正直 Bruno Mars はあまり好きではありませんでした。もちろんヒット曲はラジオで聴いたことはありましたが、R&B というにはあまりにポップというか、フックがきついというか。ちょっと敬遠してました。 Anderson .Paak は気になる存在ではありましたが、これまた聴いたことがない。 じゃあ、Silk Sonic は話題騒然だし、この際聞いてみようか、と思い立って聴いたところ、これが素晴らしくいい! Bruno Mars さんごめんなさい、聴かず嫌いでした。
キャッチーなメロディの曲がないので、評価的には地味なアルバムなんでしょうが、捨てたものではありません! "There's No Place Like America Today" ほどのヒリヒリ感はないものの、タイトなリズムセクションにワウ・ワウ・ギターとストリングスが絡む佳曲そろいです。 といっても全6曲、A面3曲、B面3曲しか入ってないんですけどね。その分1曲がちょっと長い。
1曲目 "Love Me (Right in the Pocket)" もいいんですが、終盤に向かっての2曲 "Cannot Find a Way" と "Ain't No Love Lost" が特にいいですね。 ストリングスから始まり、終始ストリングス、コーラスワーク、ブラスが緊張感を高めている "Cannot Find a Way"。 "Ain't No Love Lost" はコンガとギターが絶妙で、ヴォーカルのファルセットに合っています。
1曲1曲のカラーと音はかなり違っているのですが、全体を通してミッド・テンポからロー・テンポのダウン・ビートが効いています。いわゆるスロー・ジャムですね。 Babyface の "Diggin' on You", "Red Light Special" なんかはその代表でしょう。
Organized Noize プロデュースのミッド・テンポ "Waterfalls" は特徴的なメロディ・ラインの名曲です。"Don't go chasing waterfalls, Please slick to the rivers and the lake that you're used to, I know that you're gonna have it your way or nothing at all but I think you're moving too fast" HIVやドラッグを取り上げた社会的なメッセージを含んでいます。
実は一番かっこいいなと思うのが、"If I Was Your Girlfriend" です。Prince が1987年に出した "Sign o' the Times" の中の1曲ですが、メロディ・ラインと基本的な構成は原曲を踏襲しながら、硬質なリズム・アレンジとコーラス・ワークが秀逸です。カバーの成功例でしょう。
コロナ禍の中で作曲し、より人と関わりたいと感じレコーディングしたと言います。 また、全員が集まって「せいの!」で音合わせできず、レコーディングは困難だっとも聞きました。 そういう思いにキッチリ応えられる Danish Radio Big Band の人たちは、本当に素晴らしいミュージシャンなんだろうなと感じました。
I Said Cool, You Said... What?
Your Scenery Story
Mingle-Mangle Goody Bag
Home
Mimi’s March
On That Side
Green
#1.Soloist: Nicolai Schultz (fl), Per Gade (g) #2.Soloist: Mads la Cour (flh), Hans Ulrik (ts) #3.Soloist: Henrik Gunde (p), Peter Fuglsang (as) #4.Soloist: Petter Hängsel (tb), Henrik Gunde (p), Mads la Cour (flh) #5.Soloist: Peter Dahlgren (tb), Anders Gaardmand (bs) #6.Soloist: Kaspar Vadsholt (b), Mårten Lundgren (tp), Karl-Martin Almqvist (ts), Søren Frost (ds)
Soloist: Karl-Martin Almqvist (ts) Recorded on March 8th - 11th, 2021 at DR Koncerthuset Studio 2 & 3, Copenhagen,Denmark
大ヒット曲 "Celebration" を擁したミリオンセラー・アルバム。 新リード・シンガー James Taylor のソフトなボーカルの魅力満載です。 70年代はファンクをリードしてきた彼らですが、このアルバムではファンクを昇華して、ポスト・ディスコというのか、コンテンポラリーR&Bを展開しています。
ベスト盤 Epiphany が1996年に発売された後、Warner から契約を解除された Chaka Khan。 一方で、Prince も Warner との確執の末、1996年のアルバム"Chaos And Disorder" を最後に Warner から離れます。 さらに、Warner との契約が終了した Larry Graham も加えて、反 Warner 連合とも言うべき NPG Record が立ち上がります。 というバック・グランドがあっての、このアルバム。Larry Graham も参加しています。
ほとんどの曲を Prince が書き、Chaka が歌詞をつけ、両者で一緒にプロデュースしています。 その割には、Prince が全面に出ていないところがエライ。 強烈な Prince 流ファンクもありますが、それだけでなく、Chaka の歌声を活かしたバラッドもあり、意外とバラエティに富んでいます。
シングルとなった "Spoon" はミディアム・テンポのファンク・ナンバー。いい曲で好きですが、多分シングルとしては売れないでしょうね。(実際売れてません) それとカバーが2曲。Prince の"Don't Talk 2 Strangers"。96年の "Girl 6" に収録された曲らしいですが、聴いたことはありませんでした。そもそも "Girl 6" は入手できるのか? もう1曲は Graham Central Station のヒット曲 "Hair"。難しい曲をカバーするなあ。
B. B. King の代表曲 "The Thrill Is Gone" 収容の重要アルバム。 B. B. King 44歳の作品です。
The Beatles の成功から、アメリカ、イギリスで、ロックという巨大市場が生まれ、その時期にちょうど脂の乗ったプレイができたことが B. B. King の幸運でしょう。きっちりその運を掴みました。 The Rolling Stones のオープニングアクトをやっていたということですから、若造め、と思いながらなのか、売れるパワーというのは彼らの方が桁違いなので、リスペクトしながらなのかは分かりませんが、そういったことがこのアルバムの成功にもつながっているのでしょう。 Mick や Kieth にとっては、ブルーズの先生です。John Lennon や Paul McCartney がロックンロールジャイアントに憧れたのと違って、多分あとでアメリカの巨大なブルーズの世界を知って、深掘りしていったのでしょう。
"The Thrill Is Gone" はオークランドのピアニスト Roy Hawkins 1951年の作品のカバーです。ゆったりとした、悲しげなギターがすばらしい。特徴的なストリングスが加えられています。 悪い時期が去ったというラブソングですが、人種差別を示唆した歌にもなっています。 B. B. King はライブでは必ず演奏するそうです。
確かに、"The Thrill Is Gone" は飛び抜けていますが、その他の曲が駄作かというととんでもない。全曲力の入った素晴らしい曲ばかりで、1曲目の "So Excited" から最高です。
プロデューサーは Eagles でお馴染みの Bill Szymczyk、やっぱりいい仕事してます。
So Excited
No Good
You're Losin' Me
What Happened
Confessin' the Blues
Key to My Kingdom
Cryin' Won't Help You Now
You're Mean
The Thrill Is Gone
B.B. King: Vocals, lead guitar Hugh McCracken: Rhythm guitar Paul Harris: organ, acoustic and Fender Rhodes electric piano Jerry Jemmott: Bass Herbie Lovelle: Drums
一方の Curtis は、前年に “Claudine" / Gladys Knight and the Pips 、翌年に “Sparkle" / Aretha Franklin などのサントラを手がけており、結構サントラづいています。有名どころを丸ごと契約するのは難しいけど、サントラなら1枚ずつ契約できるというレーベル経営上の解だったのかもしれません。 そして、1975年には大名盤 “There’s No Place Like America Today" を出しています。翌1976年にはこれまた名盤 “Give Get Take and Have” を出し、ラブソング時代の幕開けとなっています。
Eddie Palmieri のアルバムは初めて聴きました。何となくジャズ・ミュージシャンのイメージがあったので、サルサとして聴けるのかな、と思って食わず嫌いで敬遠してました。 このアルバムを聴いて、そんな自分の浅はかさに気づき、ごめんなさいです。 かなり熱い、立派なラテンです。
Eddie Palmieri はこれまでフルート、トロンボーンのフロントラインを実験してきたようですが、このアルバムではそれに加え、バリトン・サックス、オルガン、エレクトリック・ピアノを試しており、うまく使われています。
オールドスタイルな "Caminando"、ブラスで華々しく始まる古典的な "Viejo Socarron" ロマンティックな "Yo No Se" などの聴きどころはあるのですが、ハイライトはやはり熱いサウンドを聴かせてくれる "La Libertad Logico" と "Vamonos Pal Monte" でしょう。いずれも Ismael Quintana のシャープなヴォーカルが効いています。 "Vamonos Pal Monte" では、兄 Charlie がオルガンを弾いていて、この曲のキーになっています。 "La Libertad Logico" は「論理的な自由」、"Vamonos Pal Monte" は「山に行こう」。抵抗勢力は武器を取って山にこもるところから来ているとも。題名から分かるように、非常に政治的メッセージを含んだ曲で、この頃 Eddie Palmieri の貧困と不公正の問題への取り組みが反映しています。
Apple Music のロスレス配信開始は、僕医自身にとってはかなりの衝撃でした。もう CD いらんやん、ということです。 ホントにロスレス配信なるものが、それほどの音質を保っているのかどうかは検証の必要がありますが。 しかもロスレスだけでなく、一部ハイレゾも配信されているとのこと。そんなのオンラインで再生できるんかいな。 どうも空間オーディオにシフトしようとすると、ロスレスが必須ということで Apple はしょうがなくロスレスに踏み切ったようですが、とにかく英断に拍手を送りたいと思います。
というわけで Apple Music 依存が増しそうですが、Apple Music で配信されていない音楽もたくさんあるわけで、そこには CD の意味も十分あります。 例えば、このアルバム。権利関係が複雑なのか、権利者が許していないのか、配信対象ではありません。
なんといっても、このアルバムは、1曲目の "Let Me Be the Clock" でしょう。 Miracles 時代お得意のポップ・ソングと、ソロ時代のバラッドを混ぜたような名作だと思います。
LP A 面は名曲揃い。 特に、妻 Claudette とのデュエットである #4 "Wine, Women and Song" は半自伝的内容の美しい曲です。
LP B 面は、Stevie Wonder との共作 "Melody Man" で始まります。(1980年は Stevie が "Hotter Than July" を出した年です) ラストの #8 "Travelin' Thru" は Smokey の姉 Rose Ella Jones の素晴らしい曲です。
Let Me Be the Clock
Heavy on Pride (Light on Love)
Into Each Rain Some Life Must Fall (Doris Fisher, Allan Roberts)
Wine, Women and Song (Robinson, Marv Tarplin, Pamela Moffett)