2024年12月29日日曜日

Surprises / Herbie Mann featuring Cissy Houston (1976)

Cissy Houston が10月に亡くなったので、追悼で聴いてみました。
娘も孫も麻薬で亡くしてしまって、本当につらい人生だと思います。元は一家に広まった麻薬の習慣だったわけですが、Cissy がどこまで関わっていたのかは知りません。
Whitney と違って Cissy はふくよかなイメージでしたが、きっと健康だったんでしょう。
御年91歳。

彼女のリーダー作ではなく、フルート奏者 Herbie Mann の'76年のリーダー作ですが、アルバムの半分以上を Cissy Houston が歌っています。
'76年ということもあって、フュージョン・サウンドですが、Cissy Houston のあっさりとした歌いぶりが不意―ジョンに合っています。

実は Herbie Mann 自体聞いたことがなく、クラシック・ジャズのイメージでしたが、このアルバムのサウンドは、実にコンテンポラリーです。
アルバムの最初の方は、ポピュラーミュージックのカバーで、フュージョンとしてうまくアレンジしています。

#1 "Draw Your Breaks" はレゲエ。ジャマイカで録音されています。"Draw Your Breaks" は '72年のサウンド・トラック "The Harder They Come" に入っていたので、Herbie Mann もそれを聴いたんでしょう。"The Harder They Come / Draw Your Breaks" のアーティスト Scotty は Keith & Tex の '67 のロック・ステディ "Stop That Train" をベースにサンプリングしているわけですが、こちらのオリジナルは '65 The Spanishtonians のスカのようです。"Stop That Train" は Bob Marley のものも有名ですが、そちらは「俺は出ていく」というものに対して、こちらは「彼女が乗った列車を止めてくれ」というラブソングになっています。
#2 "Cajun Moon" は J.J. Cale のカバー。'74 年のサード・アルバム "Okie" 収録になります。
#3 "Creepin" は '74 の Stevie Wonder "Fulfillingness' First Finare" の中の一曲。
この1曲目から3曲目までが最強ですね。

#6,7,8 はインスト曲。#6, 8, 9 は '74 年春の日本公演中の東京で録音され、#6, 8 は和楽器アンサンブルとの共演となっています。最初違和感がありましただが、もともとフルートは和楽器的なエッセンスを持っているので、まあそこそこ合ってるのかなとも思います。

アルバムタイトルは "Surprises" ですが、一番驚いたのは最後の曲 "9 "Anata (I Wish You Were Here with Me)" です。小坂明子の '74 年のヒット曲 "あなた" を取り上げており、小坂明子自身も歌で参加しています。
Herbie Mann も何が気に入ったのやら。アルバムの中でもひときわ異彩を放っています。

アルバムは、ポピュラー・ミュージックのカバーから入り、日本音楽を取り入れ、日本のポップスで終わるという、とりとめのない構成となっていますが、全体的になサウンドは好きな方です。


  1. Draw Your Breaks
    • Alto Flute : Herbie Mann
    • Bass : Jackie Jackson
    • Drums : Michael Richard
    • Guitar : Hux Brown, Rod Bryan
    • Keyboards : Pat Rebillot
    • Organ : Winston Wright
    • Piano : Gladstone Anderson
    • Tenor Saxophone : David Newman
    • Vocals : Cissy Houston, Eunice Peterson, Rannelle Braxton
    • Written by D. Scott, Derrick Harriot
  2. Cajun Moon
    • Bass : Tony Levin
    • Bass Flute, Flute : Herbie Mann
    • Drums : Steve Gadd
    • Guitar : Hugh McCracken, Jerry Friedman
    • Keyboards : Pat Rebillot
    • Percussion : Armen Halburian, Ralph MacDonald
    • Tenor Saxophone : David Newman
    • Vocals : Cissy Houston
    • Written by J.J. Cale
  3. Creepin'
    • Bass : Tony Levin
    • Drums : Steve Gadd
    • Flute : Herbie Mann
    • Guitar : Bob Mann, Jerry Friedman
    • Keyboards : Pat Rebillot
    • Percussion : Armen Halburian, Ralph MacDonald
    • Tenor Saxophone : David Newman
    • Vocals : Cissy Houston
    • Written by Stevie Wonder
  4. Easter Rising
    • Bass : Bob Babbitt
    • Cello : Charles McCracken, Jesse Levy
    • Drums : Rick Marotta
    • Flute : Herbie Mann
    • Guitar : Bob Mann, Jerry Friedman
    • Vocals : Cissy Houston
    • Percussion : Armen Halburian
    • Viola : Emanuel Vardi, Richard Maximoff
    • Violin : David Nadien, Gene Orloff, Guy Lumia, Richard Sortomme
    • Written by Pat Kirby
  5. Asa Branca
    • Bass : Tony Levin
    • Drums : Rick Marotta
    • Flute : Herbie Mann
    • Guitar : Bob Mann, Jeff Mironov
    • Keyboards : Pat Rebillot
    • Percussion : Armen Halburian, Rafael Cruz, Sammy Figueroa
    • Vocals : Cissy Houston
    • Written by Oliverra, Teixeira, Gonzaga
  6. The Sound Of Windwood
    • Bass : Tony Levin
    • Drums : Steve Gadd
    • Guitar : Sam Brown
    • Keyboards : Pat Rebillot
    • Percussion : Armen Halburian
    • 尺八 : 村岡実
    • 琴 : 蔵元エリ子, 鍔本和子, 中丸春美三味線 : 佐々木壮明
    • 笙 : 佐藤要征
    • 和太鼓 : 堅田影輝
    • 大太鼓 : 堅田啓輝Flute : Herbie Mann
    • 鼓 : 藤舎清晃
    • Flute : Herbie Mann
    • Written by Herbie Mann
  7. Cricket Dance
    • Bass : Tony Levin
    • Drums : Steve Gadd
    • Guitar : Bob Mann, Jerry Friedman
    • Keyboards : Pat Rebillot
    • Percussion : Armen Halburian
    • Flute : Herbie Mann
    • Written by Herbie Mann
  8. The Butterfly In A Stone Garden 石庭に舞う蝶
    • Bass : Tony Levin
    • Drums : Steve Gadd
    • Guitar : Bob Mann
    • Keyboards : Pat Rebillot
    • Percussion : Armen Halburian
    • 琴 : 蔵元エリ子, 鍔本和子, 中丸春美三味線 : 佐々木壮明
    • 笙 : 佐藤要征
    • 和太鼓 : 堅田影輝
    • 大太鼓 : 堅田啓輝Flute : Herbie Mann
    • 鼓 : 藤舎清晃Written by Herbie Mann
    • Flute : Herbie Mann
    • Written by Herbie Mann
  9. Anata (I Wish You Were Here With Me) あなた
    • Bass : Tony Levin
    • Drums : Steve Gadd
    • Flute : Herbie Mann
    • Guitar : Jerry Friedman
    • Keyboards : Pat Rebillot
    • Percussion : Armen Halburian
    • Vocals : 小坂明子
    • Written by 小坂明子


  • #1 recorded at Dynamic Studios, Jamaica
  • #1, 4, 5, 8 recorded at Media Sound Studios N.Y.
  • #2, 3, 5, 7, 9 recorded at Atlantic Recording Studios, N.Y.
  • #6, 8, 9 recorded at Mori Studios, 東京, 日本


2024年12月22日日曜日

Steps Ahead / Steps Ahead (1983)

グループ名を、”Steps“ から "Steps Ahead" に改名してからの最初のアルバム。
ドラムスが、Steve Gadd から Weather Report をやめたばかりの Peter Erskine に、ピアノが Don Grolnick から、ブラジルから来た美人ピアニスト Eliane Elias に代わっています。
ジャケットは、5人の男たちが1人の女性を運んでいる?図。バンドが Eliane Elias そフィーチャしている様子と重なります。
ブラジルから N.Y. に来た彼女は最初にベーシストの Eddie Gómez に認められますが、それがすなわち Steps Ahead への参加となったのでしょう。
しかし、サウンド的には彼女が前面に立っているわけではなく、やはり中心はテナー・サクソフォンの Michael Brecker であり、ヴィブラフォンの Mike Mainieri です。

Michael Brecker の流れるような、重すぎず軽すぎないサックスは、本当に聴いていて気持ちのいいものです。
一方で、僕が Steps Ahead のサウンドが好きな1番の理由は、やはりヴィブラフォンなんですね。
Mike Mainieri は自分のヴィブラフォンがどんなサウンドと合っているのかをよく知っていて、そのサウンドのためのバンドを作っているようにも思えます。
このアルバムでの Steps Ahead は前作までの流れを引き継ぎアコースティックですが、ヴィブラフォンが不思議とエレクトリカルな表情を見せてるんですよね。


  1. Pools [Don Grolnick]
  2. Islands [Mike Mainieri]
  3. Loxodrome [Eddie Gómez]
  4. Both Sides of the Coin [Brecker, Mainieri]
  5. Skyward Bound [Mainieri]
  6. Northern Cross [Peter Erskine]
  7. Trio (An Improvisation) [Brecker, Gómez, Mainieri]


  • Michael Brecker : tenor saxophone
  • Mike Mainieri : vibraphone, synthesizer vibes, marimba, synthesizer, percussion
  • Eliane Elias : piano
  • Eddie Gómez : bass
  • Peter Erskine : drums


2024年12月14日土曜日

PRIVATE / iri (2023)

iri の名前はあちこちで聞いていたんで、今回改めて聴いてみました。

女性ヴォーカルとしては、ロートーンでユニークですよね。
ラップシンガーということもあり、ラップの言葉数と相まって中低音で押してくるようなプレッシャーを感じます。

アルバムの前半は、ダンサブルな曲が並びます。
#2 "STARLIGHT" はこのアルバムの中でも一番ポップです。
The Weeknd の "Starboy" を思い出しました。サッポロ黒ラベルの "Star Lyrics" 企画タイアップ曲だそうですが、TV CM とかじゃなくて WEB サイトの企画のようです。どうりで知らんわけです。

後半はスローな曲が多くなりますが、実はこっちの方がお気に入りだったりします。
#8 "moon" から #9 "boyfriend" と続くあたりはこのアルバムの個人的ハイライトです。


  1. Season [Esme Mori]
  2. STARLIGHT [Esme Mori]
  3. Roll
  4. DRAMA [Yaffle]
  5. Go back [Kazuki Isogai, edbl]
  6. friends [Grooveman Spot]
  7. moon [Taar]
  8. boyfriend [Taar]
  9. private [Aso]


[ ] Co-producer, Composer


2024年12月8日日曜日

Don't Sleep on Us / Junk Yard Band (1991)

The Junk Yard Band は1980年に結成された、ワシントンD.C.の Go-Go バンドです。
結成当時は全員子供だったそうで、楽器を買うお金もなく(楽器もできず?)、身近な缶やフライパンで即興「演奏」していたそうです。
なので、基本的には打楽器バンドなんですね。
僕のワシントン Go-Go の一番好きなところは、パーカッションの多用なんですが、それを体現してくれていて嬉しい限りです。

LP では曲がメドレーになっていて、A面24分の1曲、B面24分と4分の2曲で構成されていたようです。これまたワシントン Go-Go らしい。

曲調は少しトボけたところがあって、キーボードなんかはユーモアを感じさせます。

Junk Yard って人の名前かと思ってましたが、"Fat Albert and the Cosby Kids" というテレビ番組の中のバンド "The Junk Yard Gang" から来てるみたいですね。


  1. Let Us Get On Down
  2. Cold Crankin'
  3. Heavy One
  4. Make No Fuss
  5. Ha Ha, Yuck Yuck Yuck Yah
  6. I Want to Be Loved
  7. (You're) Jigglin' Baby
  8. Tear the House Down
  9. Take Me Out to See Junkyard


2024年12月1日日曜日

T-Bone Blues / T-Bone Walker (1959)

たまにブルーズが聴きたくなるんですよね。
で、聞いたことのない T-Bone Walker。
名前はもちろん聞いたことあって、多分曲も聴いたことがあるんですが、アルバムとしてじっくり聴いたのは初めて。

エレクトリック・ギター・シカゴ・ブルーズという先入観があったんdすが、結構ピアノやホーン・セクションが入って、ゴージャスな感じを受けました。

"Call It Stormy Monday (But Tuesday Is Just as Bad)" がブラック&ホワイト・レコードから出されたのが1947年。日本で言うと、戦後すぐですね。
このアルバムに入っている虚無のいくつかもこの頃にリリースされています。

その後契約したアトランティックは、シカゴ・ブルーズ・プレーヤーをバックにこのアルバムを作りましたが、もちろん "Call It Stormy Monday“ や “T-Bone Shuffle“ といった有名曲も再録しました。

50年代とは思えないほど、音がクリアで、割れてません。アトランティックの素晴らしいところでしょう。

僕はエレクトリック・ギターを弾かないし、もちろんギター・ソロもできないので知らなかったのですが、T-Bone Walker のギター・プレイは今や全てのロック・ギターの基本になっているそうです。

エレクトリック・ギターをブルーズに取り入れた先駆者であり、今も使われるテクニックを開発し、特定のキメソロのフレームを作った、ギター界のパイオニアだそうです。
B.B. King から Eric Clapton やヘビー・メタルや B‘z に至るまで、T-Bone Walker の影響下にないロック系のギタリストはいないみたいです。

オリジナルのブラック&ホワイト時代のものも聴きたくなりました。


  1. Papa Ain't Salty [Grover McDaniel, T-Bone Walker]
  2. Why Not
  3. T-Bone Shuffle [T-Bone Walker]
  4. Play On Little Girl [T-Bone Walker]
  5. T-Bone Blues Special [Aaron Walker]
  6. Mean Old World [Michael H. Goldsen*, T-Bone Walker]
  7. T-Bone Blues [Les Hite]
  8. Call It Stormy Monday [T-Bone Walker]
  9. Blues For Marili [T-Bone Walker]
  10. Shufflin' The Blues [T-Bone Walker]
  11. Evenin' [Harry White, Mitchell Parish]
  12. Two Bones And A Pick [T-Bone Walker]
  13. You Don't Know What You're Doing [Ace Adams, Horace Holmes]
  14. How Long Blues [Leroy Carr]
  15. Blues Rock [T-Bone Walker]


  • Bass : Billy Hadnott, Joe Comfort
  • Drums : Earl Palmer, Os.car Bradley
  • Guitar : Barney Kessel, R.S. Rankin
  • Guitar, Vocals : T-Bone Walker
  • Piano : Lloyd Glenn, Ray Johnson
  • Tenor Saxophone : Plas Johnson
  • Producer : Nesuhi Ertegun

On "Two Bones And A Pick," R. S. Rankin plays the first guitar solo; Barney Kessel plays the second guitar solo; T-bone Walker plays the third guitar solo. The order of guitar solos is the same on "Blues Rock." The guitar solos on "Evenin'" are played by T-Bone Walker.


2024年11月23日土曜日

Silky Soul / Maze Featuring Frankie Beverly (1989)

Frankie Beverly が死んだそうです。
不勉強な僕は、情けないことに訃報を聞いて初めて Frankie Beverly を認識しました。

で、聴いてみたわけですが、本当に素晴らしい!
80年代らしく、打ち込み中心のサウンドなんですが、意外と古臭さを感じさせません。十分に消化しているというか。
世の中的には、ブラコンの時代が終わり、New Jack Swing とか、Jam & Lewis が流行ろうとしている時代。
そんな流れに見向きもせずに、打ち込みにはトライしているものの、自分たちの音楽を実直にやっている感じです。

バンド名を "MAZE"  にしたら?と勧めたのは Marvin Gaye だったそうですが、タイトル曲の #1 "Silky Soul" はまさに Marvin Gaye へのオマージュと言っていいでしょう。
"What's Going On""Mercy Mercy Me" のサウンドエフェクトが垣間見れ、まんま Marvin Gaye の世界です。
Marvin Gaye は1984年に死んでますので、5年経って改めてリスペクトを表したんでしょうね。

#2 "Can't Get Over You" はファースト・シングルになった曲。ドラムのキックと、リズム・ギターが心地よいメロウ・ナンバーです。
アルバムのハイライトは、#1〜#4のスロウな曲の連続でしょうか。いやあメロウです。

LPだとA面全てがスロウな曲で、スロウ・ジャム・サイドということなんでしょうか。
ちなみに、LPは全8曲、A面4曲、B面4曲で構成されていますが、同時発売のCDは全10曲、ちょうどLP A面の最後と、B面の最後に1曲ずつインスト曲がプラスされています。

B面は一転ファンク・サイドと言うべき、ミッド・テンポの曲が並びます。
面白いのは、#9 "Mandela" でしょうか。”Mandela” とは言わずと知れた Nelson Mandela のこと。
1989年当時 Nelson Mandela はまだ獄中にいて、世界的に釈放が待ち望まれていました。それを応援する歌です。
アフリカン・アメリカンにとって、ルーツであるアフリカの黒人差別は我が身のことに感じられるんでしょうか。
続く曲はまさに "Africa" です。


  1. Silky Soul
  2. Can't Get Over You
    • Bass : Randy Jackson
    • Drums : Ricky Lawson
  3. Just Us
  4. Somebody Else's Arms
  5. Midnight
    • Mixed by Bill Thompson
  6. Love's On The Run
    • Synthesizer [Bass] : Wayne Linsey
  7. Change Our Ways
  8. Songs Of Love
    • Bass : Robin Duhe
  9. Mandela
    • Guitar : Ice
  10. Africa


  • Backing Vocals : McKinley "Bug" Williams, Roame*
  • Drums [Overdub] : Tony Beverly
  • Keyboards : Wayne Linsey
  • Executive-Producer : Benny Medina
  • Producer, Vocals, Synthesizer, Drum Programming : Frankie Beverly


2024年11月15日金曜日

Mountain Dance / Dave Grusin (1980)

Dave Grusin は過去に "West Side Story" だけ聴いたことがあります。1997年の作で、映画 "West Side Story" をジャズ・オーケストレーションで再現したアレンジは見事だったように記憶しています。

その印象しかなかったので、このアルバムを聴いた時は驚きました。
その美しいフュージョン・サウンドに。
というか、こっちが本業だったんですね!
ポップでファンキー、綺麗なメロディに、タイトなリズムセクション。
フュージョンのメインストリームといったところでしょうか。
Bob James に近いような気もしますが、Bob James に感じるジャズの気配はほとんどしません。

一番特徴があるのは、表題曲。De Niro と Meryl Streep の1984年の映画 "Falling in Love" にも使われたことでも有名のようです(観たとことありませんが)。美しいピアノの主旋律が特徴的ですね。

#1 "Rag-Bag"、#2 "Friends And Strangers" とも完璧です。メインのピアノが際立っているというのではなく、サウンド全体で曲が出来上がっている感じ。
"Friends And Strangers" は Ronnie Laws のカバーということで、"Allways There" が一緒にはいったアルバムを聴いたことがあるはずなんですが、覚えてませんでした。改めて聴いてみると、本家はメロディは一緒なものの、全く違った印象の曲でした。

これ、聴いたことあるやん、と思ったのは #7 "Captain Caribé"。1977年の Lee Ritenour のアルバム "Gentle Thoughts" の中の1曲。Dave Grusin 作なんですね。当時 Grusin はバンド The Gentle Thoughts のメンバーでもありました。
でも僕が聴いたことがあったのは、Earl Klugh の "Living Inside Your Love" でのカバー・バージョン。つい最近やね。覚えやすいメロディを Klugh がアコースティック弦で完璧に仕上げてます。

先ほど触れたリズムセクションは、若き Marcus Miller と Harvey Mason。まだ Marcus Miller は有名になる前でしょう。この2人がサウンドを締めてます。すばらしい!

ちなみに、レーベルの GRP は Grusin がエンジニアの Larry Rosen と作ったレーベル(会社)で "Grusin-Rosen Productions" の略だということを初めて知りました。GRP はよく見かけますよね。

アルバムジャケットは複数あるみたい。最初日本のJVCで製作されたものは、今のに近い構図ですが、後日CD化される時に、写真が差し替えられています。旧ニヒル→新笑顔。前のやつの方がええように思うけどなぁ。一方アメリカ版はカウボーイ風。こっちは全くいけてません。


  1. Rag Bag [Dave Grusin]
  2. Friends And Strangers [William Jeffery]
  3. City Lights [Dave Grusin]
  4. Rondo - "If You Hold Out Your Hand" [Dave Grusin]
  5. Mountain Dance [Dave Grusin]
  6. Thanksong [Dave Grusin]
  7. Captain Caribé [Dave Grusin]
  8. Either Way [Harvey Mason]


  • Steinway piano, Fender Rhodes electric piano, Minimoog synthesizer : Dave Grusin
  • Guitar : Jeff Mironov
  • Bass : Marcus Miller
  • Drums : Harvey Mason
  • Percussion : Rubens Bassini
  • Oberheim synthesizer : Edward Walsh
  • OBX / Prophet-5 synthesizer : Ian Underwood
  • Produced by Toshi Endo


2024年11月5日火曜日

Quincy Jones R.I.P.

僕が初めて Quincy Jones の音楽に触れたのは "11-PM" のはずです。
この前亡くなった桂朝丸(ざこば)らの事件簿の最初の入りに使われてたテーマです。
その時はもちろん Quincy Jones は知らなかったですが、後で "Ironside" のテーマ曲だと知りました。

11/3に91歳で亡くなったそうです。

一般的には "Thriller" のプロデューサーとして有名で、僕が初めて彼の名前を認識したのもこの "Thriller" だったと思います。煌びやかなサウンドと、ポップセンス、ギリギリのところでアートに踏みとどまる見極めも含めてすばらしいの一言でした。その前作の "Off the Wall" も大好きです。

1991年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでの Miles Davis とのライブ(発売は1991年)も思い出深いです。友達との登山の帰りにCD買いました。Gil Evans と Miles が作った音楽を、Quincy のバンドで演るというもの。金にものを言わせた、成功した者の特権ですかね。ちなみに Miles は2ヶ月後に亡くなっています。

Miles と Gil は Quincy のアイドルだったんでしょうが、3人ともヒップな音楽を目指していたところは共通していると思います。ジャンルとしてのジャズを志向してたんじゃなくて、イカした音楽を志向してたところ。
そういう意味では、Quincy は Miles と Gil の後継者であるとも言えます。音楽性は後年ずいぶん違った方向に進みましたけど、僕にはおんなじことをやっているように思えました。

最後に、Quincy 名義のアルバムの、僕のお気に入りをあげときます。


2024年11月2日土曜日

No one / 汐れいら (2024)

EPって何だってことですが、全8曲、まぁそこそこ立派なアルバムのような感じです。

際立っているのが、スローな曲のグッド・メロディと、ひねりのある言葉の選択です。
#1「糸しいひと」、#6「Darling you」、#7「備忘ロック」あたりのギター弾き語り系の曲のメロディは素晴らしい。
かつてバラード・バンドと言われた Eagles みたい。
(逆に、ホップなポップはいるんか?って思うくらい)

語呂合わせ的要素のある言葉は、よく練られてます。
ストーリーが思い浮かぶような歌詞は、物語を創るのが好きなんやなあ、と思います。


  1. 糸しいひと
  2. 味噌汁とバター
  3. うぶ
  4. 踊り場のサーカスナイト
  5. グレーハートハッカー
  6. Darling you
  7. 備忘ロック
  8. 笑ってベイビー


2024年10月26日土曜日

Doble Energia / Willie Colón, Ismael Miranda (1980)

これはどちらのアルバムなんでしょう。
タイトルに併記されているとおりだとすると、どちらの、というのはなさそう。
二人乗りの自転車に乗ってるジャケットは、帽子かぶってるのでよく分からんけど、前が Willie Colón で後ろが Ismael Miranda かな。

アルバム自体は、素晴らしい出来です。
安定のグルーヴ。Ismael Miranda の若々しいハイトーンのヴォーカルが曲を引っ張ります。

1曲めの "No Me Digan Que Es Muy Tarde" からグイグイ引き込まれます。
これは Jose Noguera の曲なんですが、アルバムでは Jose Noguera の曲が4曲入ってて、どれもいい感じ。

コーラスに Ruben Blades も参加しています。


  1. No Me Digan Que Es Muy Tarde [Jose Noguera]
  2. Cartas Marcadas [Ismael Miranda]
  3. Cuando Tú Quieras
  4. Biata [Jose Noguera]
  5. Mayoral [Ramon Rodriguez]
  6. Americano Latino [Jose Noguera]
  7. Tumbao Caliente [Jose Noguera]
  8. Jíbaro Castao [Julio Rodriguez Reyes]
  9. Bandolera [German Fernando]


  • Bongos, Coro – José Mangual Jr.
  • Congas, Coro – Milton Cardona
  • Timbales – Johnny Almendra, Tony Jimenez
  • Bass – Sal Cuevas
  • Bass Trumpet, Coro – Willie Colón
  • Trombone – Jose Rodriguez, Leopold Pineda, Lewis Kahn
  • Coro – Eddie Natal, Ruben Blades
  • Piano – Prof. Jose Torres
  • Strings – Harold Kohon Ensemble
  • Lead Vocals – Ismael Miranda
  • Producer – Willie Colón


2024年10月19日土曜日

Why Lawd? / NxWorries (2024)

"no worries" と読むらしい。2016年のアルバムに続く8年ぶりのセカンド。
Anderson .Paak と Knxwledge のユニットです。こちらも "knowledge" ね。

相変わらず Anderson .Paak のヴォーカルは素晴らしい!独特のザラザラ感。
Bruno Mars との Silk Sonic で「歌」に目覚めたのか、ここでも「歌」ものが多くなっているような気がします。
ラップもいいけどね。

そこに、Knxwledge のサウンド。
スロウで、ローファイ。
サンプルなのかどうかは分かりませんが、意外とギターが効いています。

前作はほぼ2人で作ったらしいですが、今作は豪華ゲストが参加しています。
H.E.R., Snoop Dogg, October London, Earl Sweatshirt, Dave Chappelle, Thundercat, Charlie Wilson などなど。
アウトロのような最後の曲 "EvnMore" でルパン三世の大野雄二の曲を使っているのが面白いところ。

チャート・アクションは思ったより伸びてませんが、ヒット・チューンというより、ゆったりとした時にずっと流しておきたいようなアルバムです。Anderson .Paak にとっては名作 "Ventura" に続く傑作だと思います。


  1. ThankU (featuring Dave Chappelle)
    • Glen Earl Boothe Jr., Dave Chappelle ,Don Milnor, Jesse Murrah
    • Contains a sample of "Thank You Jesus" by Johnnie Wilder Jr.
  2. 86Sentra
    • Brandon Anderson, Boothe
  3. MoveOn
    • Anderson, Boothe, Cassandra Monique Battle, Ann Hoon Chung, Nicholas Leon Race, Bryan James Sledge
  4. KeepHer (featuring Thundercat)
    • Anderson, Boothe, Stephen Lee Bruner, Chung
  5. Distractions
    • Anderson, Boothe
  6. Lookin'
    • Anderson, Boothe, Herbert Anthony Stevens
  7. Where I Go (featuring H.E.R.)
    • Anderson, Boothe, Maxx Moor, Gabriella Sarmiento Wilson
    • José Ríos : lead guitar
  8. Daydreaming
  9. FromHere (featuring Snoop Dogg and October London)
    • Anderson, Boothe, Calvin Broadus, Jared Samuel Erskine
  10. FallThru
  11. Battlefield
    • Anderson, Boothe, Haley Reinhart, William Stewart
    • Contains a sample of "Sitting in the Park" by the Ghost Squad.
  12. HereIAm
    • Anderson, Boothe, Gregory Cook, Kathryn Thomas
    • Contains a sample of "I'd Like to Stay" by People's Pleasure with Alive and Wild.
  13. OutTheWay (featuring Rae Khalil)
  14. SheUsed
  15. MoreOfIt
    • Anderson, Boothe
  16. NVR.RMX" (featuring Charlie Wilson)
    • Anderson, Boothe, Charles K. Wilson
  17. DistantSpace
    • Anderson, Boothe, Alana Chenevert, John Sylvester Smythe
    • Leonard "Pudge" Tribbett : drums
    • Contains a sample of "Butterflies" by Smythe.
  18. WalkOnBy (featuring Earl Sweatshirt and Rae Khalil)
    • Anderson, Boothe, Johnson, Thebe Kgositsile, Aida Osman
    • José Ríos : lead guitar
  19. EvnMore


Knxwledge

  • Anderson .Paak : vocals on all tracks except "ThankU" and "EvnMore", additional drums on "MoveOn"
  • Knxwledge : beats, production



2024年10月12日土曜日

Waterpistol / Shack (1995)

1991年に録音されたけど、その後レコード会社が倒産したり、スタジオが火災にあってマスターテープ消失したり、プロデューサーがテープを紛失したり、で、結局1995年に発売になったそうです。

プロデューサーの Chris Allison はこのアルバムの制作について言います。
"Mick could never finish anything. I’ve never worked with anyone like him, and I hope I never do again. But he's a songwriting genius and one of the most gifted artists I’ve ever worked with."
(ミックは何も完成させることができなかった。私は彼のような人と仕事をしたことがなく、二度と仕事をしないことを願っています。しかし、彼はソングライティングの天才であり、私が今まで一緒に仕事をした中で最も才能のあるアーティストの一人です)

このアルバムでの Mick Head.のソング・ライティングがものすごく冴えてる、という訳ではありません。
でも彼の作る曲の特徴である「聴き込むと耳に残る」感じは、このアルバムでも健在です。

このアルバムの後、Mick はヘロインにハマり、Shack は一旦解散となります。
しかし、再結成後に "H.M.S. Fable" という傑作を作るのはすごいです。


  1. Sgt. Major
  2. Neighbours
  3. Stranger
  4. Dragonfly
  5. Mood of the Morning
  6. Walter's Song
  7. Time Machine
  8. Mr. Appointment
  9. Undecided
  10. Hazy
  11. Hey Mama
  12. London Town


  • All tracks are written by Michael Head 


2024年10月6日日曜日

ROUND 12 / paris match (2020)

paris match はやはり、The Style Council の曲からとったとのこと。
確か原題は "The Paris Match" と "The" が付いてましたね。
ミニ・アルバムの "Introducing" では Paul Weller が歌ってましたが、ファースト・アルバム "Café Bleu" では、テンポを落として Tracey Thorn が歌ってます。 Paul Weller たっての頼みは大成功、彼らの代表曲の1曲となっています。

"ROUND 12" は彼らの12枚目のアルバム、ということ。ボクシングの最終ラウンドですが、何らかの決意の表れなんでしょうか。彼らの最終アルバムにならないことを祈ります。
サウンドはAOR、あるいはシティ・ポップ。とても聴きやすいです。

テーマはラブソングかと思いきや、意外とラブソングばかりではありません。

#2 "スターダスト" は David Bowie にインスパイヤされているようで、「スターマン」「モダン・ラブ」「サウンド・アンド・ビジョン」「ダイヤモンド・ドッグス」などが歌詞に散りばめられています。

#6 "Mr. Dekard" は「ブレード・ランナー」の世界です。Philip K. Dick の小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか? Do Androids Dream of Electric Sheep?」をそのまま曲にしています。吉田美奈子が作詞した山下達郎の「夏への扉」が Heinlein の小説をそのまま曲にしていることのオマージュと理解しました。

#9 "Happy?" は環境問題、政治などを扱った社会派の歌。

#1 "さよならシーサイド" は松岡直也の "A Farewell To The Seashore" を思い起来させます。(もっとも、日本語代は「午後の水平線」でしたが)


  1. さよならシーサイド
  2. スターダスト
  3. 悲しい夜の過ごし方
  4. Bahia Sunrise
  5. 甘い予感
  6. Mr. Deckard
  7. 恋色の街
  8. Searchin’
  9. Happy?
  10. アパルトマンの女
  11. 砂の城
  12. Billion


  • ミズノマリ、杉山洋介
  • 古澤辰勲(作詞、アートディレクション)


2024年9月28日土曜日

Nightingale / Gilberto Gil (1978)

Gilberto Gil 来日記念 & Sergio Mendes 追悼ということで聴いてみました。
"Aquele Abraço Tour 2024" ということで16年ぶりの来日なんだそうです。ロームシアター京都、めぐろパーシモンホール、高崎芸術劇場を巡ります。9/26の京都は行っときゃよかったかなぁ。
Sergio Mendes は9月の頭に83歳で亡くなりました。結構最近まで最前線でアルバム出してましたよね、かなりクオリティ高い。

ブラジルで活躍していた Gilberto Gil がアメリカ市場向けに作ったアルバムが、この "Nightingale" です。
なので、西海岸に住んでいる Sergio Mendes を頼ったんでしょうか。あるいは Sergio Mendes が Gilberto Gil を誘ったのかもしれません。

驚くことに、ミュージシャンは、ブラジルのミュージシャンではなく、アメリカのフュージョン系の一流メンバーを集めています。
Lee Ritenour, Michael Sembello, Don Grusin, Alex Acuna....
だから聴きやすいんでしょうね。トロピカル・フュージョン、といった趣です。

ほとんどは、Gilberto Gil の既存曲の撮り直し。半分くらいは英語の歌詞になっています。

レゲエ調あり、サンバあり、アフリカンあり、様々な音楽のミックスになっていますが、全てがゴリゴリではなく、心地よくブレンドされている感じでしょうか。フュージョン・ミュージシャンと Sergio Mendes のバランス感覚の結実ですね。

Gilberto Gil という名前は何となく聞いたことはありましたが、MPB、Caetano Veloso、ボサノヴァといったカテゴリーという先入観の中、あまり触れずにいたような気がします。
このアルバムは、全くその先入観から外れたものでした。トロピカル、明るい、ポップな感じが気に入りました。


  1. Sarará (Sah-Rah-Rah)
    • Bass – Abraham Laboriel
    • Drums, Percussion – Alex Acuna
    • Electric Guitar – Michael Sembello
    • Electric Piano [Fender Rhodes, Yamaha Cp-30] – Don Grusin
    • Lead Vocals, Guitar – Gilberto Gil
    • Synthesizer – Sergio Mendes
  2. Goodbye My Girl
    • Bass – Rubens Sabino Da Silva
    • Drums – Roberto Da Silva
    • Electric Guitar – Lee Retinue, Michael Sembello
    • Lead Vocals, Guitar – Gilberto Gil
    • Percussion – Alex Acuna, Roberto Da Silva, Sergio Mendes
    • Piano [Acoustic], Electric Piano [Yamaha Cp-30] – Don Grusin
    • Timbales – Alex Acuna
  3. Ella
    • Bass – Nathan Watts
    • Drums – Alex Acuna
    • Electric Guitar – Lee Ritenour, Michael Sembello
    • Electric Piano [Fender Rhodes] – Don Grusin
    • Lead Vocals, Guitar – Gilberto Gil
    • Percussion – Gilberto Gil, Laudir De Oliveira, Roberto Da Silva, Steve Forman, Sergio Mendes
    • Synthesizer – Sergio Mendes
  4. Here And Now
    • Bass – Abraham Laboriel
    • Drums – Alex Acuna
    • Electric Guitar – Michael Sembello
    • Electric Piano [Fender Rhodes] – Don Grusin
    • Lead Vocals, Guitar – Gilberto Gil
    • Percussion – Steve Forman
  5. Balafon (Bah-Lah-Fon)
    • Bass – Abraham Laboriel
    • Congas – Laudir De Oliveira
    • Drums – Alex Acuna
    • Electric Guitar – Michael Sembello
    • Electric Piano [Fender Rhodes] – Don Grusin
    • Lead Vocals, Guitar – Gilberto Gil
    • Percussion – Laudir De Oliveira, Roberto Da Silva
    • Synthesizer – Sergio Mendes
  6. Alapalá (Alah-Pah-Lah)
    • Bass – Abraham Laboriel
    • Congas – Laudir De Oliveira
    • Drums – Alex Acuna
    • Electric Guitar – Michael Sembello
    • Electric Piano [Fender Rhodes], Piano [Acoustic] – Don Grusin
    • Lead Vocals, Guitar – Gilberto Gil
    • Percussion – Gilberto Gil, Laudir De Oliveira, Roberto Da Silva, Sergio Mendes
  7. Maracatu Atômico
    • Bass – Nathan Watts
    • Drums, Congas – Alex Acuna
    • Electric Guitar – Lee Ritenour
    • Electric Piano [Fender Rhodes], Piano [Acoustic] – Don Grusin
    • Lead Vocals, Guitar – Gilberto Gil
    • Percussion – Alex Acuna, Gilberto Gil, Roberto Da Silva, Steve Forman, Sergio Mendes
  8. Move Along With Me
    • Bass – Abraham Laboriel
    • Drums – Alex Acuna
    • Electric Guitar – Michael Sembello
    • Electric Piano [Fender Rhodes, Yamaha Cp-30] – Don Grusin
    • Lead Vocals, Guitar – Gilberto Gil
    • Percussion – Alex Acuna*, Steve Forman, Sergio Mendes
    • Synthesizer – Sergio Mendes
  9. Nightingale
    • Bass – Abraham Laboriel
    • Drums – Alex Acuna
    • Electric Guitar – Lee Ritenour, Michael Sembello
    • Electric Piano [Yamaha Electric Grand Cp-709], Piano [Acoustic] – Don Grusin
    • Lead Vocals, Guitar – Gilberto Gil
    • Percussion – Steve Forman
    • Synthesizer – Sergio Mendes*
  10. Samba De Los Angeles
    • Bass – Abraham Laboriel
    • Cavaquinho – Oscar Castro Neves
    • Drums – Alex Acuna
    • Electric Piano [Yamaha Electric Grand Cp-70] – Don Grusin
    • Lead Vocals, Guitar – Gilberto Gil
    • Percussion – Roberto Da Silva, Rubens Sabino Da Silva*, Sergio Mendes
    • Synthesizer – Sergio Mendes


  • Written by Gilberto Gil, except "Goodbye My Girl" by Moacyr Albuquerque, P. Santana and "Maracatu Atômico" by N. Jacobina
  • Photography By – Norman Seeff
  • Producer – Sergio Mendes


https://www.gilbertogil2024.jp


2024年9月22日日曜日

Trip / Jhené Aiko (2017)

"Trip" はそのまま、精神的なトリップ、すなわち薬物によるトリップを意味しているそうです。
なんせ、"LSD", "Sativa" というタイトルの曲があるくらいですから。
さすがアメリカですね。

かといって、60年代〜70年代のようなサイケデリックなサウンド・アプローチはとっていません。
時にアコースティックで、時にエレクトリックですが、静けさ、穏やかさ、平坦さが中心の音楽でまとまっています。
R&D にカテゴライズされますが、ヴォーカル・スタイルはファンキーさはほぼなく、透明感が表に立ってます。

そういう意味では Chill ですね。
僕の中では、Jhené Aiko、Summer WalkerH.E.R. が、Chill R&B の3大巨頭ですかね。
抑揚を抑えて、スロウ・テンポを続ける。
夏には、特に今年のような熱い夏にはピッタリです。
でも、こういう曲って、作るの非常に難しいんじゃないかと思いますがね。

最近はアルバムといえば、10曲程度が主流ですが、このアルバムは22曲も入ってます。2017年当時は配信よりもまだCDを意識していた時代だったんでしょうか。思い出せません。
この長さが、BGM的にループで聴くにはちょうどいいかも。

この流れは、次のサード・アルバム "Chilombo" に続きます。


  1. LSD [Dot da Genius, Mike Moore]
  2. Jukai [Fisticuffs]
  3. While We're Young [Fisticuffs]
  4. Moments (featuring Big Sean) [Amaire Johnson]
  5. OLLA (Only Lovers Left Alive) (featuring Twenty88) [Amaire Johnson]
  6. When We Love [Noel Cadastre]
  7. Sativa (featuring Swae Lee) [Fisticuffs]
  8. New Balance [Dot da Genius, Julian-Quan Viet Le]
  9. Newer Balance (Freestyle) [Fisticuffs, John Mayer]
  10. You Are Here [Amaire Johnson, Fisticuffs]
  11. Never Call Me (featuring Kurupt) [Benny Blanco, Cashmere Cat, Frank Dukes, Amaire Johnson]
  12. Nobody [Fisticuffs, Dot da Genius]
  13. Overstimulated [Trakgirl, Mike Zombie, Amaire Johnson]
  14. Bad Trip (Interlude) [Dot da Genius, Amaire Johnson]
  15. Oblivion (Creation) (featuring Dr. Chill) [Amaire Johnson, Jhené Aiko]
  16. Psilocybin (Love in Full Effect) (featuring Dr. Chill) [Amaire Johnson, Jhené Aiko]
  17. Mystic Journey (Freestyle) [No I.D.]
  18. Picture Perfect (Freestyle) [Julian-Quan Viet Le]
  19. Sing to Me (featuring Namiko Love) [Key Wane]
  20. Frequency [Mali Music]
  21. Ascension (featuring Brandy) [Fisticuffs, Dot da Genius]
  22. Trip (featuring Mali Music) [Mali Music]


  • Executive production : Jhené Aiko, Taz
  • Co-executive production : Fisticuffs, Amaire Johnson


2024年9月14日土曜日

Olympians / Vince Mendoza & Metropole Orkest (2023)

Metropole Orkest はオランダの、ジャズとポップスを基調とした大規模オーケストラで、Vince Mendoza がかつて2005年から2013年まで首席指揮者を務めました。
Vince Mendoza 時代に特に国際的な名声を高め、4度のグラミー受賞を得ています。
「ジャズとポップスを基調としたオーケストラ」って、えらい特異やなと思いましたが、映画音楽、テレビ音楽での需要が大きいそうです。なるほど。
Vince Mendoza もミュージシャン人生をテレビ音楽から始めたようですので、相性がいいのかもしれません。

このアルバムでのアレンジも映画音楽的です。
1曲目の "Quixote" って偉い読みにくい英語やな、と思ってたら、「キホーテ」って読むらしいですね。つまり、Cerv antes の。壮大で物悲しい感じが出ています。
#2の "Esperanto" と #4 "House Of Reflections" はヴォーカル入り。いれもアメリカの黒人ジャズ・シンガー  Dianne Reeves と新進気鋭の Cécile McLorin Salvant です。音域の広さが素晴らしい。
最も派手で、ジャズらしいのが #6 "Big Night"。ギターとサックスのソロがいいですね。
そういえば、#8 "Barcelona" でのギター・ソロもいいです。Peter Tiehuis って人、知りませんが、やはりオーケストラでのギターということで、腕がいいんでしょうね。


  1. Quixote
    • Charango – Ramon Stagnaro
    • Soloist, Percussion – Alex Acuña
    • Soloist, Soprano Saxophone – Marc Scholten
  2. Esperanto
    • Soloist, Voice – Dianne Reeves
  3. Partido Alto
    • Soloist, Violin – Arlia De Ruiter
  4. House Of Reflections
    • Soloist, Piano – Hans Vroomans
    • Soloist, Voice – Cécile McLorin-Salvant*
  5. Miracle Child
    • Soloist, Alto Saxophone – Marc Scholten
    • Soloist, Guitar – Peter Tiehuis
  6. Big Night
    • Soloist, Guitar – Peter Tiehuis
    • Soloist, Tenor Saxophone – Leo Janssen
  7. Lake Fire
    • Soloist, Alto Saxophone – David Binney
    • Soloist, Piano – Hans Vroomans
    • Soloist, Trumpet – Rik Mol
  8. Barcelona
    • Soloist, Guitar – Peter Tiehuis
    • Soloist, Tenor Saxophone – Chris Potter
    • Soloist, Trumpet – Rik Mol
  9. Bright Lights And Jubilations
    • Soloist, Alto Saxophone – Paul van der Feen
    • Soloist, Guitar – Peter Tiehuis


  • Conductor – Vince Mendoza
  • Featuring – Alex Acuña, Chris Potter, Cécile McLorin-Salvant, David Binney, Dianne Reeves
  • Bass – Aram Kersbergen
  • Bass Trombone – Bart van Gorp, Martin van den Berg
  • Guitar – Peter Tiehuis
  • Double Bass – Arend Liefkes, Erik Winkelmann, Marijn Van Prooijen, Walter van Egeraat
  • Drums – Martijn Vink
  • Percussion – Eddy Koopman, Murk Jiskoot
  • Piano – Hans Vroomans
  • Keyboards, Percussion, Whistle – Vince Mendoza
  • Harp – Joke Schonewille
  • Saxophone, Clarinet – David Kweksilber, Jessie Brevé, Leo Janssen, Marc Scholten, Max Boeree, Paul van der Feen, Sjoerd Dijkhuizen
  • Trombone – Ilja Reijgoud, Jan Bastiani, Jan Oosting, Pablo Martinez Hernandez, Ron Oligschläger
  • Trumpet – Martijn De Laat, Nico Schepers, Ray Bruinsma, Rik Mol
  • Flute – Janine Abbas, Mariël van den Bos
  • French Horn – Liz Hunfeld-Chell, Pieter HunfeldOboe – Maxime Le Minter
  • Viola – Iris Schut, Isabella Petersen, Julia Jowett, Mieke Honingh, Norman Jansen, Wouter Huizinga
  • Violin [1st] – Denis Koenders, Federico Nathan, Gideon Nelissen, Ian De Jong, Jasper van Rosmalen, Jenneke Tesselaar, Pauline Terlouw, Sarah Koch, Vera Laporeva
  • Violin [1st], Concertmaster – Arlia De Ruiter
  • Violin [2nd] – Christina Knoll, Ewa Zbyszynska, Herman Van Haaren, Jenneke Tesselaar, Merel Jonker, Robert Baba, Ruben Margarita, Willem Kok*, Xaquín Carro Cribeiro
  • Cello – Annie Tångberg, Emile Visser, Jascha Albracht, Joel Siepmann
  • Music By, Arranged By – Vince Mendoza


  • "Bright Lights and Jubilations" recorded live September 2021 at The Theatre Carré, Amsterdam NL.


2024年9月9日月曜日

街よ街よ / 橋本絵莉子 (2024)

「日記を燃やして」に続く、2年ぶりのセカンド・ソロ・アルバム。

昨日の晩、網戸の向こうで、そこそこ大きな音で虫がブイブイいわせてたけど、どうなったんやろ?と思ってベランダに出たが、何もいなかった。
そんな、どうでもいい日常の一コマを連ねたようなアルバムだと思います。

初めて聴いたときは、なんだか地味な感じがしたけど、何度も聴くとそれなりにポップです。
一層可愛らしくなったヴォーカルに、ギター、ベース、ドラムスという基本構成のバンド・サウンドは、インディーズでもあります。

歌詞は、けっこう難解で、いくつかのフレーズをババっと集めたような感じ。
支離滅裂感がいっそう強まったような感じもあり、聴いただけでは読み解くのは難しいです。
例えば「私はパイロット」なんかは、「雨」「銀河」「おばあちゃん」が共存します。
インタビューなんかを見ると、本人の中では一貫したテーマの歌詞のようなんですが、連想ゲームなのか、飛んでます。

何回か聴いた後の、僕の一番のお気に入りは「ホテル太平洋」ですかね。
タイトルは、徳島の旅館の名前で、そこから着想を得て、魚を題材にした歌を作ったとのこと。
初めは、魚の歌だとは思いませんでしたけど。
繰り返すサビと、重なるメロディ。
かき鳴らし系のギターと凝ったドラム・パターン、エフェクトスネアが効いています。


  1. 踊り場
  2. 人一人
  3. 私はパイロット
  4. 離陸 ~ Live at Namba Hatch, Osaka, Oct, 17, 2022 ~
  5. このよかぶれ
  6. やさしい指揮者
  7. 慎重にならないか
  8. 宝物を探して(街よ街よ Mix)
  9. ホテル太平洋
  10. Oh, Cinderella
  11. 偏愛は純愛


  • 曽根巧:Guitar
  • 村田シゲ:Bass
  • 北野愛子:Drums


https://hashimotoeriko.com/machiyo2/


2024年8月31日土曜日

Superimposition / Eddie Palmieri (1970)

「字幕スーパー」は、映画の編集用語で、文字を Superimpose すること。
つまり "Superimposition" は重ねること。
何に何を重ねたのかの真意は分かりませんが、僕はラテン音楽にジャズを重ねたように感じました。
旧来のラテン音楽と、新しいラテン音楽のミックスのようなところもあるでしょうし、ルンバやマンボとサルサのミックスのようなところもあるでしょう。
発売当初のLPのA面は、ハードなラテンでボーカル入り、裏返してB面は情緒的、ジャズ的なところのあるルンバ3部作と言われるインストルメンタルナンバー。その重ね合わせでもあるでしょう。

前半3曲(A面)はどれも素晴らしいラテンナンバー。単純に楽しめます。
後半3曲(B面)は全然違い、ジャムセッション的にインプロビゼーションとそのアンサンブルが楽しめます。

ラストの "17.1" は不可思議なタイトルですが、3人のパーカッショントリオの平均年齢とのこと。若い!
19歳のティンバレス奏者の Nicky Marrero、17歳のコンガ奏者の Eladio Pérez、13歳のボンゴ奏者 Tommy "Chuckie" López。ただ、単純に足して3で割っても "17.1" にならないですが。


  1. La malanga [Rudy Calzado]
  2. Pa' huele [Arsenio Rodríguez]
  3. Bilongo [Guillermo Rodríguez Fiffe ]
  4. Qué lindo eso, eh! [Eddie Palmieri]
  5. Chocolate Ice Cream [Alfredo "Chocolate" Armenteros, Eddie Palmieri]
  6. 17.1 [Eddie Palmieri]


  • Eddie Palmieri : Piano
  • Jose Rodríguez : Trombone
  • Lewis C. Kahn : Trombone
  • Alfredo “Chocolate” Armenteros : Trumpet
  • Nicky Marrero : Timbales, Percussion Effect (“Chocolate Ice Cream”, “Que Lindo Eso, Eh!”)
  • Eladio Pérez : Conga
  • Tommy “Chukie” López : Bongo
  • Israel “Izzy” Feliu : Bass
  • Andy González : Bass
  • Roberto Franquiz : Bell
  • Rudy Calzado : Percussion
  • Ismael Quintana : Lead Vocal
  • Arturo Campa, Justo Betancourt, Elliot Romero : Chorus
  • Manny Oquendo : Percussion, Timbales, Bongo (Guest)
  • Miguel Estivill : Producer, Coordinator
  • Ely Besalel : Album Design and Illustrations


https://fania.com/record/superimposition/


2024年8月10日土曜日

New Beginning / SWV (1996)

彼女らが残した3枚のアルバム(再結成前)のうち、2番目のアルバムです。

"New Beginning" は言い過ぎかなと思いますが、ファーストのニュー・ジャック・スウィングから多少脱皮してる感じでしょうか。より R&B に忠実な感じです。

アルバムジャケットは、50年代ポップスか、60年代モータウンか、てな感じで、やはりサウンドの古風なイメージに合わせたんでしょうかね。

ヴォーカル的には、Jackson 5 に似てるなと思いました。Coko のハイトーンが、Michael のハイトーンと重なります。Jackson 5 と同様、コーラス・ワークが素晴らしい。

このアルバムのウリは、前半、特に#2-#4までのミドル・テンポで跳ねる感じ、と、中盤のスローの連続でしょうか。
#2 "You're the One", #3 "Whatcha Need", #4 "On & On" はメドレーか、というくらいの、同じようなグルーヴの見事な繋がり。
その後、2nd. シングルとなった #5 "It's All About U"、3rd. シングル #6 "Use Your Heart" と続くんだからたまりません。
かといって、これが延々続くのかというとそうではなく、一転スローな曲が後半にかけて続きます。
この辺りが New Beginning なのかな。

実はこのアルバムには、今をときめく The Neptunes の曲が2曲入っています。何かの資料には、これがデビューと書いてありました。#6 "Use Your Heart" と #13 "When This Feeling" です。いずれも正統派 R&B という感じで、尖ったところも、弾ける感じもありませんが、アルバムの中では、いい曲を揃えてきたな、という感じです。


  1. New Beginning (Interlude) [Herb Middleton]
  2. You're The One [Allen Gordon Jr.]
  3. Whatcha Need [Allen Gordon Jr.]
  4. On & On (Featuring Erick Sermon) [Erick Sermon]
  5. It's All About You [Allen Gordon Jr.]
  6. Use Your Heart [The Neptunes]
  7. Where Is The Love [Herb Middleton]
  8. Fine Time [Brian Alexander Morgan]
  9. Love Is So Amazin' [Allen Gordon Jr.]
  10. Use Your Heart (Interlude) [Herb Middleton, The Neptunes]
  11. You Are My Love [Daryl Simmons]
  12. I'm So In Love [Genard Parker]
  13. When This Feeling [The Neptunes]
  14. What's It Gonna Be [Brian Alexander Morgan]
  15. That's What I'm Here For [Brian Alexander Morgan]
  16. Don't Waste Your Time [Chucky Thompson]
  17. Soul Intact (Interlude) [Brian Alexander Morgan]

{ ] Producer


2024年8月5日月曜日

Okie / J. J. Cale (1974)

今年の夏は特別に暑い!暑い夏こそ、J. J. Cale だ!
ということで、毎年恒例 J. J. Cale のアルバムです。

2nd.  "Really" の続編の 3rd. アルバムです。

相変わらずのレイドバックで、基本的には何も変わりません。70年代初頭のポピュラー・ミュージック・シーンは目まぐるしく変わっていたはずですが、全く影響を受けないのは、驚くべきことです。

さらに驚きは、12曲入りのフルアルバムなのに、トータルでたったの28分。
ほとんどの曲が2分台、3分を超えるのは2曲のみ。
曲の良さをギュッと濃縮して、長い前奏や間奏は極力抑え、メロディとサウンドに集中、といった感じでしょうか。
明らかに曲の途中からフェードアウトするような曲がいくつもあります。ほとんどが、歌ってるのになんでフェードアウト?って感じです。

ゆったりした曲もあれば、ジャンプナンバーもあり。
ただいずれも声を張り上げるわけではなく、ボソボソした感じで歌うところがいい感じです。暑い夏にレイドバック。昼寝にちょうどいいかも。いくつかの曲では、ボーカルの二重録音を試していて、成功してるんじゃないかな。

2曲がカバーです。ゴスペルのスタンダード "Precious Memories"、カントリーの "I'll Be There If You Ever Want Me" です。いずれの曲も、オリジナルを知りませんが、見事に馴染んでます。"Precious Memories" なんかは、ゴスペルというより、完全なカントリーに聞こえます。
いくつかの曲はタルサの自宅で録音し、いくつかの曲はナッシュビルとその近郊のスタジオで録音されています。ナッシュビルt録音の曲はいずれもブラスが入っていて、その都合だったんでしょうかね。


  1. Crying
    • Bass : Mike Leech
    • Drums : Kenny Malone
    • Electric Guitar : Reggie Young
    • Engineer : Joe Mills
    • Guitar, Vocals : J.J. Cale
    • Keyboards [Electric] : Beegie Cruzer*
    • Percussion : Farrel Morris
    • Piano : Red Spivey
  2. I'll Be There (If You Want Me)
    • Bass : Tommy Cogbill
    • Drums : Karl Himmel
    • Electric Guitar : Grady Martin
    • Engineer : Stan Hutto
    • Piano : Jerry Smith
    • Rhythm Guitar : Harold Bradley
    • Slide Guitar, Vocals : J.J. Cale
    • Written by Ray Price, Rusty Gabbard
  3. Starbound
    • Bass : Tommy Cogbill
    • Drums : Karl Himmel
    • Electric Guitar : Grady Martin
    • Engineer : Stan Hutto
    • Guitar, Vocals : J.J. Cale
    • Piano : Jerry Smith
    • Rhythm Guitar : Harold Bradley
    • Saxophone : Billy Puett
    • Trumpet : George Tidwell
  4. Rock And Roll Records
    • Bass : Tim Drummond
    • Drums : Karl Himmel
    • Engineer : Rick Horton
    • Guitar, Vocals : J.J. Cale
    • Keyboards : Jerry Whitehurst
    • Saxophone : Billy Puett
    • Trombone : Dennis Goode*
    • Trumpet : George Tidwell
  5. The Old Man And Me
    • Bass : Joel Green
    • Drums : Terry Perkins
    • Guitar : Paul Davis
    • Guitar, Vocals : J. J. Cale
    • Steel Guitar : Weldon Myrick
  6. Everlovin' Woman
    • Bass : Tommy Cogbill
    • Drums : Kenny Malone
    • Engineer : Rick Horton
    • Guitar : Mac Gayden
    • Guitar, Vocals : J. J. Cale
    • Piano : Pig Robbins
  7. Cajun Moon
    • Bass : Joel Green
    • Drums : Kenny Malone
    • Guitar : Reggie Young
    • Guitar, Vocals : J. J. Cale
    • Keyboards : Beegie Cruzer
    • Percussion : Farrel Morris
  8. I'd Like To Love You Baby
    • Bass : Tim Drummond
    • Drums : Karl Himmel
    • Guitar, Vocals : J. J. Cale
    • Piano : Jerry Whitejurst
    • Saxophone : Billy Pruett
    • Trombone : Dennis Goode
    • Trumpet : Jerry Whitehurst
  9. Anyway The Wind Blows
    • Bass : Joel Green
    • Drums : Terry Perkins
    • Guitar : Paul Davis
    • Guitar, Vocals : J. J. Cale
  10. Precious Memories
    • Bass : Mike Leech
    • Drums : Kenny Malone
    • Guitar : Reggie Young
    • Guitar, Vocals, Arrange : J. J. Cale
    • Piano : Beegie Cruzer
    • Vibraphone : Farrel Morris
  11. Okie
    • Bass : Joel Green
    • Drums : Terry Perkins
    • Guitar : J. J. Cale, Paul Davis
  12. I Got The Same Old Blues
    • Bass : Tommy Cogbill
    • Drums : Kenny Malone
    • Guitar, Vocals : J. J. Cale
    • Piano, Slide Guitar : Pig Robbins


  • Produced by Audie Ashworth


  • Recorded November 20, 1973, Bradley’s Barn Mt. Juliet, Tenn. [1, 7, 10]
  • Recorded May 10, 1973, Columbia Studio B, Nashville, Tenn. [2, 3]
  • Recorded May 7, 1973, Woodland Studio B, Nashville, Tenn. [4, 8]
  • Recorded December 5, 1973, Cale’s House, Tulsa, Oklahoma [5]
  • Recorded July 10, 1973, Woodland Studio B, Nashville, Tenn. [6]
  • Recorded October 4, 1973, Cale’s House, Tulsa, Oklahoma [9]
  • Recorded August 2, 1973 on the back porch (Cale’s House), Tulsa, Oklahoma [11]
  • Recorded July 9, 1973, Woodland Studio B, Nashville, Tenn. [12]


2024年7月27日土曜日

12 hugs (like butterflies) / 羊文学 (2023)

昨年の12月に出た羊文学のアルバム。メジャーレーベルとしては3枚目らしい。
"12 hugs" とあるように、12曲のアルバムです。

正直、羊文学を聴くのは初めてなので、今まで彼らがどんな音楽をやってきたのかは知りません。多分ラジオでも何かの曲を聴いたこともないんちゃうかな。
聴いた第一印象、ギター・サウンド、インディーズ感あり。ギター、ベース、ドラムスの3ピースバンドなんで、どうしてもそうなるんでしょうが、やっぱ元々ギター・サウンドが好きなんやろね。
きのこ帝国の正当な継承者って感じがします。そういう意味では、きのこ帝国が好きな"シューゲイザー"的サウンドなんかな。僕、ギター爆音サウンド自体が好きじゃないので、もちろん The Jesus and Mary Chain を源流とする「シューゲイザー」も聴いたことありません。(どうも、歌詞を床に貼って、それを見ながらギターを弾く姿が、「靴を見る人」という呼び名になったらしい)
でも、ギター・サウンドです。ベースもストロークで弾くタイプ。

荒っぽい感じはなく、メロディを奏でるギターに、そこそこ凝ったドラムパターン。
メロディは派手さはないけど、聴き込むと耳に残ります。
歌詞は適度に抽象的、適度に哀愁、バンド名通り文学的。

#2 "more than words"、#3 "Addiction"、#4 "GO!!!"、#5 "永遠のブルー" と続くあたりは、全部いい曲です。もちろん続く #6 "countdown" もいいです。
最後の "FOOL" を聴くあたりになると、もう一回聴きたくなります。

ちなみに、「羊文学」と聞くと、僕の世代は村上春樹を思い起こします。初期の作品には「羊」が出てきました。なんせ2作目が「羊をめぐる冒険」ですから。


  1. Hug.m4a
  2. more than words
  3. Addiction
  4. GO!!!
  5. 永遠のブルー
  6. countdown
  7. Flower
  8. honestly
  9. 深呼吸
  10. 人魚
  11. つづく
  12. FOOL


  • 塩塚 モエカ:Vocal, Guitar
  • 河西 ゆりか:Bass
  • フクダ ヒロア:Drums