"More Songs About Buildings and Food" に続くサード・アルバム。 次作 "Remain in Light" への橋渡し的なアルバムと言われていますが、色彩はだいぶ違います。 "Remain in Light" はアフロ・ロックが前面に出ていますが、今作でアフロ的と言えるのは、#1 "I Zimbra" のみでしょう。その印象が強すぎるのかもしれません。
Juan Luis Guerra は全く知りませんでした。偶然聞いたんだと思います。 聴いてみてびっくり、ホントいい音楽でした! 曲調が明るく、爽やか、これぞカリビアン。 主に、メレンゲ、バチャタをベースにしているようです。 メレンゲは昔聞いたことがありますが、底抜けに明るい印象でした。その分単調なのは否めませんでしたが。 正直メレンゲもバチャタも、僕にははっきり違いは分かりません。メレンゲは2拍子、バチャタは4拍子らしいです。ダンスの名前でもあるので、ダンスをする人ならもっと分かるのかもしれません。
まず、アルバムのオープニングの "Visa Para un Sueno" の明るさがいいです。 2曲目表題曲の "Ójala Que Llueva Café" は、「コーヒーの雨が降ったらいいのに」と言うタイトル。貧困にあえぐ民に、豊かさの象徴のコーヒーがもたらせられたら、と言う曲。ファースト・シングルとして Juan Luis Guerra を代表する曲として親しまれているようです。 こういったメレンゲ、バチャタの曲だけでなく、次の "Razones" はサルサなところが、彼の幅広さを感じさせます。
Juan Luis Guerra はドミニカの人。地元サントドミンゴの国立音楽学校で音楽論とギターを学び、アメリカ・ボストンのバークリー音楽大学に進学、名誉博士号を授与されている理論派です。 キューバのソン、ルンバはもちろん、アメリカのポップ、ロック、ジャズ、サルサにも通じているんでしょう。そういった幅広さと奥深さを感じます。
Visa Para un Sueno
Ojala que Llueva Cafe
Razones
De Tu Boca
La Gallera
Woman del Callao
Reina Mia
Angel para una Tambora
Alberto MartinezCongas
Rafael MedranoCongas
Robert JeandorMaracas
Isidro de la CruzGuira
Janina RosadoPiano
Gonzalo RubalcabaPiano
Guy FrometaDrums
Jaime QuerolBass
Hector SantanaBass
Armando BeltreTrumpet
Fermin CrúzTrumpet
Kaki RuizTrumpet
Roberto OleaTrombone
Crispin FernándezSaxophone
Mariela MercadoLead Vocals
Roger ZayasLead Vocals
RetoñosChildren's Chorus
Manuel TejadaArranger, Synthesizer
Juan Luis GuerraComposer, Guitar, Primary Artist, Vocals
録音は N.Y. の Electric Lady Studios。かの Jimi Hendrix が自分のために作ったスタジオです。 シカゴから出てきた Stevie Wonder が "Music of My Mind" と "Talking Book" を録音したことでも有名です。 このスタジオに集まったのは Soulquarians の面々。 D'Angelo、Questlove、J Dilla、Erykah Badu、Roy Hargrove、James Poyser、Bilal、Pino Palladino、Q-Tip、Mos Def、Talib Kweli、Common 達からなる Soulquarians は Electric Lady Studios で同時に傑作を次々生み出していたようです。 "Things Fall Apart" の録音は1997年暮から1998年春。同時期に、D'Angelo の "Voodoo"、Erykah Badu の "Mama's Gun"、Common の "Like Water for Chocolate" の録音が進行していたようです。 "Voodoo" も "Mama's Gun" もよく聴きました。両方ともホント傑作ですよね。 このアルバムでも、D'Angelo、Erykah Badu、Jay Dee、Common、Mos Def、James Poyser らが参加しています。
The Roots は MC Black Thought とドラマー Questlove を中心に1987年に結成されたフィラデルフィアのヒップ・ホップ・グループ。生音ヒップ・ホップの雄でもあります。 (Questlove は2021年に映画 "Summer of Soul" を監督してましたね) 1993年にファースト・アルバムをリリースし、"Things Fall Apart" は4枚目のスタジオ・アルバムになります。
村の生活が宣教師の到来と共に一変してしまう様子を描いた "Things Fall Apart" は、1958年に出版されたナイジェリアの作家 Chinua Achebe の小説です。"You Got Me" の歌詞にタイトルが引用されています。
アルバムのファースト・トラックは Spike Lee 監督の "Mo'Better Blues" の一場面が使われています。Denzel Washington と Wesley Snipes の音楽論争、「黒人だけが俺たちの音楽を理解してくれない」。"Mo'Better Blues" もよく見たなぁ。大好きです。
Erykah Badu をフィーチャした "You Got Me" はグラミーの「デュオかグループによるベスト・ラップ・パフォーマンス」を受賞しています。確かにいい曲です。この曲では、当時まだ無名だった Jill Scott が共作に名を連ねているのが面白いところです。 最後の曲 "Act Fore... The End?" ではなんと日本語「アリガト」が出てきます。当時はまだ日本がクールな時代だったんでしょうね。今なら中国語か?