチ―で、シングルヒットしそうな曲ばかりです。そういう意味で、Bruno Mars はすぐれたサウンドアレンジャーだけでなく、希代のメロディメーカーだったりするんでしょうね。


  1. Silk Sonic Intro
  2. Leave the Door Open
  3. Fly as Me
  4. After Last Night
  5. Smokin Out the Window
  6. Put on a Smile
  7. 777
  8. Skate
  9. Blast Off


  • Bruno Mars – vocals, guitar, congas, percussion, sitar
  • Anderson .Paak – vocals, drums
  • Bootsy Collins – vocals
  • Babyface – background vocals
  • Brody Brown – bass
  • D'Mile – background vocals, bass, piano, guitar, keyboards, B3, percussion, organ, Rhodes , programming
  • Ella Feingold – additional guitars, guitar effects, vibraphone
  • David Foreman – rhythm guitar
  • Marc Franklin – trumpet


2021年12月11日土曜日

Got to Find a Way / Curtis Mayfield (1974)

順番から言うと、"Back to the World"(1973)"Sweet Exorcist"(1974) → 本作 → "There's No Place Like America Today"(1975) という風になります。

キャッチーなメロディの曲がないので、評価的には地味なアルバムなんでしょうが、捨てたものではありません!
"There's No Place Like America Today" ほどのヒリヒリ感はないものの、タイトなリズムセクションにワウ・ワウ・ギターとストリングスが絡む佳曲そろいです。
といっても全6曲、A面3曲、B面3曲しか入ってないんですけどね。その分1曲がちょっと長い。

1曲目 "Love Me (Right in the Pocket)" もいいんですが、終盤に向かっての2曲 "Cannot Find a Way" と "Ain't No Love Lost" が特にいいですね。
ストリングスから始まり、終始ストリングス、コーラスワーク、ブラスが緊張感を高めている "Cannot Find a Way"。
"Ain't No Love Lost" はコンガとギターが絶妙で、ヴォーカルのファルセットに合っています。


  1. Love Me (Right in the Pocket)
  2. So You Don't Love Me
  3. Prayer
  4. Mother's Son
  5. Cannot Find a Way
  6. Ain't No Love Lost
  7. Mother's Son (Single Edit)


  • Curtis Mayfield : Production, Vocals, 2nd Guitar
  • Rich Tufo : Arrangement, Organ , Keyboards
  • Gary Thompson : Lead Guitar
  • Lucky Scott : Bass
  • Quentin Joseph : Drums
  • Henry Gibson : Congas


2021年12月4日土曜日

Love Wars / Womack & Womack (1983)

素晴らしいコンテンポラリーR&Bアルバムです。
サウンド、メロディ、そしてデュエット、どれも完璧ですね。

Womack & Womack というのは、Linda Womack と Cecil Womack の夫婦のこと。
Cecile は Bobby Womack を兄に持つ Womack 兄弟の一員で、The Valentinos として Sam Cooke と一緒に仕事をしていました。Linda は Sam Cooke の娘です。
ちなみに、Bobby は Cooke の死後、彼の妻と結婚しています。

二人はソングライティングチームとしてフィラデルフィア・インターナショナルに曲を提供することでキャリアをスタートさせます。
いくつかのヒット曲がありますが、その中の1つが、Teddy Pendergrass"Love T.K.O." です。
このアルバムでは単に "T.K.O." としてセルフカバーしていますが、Teddy Pendergrass 版に負けず劣らず素晴らしい出来となってます。

その他の曲も、メロウで確かな演奏をバックに、大人の R&B を展開しています。

ソングライティングチームなのに、Stones の "Angie" を取り上げているのも面白いですね。ボーカルチームとしての実力もアピールしたかったのか。


  1. Love Wars *
  2. Express Myself *
  3. Baby I'm Scared of You (Eddie Noble, Jr., C. Womack, L. Womack)
  4. T.K.O. (Noble, C. Womack, L. Womack)
  5. A.P.B. (C. Womack, Friendly Womack, L. Womack)
  6. Catch and Don't Look Back (C. Womack, L. Womack, Naomi Womack)
  7. Woman *
  8. Angie (Mick Jagger, Keith Richards)
  9. Good Times *


* was written by Cecil Womack and Linda Womack.


  • Lenny Castro – percussion
  • Paulinho Da Costa – percussion
  • Nathan East – bass
  • James Gadson – drums
  • Abraham Laboriel – bass
  • Neil Larsen – synthesizer, guitar, piano
  • Denzil Miller – keyboard
  • Eddie "Gip" Noble – synthesizer
  • Bobby Womack – background vocals
  • Cecil Womack – bass, guitar, vocals
  • Curtis Womack – vocals, background vocals
  • Friendly Womack, Jr. – background vocals
  • Linda Womack – vocals, background vocals
  • Naomi Womack – background vocals
  • Noel "Stacy" Womack – background vocals
  • Art Wood – electronic drums

  • Stewart Levine – producer


2021年11月28日日曜日

Tasty / kiki vivi lily (2021)

セカンド・フル・アルバムです。全9曲、内2曲が間奏系なので、実質7曲。ミニ・アルバムちゃうんかい、とツッコミたくなりますが、内容は充実しています。

いつものことですが、サウンド・プロダクションが素晴らしい。
テクノでソフトでポップ。今回はそれにちょっとアコースティックも入ってます。
自分の声に合うサウンドというのをよく理解してるんでしょうね。

ハイライトは "手を触れたら" かなあ。ジャンプするグルーヴは最高です。
最後の "Onion Soup" はなんとピアノ・ソロの伴奏。しみじみと仲直り。


  1. Intro : wip
  2. Lazy
  3. 手を触れたら
  4. Yum Yum (feat. Shin Sakiura & Itto)
  5. Whiskey
  6. Interlude : Tasty
  7. You Were Mine
  8. New Day (feat. Sweet William)
  9. Onion Soup

サウンドプロデューサー:荒田洸(WONK)、MELRAW


2021年11月21日日曜日

CrazySexyCool / TLC (1994)

おそらく何度聴いても飽きがこないアルバム。
1994年といえば、もうかなり前になりますが、今聴いても古さ、時代性をあまり感じません。
音作りに関わった人たちの力なんでしょうか。Dallas Austin, Babyface, Jermaine Dupri, Organized Noize, Chucky Thompson 等がプロダクションに加わっています。

1曲1曲のカラーと音はかなり違っているのですが、全体を通してミッド・テンポからロー・テンポのダウン・ビートが効いています。いわゆるスロー・ジャムですね。
Babyface の "Diggin' on You", "Red Light Special" なんかはその代表でしょう。

Organized Noize プロデュースのミッド・テンポ "Waterfalls" は特徴的なメロディ・ラインの名曲です。"Don't go chasing waterfalls, Please slick to the rivers and the lake that you're used to, I know that you're gonna have it your way or nothing at all but I think you're moving too fast" HIVやドラッグを取り上げた社会的なメッセージを含んでいます。

実は一番かっこいいなと思うのが、"If I Was Your Girlfriend" です。Prince が1987年に出した "Sign o' the Times" の中の1曲ですが、メロディ・ラインと基本的な構成は原曲を踏襲しながら、硬質なリズム・アレンジとコーラス・ワークが秀逸です。カバーの成功例でしょう。

TLC を TLC たらしめているのは、T-Boz のヴォーカル・スタイルだと思います。高い声全盛の中、クールに中低音で攻めています。そんなヴォーカル・グループいる?

1990 年代を代表する R&B, Pop だと思います。


  1. Intro-lude" (featuring Phife)
  2. Creep -Austin
  3. Kick Your Game -Dupri
  4. Diggin' on You -Babyface
  5. Case of the Fake People -Austin
  6. CrazySexyCool – Interlude
  7. Red Light Special -Babyface
  8. Waterfalls -Organized Noize
  9. Intermission-lude
  10. Let's Do It Again -Babyface
  11. If I Was Your Girlfriend -Austin
  12. Sexy – Interlude
  13. Take Our Time -Austin
  14. Can I Get a Witness – Interlude
  15. Switch -Dupri
  16. Sumthin' Wicked This Way Comes (featuring Dre of Outkast)


2021年11月14日日曜日

Imaginary Visions / 挾間美帆 featuring Danish Radio Big Band (2021)

元々ビッグバンド・ジャズのフォーマットでの作家なのですが、今回は "Danish Radio Big Band" を前提としているという点で、よりビッグバンド傾向が強いアルバムだと思いました。
何も制約がないよりも、特定のバンドを前提としていて制約がある方が、よりクリエイティブになると言います。

また、どの曲も、よく編曲されています。
インプロビゼイション主体のジャズではなく、全て書かれています。
よくここまで多くの楽器を制御して曲に収斂できるものだと感心します。

コロナ禍の中で作曲し、より人と関わりたいと感じレコーディングしたと言います。
また、全員が集まって「せいの!」で音合わせできず、レコーディングは困難だっとも聞きました。
そういう思いにキッチリ応えられる Danish Radio Big Band の人たちは、本当に素晴らしいミュージシャンなんだろうなと感じました。


  1. I Said Cool, You Said... What?
  2. Your Scenery Story
  3. Mingle-Mangle Goody Bag
  4. Home
  5. Mimi’s March
  6. On That Side
  7. Green


#1.Soloist: Nicolai Schultz (fl), Per Gade (g)
#2.Soloist: Mads la Cour (flh), Hans Ulrik (ts)
#3.Soloist: Henrik Gunde (p), Peter Fuglsang (as)
#4.Soloist: Petter Hängsel (tb), Henrik Gunde (p), Mads la Cour (flh)
#5.Soloist: Peter Dahlgren (tb), Anders Gaardmand (bs)
#6.Soloist: Kaspar Vadsholt (b), Mårten Lundgren (tp), Karl-Martin Almqvist (ts), Søren Frost (ds)


Soloist: Karl-Martin Almqvist (ts)
Recorded on March 8th - 11th, 2021 at DR Koncerthuset Studio 2 & 3, Copenhagen,Denmark


2021年11月6日土曜日

Celebrate! / Kool & the Gang (1980)

大ヒット曲 "Celebration" を擁したミリオンセラー・アルバム。
新リード・シンガー James Taylor のソフトなボーカルの魅力満載です。
70年代はファンクをリードしてきた彼らですが、このアルバムではファンクを昇華して、ポスト・ディスコというのか、コンテンポラリーR&Bを展開しています。

プロデューサーは、ブラジリアン・フュージョンの Eumir Deodato ですが、ラテン感はなく、イギリスのファンカラティーナ的な明るいポップに貢献しているんでしょうか。

表題曲とも言うべき "Celebration" は、Ronald Bell がコーランから着想を得たそうで、神によってアダムが作られ、それを天使たちが歌って賛美している様子がイメージされているようです。カッティング・ギターがかカッコいいですよね。


  1. Celebration
  2. Jones vs. Jones
  3. Take It to the Top
  4. Morning Star
  5. Love Festival
  6. Just Friends
  7. Night People
  8. Love Affair


  • Bass – Robert "Kool" Bell
  • Lead guitar – Charles Smith
  • Keyboards, saxophone, backing vocals – Ronald Bell
  • Drums, percussion, backing vocals – George Brown
  • Lead and backing vocals – James "J.T." Taylor
  • Alto saxophone – Dennis Thomas
  • Trumpet, backing vocals – Robert Mickens
  • Keyboards, backing vocals – Earl Toon, Jr.
  • Keyboards – Kevin Bell
  • Additional keyboards – Adam Epolito
  • Backing vocals – Cedric Toon, Meekaeel Muhammad, Robert Bell, Coffee, Something Sweet
  • Producer – Eumir Deodato
  • Associate producer – Kool & The Gang


2021年11月2日火曜日

KOE / 佐藤千亜妃 (2021)

待望の佐藤千亜妃の最新作が出ました。約2年ぶりでしょうか。
「転がるビー玉」「声」「カタワレ」の3枚のシングル曲を含む全12曲です。
今回も美しいメロディと、思い入れすぎないストレートなヴォーカルが素晴らしいできです。

ギター・サウンドをベースとしながらも、シャープなストリングス・アレンジが混じり、適度なポップスに仕上がっています。
中にはキーボード・ベースの曲もあったりして。

歌詞の世界は、揺らぎ、迷い、焦燥、ぬくもり、といった、日常にありながら、忘れてはいけないものがテーマでしょうか。
ラブソングなのか、解散したバンドメンバーを歌ったものなのか。
はたまた、ポップ・ミュージシャンでありながら、イマイチ売れない、ポップであることのアイデンティティを思い返したり。

売れなくても好きですよ。


  1. Who Am I
  2. rainy rainy rainy blues
  3. カタワレ
  4. 甘い煙
  5. 転がるビー玉
  6. リナリア
  7. Love her...
  8. 愛が通り過ぎて
  9. ランドマーク
  10. 橙ラプソディー


Produced by 佐藤千亜妃、河野圭
G: 名越由貴夫、岡田拓郎、真壁陽平、井上銘
B: 新井和輝、越智俊介、山口寛雄、須藤優、あきらかにあきら
D: 石若駿、mabanua
Harp: Ichika


2021年10月17日日曜日

Come 2 My House / Chaka Khan (1998)

Prince 全面プロデュースの、9枚目のソロ・アルバムです。

ベスト盤 Epiphany が1996年に発売された後、Warner から契約を解除された Chaka Khan。
一方で、Prince も Warner との確執の末、1996年のアルバム"Chaos And Disorder" を最後に Warner から離れます。
さらに、Warner との契約が終了した Larry Graham も加えて、 反 Warner 連合とも言うべき NPG Record が立ち上がります。
というバック・グランドがあっての、このアルバム。Larry Graham も参加しています。

ほとんどの曲を Prince が書き、Chaka が歌詞をつけ、両者で一緒にプロデュースしています。
その割には、Prince が全面に出ていないところがエライ。
強烈な Prince 流ファンクもありますが、それだけでなく、Chaka の歌声を活かしたバラッドもあり、意外とバラエティに富んでいます。

シングルとなった "Spoon" はミディアム・テンポのファンク・ナンバー。いい曲で好きですが、多分シングルとしては売れないでしょうね。(実際売れてません)
それとカバーが2曲。Prince の "Don't Talk 2 Strangers"。96年の "Girl 6" に収録された曲らしいですが、聴いたことはありませんでした。そもそも "Girl 6" は入手できるのか?
もう1曲は Graham Central Station のヒット曲 "Hair"。難しい曲をカバーするなあ。

簡単に入手できるアルバムではありませんが、悪くない。彼女のベストではありませんが、捨てるべきアルバムではありません。


  1. Come 2 My House
  2. (Intro) This Crazy Life Of Mine
  3. Betcha Eye
  4. Spoon
  5. Pop My Clutch
  6. Journey 2 The Center Of Your Heart
  7. Eye'll Never B Another Fool
  8. Democrazy
  9. Eye Remember U
  10. Reconsider (U Betta)
  11. Don't Talk 2 Strangers
  12. Hair
  13. The Drama


  • Written:Prince, Chaka Khan, Howard McCrary, Robert D. Palmer, Larry Graham, Kirk Johnson
  • Michael B. Nelson (trombone)
  • Kathy Jensen (baritone sax)
  • Brian Gallagher (tenor sax)
  • Dave Jensen (trumpet)
  • Steve Strand (trumpet)
  • Clare Fischer (trumpet)
  • Larry Graham (bass)
  • Brother Jules (scratches)
  • Queen Latifah (vocals)
  • Chanté Moore (vocals)
  • Marva King (background vocals)
  • Rhonda Smith (bass)
  • Kirk Johnson (all instruments)
  • Produce, Arranged:Prince, Chaka Khan, Howard McCrary, Robert D. Palmer, Kirk Johnson


2021年10月9日土曜日

La Varieté / Weekend (1982)

「ネオアコ」懐かしい響きです。
Tracy Thorn, Ben Watt, The Pale Fountains, Aztec Camera は聴きましたが、Weekend は初めてです。

が、素晴らしい!

ポップに、ラテン、ボサノヴァ、ジャズあたりを適度にブレンドして、これぞネオアコ、って感じです。

ネオアコっていうジャンルは本場イギリスにはないらしいですが、ポスト・パンクのムーブメントの中で、ジャジーでライトでアコースティックな音楽は、確かに80年代の初頭に大きな流れを作っていました。

今聴いても、普遍的だな、と思います。

この流れが、Acid Jazz へ発展していくのだと思いますが、その中心の一人が、Weekend のメンバーの1人 Simon Booth です。彼のバンド "Workin Week" は "Weekend" の名前のパロディでしょうか。

ものすごくキャッチーな曲こそないものの、アルバム全体を通して(ボーナス・トラックも含めて)、リラックスできる音楽だなと思います。


  1. The End Of The Affair (Statton, Spike)
  2. Weekend Stroll (Stabbins, Booth)
  3. Summer Days (Statton, Moxham, Booth, Spike)
  4. Carnival Headache (Moxham)
  5. Drum Beat For Baby (Statton, Spike)
  6. Life In The Day Of Part 1 (Statton, Stabbins, Booth, Spike)
  7. Life In The Day Of Part 2
  8. Sleepy Theory (Statton)
  9. Woman's Eyes (Statton, Spike)
  10. Weekend Off (Statton, Stabbins, Spike)
  11. Red Planes (Statton, Spike)
  12. Nostalgia (Hodell, Spike)
Bonus Tracks
  1. Red Planes (Demo)
  2. Nostalgia (Demo)
  3. Summer Days (Demo)
  4. A View From Her Room (12 Inch Version)
  5. Leaves Of Spring
  6. Past Meets Present
  7. Midnight Slows
  8. Drum Beat For Baby (12 Inch Version)


  • Alison Statton : Vocals, Bass Guitar
  • Simon Booth : Guitar
  • Spike : Guitar, Viola
  • Philip Moxham : Bass
  • Roy Dodd : Drums
  • Dawson Millar : Percussion
  • Olaf Vaz : Baritone Saxophone
  • Larry Stabbins : Baritone Saxophone, Tenor Saxophone
  • Annie Whitehead : Trombone
  • Harry Beckett : Flugelhorn
  • Produced by Robin Millar, Simon Jeffes
  • Arranged by Robbin Millar, Weekend, Simon Jeffes


2021年10月4日月曜日

The Payback / James Brown (1973)

ブラックスプロイテイション映画 "Hell Up in Harlem" のサントラ用に作成され、結局サントラには使われなかったという、ちょっと不幸なアルバムですが、分からないもので、これが JB 唯一のゴールド・ディスクになっています。

表題曲 The Payback がいいのはもちろんですが(ルーズさがたまらない)、その他の曲もどれもタイト、ファンクネスに溢れています。
うねるベースに、ギターカッティング、ホーンセクション、素晴らしい。
延々と続くループは、George Clinton の原型でしょうね。
LP では2枚組、でも8曲しか入ってなくて、いかに1曲1曲が長いかが分かります。
一番短い曲で6分弱、一番長い曲は13分近くあります。でも、これもファンク。グルーブはずっと続いて欲しい。
曲を短くしたらもっといいアルバムなのに、という批評もありますが、僕はそうは思いません。
ただ、スローな曲も長いのはちょっとやりすぎのような気もします。


  1. The Payback
  2. Doing The Best I Can
  3. Take Some, Leave Some
  4. Shoot Your Shot
  5. Forever Suffering
  6. Time Is Running Out Fast
  7. Stone To The Bone
  8. Mind Power


  • James Brown - lead vocals, electric piano
  • St. Clair Pinckney - tenor saxophone, flute
  • Maceo Parker - alto saxophone, flute
  • Darryl "Hasaan" Jamison - trumpet
  • Jerone "Jasaan" Sanford - trumpet
  • Isiah "Ike" Oakley - trumpet
  • Fred Wesley - trombone
  • Hearlon "Cheese" Martin - guitar
  • Jimmy Nolen - guitar
  • Fred Thomas - bass
  • John Starks - drums
  • John Morgan - percussion


2021年9月26日日曜日

Tribute To Arsenio Rodríguez / Orquesta Harlow (1971)

前年に亡くなったラテン界の大先輩 Arsenio Rodríguez に捧げるカバー・アルバム。
盲目のパーカッショニスト、バンドリーダーにて、ラテン・ミュージックにニューヨーク・サルサへの道を示した重要人物です。

冒頭の Arsenio は Larry Harlow と Ismael Miranda の曲で、それ以外は Arsenio Rodríguez の曲になります。オリジナルもカバーも見事なサルサとなっているのは見事です。

Ismael Miranda のヴォーカルは生き生きとしていいですね。
Harlow も Miranda も、Fania All-Stars では重要なメンバーでした。


  1. Arsenio
  2. Tumba Y Bongo
  3. Saludos A Todos Los Barrios
  4. No Me Llores
  5. Sueltala
  6. El Terror


  • Bass : Lydio Fuentes
  • Congas : Frankie Rodriguez
  • Piano : Larry Harlow
  • Timbales : Phil Newsum
  • Trombone : Leopoldo Pineda, Sam Burtis
  • Trumpet : Larry Spencer, Ralp Castrello*
  • Vocals : Ismael Miranda
  • Producer : Jerry Masucci & Larry Harlow


2021年9月18日土曜日

Nomad Soul / Baaba Maal (1998)

グローバルマーケット向けの意識が強いように感じました。
英語のコーラスに R&B の楽器フォーマット、シンセサイザーも多用されています。
それでもアフリカを強く感じるのは、言語の力が大きいのでしょうか。
ラップが英語のフォーマットであるのと同じように、サルサはスペイン語のリズムが合っています。
ここで使われているのは、おそらくセネガルの言葉でしょうが、その言語が独特のノリを生み出しているように思います。
Baaba Maal はフラニ族なので、フラニ語を使っているものと思われます。

ラスト曲 "Lam Lam" は、Brian Eno のプロデュースです。


  1. Souka Nayo (I Will Follow You)
  2. Africans Unite (Yolela)
  3. Mbolo
  4. Cherie
  5. Fanta
  6. Guelel
  7. Douwayra
  8. Iawa
  9. Yiriyaro (Percussion Storm)
  10. Koni
  11. Lam Lam


2021年9月4日土曜日

Heaux Tales / Jazmine Sullivan (2021)

14トラックですが、6トラックはおしゃべりなので、曲は8曲、EPの扱いですかね。

"Heaux" とは調べた限り「あばずれ女」といったような意味でしょうか。6トラックのおしゃべりは、6人の女性が語る "Tale"=物語です。

語られているのは「女性の性」「同性愛」「自立」「解放」など。

曲のテーマも、フェミニズム、セクシュアリティ、クラシズムなどですから、語りと曲が相まって、アルバム全体のテーマを形作っているのでしょう。

曲調は、視覚で言えば暗く、味覚で言えば渋く、そんな感じ。最近の流行りなんでしょうか。H.E.R. や Jhené Aiko と同じような感覚を受けました。

Ari Lennox、Anderson .Paak、H.E.R. が参加しています。


  1. Bodies (Intro)
  2. Antoinette's Tale
  3. Pick Up Your Feelings
  4. Ari's Tale
  5. Put It Down
  6. On It (featuring Ari Lennox)
  7. Donna's Tale
  8. Pricetags (featuring Anderson .Paak)
  9. Rashida's Tale
  10. Lost One
  11. Precious' Tale
  12. The Other Side
  13. Amanda's Tale
  14. Girl Like Me (featuring H.E.R.)

2021年8月22日日曜日

Completely Well / B. B. King (1969)

B. B. King の代表曲 "The Thrill Is Gone" 収容の重要アルバム。
B. B. King 44歳の作品です。

The Beatles の成功から、アメリカ、イギリスで、ロックという巨大市場が生まれ、その時期にちょうど脂の乗ったプレイができたことが B. B. King の幸運でしょう。きっちりその運を掴みました。
The Rolling Stones のオープニングアクトをやっていたということですから、若造め、と思いながらなのか、売れるパワーというのは彼らの方が桁違いなので、リスペクトしながらなのかは分かりませんが、そういったことがこのアルバムの成功にもつながっているのでしょう。
Mick や Kieth にとっては、ブルーズの先生です。John Lennon や Paul McCartney がロックンロールジャイアントに憧れたのと違って、多分あとでアメリカの巨大なブルーズの世界を知って、深掘りしていったのでしょう。

"The Thrill Is Gone" はオークランドのピアニスト Roy Hawkins 1951年の作品のカバーです。ゆったりとした、悲しげなギターがすばらしい。特徴的なストリングスが加えられています。
悪い時期が去ったというラブソングですが、人種差別を示唆した歌にもなっています。
B. B. King はライブでは必ず演奏するそうです。

確かに、"The Thrill Is Gone" は飛び抜けていますが、その他の曲が駄作かというととんでもない。全曲力の入った素晴らしい曲ばかりで、1曲目の "So Excited" から最高です。

プロデューサーは Eagles でお馴染みの Bill Szymczyk、やっぱりいい仕事してます。


  1. So Excited
  2. No Good
  3. You're Losin' Me
  4. What Happened
  5. Confessin' the Blues
  6. Key to My Kingdom
  7. Cryin' Won't Help You Now
  8. You're Mean
  9. The Thrill Is Gone


B.B. King: Vocals, lead guitar
Hugh McCracken: Rhythm guitar
Paul Harris: organ, acoustic and Fender Rhodes electric piano
Jerry Jemmott: Bass
Herbie Lovelle: Drums

Produced by Bill Szymczyk


2021年8月15日日曜日

Bigger Than Both of Us / Daryl Hall and John Oates (1976)

前年のシルバー・アルバムとほぼ同じフォーマットの、RCA第2弾アルバム。

セカンドシングル "Rich Girl" は彼らにとっての初の#1ヒットとなりました。
これはハンバーガーチェーンの御曹司からインスパイヤされたとのこと。この Errol Wetson は Ernest Hemingway の孫娘であるモデルの Margaux Hemingway と結婚してます。それが1975年。ハンバーガーチェーン "Wetson's" は1975年に別のファーストフードチェーンと統合して名前はなくなっています。
Motown っぽい曲ですが、アルバムの中ではかなりポップ寄りです。

一方で、ファーストシングルの "Do What You Want, Be What You Are" はフィラデルフィアソウルのバラッドで、こちらも佳曲です。

アルバムは "Back Together Again" で始まりますが、実はこの曲が一番好きです。スリリングなイントロ、グルーブするベース、ファルセットコーラスがたまりません。こういうのって、やっぱり John Oates ですよね。

ややこしいのは、"Bigger Than Both of Us" という曲が、次のアルバム "Beauty on a Back Street" に入っていること。このアルバムには入ってません。後から作ったのか、このアルバムの選に漏れたのか。

Eagles が "New Kid in Town" を出したのが1976年12月。この頃の Hall & Oates はニューカマーとして噂の中心だったんでしょうね。

1. Back Together Again John Oates
2. Rich Girl Daryl Hall
3. Crazy Eyes John Oates
4. Do What You Want, Be What You Are Daryl Hall, John Oates
5. Kerry Stephen Dees, Daryl Hall
6. London Luck & Love Sara Allen, Daryl Hall, John Oates
7. Room to Breathe Sara Allen, Daryl Hall
8. You'll Never Learn Daryl Hall, John Oates
9. Falling Daryl Hall

Daryl Hall vocal, keyboards, mandola, synthesizer
John Oates vocal, rhythm guitars, harmonica
Christopher Bond lead guitar, keyboards, synthesizer
Tom Hensley acoustic piano
Scotty Edwards bass
Leland Sklar bass
Jim Gordon drums
Ed Greene drums
Slugger Blue "G kick" drums on "You'll Never Learn"
Gary Coleman percussion
Tom Scott flute, saxophone, lyricon
Charles DeChant saxophone
Ron Barry Cover Artwork

Produced by Christopher Bond
Recorded at Cherokee Studios (Hollywood, CA).

2021年8月9日月曜日

Let's Do It Again / The Staple Singers (1975)

同名のブラックスプロイテーション映画のサントラで、Curtis Mayfield が手がけています。
映画が面白いのかどうかは知りません。

The Staple Singers といえば、メンフィスのスタックス時代が最も商業的に成功し、印象が強いのですが、そのスタックス・レコードが倒産してしまいます。The Staple Singers に声をかけたのが Curtis Mayfield でこのアルバムの発売ということになりました。ただし、The Staple Singers が Curtis のレーベル "Curtom" からアルバムを出したのはこの1枚だけとなります。1枚だけの契約だったんでしょうね。次作からは Warner Music と契約しています。

表題曲は、The Staple Singers にとって最大のヒットになっていますから、スタックスを失った彼らにとっては、Curtis は救いの神だったと言えるかもしれません。

一方の Curtis は、前年に “Claudine" / Gladys Knight and the Pips 、翌年に “Sparkle" / Aretha Franklin などのサントラを手がけており、結構サントラづいています。有名どころを丸ごと契約するのは難しいけど、サントラなら1枚ずつ契約できるというレーベル経営上の解だったのかもしれません。
そして、1975年には大名盤 “There’s No Place Like America Today" を出しています。翌1976年にはこれまた名盤 “Give Get Take and Have” を出し、ラブソング時代の幕開けとなっています。

そのような背景のこのサントラ・アルバムですが、意外と Curtis 色ゴリゴリというわけではありません。Mavis Staples の唄が勝っているのか、あるいは引き立てようとしているのか、オーソドックスな R&B の雰囲気を出しています。

しかし、バックをよく聴くと、独特のワウ・ワウ・ギターや、コンガ、ストリングスの絡みなど、やっぱ Curtis すごいわ、という内容になっているところはさすがです。

後半3曲はインスト曲で、こうなるともはや The Staple Singers は関係ありません。サントラとして、どこまでシーンと連動しているのかは分かりませんが、歌無しでも存在感があります。

いずれにせよこのアルバムはThe Staple Singers × Curtis Mayfield という成功例ですね。


  1. Let's Do It Again
  2. Funky Love
  3. A Whole Lot of Love
  4. New Orleans
  5. I Want to Thank You
  6. Big Mac
  7. After Sex
  8. Chase

Arranger : Rich Tufo, Gil Askey
Producer : Curtis Mayfield


2021年7月22日木曜日

awakening / 佐藤博 featuring Wendy Matthews (1982)

フュージョンなのかAORなのか、はたまたシティ・ポップなのか。
どれにも属さないけど、強烈なオリジナリティで攻めてくるわけでもない。
メロウさが素晴らしいです。

当時アメリカに住んでいた佐藤博は、Herbie Hancock の "Mr. Hands" で使われていたリン・ドラムに衝撃を受け、これを使えば日本でも音楽が作れる、と帰国したようです。
確かに、リンのドラム・マシンは当時よく聞きましたが、意外なところで影響力があったんですね。
佐藤博は自信家で、Herbie よりも斬新なリズム・パターンを作れる、と。
実際、この "awakening" で "Mr. Hands" を超えるドラムになっているかどうかは何とも言えませんが。

制作スタイルは、一人多重録音。ギターとヴォーカルだけがゲスト参加しています。

サウンド的には、ベースの音がクリアできれいだなと思いましたが、これもキーボードかプログラミングで作り出した音だったのには驚きました。

自身で何曲か歌っているのですが、断然女性ヴォーカル Wendy Matthews の方がいい!
全曲これでやればよかったのに。

  1. AWAKENING (覚醒)
  2. YOU'RE MY BABY
  3. BLUE AND MOODY MUSIC
  4. ONLY A LOVE AFFAIR
  5. LOVE AND PEACE
  6. FROM ME TO YOU
  7. I CAN'T WAIT
  8. IT ISN'T EASY
  9. AWAKENING
  10. SAY GOODBYE

松木恒秀(g)#2,#7
鳥山雄司(g)#6
山下達郎(g)#10
Wendy Matthews(v)


2021年7月10日土曜日

Hejira / Joni Mitchell (1976)

Joni Mitchell の音楽は、"Court and Spark" から大きく変わったと思いますが、その次の "The Hissing of Summer Lawns" あたりで頂点を迎え、この "Hejira" で広がりを見せます。
僕は、この3作が最も好きです。

前2作との大きな違いは、楽器を絞りギターを大きくフィーチャしていることと、Jaco Patrius の参加です。
繊細なギターは Larry Carlton。
ほとんど録り終えた状態で、後からいくつかの曲に、Jaco のベースを入れたと聞きます。
その効果は絶大で、彼のフレットレス・ベースの深い味わいが、アルバム全体に深みと広がりをもたらしているように感じます。

Jaco は1795年に Pat Metheny の "Bright Size Life" に参加し、Weather Report の一員となります。まさにブレイク途上にこのアルバムに参加したことになります。

1976年は、Steely Dan が "The Royal Scam" を出し、Boz Scaggs が "Silk Degrees" で売れた年。ロックがフュージョンを取り入れることの波が来つつある年ですね。


1. Coyote
Joni Mitchell – vocal, rhythm guitar
Jaco Pastorius – bass
Larry Carlton – lead guitar
Bobbye Hall – percussion

2. Amelia
Joni Mitchell – vocal, rhythm guitar
Larry Carlton – lead guitar
Victor Feldman – vibes 

3. Furry Sings The Blues
Joni Mitchell – vocal, guitar
Max Bennett – bass
Neil Young – harmonica
John Guerin – drums

4. A Strange Boy
Joni Mitchell – vocal, rhythm guitar
Larry Carlton – lead guitar
Bobbye Hall – percussion

5. Hejira
Joni Mitchell – vocal, guitar
Jaco Pastorius – bass
Abe Most – clarinet
Bobbye Hall – percussion 

6. Song For Sharon
Max Bennett – bass
John Guerin – drums
Joni Mitchell – vocals & guitar

7. Black Crow
Joni Mitchell – vocal, rhythm guitar
Jaco Pastorius – bass
Larry Carlton – lead guitar

8. Blue Motel Room
Joni Mitchell – vocal, electric guitar
Chuck Domanico – bass
John Guerin – drums
Larry Carlton – acoustic guitar

9. Refuge Of The Roads
Joni Mitchell – vocal, guitar
Jaco Pastorius – bass
John Guerin – drums
Chuck Findley & Tom Scott – horns


2021年6月26日土曜日

Vamonos Pa'l Monte / Eddie Palmieri ‎(1971)

Eddie Palmieri のアルバムは初めて聴きました。何となくジャズ・ミュージシャンのイメージがあったので、サルサとして聴けるのかな、と思って食わず嫌いで敬遠してました。
このアルバムを聴いて、そんな自分の浅はかさに気づき、ごめんなさいです。
かなり熱い、立派なラテンです。

Eddie Palmieri はこれまでフルート、トロンボーンのフロントラインを実験してきたようですが、このアルバムではそれに加え、バリトン・サックス、オルガン、エレクトリック・ピアノを試しており、うまく使われています。

オールドスタイルな "Caminando"、ブラスで華々しく始まる古典的な "Viejo Socarron" ロマンティックな "Yo No Se" などの聴きどころはあるのですが、ハイライトはやはり熱いサウンドを聴かせてくれる "La Libertad Logico" と "Vamonos Pal Monte" でしょう。いずれも Ismael Quintana のシャープなヴォーカルが効いています。
"Vamonos Pal Monte" では、兄 Charlie がオルガンを弾いていて、この曲のキーになっています。
"La Libertad Logico" は「論理的な自由」、"Vamonos Pal Monte" は「山に行こう」。抵抗勢力は武器を取って山にこもるところから来ているとも。題名から分かるように、非常に政治的メッセージを含んだ曲で、この頃 Eddie Palmieri の貧困と不公正の問題への取り組みが反映しています。


  1. Revolt / La Libertad Logico
  2. Caminando
  3. Vamonos Pal Monte
  4. Viejo Socarron
  5. Yo No Se
  6. Comparsa De Los Locos


  • Eddie Palmieri Band Leader, Piano
  • Ismael Quintana Vocal
  • Bob Vianco Guitar
  • Jose Rodriguez Trombone
  • Alfredo Armentereos Trumpet
  • Victor Paz Trumpet
  • Charles Camilleri Trumpet
  • Pere Yellin Tenor Sax
  • Ronnie Cuber Baritone Sax
  • Nick Marrero Timbales & Bongo
  • Monchito Munoz Bombo
  • Eladio Perez Perez Conga
  • Arturo Franquiz Clave & Chorus
  • Fred Weinberg Engineer 
  • Miguel Estivill Producer

2021年6月19日土曜日

My Life / Mary J. Blige (1994)

90年代R&Bの傑作です。

親しみやすいメロディと、70年代を中心としたサンプリング、それと90年代ヒップホップが絶妙の融合をみせています。

Curtis Mayfield や Roy Ayers の曲なんかは、やっぱいいな、と思いますし、知らなかった曲もたくさんサンプリングされています。ようそんな曲をこの曲のバックとしてサンプルしたな、と思えるような曲も使っていて、このあたりはプロデューサーのセンスなんでしょうね。スゴイ。

アルバム全体を決定づけているのは #1 "Mary Jane" でしょうか。サンプルのちょっと懐かしいミディアムグルーブは、Rick James の作曲らしいです。

何枚か彼女のアルバムは聴きましたが、これが一番いいですね!

Title Sampling
1.Intro
2.Mary Jane (All Night Long) All Night Long / Mary Jane Girls
Close the Door / Teddy Pendergrass
3.You Bring Me Joy It's Ecstasy When You Lay Down Next to Me / Barry White
4.Marvin (Interlude)
5.I'm The Only Woman Give Me Your Love (Love Song) / Curtis Mayfield
6.K. Murray (Interlude) Tell 'Em / Erick Sermon
7.My Life Everybody Loves the Sunshine / Roy Ayers
8.You Gotta Believe
9.I Never Wanna Live Without You
10.I'm Goin' Down (cover)Rose Royce
11.My Life (Interlude)
12.Be With You High Powered / Dr. Dre
13.Mary's Joint Top Billin' / Audio Two
14.Don't Go Goodbye Love / Guy
Stay with Me / DeBarge
Speak to My Heart / Donnie McClurkin
15.I Love You Ike's Mood / Isaac Hayes
16.No One Else Free at Last / Al Green
La Di Da Di / Doug E. Fresh
17.Be Happy You're So Good to Me / Curtis Mayfield
I Want You / Marvin Gaye
18.(Bonus)(You Make Me Feel Like) A Natural Woman (Cover)Aretha Franklin

Producer : Chucky Thompson, Puff Daddy, Prince Charles Alexander, Mark Ledford, Mr. Dalvin, Poke


2021年6月13日日曜日

Long Yellow Road / 秋吉敏子-Lew Tabackin Big Band (1975)

Apple Music のロスレス配信開始は、僕医自身にとってはかなりの衝撃でした。もう CD いらんやん、ということです。
ホントにロスレス配信なるものが、それほどの音質を保っているのかどうかは検証の必要がありますが。
しかもロスレスだけでなく、一部ハイレゾも配信されているとのこと。そんなのオンラインで再生できるんかいな。
どうも空間オーディオにシフトしようとすると、ロスレスが必須ということで Apple はしょうがなくロスレスに踏み切ったようですが、とにかく英断に拍手を送りたいと思います。

というわけで Apple Music 依存が増しそうですが、Apple Music で配信されていない音楽もたくさんあるわけで、そこには CD の意味も十分あります。
例えば、このアルバム。権利関係が複雑なのか、権利者が許していないのか、配信対象ではありません。

秋吉敏子のビッグバンド楽曲は、本当に素晴らしい。
分かりやすいのかな。煌びやかで、スイングしていて、メリハリがついている。

表題曲の #1 "Long Yellow Road" から #4 "Quadrille, Anyone?" まで一気にスイングします。

#5 "Children in the Temple Ground" でちょっと日本の民謡が入るところが、いつもの秋吉敏子のオリジナルなところです。神妙なピアノとフルートのテーマの繰り返しが聴きどころでしょうか。

とにかく、アルバム全体として少し短く感じられるほど、素晴らしいです。


  1. Long Yellow Road
  2. The First Night
  3. Opus No. Zero
  4. Quadrille, Anyone?
  5. Children in the Temple Ground
  6. Since Perry / Yet Another Tear


  • Bobby Shew (tp)
  • John Madrid (tp)
  • Stu Blumberg (tp)
  • Lynn Nicholson (tp)
  • Don Rader (tp)
  • Mike Price (tp)
  • Richard Cooper (tp)
  • Charlie Loper (tb)
  • Jim Sawyer (tb)
  • Bruce Paulson (tb)
  • Britt Woodman (tb)
  • Phil Teele (bass tb)
  • Dick Spencer (a sax, fl, cla)
  • Gary Foster (a sax, s sax, fl, Cla)
  • Joe Roccisano (alt sax)
  • Lew Tabackin (t sax, fl, piccolo)
  • Tom Peterson (t sax, a fl, cla)
  • Bill Perkins (bari sax, a fl, bass cla)
  • Peter Donald (d)
  • Chuck Flores (d)
  • Gene Cherico (b)
  • 秋吉敏子 (p)
  • Tokuko Kaga (v)


2021年6月6日日曜日

COBALT HOUR / 荒井由実 (1975)

1970年代の中盤に、このサウンドのクオリティはヤバいでしょ。ティン・パン・アレイがバックを固めているとはいえ。

特に素晴らしいのは、#1 "COBALT HOUR" と#10 "アフリカへ行きたい" でしょうか。両曲はセスナの音でつながっていますが、いずれもパーカッションが効果的に使われています。

名曲 #2 "卒業写真" は、ハイファイセットへの提供曲だったんですね。ユーミン版の方が普通になってますが。高校時代の恩師を題材にしているのは後で知りました。鈴木茂のギターがいいです。

#8 "少しだけ片想い" もいいですね。ここでもギターがカッコいい。ジャンプするポップスはユーミンの十八番ですかね。

完成度の高いアルバムだと思います。


  1. COBALT HOUR
  2. 卒業写真
  3. 花紀行
  4. 何もきかないで
  5. ルージュの伝言
  6. 航海日誌
  7. CHINESE SOUP
  8. 少しだけ片想い
  9. 雨のステイション
  10. アフリカへ行きたい

鈴木茂(g)、細野晴臣(b)、林立夫 (d)、松任谷正隆(p,Key)、斉藤ノブ(per)


2021年5月30日日曜日

Warm Thoughts / Smokey Robinson (1980)

この頃の主流はディスコだったと思いますが、全くそんなことには目をくれず、独自路線を貫いているのが好感が持てます。

なんといっても、このアルバムは、1曲目の "Let Me Be the Clock" でしょう。
Miracles 時代お得意のポップ・ソングと、ソロ時代のバラッドを混ぜたような名作だと思います。

LP A 面は名曲揃い。
特に、妻 Claudette とのデュエットである #4 "Wine, Women and Song" は半自伝的内容の美しい曲です。

LP B 面は、Stevie Wonder との共作 "Melody Man" で始まります。(1980年は Stevie が "Hotter Than July" を出した年です)
ラストの #8 "Travelin' Thru" は Smokey の姉 Rose Ella Jones の素晴らしい曲です。


  1. Let Me Be the Clock
  2. Heavy on Pride (Light on Love)
  3. Into Each Rain Some Life Must Fall (Doris Fisher, Allan Roberts)
  4. Wine, Women and Song (Robinson, Marv Tarplin, Pamela Moffett)
  5. Melody Man (Robinson, Stevie Wonder)
  6. What's in Your Life for Me (Robinson, David Soul)
  7. I Want to Be Your Love
  8. Travellin' Thru' (Rose Ella Jones)


2021年5月27日木曜日

Latin-Soul-Rock / Fania All Stars (1974)

僕は、Fania All Stars のスタジオ録音を聴いたことがなかったのですが、ライブとはまた全然違ったアプローチで面白いと思いました。
タイトル通り、ラテンをスタート地点としつつ、ロックやジャズに近づいていった意欲作だと思います。
60年代のロックの隆盛が多きく影響を与えているのでしょう。
特に同じラテン・フィールドでありながら、全く違うロックの世界で成功した Santana は、彼らに「キューバではない道」を強く意識させたのではないでしょうか。

アルバムは、LPのA面(#1〜5)がスタジオ録音、B面(#6〜8)がライブとなっています。
#3 "Smoke" なんかは、ベースがかなりかっこいい、ラテン・フレーバーなほぼファンクですね。
#4 "There You Go" も ソウル・シンガー Edwin Starr の曲を歌なしでそのままなぞってます。

B面は一転、いつものサルサ祭です。
#6 "El Ratón" と #8 "Congo Bongo" はヤンキー・スタジアムのライブ、#7 "Soul Makossa" はこないだ聴いたプエルト・リコ、ロベルト・クレメンテ・コロシアムでのライブ。Manu Dibango の名曲です。
#6 "El Ratón" では Cheo Feliciano がヴォーカルをとり、Carlos Santana の弟、Maloのリーダー Jorge Santana のギター を大きくフィーチャしています。
#8 "Congo Bongo" は Larry Harlow 作、Mongo Santamaria、Ray Barretto のコンガが素晴らしいグルーブを生み出しています。

1. Viva Tirado (Gerald Wilson)
2. Chanchullo (Israel "Cachao" López)
3. Smoke (D. Ervin)
4. There You Go (Edwin Stars)
5. Mamá Güela (Tito Rodríguez)
6. El Ratón (Cheo Feliciano)
7. Soul Makossa (Manú Dibango)
8. Congo Bongo (Larry Harlow/Henry Álvarez)

Johnny Pacheco Chimes, Flute, Guiro, Percussion
Cheo Feliciano Vocals
Héctor Lavoe Vocals
Ismael Miranda Vocals
Pete "El Conde" Rodríguez Vocals
Justo Betancourt Vocals
Santos Colon Vocals
Bobby Cruz Vocals
Ismael Quintana Vocals
Ray Barretto Congas, Percussion
Nicky Marrero Percussion, Timbales
Mongo Santamaria Congas, Percussion
Roberto Roena Bongos, Percussion
Yomo Toro Tres
Billy Cobham Drums
Raymond Maldonado Trumpet
Luis "Perico" Ortíz Trumpet
Victor Paz Timbales, Trumpet
Lew Soloff Trumpet
Willie Colón Trombone
Lewis Kahn Trombone
Barry Rogers Trombone
Manu Dibango Saxophone
Jan Hammer Keyboards, Hammond Organ
Larry Harlow Keyboards, Organ, Piano
Ricardo Ray Piano
Richie Ray Keyboards
Jorge Santana Guitar
Bobby Valentín Bass