2025年8月10日日曜日

Troubadour / J. J. Cale (1976)

「気だるい」サウンドを求めて、今年もまた J. J. Cale。
今年は格別に暑く、夏バテ気味によく合います。

4枚目のアルバムですが、サウンド的には色々試みをしているように思います。意外とバラエティに富んだ曲が集まっていますが、結局彼のやる気ミニマムな(に聞こえる)ヴォーカルで全てを包み込んでいます。
懐古趣味的なラグタイム調の曲もあれば、ロックな曲もあり、ブルーズあり、リズム中心の曲あり...なかなか一筋縄ではいきません。
Ry Cooder のようにルーツ・ミュージックに的を絞ったものではなく、あくまで「今」の時代の新たなサウンドなんですね。独特なので「タルサ・サウンド」と呼ばれるのも分かります。

Eric Clapton はこのアルバムから2曲カバーしています。
最初は、#6 "Cocaine"。このアルバムの翌年に出した "Slowhand" の1曲目で、今や Eric Clapton の代表曲のような扱いかも。ほぼオリジナル丸コピーですね。もちろんギター・ソロ部分は違いますが。
もう1曲は、#2 "Travelin' Light"。2001年 "Reptile" に収められています。こちらは、洗練されたアレンジが施されていて、J. J. Cale の曲とは気付きません。

1曲目 "Hey Baby" がまたいい。小気味のいいブラスと終盤の気持ちのいいギター・ソロがたまりません。
こういう曲を1曲目に持ってくる、というのは本人の意思なのか、プロデューサーの意図なのか。いずれにせよ、聴く側(特に僕のような)の求めるものを分かってる、ていう感じです。

"Troubadour" とは中世の宮廷を舞台とした恋愛抒情詩の詩人、作曲家、あるいは吟遊詩人のこと。タルサから離れない彼が何でそんなタイトルにしたのかは分かりませんが、確かに素朴な歌は吟遊詩人的でもあり、いくつかの曲はラブ・ソングです。


  1. Hey Baby
  2. Travelin' Light
  3. You Got Something
  4. Ride Me High
  5. Hold On
  6. Cocaine
  7. I'm A Gypsy Man [Sonny Curtis]
  8. The Woman That Got Away
  9. Super Blue
  10. Let Me Do It To You
  11. Cherry
  12. You Got Me On So Bad


  • Guitar : Doug Bartenfeld, Bill Boatman, Harold Bradley, Chuck Browning, J. J. Cale, Gordon Payne, Reggie Young
  • Steel guitar : Buddy Emmons, Lloyd Green
  • Bass : J. J. Cale, Tommy Cogbill, Charles Dungey, Joe Osborn, Bill Raffensperger
  • Keyboards : J. J. Cale, Bill Pursell, Don Tweedy, Bobby Woods
  • Drums : Kenny Buttrey, Buddy Harman, Karl Himmel, Jimmy Karstein, Kenny Malone
  • Percussion : J.I. Allison, Audie Ashworth, Farrell Morris
  • Saxophone : Billy Puett
  • Trumpet : George Tidwell
  • Trombone : Dennis Goode
  • Additional Vocals : Gary S. Paxton
  • Producer : Audie Ashworth


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