2025年6月22日日曜日

Speak No Evil / Wayne Shorter (1966)

1964年12月録音。
1964年は、Shorter が Miles バンドに加わった年ですが、早速バンドメンバーの Hancock と Carter と一緒に録音しています。

1964年8月録音の前作 "Juju" は McCoy Tyner、Reggie Workman、Elvin Jones でリズムセクションを組んでますが、Jones 以外の2人を取っ替えてます。
Tyner も Workman も Jones も Coltrane のバンドメンバーですから、Shorter がいかに Coltrane に憧れていたのか分かります。
で、今回 Coltrane から脱皮?すべく、Hancock と Carter と一緒にやったのは正解でしたね。
音楽がよりソフィスティケイトされたような気がします。
特に Hancock は僕の耳でも聴いてわかるほど Hancock だなあって感じを出しています。
新主流派のエッセンスをうまく取り込んでいるなあって感じです。
Workman と Freddie Hubbard は Art Blakey のバンド仲間ですから、今回のバンド編成は、Miles、Blakey、Coltrane の微妙なブレンドでありつつ、脱 Coltrane、脱 Blakey のアルバムではないでしょうか。

曲は全て Shorter のものですが、タイトルが曲を代表しているかどうかは分かりませんが、一種独特の感性で、世の中的には黒魔術趣味と言われています。
タイトルの "Witch Hunt" は魔女狩り、"Fee-Fi-Fo-Fum" は「ジャックと豆の木」の巨人が人間を嗅ぎ分ける時の唸り声、"Dance Cadaverous" は死者の踊り、"Speak No Evil" は "See No Evil, Speak No Evil, Hear No Evil" の一部ということで、確かに大半はおどろおどろしい感じがします。
主題から曲を作ったのか、曲を作った後で曲名を整えたのかは分かりませんが、僕には特に曲が黒魔術的とは思いません。
どうも複雑なコード進行で、演奏者の感性によるところが大きそうですが、演奏者ではない僕が理解するのは難しそういです。でも、演奏素人の僕でも十分楽しめるところがすごいんでしょうね。

ジャケットは、当時の妻の日本人女性テルコさんが大々的にフィーチャされています。彼の回想によると、テルコさんはかなり気まぐれだったようで、いい家庭は築けなかったようです。
それでも子供ミヤコをテーマにした曲 #5 "Infant Eyes" も作ってることもあり、幸せだったんでしょうね。


  1. Witch Hunt
  2. Fee-Fi-Fo-Fum
  3. Dance Cadaverous
  4. Speak No Evil
  5. Infant Eyes
  6. Wild Flower


  • Written by Wayne Shorter
  • Tenor Saxophone : Wayne Shorter
  • Trumpet : Freddie Hubbard
  • Piano : Herbie Hancock
  • Bass : Ron Carter
  • Drums : Elvin Jones

  • Recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey on December 24, 1964.


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