2025年8月17日日曜日

Gravy / BJ the Chicago Kid (2023)

"BJ the Chicago Kid" って言いにくい名前やな、と思ってましたが、「シカゴ小僧の Bryan James (Sledge)」てな感じだったんですね。
それにしてもミドルネームをイニシャルに入れる?

アルバムは、ソウル+ポップの絶妙なミックスって感じでしょうか。
完全ポップな曲もあれば、PJ Morton 的ソウルな曲もあるかと思えば、Prince 的あるいは Childish Gambino 的な曲、ギターサウンドの曲、ジャジーな曲等、かなりバラエティに富む曲の集まりになっています。
かと言って、散漫な印象ではなく、飽きさせない内容になっています。

ゲストも素晴らしい。中でも Philip Bailey は大御所を引っ張り出して来たな、と思います。
それと、女性ヴォーカルが光ってます。Coco Jones、Chlöe、 Andra Day。
彼女らが参加した曲はどれもいい。


  1. Best Night Of Your Life (Intro) [Charlie Bereal & Yeti Beats]
  2. Spend The Night (featuring Coco Jones) [Yeti Beats]
  3. Never Change (featuring Philip Bailey) [Yeti Beats]
  4. Forgot Your Name (featuring Cory Henry) [Charlie Bereal & Yeti Beats]
  5. Liquor Store In The Sky (featuring Freddie Gibbs) [Charlie Bereal & Yeti Beats]
  6. Get Loose [Yeti Beats]
  7. Who Cares [Yeti Beats]
  8. Honey (featuring Chlöe) [Yeti Beats]
  9. Long Time [Charlie Bereal & Yeti Beats]
  10. Smoke Break (featuring Robert Glasper) [Yeti Beats]
  11. Feel Something Do Something [Charlie Bereal & Yeti Beats]
  12. Feel Good [Yeti Beats]
  13. Crazy Love (featuring Andra Day [Yeti Beats]
  14. Nobody Knows [Charlie Bereal & Yeti Beats]
  15. We'll Be Alright (Outro) [Charlie Bereal & Yeti Beats]

[ ]:Producer


  • BJ the Chicago Kid : Arranger, Composer, Lyricist, Vocals
  • Yeti Beats : Producer, Programmer
  • Coco Jones : Vocals
  • Cory Henry : Composer, Keyboards, Lyricist
  • Alissia Benveniste : Co-Producer, Composer, Guitar, Guitar (Bass), Lyricist, Producer
  • Andra Day : Composer, Featured Artist, Lyricist
  • Boo Mitchell : Engineer, Piano, Producer
  • Charlie Bereal : Arranger, Composer, Guitar, Lyricist, Producer
  • Chloe Bailey : Composer, Featured Artist, Lyricist
  • Freddie Gibbs : Featured Artist
  • Philip Bailey : Composer, Featured Artist, Lyricist, Vocals
  • Robert Glasper : Featured Artist
  • Rogét Chahayed : Co-Producer, Composer, Keyboards, Lyricist, Producer, Strings

Recorded at Royal Studios in Memphis, Tennessee


2025年8月10日日曜日

Troubadour / J. J. Cale (1976)

「気だるい」サウンドを求めて、今年もまた J. J. Cale。
今年は格別に暑く、夏バテ気味によく合います。

4枚目のアルバムですが、サウンド的には色々試みをしているように思います。意外とバラエティに富んだ曲が集まっていますが、結局彼のやる気ミニマムな(に聞こえる)ヴォーカルで全てを包み込んでいます。
懐古趣味的なラグタイム調の曲もあれば、ロックな曲もあり、ブルーズあり、リズム中心の曲あり...なかなか一筋縄ではいきません。
Ry Cooder のようにルーツ・ミュージックに的を絞ったものではなく、あくまで「今」の時代の新たなサウンドなんですね。独特なので「タルサ・サウンド」と呼ばれるのも分かります。

Eric Clapton はこのアルバムから2曲カバーしています。
最初は、#6 "Cocaine"。このアルバムの翌年に出した "Slowhand" の1曲目で、今や Eric Clapton の代表曲のような扱いかも。ほぼオリジナル丸コピーですね。もちろんギター・ソロ部分は違いますが。
もう1曲は、#2 "Travelin' Light"。2001年 "Reptile" に収められています。こちらは、洗練されたアレンジが施されていて、J. J. Cale の曲とは気付きません。

1曲目 "Hey Baby" がまたいい。小気味のいいブラスと終盤の気持ちのいいギター・ソロがたまりません。
こういう曲を1曲目に持ってくる、というのは本人の意思なのか、プロデューサーの意図なのか。いずれにせよ、聴く側(特に僕のような)の求めるものを分かってる、ていう感じです。

"Troubadour" とは中世の宮廷を舞台とした恋愛抒情詩の詩人、作曲家、あるいは吟遊詩人のこと。タルサから離れない彼が何でそんなタイトルにしたのかは分かりませんが、確かに素朴な歌は吟遊詩人的でもあり、いくつかの曲はラブ・ソングです。


  1. Hey Baby
  2. Travelin' Light
  3. You Got Something
  4. Ride Me High
  5. Hold On
  6. Cocaine
  7. I'm A Gypsy Man [Sonny Curtis]
  8. The Woman That Got Away
  9. Super Blue
  10. Let Me Do It To You
  11. Cherry
  12. You Got Me On So Bad


  • Guitar : Doug Bartenfeld, Bill Boatman, Harold Bradley, Chuck Browning, J. J. Cale, Gordon Payne, Reggie Young
  • Steel guitar : Buddy Emmons, Lloyd Green
  • Bass : J. J. Cale, Tommy Cogbill, Charles Dungey, Joe Osborn, Bill Raffensperger
  • Keyboards : J. J. Cale, Bill Pursell, Don Tweedy, Bobby Woods
  • Drums : Kenny Buttrey, Buddy Harman, Karl Himmel, Jimmy Karstein, Kenny Malone
  • Percussion : J.I. Allison, Audie Ashworth, Farrell Morris
  • Saxophone : Billy Puett
  • Trumpet : George Tidwell
  • Trombone : Dennis Goode
  • Additional Vocals : Gary S. Paxton
  • Producer : Audie Ashworth


2025年8月3日日曜日

Awa Come / チャットモンチー (2010)

最近ホント、日本語の曲聴くと安心するわ。
洋楽大好きなんやけど、疲れるようになってきた。
なんでやろな。言葉がスッと入ってきて、サウンドと歌詞が相まった曲の世界を感じやすいからなんかな...
それとも単に歳なだけか...

チャットモンチーの "Awa Come" は「徳島」をテーマにしたミニアルバム。
ミニアルバムといっても、8曲なので、LP時代だとフルアルバムでしょう。
"Awa" は当然「阿波」のこと。ジャケットは阿波踊りです。
明確に「徳島」をテーマにしていると分かるのは「青春の一番札所」のみ。
一番札所は八十八ケ所巡りの霊山寺のこと。鳴門やったかな。ちなみに我が郷里には八十八番札所大窪寺があり、自慢でした。
あとは「また、近いうちに」も故郷を歌ったものですが、こちらは「徳島」のモチーフは出てきません。
ただ、このアルバム自体は、メンバーで1ヶ月かけて徳島のスタジオで録音したものですので、強く徳島を意識していたのは確かです。

一番、いい曲だなあ、と感心したのは「相変わらず」です。高橋久美子の詞の素晴らしさが炸裂しています。
「Tシャツの裾なびいて」「チャイム鳴らす」「おろしたてのサンダルつっかけて」「自転車飛ばす」
短い詞の中で、関係性や情景が生き生きと描写されていて、目に浮かぶようです。しかも、しみじみドラマチックな結末まであり、ストーリーテリングとして秀逸だと思いました。

橋本絵莉子は、詞先の曲作りと言われているので、これも詞にメロディをつけたんでしょうか。リズム、メロディがない中で、曲として成り立つ詞を書くのって、どんな感じなんでしょう。少なくとも、Aメロ、Bメロは意識しないといけないでしょうし、小節が合ってないと曲として成り立たないし、なんか難しそうな気がします。詞のモチーフから曲を作って、詞を完成、修正していくのであればまだマシでしょうが。
また、この曲は、ストリングスをうまく使っているのも特徴だと思いました。初めはストリングスがなく進行するのですが、後半に入ってからは、ストリングスが入り、そのリフが印象的です。大学の後輩によるものらしいです。


  1. ここだけの話 [作詞・作曲:橋本絵莉子]
  2. キャラメルプリン [作詞:高橋久美子、作曲:橋本絵莉子]
  3. 青春の一番札所 [作詞:高橋久美子、作曲:橋本絵莉子]
  4. 雲走る [作詞:高橋久美子 作曲:橋本絵莉子]
  5. あいかわらず [作詞:高橋久美子、作曲:橋本絵莉子]
  6. セカンドプレゼント [作詞・作曲:福岡晃子]
  7. My Sugar View [作詞:福岡晃子、作曲:橋本絵莉子]
  8. また、近いうちに [作詞:高橋久美子、作曲:橋本絵莉子]


2025年7月28日月曜日

American Dreamers: Voice Of Hope, Music of Freedom / John Daversa Big Band Featuring DACA Artists (2018)

DACA とは  Deferred Action for Childhood Arrivals のことで、16歳未満でアメリカに不法移民の子として連れて来られた子供を保護するためのプログラムです。
この DACA の対象となった人を "Dreamer" と呼びます。
このプログラムはオバマ民主党政権下で成立した、実に民主党らしい政策でしたが、例に漏れずトランプ共和党政権下で廃止されそうになります。

このアルバムは明らかに DACA プログラムを支援する目的で作られています。
アルバムには18タイトル入っていますが、内半分は DACA Dreamers のコメントです。
メキシコ、ベネズエラ、パキスタン、セネガル、ブラジル等々の国から違法入国した家族の子供が、自らのストーリーを語っています。
みんな何らかの楽器の演奏者で、ジャズへの想いを語ると同時に、そういう機会を与えてくれた DACA プログラムへ感謝を述べています。

曲は、ほとんどがカバー曲で、アメリカや移民についての曲です。
James Brown の "Living in America" に始まり、Cole Porter の "Don't Fence Me In"、Led Zeppelin の "Immigrant Song" のラップバージョン、"Stars and Stripes Forever"、ウエストサイドストーリーから "America"、古典の "America the Beautiful" へと続きます。

John Daversa はトランペット奏者でかつマイアミ大学で音楽を教えている教師でもあります。そのキャリアの中で、何人かの DACA Dreamers に出会い、興味を持ったのかもしれません。
アルバムのアイデアはプロデューサーのベーシスト Kabir Sehgal と 弁護士の Doug Davis がもたらし、John Daversa Big Band により形になりました。


  1. Salvador
  2. Living In America
  3. Saba
  4. Don’t Fence Me In
  5. Caliph
  6. Immigrant Song
  7. Daisy
  8. Deportee (Plane Wreck at Los Gatos)
  9. Denzel
  10. Stars And Stripes Forever
  11. Alicia
  12. America (West Side Story)
  13. Juan Carlos
  14. America The Beautiful
  15. Maria
  16. All Is One
  17. Edson
  18. Red, White, and Remixed


  • Miguel Martinez: vocals, guitar, percussion
  • Israel Arce: vocals, violin, percussion
  • Maria Moreno: vocals, flute, percussion
  • Edson Alvarado Fierro: vocals, trumpet, percussion
  • Saba Nafees, Daniella Santos Vieira: vocals, piano, percussion
  • Victor Acosta, Guillermo Martinez, Ana Rodriguez, Doug Davis , Arturo Fernandez, Tomas Monzon, Manny Macias Sandoval, Karina Macias Sandoval, Brisa Ledezma, Patricia Jimenez, Claudia Jimenez, Adrian Escarte, Abdou Doumboya, Juana Delgado Hoyo, Raymond Partolan, Francis Tume, Andrea Seabra, Rixa Rivera Sandoval, Ana Sanchez, Ray Pineda: vocals, percussion
  • Julie Kim, Edwin Alvarez, Michael Hernandez, Mannywellz, Tobore Oweh, Jocelyn Guzman, Tifany Del Rio, Daisy Cardozo, Hareth Andrade Ayala, Kevin Alavrez, Maribel Serrano, Pablo Saldana, Gaby Pacheco, Kate Ried: vocals
  • Zach Larmer: guitar
  • Henry Mancini: strings
  • Jose “Pepe” Carlos Ramirez: accordion
  • Salvador Perez Lopez: clarinet, percussion
  • Jesus Cortez Sanchez: clarinet
  • Melvin Butler, David Leon, Josiah Boornazian, Tom Kelley, Chris Thompson Taylor: saxofone
  • Jean Caze, Jack Wengrosky, Michael Dudley, Jesus Mato, Jr.: trumpet
  • Denzel Mendoza: trombone, percussion
  • Paul Young, Wesley Thompson, Jessica Hawthorne, Derek Pyle: trombone
  • Tal Cohen: piano, keyboards
  • Juan Carlos Alarcon Moscoso: piano, percussion
  • Haziel Andrade: piano
  • Gene Coye: drums
  • Andreas Magnusson, Kabir Sehgal, Michael Angel, Murph Aucamp, Denea Joseph, Leezia Dhalla, Alicia Del Aguila, Eunsoo Yeong, Antonia Riviera: percussion

  • Recorded March – July, 2018, at Frost School of Music, Coral Gables, FL
  • Producers: Kabir Sehgal and Doug Davis


53 Dreamers were featured in the album from 17 different states and 17 different countries.
Some of the countries include Belize, Brazil, Canada, Mexico, Pakistan, Senegal, and Venezuela.
Dreamers sang, performed poetry, and even rapped.


2025年7月20日日曜日

Dindin / Kimi Djabaté (2023)

先日関西万博に行ってきました。
一番気分が上がったのは、写真でしか見たことがなかった楽器の実物を見れたこと。マリのブースでは、コラを置いてたし、ブルキナファソではンゴニを飾ってました。カリンバ(リケンべ)もどっかにあったかな。
それと、実際に触って音が出せたのも興奮しました。トリニダード・トバゴでは、スチールパンを叩け、他でもバラフォンやコンガを叩け、カリンバを弾いてみることもできました。
それだけでも行った価値がありました。
知らない国もたくさんありましたし。

そんな国の一つ、ギニア・ビサウのミュージシャン、Kimi Djabaté の久々のアルバム。
楽器演奏と歌詞による歴史伝承を託されたグリオの家系で、バラフォンを専門としていた家だったようです。
アルバム・ジャケットでも彼自身がバラフォンとマレットを持っています。

歌詞はマンディンガ語。全く分かりませんが、マンディンガ族の言葉です。
マンディンガ族は、中世にマリ帝国を築いた民族の末裔で、西アフリカに点在しているようです。
「ルーツ」(Alex Haley) のクンタ・キンテはマンディンガ族とされているようですが、西アフリカは、アメリカ大陸への奴隷貿易の一大拠点だった歴史があります。ポルトガル植民地時代のことです。
独立後のギニア・ビサウは政情が不安定で、そのせいでもあるんでしょう、Kimi Djabaté はある時からポルトガル在住です。
ちなみに、ビサウは首都で、ギニア、赤道ギニアと区別するために、ギニア・ビサウという国名にしたようです。ギニア、赤道ギニア、ギニア・ビサウとも離れた国なのに、なぜギニア?(一説では、ギニアは黒人たちの土地というベルベル語から来ている)

伝統楽器と地元言語の曲ですが、聴きやすく、モダンな感じがするのは、ポルトガル在住という地理的なものが影響しているのでしょうか、あるいは Kimi Djabaté のポップ・センスの成せる技なのか。
結構タイトル名は繰り返し発音語が多いですね。"Dindin" とか "Mana Mana" とか "Djugu Djugu" とか。
#4 "Kambem" は団結がテーマ。飢餓、戦争の終結、正義、誇りを歌ってます。
タイトル曲 #6 "Dindin" は子供たち。グリオの家系に生まれ、音楽を強制された経験から、子供たちからの搾取を訴えています。
#7 "O Manhe" は強制結婚への反対を歌っています。アフリカでは経済的な要因で若い女性が人身売買の被害者となることが深刻な社会問題となっていることを訴えています。

アルバム全体として、宗教、女性の権利、貧困、教育、政治などの社会的なテーマを扱いながら、ダンス、ポップ・ミュージックとして成立させているところが素晴らしいと思います。


  1. Afonhe
  2. Yensoro
  3. Alidonke
  4. Kambem
  5. Dindin
  6. O Manhe
  7. Sano
  8. Mbembalu
  9. Mana Mana
  10. Djugu Djugu


  • Kimi Djabaté : vocals, acoustic guitar, bongos, bala, claps, mola
  • Marcos Alves : percussion
  • Chico Santos : bass
  • Mamadi Djabaté : electric guitar
  • Paulo Borges : keyboards, accordion
  • Miroca Paris : congas, bongos
  • Fernando Fafe : vocals
  • Mbye Ebrima : kora
  • Elmano Coelho : saxophone
  • Daniel Salomé : saxophone


2025年7月6日日曜日

A Quiet Storm / Smokey Robinson (1975)

3枚目のソロ・アルバム。
"Quiet Storm" というラジオ・カテゴリーの名前の元になったのがこのアルバム or 曲になります。

アルバムからは #3 "Baby That's Backatcha" がシングルになって、ヒットしていますが、圧倒的に表題曲の存在感がすごい!
ベースに鳴り続けるシンセ、間奏のフルート、キーボード、ソフトな曲調でありながら、一転サビでグッと盛り上がる(と言っても静かに)ところも含めて、全機能的に "Quiet Storm" を表現しています。
何と言っても、Smokey Robinson のハイトーン・ヴォイスが曲調を生かしています。
作曲は、Smokey Robinson と 妹の Rose Ella Jones。どういう役割分担をしているのか知りませんが、Rose Ella Jones にとってもこの曲は代表曲でしょう。

アルバムを通して、ソフト&メロウな曲が大半を占め、印象を形作っています。
2〜3曲ほど少しアップ・テンポな曲もありますが、いいアクセントになっている感じですね。
曲間では嵐的な風の音が挿入されており、アルバム全体として "Quiet Storm" を表しているんでしょう。
そういう意味ではコンセプト・アルバムと言えなくもありません。
まったりしたいときに、アルバム全体を流しておきたい、そんなアルバムです。

ちなみに #4 はその名の通り Jermaine Jackson と Hazel Gordy の結婚のために作られた曲です。Hazel Gordy は Berry Gordy の娘で、よくもまあそんな人と結婚するわ、と思いますが、The Jackson 5 が CBS に移籍するときに 義父である Berry Gordy に引き止められ、The Jackson 5 は "Jacksons" として、Michael が音楽をリードするグループに脱皮します。Jermaine もその後ソロとして活躍しますが。
Robinson と Gordy はモータウンを一緒に作った盟友ですので、家族同様だったんでしょうね。


  1. Quiet Storm *
  2. The Agony And The Ecstasy
  3. Baby That's Backatcha
  4. Wedding Song
  5. Happy (Love Theme From "Lady Sings The Blues") **
  6. Love Letters *
  7. Coincidentally


All tracks written by Smokey Robinson, except 
* by Robinson, Rose Ella Jones
** by Robinson, Michel Legrand


  • Keyboards, Backing Vocals, Arrange : Russ Turner
  • Guitar : Marv Tarplin
  • Bongos, Congas, Backing Vocals : James "Alibe" Sledge
  • Horns, Woodwind : Fred Smith
  • Electric Cello : Michael Jacobsen
  • Drums : Gene Pello
  • Drums, Percussion : Joseph A. Brown Jr.
  • Percussion : Gary Coleman
  • Backing Vocals : Carmen Bryant, Melba Bradford
  • Special Sound Effects : Shawn Furlong, Terry Furlong
  • Produce, Arrange : Smokey Robinson


The "Wedding Song" was originally composed for the wedding of Jermaine and Hazel Joy Jackson December 15, 1973.


2025年6月29日日曜日

Guess Who's Coming To Dinner / Black Uhuru (1983)

このアルバムはちょっとややこしい。
1979年に Sly & Robbie のレーベル Taxi から "Showcase" というアルバムを出します。2nd. アルバムなのかな。
で、UK で売り出すにあたって、元の曲に "Shine Eye Gal" を付け足して、"Black Uhuru" というタイトルで出します。
そのリイシューがこの "Guess Who's Coming To Dinner" というわけですが、実質 "Black Uhuru" と全く同じ、"Showcase" に1曲足しただけ、ということになります。

Black Uhuru はメンバーチェンジが激しいグループですが、この頃は、Michael Rose、Duckie Simpson、Puma Jones です。ジャケットに写ってる3人ですね。ちなみにこの頃までのメンバーの変遷は次のとおりです。
(1972) Garth Dennis → (1977) Michael Rose
(1972) Don Carlos → (1977) Errol Nelson → (1977) Sandra "Puma" Jones
(1972) Duckie Simpson
基本的にはヴォーカルグループなので、3人ともヴォーカルです。

Black Uhuru はジャマイカのキングストンで結成されたレゲエグループです。
Uhuru はスワヒリ語で Freedom を意味するらしいです。ラスタファリズムに影響を受けている彼らですが、ラスタの源流のエチオピアはスワヒリ語圏ではありません。ただ、自分たちはアフリカから連れて来られた移民の子、という意識が強いんでしょうね。最初は "Uhuru" を名乗っていましたが、後に "Black Uhuru" に改名します。

このアルバムは Sly & Robbie の影響が強いアルバムです。
基本的にはダブですね。
レゲエがワールドワイドで大衆性を得たのが70年代中盤。ただそれは UK を中心としたロック寄りのレゲエで、ジャマイカではサウンドシステムを基本としたダブの世界が繰り広げられていたことでしょう。
それを洗練された形で提示したのが Sly & Robbie ではないでしょうか。
ハイハットとバスドラ、ベースを強調し、重たいのが特徴。
当時最新鋭だったんでしょうね。
僕は Sly & Robbie の音楽が正直それほど好きではないのですが、このアルバムはダブと UK レゲエの混合のような形で、好感が持てます。

#1、#4、#7などは耳に残るメロディですよねー。ちょっとクセありますが。
ちなみに、#1は Keith Richards が参加してるらしいです。売り出すのに必死だったんですね。


  1. Shine Eye Gal
  2. Leaving To Zion
  3. General Penitentiary
  4. Guess Who's Coming To Dinner
  5. Abortion
  6. Natural Reggae Beat
  7. Plastic Smile


  • Vocals : Duckie Simpson, Michael Rose, Puma Jones
  • Bass, Guitar : Robbie Shakespeare
  • Drums : Sly Dunbar
  • Lead Guitar : Radcliffe "Dougie" Bryan
  • Organ : Keith Sterling, Winston Wright
  • Composed by Black Uhuru
  • Produced by Robbie Shakespeare, Sly Dunbar, #1 by Delroy Witter


2025年6月22日日曜日

Speak No Evil / Wayne Shorter (1966)

1964年12月録音。
1964年は、Shorter が Miles バンドに加わった年ですが、早速バンドメンバーの Hancock と Carter と一緒に録音しています。

1964年8月録音の前作 "Juju" は McCoy Tyner、Reggie Workman、Elvin Jones でリズムセクションを組んでますが、Jones 以外の2人を取っ替えてます。
Tyner も Workman も Jones も Coltrane のバンドメンバーですから、Shorter がいかに Coltrane に憧れていたのか分かります。
で、今回 Coltrane から脱皮?すべく、Hancock と Carter と一緒にやったのは正解でしたね。
音楽がよりソフィスティケイトされたような気がします。
特に Hancock は僕の耳でも聴いてわかるほど Hancock だなあって感じを出しています。
新主流派のエッセンスをうまく取り込んでいるなあって感じです。
Workman と Freddie Hubbard は Art Blakey のバンド仲間ですから、今回のバンド編成は、Miles、Blakey、Coltrane の微妙なブレンドでありつつ、脱 Coltrane、脱 Blakey のアルバムではないでしょうか。

曲は全て Shorter のものですが、タイトルが曲を代表しているかどうかは分かりませんが、一種独特の感性で、世の中的には黒魔術趣味と言われています。
タイトルの "Witch Hunt" は魔女狩り、"Fee-Fi-Fo-Fum" は「ジャックと豆の木」の巨人が人間を嗅ぎ分ける時の唸り声、"Dance Cadaverous" は死者の踊り、"Speak No Evil" は "See No Evil, Speak No Evil, Hear No Evil" の一部ということで、確かに大半はおどろおどろしい感じがします。
主題から曲を作ったのか、曲を作った後で曲名を整えたのかは分かりませんが、僕には特に曲が黒魔術的とは思いません。
どうも複雑なコード進行で、演奏者の感性によるところが大きそうですが、演奏者ではない僕が理解するのは難しそういです。でも、演奏素人の僕でも十分楽しめるところがすごいんでしょうね。

ジャケットは、当時の妻の日本人女性テルコさんが大々的にフィーチャされています。彼の回想によると、テルコさんはかなり気まぐれだったようで、いい家庭は築けなかったようです。
それでも子供ミヤコをテーマにした曲 #5 "Infant Eyes" も作ってることもあり、幸せだったんでしょうね。


  1. Witch Hunt
  2. Fee-Fi-Fo-Fum
  3. Dance Cadaverous
  4. Speak No Evil
  5. Infant Eyes
  6. Wild Flower


  • Written by Wayne Shorter
  • Tenor Saxophone : Wayne Shorter
  • Trumpet : Freddie Hubbard
  • Piano : Herbie Hancock
  • Bass : Ron Carter
  • Drums : Elvin Jones

  • Recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey on December 24, 1964.


2025年6月14日土曜日

water badge / monje (2025)

東京藝大のメンバーによるチームです。
東京藝大ってそんじょそこらじゃ入れないっすよ!100%天才というか。
でも理論的じゃないのがいい。

2023年にデビューした時は大学生で、3人のチームだったのが、今は男女二人チームになったみたいですね。
主に歌っているのはヴォーカルのKananですが、たまに歌ってるサウンドクリエイトの森山瞬との組み合わせが独特で新しい心地よさがあります。

初アルバムということで、過去に発表した曲を中心に、新曲を取り混ぜて構成していますが、アルバムの最初に集めた新曲が特にいいです。#1〜#4ですね。
ポップで少しダンサブル。サウンド的にも少しカラフルかな。
サウンド・ジャンル的には特に統一感はなく、その時々で好きなことをやってる感じでしょうか。バンド・サウンドもあるし。
それでも #4 "Coyote" なんかはくぐもった音をあえて使っていて、なんでこんな音色を使えるんだろう、と感心してしまいました。この辺藝大の音楽学部ってこともあるでしょうか。
他の曲も音や音色の使い方が独特に感じます。

"monje" というのはスペイン語で修道士って意味らしいです。カタカナだと「モンジュ」。何でそんな名前をつけたのか分かりませんが、語感はいいですよね。


  1. あつまれ
  2. Kempa!
    • Keyboard : Noriyuki Takigawa
  3. Marrakech
    • Keyboard : Noriyuki Takigawa
    • Guitar : Daiki Kojima
  4. Coyote
    • Keyboard : Noriyuki Takigawa
    • Guitar : Daiki Kojima
  5. Fragrance - MPC live arrange
  6. MUTEKI
  7. Dekoboko
  8. Spice
  9. mi
  10. madobe
  11. Heya
  12. Sangría


  • Music by 森山瞬
  • Lyrics by Kanan, ex. #3 by Kanan & 島川柊


2025年6月12日木曜日

Sly Stone 追悼

6月9日に Sly Stone が亡くなりました。82歳だそうです。

何年か前のステージをTVで観たことがありますが、背中が湾曲して体型がひどく歪んでいて、それでも飛び跳ねていましたが、痛々しい感じでした。
隠遁生活を続けているようでしたが、その時も復活に向けて音楽を作っていると伝えていたような記憶があります。
「やるやる詐欺」みたいなもんですけどね。江口寿史なみの。

彼および彼のバンドについては語り尽くされていますので、今更僕が言うことはないんですが、彼が始めた音楽の影響は凄まじいものがあったと思います。
おそらくファンクと言われる音楽のスタートだったんじゃないかと思います。
それらしい音楽はあったんでしょうが、ヒット曲にしたのが大きいでしょうね。
James Brown にしろ Miles Davis にしろ Jimi Hendrix にしろ、大きな影響を受けているのは間違いありません。
ファンクでありながら、ロックの要素を混ぜているのが、白人層を含む多くのリスナーに受け入れられた要因でしょうから、そのバランス感覚が鋭かったんだと思います。
この辺り、Otis Redding はもちろん、後の Prince や Michael Jackson も参考にしたことでしょう。
ディープだけどポップ。

70年代中盤以降はヒット曲も出なくなり、アルバムの評価も低いですが、僕は過小評価だと思います。


2025年6月7日土曜日

Trouble Time / Trouble Funk (1992)

You Got The Right One Baby

1991年の地元ワシントンDCでのライブ。

元はカセットテープ "You Got The Right One Baby" の音源ですが、日本のレーベルがCD化した模様です。
Go-Go バンドはライブの P.A.システムのサウンドをそのままテープにして売ることが多いようで、これもP.A.システムの音なんでしょうか。そういう風に聴くと、確かに観客の声はそれほど入って来ません。
Go-Goの特徴の一つであるコール&レスポンスは控えめですかね。

相変わらずパーカッションが素晴らしい!
ドラムス、コンガ、カウベルらの打楽器が複雑に絡み合うのが気持ちいいですね。
ライブ映像を観ると、ヴォーカルの Big Tony はベースから手を放して歌っている場面が多いので、ベースやギターがなくても成立するサウンドなんでしょうね。

スタジオでは、この感じをなぜ再現できないのか?
結局、初期のものを除いて、Trouble Funk は大したスタジオ・アルバムを残せませんでした。
Chris Blackwell が売り出そうとして大失敗した "Trouble Over Here, Trouble Over There" は何も彼らのいいところは表現できずに、もうそれっきりです。

彼らのライブは曲の切れ目がなく、延々と曲が連なっていきます。曲をつなげているのか、ジャムセッションのように思い思いに曲を演奏していっているのか。
曲の間を空けないのは、Chuck Brown から学んだと Big Tony こと Tony Fisher は言っています。
ちょっと違いますが、George Clinton は曲というかパターンを延々と繰り返すので有名ですので、彼らからの影響もあるのかもしれません。
特にこのアルバムでは、短いタームで曲がコロコロ変わっていきます。1分くらいはザラ。カセット用に短く編集したようには聞こえませんので、こんなもんなんでしょうか。カセットなので50分あたりが限度で、ホントのライブはもっと長かったのか。

ライブでは、"U Can't Touch This" を使ったり(1990年の MC Hammer のヒット曲)、スーパーマリオを曲にしたりと、結構遊んでます。


  1. Go Go Oprah
  2. Get Up To Get Down
  3. You Got The Right One Baby
  4. Stop....Trouble Time
  5. Give It Here
  6. Let's Jump To The Beat
  7. You Got It
  8. Ladies (In The Middle) Where They At
  9. Take It To The Bridge
  10. Pump It On Up
  11. It's Getting Kind Of Funky
  12. Get Ready For T-bone
  13. Listen To Your Heartbeat
  14. Go Go Mario
  15. Peace Bomb '91
  16. Ho-Ho-Ho
  17. See Ya


  • Bass, Lead Vocals : Big Tony
  • Vocals, Percussion : J. Crews
  • Percussion : D. Sterling
  • Percussion, Backing Vocals : T. David
  • Keyboards, Alto Saxophone : J. Thompson
  • Lead Guitar, Backing Vocals : T. Contee
  • Arranged by Big Tony
  • Written by J. Thompson, The Wizard, Big Tony
  • Produced by The Wizard, Big Tony

2025年6月1日日曜日

Like Water For Chocolate / Common (2000)

D'Angelo の "Voodoo" がいい、と友達に聞いて、ほんとよく聴きました。
Erykah Badu の "Mama's Gun" もほんといいアルバムでした。
いずれも2000年に出た Soulquarians プロダクションです。
僕はラップをあまり聴かないんですが、The Roots の "Things Fall Apart" を聴いてみたら、これまたいいサウンドでした。
で、このアルバムを聴くことにした、という訳です。

シカゴで活動していた Common は3rd. アルバム後、 N.Y. に出て、Electric Lady Studios を拠点にしていた Soulquarians に合流します。そして録音を開始し、このアルバム制作に至ったようです。
当時 Erykah Badu と付き合ってたんでしたっけ?

風変わりなアルバムタイトルは、メキシコの女流作家 Laura Esquivel の小説 "Como agua para chocolate" から。
ホット・チョコレートを作るのに、沸騰した水を使うことから、熱々の水のような状態を指す言葉らしいです。
そういう意味と、このアルバム・ジャケットを掛けてます。
ジャケットに使われているのは Gordon Parks の写真です。日曜の礼拝に行くためにドレス・アップしたアラバマの黒人女性が、黒人専用と書かれた給水機で水を飲んでいます。
チョコレートを黒人とすると、まさに Water for Chocolate。強烈なメッセージに感じられます。

#1 は "Time Travelin' (A Tribute To Fela)"。もちろん "Fela" とはアフロビートを作り出した Fela Kuti のこと。息子の Femi Kuti がゲスト参加しています。

#2 も Fela Kuti のドラマー Tony Allen"Asiko" をサンプリングしており、アフロビートへの想いが強いオープニングとなっています。

#5 は2001年のベスト・ラップ・ソロ・パフォーマンス部門でのグラミー・ノミネート。なんと Bobby Caldwell の "Open Your Eyes" のメロディ・ラインをそのまま使ってます。なぜこの曲か分かりませんが、Soulquarians にかかれば AOR もこんなふうになるんだ、という驚きの展開です。

続く #6 は、当時無名だった BilalJill Scott をフィーチャーしているところが興味深いですね。いずれもフィリーで、色んなところにネットワークがあったことが分かります。

アルバムに先駆けてリリースされたシングル曲 #9 だけが DJ Premier がプロデュースしています。なんでも Common が Gang Starr を敬愛しているそうでコラボした模様。

アルバム全体を通して、サウンドはオフビートを多用して重奏的、ミドル・テンポ、オーガニック。

素晴らしい!


  1. Time Travelin' (A Tribute To Fela)
    • Producer : D'Angelo, James Poyser, Jay Dee, ?uestlove, The Soulquarian's
    • Featuring : Femi Kuti, Roy Hargrove, Vinia Mojica
    • Trumpet : Roy Hargrove
    • Congas : Melena
    • Guitar : Jeff Lee Johnson
    • Keyboards : D'Angelo
    • AdditionalVocals : Femi Kuti, Vinia Mojica
    • Written by Ahmir Thompson, James Poyser, James Yancey, Lonnie Lynn(Common), Michael Archer
  2. Heat
    • Producer : Jay Dee, The Soulquarian's
    • Lead Vocals : Common, James Yancey
    • Additional Vocals, Scratches : Jay Dee
    • Written by Lonnie Lynn
    • Sample : "Asiko" by Tony Allen
  3. Cold Blooded
    • Producer : D'Angelo, Kelo, ?uestlove, The Roots, The Soulquarian's
    • Featuring : Black Thought, Rahzel, "The Godfather of Noyze", Roy Hargrove
    • Trumpet : Roy Hargrove
    • Claves : D'Angelo
    • Drums, Bass : ?uestlove
    • Handclaps : Black Thought, Common, D'Angelo, James Poyser, ?uestlove, Roy Hargrove
    • Backing Vocals : Black Thought, Rahzel "The Godfather of Noyze"
    • Written by Ahmir Thompson, Garry Shider, George Clinton Jr, Glenn Goins, Kelo Saunders, Lonnie Lynn, Michael Archer, Rahzel Brown, Tariq Trotter
    • Sample : contains elements from "Funkin' for Fun", written by George Clinton Jr., Glenn Goins, and Garry Shider; performed by Parliament
  4. Dooinit
  5. The Light
  6. Funky For You
    • Producer : James Poyser, Jay Dee, The Soulquarian's
    • Featuring, Backing Vocals : Bilal, Jill Scott
    • Vocoder : James Poser
    • Written by Bilal Oliver, James Poyser, James Yancey, Lonnie Lynn
  7. The Questions
    • Producer : James Poyser, Jay Dee, The Soulquarian's
    • Featuring : Mos Def
    • Backing Vocals : Monie Love
    • Written by Dante Smith, James Poyser, James Yancey, Lonnie Lynn
  8. Time Travelin' Reprise
    • Producer : D'Angelo, James Poyser, Jay Dee, ?uestlove, The Soulquarian's
    • Congas : Melena
    • Guitar : Jeff Lee Johnson
    • Keyboards : D'Angelo
    • Trumpet : Roy Hargrove
    • Additional Vocals : Vinia Mojica
    • Written by Ahmir Thompson, James Poyser, James Yancey, Lonnie Lynn, Michael Archer
  9. The 6th Sense
  10. A Film Called (Pimp)
    • Producer : Jay Dee, The Soulquarian's
    • Featuring : Bilal, MC Lyte
    • Backing Vocals : Bilal
    • Flute : Antonio Hart
    • Scratches : Mista Sinista
    • Written by Bilal Oliver, James Yancey, Lonnie Lynn
    • Sample : Brazilian Skies by Bill Summers
  11. Nag Champa (Afrodisiac For The World)
    • Producer : Jay Dee, The Soulquarian's
    • Backing Vocals : Jay Dee
    • Guitar : Jeff Lee Johnson
    • Additional Vocals, Handclaps : Baatin, T3
    • Written by James Yancey, Lonnie Lynn
    • Sample : "Morning Order" by Hugh Hopper and Alan Gowen
  12. Thelonius
    • Producer : Jay Dee, The Soulquarian's
    • Featuring : Slum Village
    • Additional Vocals : Baatin, Jay Dee, T3
    • Written by James Yancey, Lonnie Lynn, R.L. Altman III, Titus Glover
  13. Payback Is A Grandmother
  14. Geto Heaven Part Two
    • Producer : God
    • Co-producer – D'Angelo, James Poyser, ?uestlove, The Soulquarian's
    • Featuring : D'Angelo, Macy Gray
    • Bass : Pino
    • Drums : ?uestlove
    • Flute : Antonio Hart
    • Harp, Electric Piano, Oboe : James Poyser
    • Piano : D'Angelo
    • Written by Ahmir Thompson, Lonnie Lynn, Michael Archer, Peter Lord, Sandra St. Victor, Vernon Smith
    • Sample : contains replayed elements from "Ghetto Heaven", written by Peter Lord, Sandra St. Victor, and Vernon Smith
  15. A Song For Assata
    • Producer : James Poyser, The Soulquarian's
    • Featuring : Cee-Lo Green, Jack Splash, Salaam Remi
    • Drums : ?uestlove
    • Electric Piano, Bass, Organ : James Poyser
    • Guitar : Jeff Lee Johnson
    • Strings Arrange, Conductor : Larry Gold
    • Written by James Poyser, Lonnie Lynn, Thomas Burton
  16. Pops Rap III... All My Children
    • Producer : Karriem Riggins
    • Featuring, Lead Vocals : Lonnie "Pops" Lynn
    • Bass : Richie Goods
    • Drums : Karriem Riggins
    • Keyboards : Orin Evans
    • Trombone : John Paxton
    • Trumpet : Dwight Adams
    • Vibraphone : Stephon Harris
    • Written by A. Scott, E. Badu, Karriem Riggins, Lonnie Lynn Sr.
    • Sample : contains re-sung elements from "Next Lifetime", written by Erykah Badu and Anthony Scott


  • Executive Producer : Ahmir "?uestlove" Thompson
  • Executive Co-Producer : Common, Derek D.
  • Front Cover Photography by Mr. Gordon Parks "1956 Alabama"


2025年5月24日土曜日

Whoop It Up / カメレオン・ライム・ウーピーパイ (2025)

「時空を超えて騒げ! 90年代から現代、海を超えてごちゃ混ぜに! 全人類の心を躍らせるアルバム。」というコンセプトだそうです。
「90年代」というのはよく理解できませんでしたが、彼らは Beastie Boys が大好きだそうで、そこから90年代、というのが出てきてるみたいです。と聞いても、僕は Beastie Boys を通って来てないので、そう言われても分からないんですけどね。
ただ、Rip Slyme 調の曲もあり、それも90年代を後押ししてるみたいですが、でも Rip Slyme はもっと後か。

そういえば、僕の大好きな Adidas の Campus は Beastie Boys が広めたので、親近感はあるかも。同じ Def JamRun-D.M.C. が オール Adidas だったのに乗っかったのかな。

「海を超えて」というのは、海外アーティストとのコラボが何曲かあるからです。
アメリカのラッパー MadeinTYO との #10、フロリダ南部拠点のヒップホップグループ South Strip のメンバー Coolboi との #11、フィンランドのDJ/プロデューサー Rony Rex との #12 がそれですね。
いずれも、CLWP らしさから少し外れた感じで、違う味わいを出すのには成功しています。

アルバム全体としては、ポップだけどオルタナティブ、オルタナティブ・ポップって感じかな。
メンバー(Whoopies1号、2号)はドラムスとベースですが、サウンドはキーボード・サウンドです。
電子音、ゲーム音なんかが表に出てますが、意外とトロンボーン、ピアノ、ギターなんかもフィーチャされてて、凝っていると言えば凝ってる音になってます。
ヒップ・ホップをベースにしながら、キャッチーなメロディを混ぜてる感じかな。

アルバムからの先行シングルとなった #5 なんかはハード系のギターが全面に出てて、UKロックを意識したみたいです。

先に触れた Rip Slyme 調の曲 #3 は、まんまやん、と思いましたが、本人 PES も参加しているのが面白いです。この曲は BPM を落としたバージョンが最後に入ってますが、僕はピアノ入りのこっちの方が好きです。MV のエンド・クレジット用に編集したものだと思います。これはパチスロの曲なんかな。僕はやらんからよく分からんけど。

アップ・テンポよりもミドルの方がいい感じで、一番のお気に入りは、#1 です。ゆるい感じというか、そこそこやってればいい、的なのと曲調が合ってるんでしょうね。

素晴らしいと思うのは、ヴォーカル Chi- のワード・センスと歌い方です。リズムに合った言葉を選び、リズムに最適の発声をする。歌詞は決してポップではなく、それがオルタナ感を出してます。ゲームやパチスロは共感しませんが、違う世界を生きてる感がします。

本人、もっと多くの人に聞いてもらいたい、と思っていて焦りもあるようですが、このオルタナ感とポップの両立がちょうどいいバランスで完成しているように思います。これからどう進んでいくのか。


  1. So-so Life
  2. Growing
  3. Ready Year feat. テークエム
  4. Cranky
  5. Donkey Song
  6. Sleepy Monkey
  7. Flower
  8. Secret March
  9. REACH feat. PES
  10. I Know feat. MadeinTYO
  11. Can't Hold Back
  12. Cookie Junkie
  13. Tin Toy
  14. REACH feat. PES (End Credits Edit)


2025年5月17日土曜日

Floacism "Live" / Floetry (2003)

2000年代の音がします。
2002年のファースト・アルバムの余勢をかって出したライブ・アルバム。
といっても、最初の3曲はスタジオ録音で、4曲目以降がライブになります。
もちろん、1枚しかスタジオ・アルバムが出てませんので、その "Floetic" がライブの中心ですかね。
スタジオ・ワークがいいだけじゃなく、音楽として素晴らしいのがよく分かります。
で、ライブでも当時のサウンドが鳴るのはなんで何でしょうね。
やっぱドラム・パターンかなあ。

Floetry はイギリス出身のデュオ。90年代の終わりにアメリカに移住して、活動の拠点をフィラデルフィアに定めます。そこで DJ Jazzy Jeff が主催するプロダクション・チーム "A Touch of Jazz" に加わり、活躍の手がかりを得ます。そして、Jill ScottGlenn Lewis らに曲を書き、本作でも取り上げている "Butterflies" を Michael Jackson に提供(2001の "Invincible")したことで注目されるようになります。
満を持して出したのが 2002年の "Floetic"。"A Touch of Jazz" 全面バック・アップのもと制作されたファーストは、名曲 "Say Yes" を含み、大成功します。

このアルバムはスタジオ録音3曲と、ニュー・オーリンズの "The House of Blues" での2003年のライブで構成されています。ライブは途中のMCも入れており、ライブをそのままパッケージ化した感じで、臨場感があります。
時折、観客のコーラス、レスポンスが入り、いいライブの感触が伝わってきます。最後の "Hey You" なんか会場全体で歌ってますもんね。


  1. Wanna B Where U R (Thisizzaluvsong)
    • Featuring Mos Def
    • Written by Darren "Limitless" Henson, Keith "Keshon" Pelzer, Marsha Ambrosius, Natalie "Floacist" Stewart
    • Produced by D. Henson, K. Pelzer
  2. Have Faith
    • Written by D. Henson, K. Pelzer, M. Ambrosius, N. Stewart
    • Produced by D. Henson, K. Pelzer
  3. Tell Me When
    • Written by D. Henson, K. Pelzer, M. Ambrosius, N. Stewart
    • Produced by D. Henson, K. Pelzer
  4. Big Ben
    • Written by D. Henson, K. Pelzer, M. Ambrosius, N. Stewart
  5. Opera
    • Written by I. Barias, M. Ambrosius, N. Stewart
  6. Sunshine (Intro)
  7. Sunshine
    • Written by A. Harris, M. Ambrosius, N. Stewart
  8. If I Was Bird
    • Written by K. Pelzer, M. Ambrosius, N. Stewart
  9. Say Yes (Intro)
  10. Say Yes
    • Written by A. Harris, M. Ambrosius, N. Stewart
  11. Getting Late
    • Written by M. Ambrosius, N. Stewart, V. Davis
  12. Butterflies
    • Written by A. Harris, M. Ambrosius
  13. Floetic
    • Written by D. Henson, K. Pelzer, M. Ambrosius, N. Stewart
  14. Hey You
    • Written by A. Harris, M. Ambrosius, N. Stewart


  • Vocals [Songstress] : Marsha Ambrosius
  • Rap [Floacist] : Natalie Stewart
  • Drums : Tremayne Walker
  • Percussion : James Mason
  • Bass : Dwayne Moore
  • Keyboards : Noel Terrell


  • #1-3 recorded at Sigma Sound, Philadelphia, PA.
  • #4-14 recorded live at The House of Blues in New Orleans, July 3, 2003.


  • #1 features samples from "School Boy Crush" performed by Average White Band.
  • #2 features samples of "Love Song" peformed by Mandrill.
  • #3 contains sample from "Song For Jan Hammer" performed by Emil Vicklicky.
  • #13 contains an interpolation of "Born To Be Blue" written by Melvin H. Torme and Robert Wells.


2025年5月14日水曜日

Esto Sí Es Lo Mío / Ismael Rivera y Sus Cachimbos (1978)

"This is my thing" という意味だそうです。
ラテンに特化した Tico レコードから出ていますが、Tico は1974年に Fania に買収されていますので、ディストリビュートは Fania になります。
当時 Ismael Rivera は、Fania が鳴物入りで1973年に契約を獲得した Celia Cruz に次ぐ高給だったそうです。それまでの実績がありますからね。

Ismael Rivera はプエルトリコでレンガ職人の家の長男として生まれ、靴磨きをしながらレンガ職人を目指していたそうです。音楽が好きで、親友の Rafael Antonio Cortijo とよく歌を歌っていた関係で、後に Cortijo がアメリカで結成したバンドでリードシンガーとして呼ばれます。
曲作りの才能があった彼は、作曲家としても成功します。

1987年に56歳で亡くなった彼としては、このアルバムはソロとしての後期の作品になります。
流行に乗らず、ステディなラテン・ミュージックをストレートに表現しているところに好感が持てます。
基本はサルサなんでしょうが、プエルトリコのボンバも入っているんでしょう。

サルサ界の成功したヴォーカリスト達とは明らかに一線を画したヴォーカル・スタイルは独特です。
Héctor LavoeIsmael MirandaCheo Feliciano のようなハイ・トーンではなく、ナチュラル・トーンがホントいい感じなんですよね。
このアルバムでは、彼ら Fania のスーパースターがバックを務めています。Héctor Lavoe、Rubén BladesAdalberto SantiagoNestor Sanchez。コロ、と言うのかな、コール&レスポンスの。トーンがよく合っています。

僕が Ismael Rivera を初めて聴いたのはいつの頃だったか。1975年の "Feliz Navidad" を LP で聴き、すぐに大好きになりました。何で "Feliz Navidad" を聴くことになったのかは今となっては覚えていません。

その後聴いたアルバムはどれも素晴らしいものでした。
もちろん、このアルバムも素晴らしい。


  1. Las Caras Lindas [C. Curet Alonso]
  2. Comedia [Plácido Acevedo]
  3. De Medio Lao [Javier Vazquez]
  4. A Medias No [Mario Hernandez]
  5. La Perla [C. Curet Alonso]
  6. Ella No Merece Un Llanto [Bobby Capó]
  7. Angelica [Plácido Acevedo]


  • Lead Vocals, Claves, Maracas, Produce : Ismael Rivera
  • Piano, Music Director, Arrange : Javier Vazquez
  • Coro : Adalberto Santiago, Héctor Lavoe, Nestor Sanchez, Rubén Blades
  • Bass [Bajo] : Victor Venegas


2025年5月6日火曜日

Mystic Voyage / Roy Ayers Ubiquity (1975)

3月に亡くなった Roy Ayers の追悼。

全曲というわけではないですが、アルバム全体にわたってベースがゴリゴリ効いていて、僕の好きな部類に入る音楽です。
Roy Ayers はジャズ畑をスタートとしていますが、1970年代以降は R&B, ファンクが主となり、このアルバムはファンクです。
Stevie Wonder が多用した新楽器クラビネットを使い、パーカッションを混ぜ、太いベースの上に Roy Ayers 本人のヴィブラフォンを乗せ、いい感じの曲になっています。

ほとんどがヴォーカル入りですが、珍しくヴィヴラフォンをメインにしたメロウ・チューンの表題曲もお勧めです。

僕の一番のお気に入りは、#6 "Life Is Just A Moment - Part 1" ですかね。
軽快なドラムパターンからベースが絡んでくるあたりのイントロは最高です。
"Life is just a moment
Don't waste no time thinkin' about it
Move on to that destiny
Nothing but an easy thing"
という歌詞も普遍的なメッセージですね。

カバー曲も2曲。
#4 "Take All The Time You Need" は Ashford & Simpson が前年に出したアルバム "I Wanna Be Selfish" のラストを飾る曲。意外な選曲。これをもう少しソフト&メロウに仕上げてる感じかな。
もう1曲は #8 "Funky Motion"。こちらは同じジャズ畑で同じく R&B に転身した George Benson のバンドの Ronnie Foster が同じ年に出した "Cheshire Cat" からの1曲。原曲もなかなかよし。

#9 "Spirit Of Doo Doo" の歌詞も普遍的メッセージ。
"Do whatcha wanna do
When you wanna do it
It ain't what your mamma do
It ain't what your daddy do
It ain't what your sister do
It ain't what your brother do
When you look at what you do
You got to do the Doo doo"

ラストの "The Black Five" は再度ヴィブラフォンをフィーチャした、インスト・ファンク・ナンバー。効果的にベースを効かせています。

アルバムは1975 年8月 8日に亡くなった Cannonball Adderley に捧げられています。フロリダ出身らしい大らかなファンキー・サウンドを生み出した Cannonball Adderley はアイドルの1人だったんでしょうね。


  1. Brother Green (The Disco King)
  2. Mystic Voyage
  3. A Wee Bit
    • Written & Arranged by Calvin Brown
  4. Take All The Time You Need
  5. Evolution
    • Written by Roy Ayers
  6. Life Is Just A Moment - Part 1
    • Written by Chano O'Ferral, Roy Ayers
  7. Life Is Just A Moment - Part 2
  8. Funky Motion
    • Written by Ronnie Foster
  9. Spirit Of Doo Doo
    • Written by Edwin Birdsong
  10. The Black Five


  • Vibraphone, Lead Vocals, Arp Synthesizer, Electric Piano, Clavinet, Percussion, Backing Vocals : Roy Ayers
  • Drums : Ricky Lawson
  • Percussion : Willie Michael
  • Congas, Bongos : Chano O'Ferral
  • Bass, Backing Vocals : Byron Miller
  • Guitar, Vocals : Calvin Brown
  • Lead Vocals, Backing Vocals : Chicas
  • Vocals (Special Guest) : Edwin Birdsong
  • Programmed By (Arp) : P. Craig Turner
  • Soprano Saxophone : Joe Brazil
  • Arranged (ex. #3) & Produced by Roy Ayers


  • Recorded at Kaye-Smith/Van Ackeren Studios, Seattle, Washington and Electric Lady Studio, N.Y.
  • This album is dedicated to the memory of Julian "Cannonball" Adderly and to his musical contribution to this world. – Roy Ayers


2025年4月27日日曜日

Kissing Fish / 佐藤奈々子 (1979)

4作目にして佐野元春の影響下から外れて、飛躍した一枚。
ただし、ソロ名義としてはこれが最後になります。残念。
レコード会社との関係で、売れることが前提だったのかもしれません。

加藤和彦、南佳孝、矢野顕子、鈴木慶一、井上鑑といった豪華作曲陣に佐藤奈々子の歌詞。(佐藤奈々子の曲もあります)
それだけにけっこういい曲が揃ってます。アルバムとしても、いい出来じゃないでしょうか。

それを支えているのが井上鑑のアレンジ。
矢野顕子のへんてこりんな曲 #3 "パウダー・ゲーム“ はアレンジがフュージョン!このイントロから、この曲かって感じです。コレが一番いいかな。
それと、#7 "おもちゃのヒロイン" は井上鑑の曲ですが、レゲエ調が決まってます。

全部聴いた訳ではありませんが、彼女の最高傑作のように思います。もっと続けて欲しかったな。


  1. チャイナ・ドール [加藤和彦]
  2. 上海バンスキング [南佳孝]
  3. パウダー・ゲーム [矢野顕子]
  4. 朝までいっしょに [佐野元春]
  5. ディズニー・ガール [佐藤奈々子]
  6. ヒーロー・インタビュー [鈴木慶一]
  7. おもちゃのヒロイン [井上鑑]
  8. シネマ・クラブ [南佳孝]
  9. キッシング・フィッシュ [加藤和彦]
  10. 地下鉄に乗った船乗り [井上鑑, 佐藤奈々子]
  11. 空中ショー [佐野元春, 佐藤奈々子 ]~ロックンロール・クリーナー [小坂忠]


  • Arranged by, Piano, Chorus : 井上鑑
  • Fiddle : 武川雅寛
  • Guitar : 吉川忠英, 杉本喜代志, 土屋昌己, 松宮幹彦, 中牟礼貞則, 土方隆行, 松本恒秀, 岩渕 亮
  • Bass : 高水健司, 長岡道夫
  • Drums : 山木秀夫, 市原康
  • Percussion : 穴井忠臣, 横山達治
  • Marimba : 金山功
  • Accordion : 風間文彦
  • Clarinet : 鈴木重男
  • Flute : 小出道也, 西沢昭
  • Harmonica : 村岡健
  • Glockenspiel : 宅間久善
  • Clarinet, Saxophone : ジェイク・H・コンセプション
  • Saxophone : 沢井原児, 斉藤清, 砂原俊三
  • Trombone : 塩村修, 向井滋春, 粉川忠範, 福島照夫
  • Trumpet : 武田和三, 中沢健次, 荒木敏男
  • Tuba : 久保修平
  • Chorus : 伊集加代子, 鈴木慶一, 大野方栄, やまがたすみこ, 岡田徹, ヒデ, 岡崎
  • Gong, Chorus : 佐藤奈々子
  • Produced by 大江田信


 

2025年4月20日日曜日

Live Life This Day: Celebrating Thad Jones / Miho Hazama, Danish Radio Big Band, Danish National Symphony Orchestra (2025)

2023年のライブ。晩年に Danish Radio Big Band の首席指揮者を務めた Thad Jones の生誕100年記念コンサートです。
Thad Jones 記念なので、ほぼ Thad Jones の曲で、挾間美帆が編曲しています。
もちろん、コンサートでの指揮も挾間美帆です。

Thad Jones のアルバムは1枚しか聴いたことがありませんが、こうやって聴いてみると華やかですね。
オーケストラがついていることもあるんでしょうが、まるで映画音楽のようです。
分厚いストリングス・アレンジで、後半に盛り上がる作りは、僕が観客だったら大満足でしょうね。
時にはメンバーから掛け声も上がり、挾間美帆本人もカウベルを叩いたりと、きっちり構成された中にもリラックスしている様子がうかがえます。

ちなみにタイトルの "Live Life This Day" とは、コペンハーゲンにある Thad Jones の墓に刻された墓碑銘だそうです。
それにしても #1 "My Centennial" とは、この100年記念を予言するような、ピッタリのタイトルで面白いですね。

一回、Thad Jone オリジナルも聴いてみよっと。


  1. My Centennial [Thad Jones / arr: M. Hazama]
  2. Mornin' Reverend [Thad Jones / arr: M. Hazama]
  3. A Child is Born [Thad Jones/Roland Hanna / arr: Scott Ninmer]
  4. Live Life This Day Mov.1 [Miho Hazama]
  5. Live Life This Day Mov.2 [Miho Hazama]
  6. Live Life This Day Mov.3 [Thad Jones/Miho Hazama]
  7. The Farewell [Thad Jones / arr: M. Hazama]


Miho Hazama: conductor
Danish Radio Big Band
Danish National Symphony Orchestra


Recorded Live on March 17, 2023 at DR Koncerthuset, Copenhagen, Denmark


2025年4月13日日曜日

It Was Good Until It Wasn't / Kehlani (2020)

初めは非常にとっつきにくかったです。
抑揚が少なく、ダーク。
オルタナティヴR&Bの代表のような感じを受けましたが、何回か聴いているうちに、それぞれの曲の特徴を捉えられるようになりました。

ダークな中にも、意外とカラフル。
一番のお気に入りは、#1 "Toxic" でしょうか。曲の作り、アレンジが飛び抜けています。
頭に合わせるビート・パターンから、バック・ビートも絡め、独特のダークな雰囲気を作り出しています。
続く#2 "Can I"、Jhené Aiko をフィーチャした #6 "Change Your Life"、#11 "F&MU" なんかはいいですね。
面白いところでは #8 "Everybody Business" では Pharrell Williams と Chad Hugo のいわゆる  the Neptunes が参加しています。アコースティック・ベースの落ち着いた曲ですが。

アルバムは2020年5月、コロナ禍の真っ最中にリリースされました。ライブは全て中止され、ミュージシャン同士が会うこともままならない状況で、プロモーションは苦戦したことでしょう。
それでも、音楽の価値は変わりません。

塀の向こうを、水道の水を出しっぱなしにしながら覗き込んでいるのは Kehlani 本人でしょう。全身の刺青が証明しています。


  1. Toxic
    • Backing Vocals : Ty Dolla $ign
    • Written by Kehlani Parrish, Ryan Martinez, Keegan Bach
    • Produced by G. Ry, KBeazy, Elijah Blake
  2. Can I (featuring Tory Lanez)
    • Written by Parrish, Andrew Wansel, Jacob Dutton, Daniel Klein, Matt Campfield, Daystar Peterson, Phalon Alexander, Kevin Hicks, Bryan-Michael Cox, Johntá Austin
    • Produced by Pop Wansel, Jake One, Some Randoms, Ambré
  3. Bad News
    • Written by Parrish, Jahaan Sweet
    • Produced by Sweet
  4. Real Hot Girl Skit (performed by Megan Thee Stallion)
    • Written by Megan Pete
  5. Water
    • Written by Parrish, India Perkins, Destin Conrad, Alex Ben-Abdallah, Dan Foster, Louise Lastic
    • Produced by Lastic, Foster, Blake, Ambré
  6. Change Your Life (featuring Jhené Aiko)
    • Written by Parrish, Wansel, Warren Felder, Alex Niceforo, Keith Sorrells, Aiko
    • Produced by Pop & Oak, The Orphanage, Ten4
  7. Belong to the Streets Skit (performed by Gibran Garcia, Anthony Creer, Serak Mehari, Albert Watts, and Jassmyn Fowlkes)
    • Written by Gibran Garcia, Anthony Creer, Serak Mehari, Albert Watts, Jassmyn Fowlkes
  8. Everybody Business
    • Written by Parrish, Kevin Price, Carlos Muñoz, Trinidad James, Conrad, Shawn Carter, Pharrell Williams, Chad Hugo
    • Produced by Go Grizzly, Loshendrix
  9. Hate the Club (featuring Masego)
    • Written by Sweet, Yussef Dayes, Parrish, Micah Davis
    • Produced by Sweet, Dayes, Blake
  10. Serial Lover
    • Written by Parrish, Sweet, Matthew Samuels, Johann Deterville, Michael Samuels, Vianey Emmanuël Mfuamba
    • Produced by Boi-1da, Sweet, YogiTheProducer, Smplgtwy, Vianey, Blake, Ambré
  11. F&MU
    • Written by Parrish, Nija Charles, Sweet, Paolo Rodriguez
    • Produced by Sweet, TeeFlii
  12. Can You Blame Me (featuring Lucky Daye)
    • Written by Parrish, Wansel, Samuel Wishkoski, KleinCampfield, Charles, David Brown, Dustin Bowie, Michael MacGregor
    • Produced by Wansel, Some Randoms, Sam Wish
  13. Grieving (featuring James Blake)
    • Written by Parrish, James Blake, Ma. Samuels, Deterville
    • Produced by Boi-1da, Sweet, The Rascals, YogiTheProducer
  14. Open (Passionate)
    • Written by Parrish, Charles, Muñoz, Wansel, Conrad, Lamar Edwards, Michael Cox, Jr., John Groover, Rogét Chahayed, Darryl Clemons
    • Produced by Mars, Mike & Keys, Roget, Pooh Beatz, Loshendrix
  15. Lexii's Outro
    • Lead Vocals : Lexii Alijai
    • Written by Alexis Lynch, Cameron Goins, Josh Timmerman
    • Produced by Cyht