2019/12/21

PLANET / 佐藤千亜妃 (2019)

きのこ帝国もゆらゆら帝国も聴いたことありません。
このアルバムにあるのは、かなりバラエティに富んでいて、おそらくソロの自由を目一杯楽しんでいるんでしょうね。
バンドサウンドあり、EDMあり、ブラスあり、シンフォニーあり、ポップあり、ロックあり、バラッドあり。

まとまりはないけど、いい曲が揃ってますね。
”Summer Gate" 好きです。年の終わりになって、結構いいアルバムに当たるなあ。
曲作りの才能あんじゃないの?

ガールズ・ラブ・ソングがちょっと恥ずかしいけどね。

2019/12/14

ファンファーレと熱狂 / andymori (2010)

1984というのは、ボーカル/ギターの小山田壮平の生まれた年らしい。
僕が大学に入った年です。
ジョージ・オーウェルが未来小説に書き、David Bowie が1974年に曲にした1984でもあります。

前作の疾走感を裏切るように、スローテンポの曲から入った本作は、スピードだけではない、曲の良さが光る作りとなっていると思います。
もちろん、彼らの魅力である疾走感に溢れる曲も多くありますが、中には吉田拓郎か、というような曲もあり、意外と幅の広さを感じさせます。
演奏もエレクトリックギターだけではなく、アコースティックギター、トランペットなどを取り入れています。

広がりが出た分、悩みが増えたかな。永遠の子供ではいられない。

2019/12/08

Live at Sweet Basil Vol.1 & 2 / Gil Evans & The Monday Night Orchestra (1984)

返すがえす、1988年3月に N.Y. に行ったときに、Monday Night Orchestra の演奏を聴くことができなかったのは残念でした。直前の2月から月曜の定期演奏は中止されていたのです。
月曜の夜の定期演奏は、1983年4月から行われていますが、このライブは開始の翌年、東京でのライブの後録音されています。

Gil Evans にとって、この月曜の夜の定期演奏は、自身のパーマネント・オーケストラを持つという意味で、非常に大きなものだったと想像できます。実験と実証を自由にでき、各楽器パートの信頼関係の中で演奏できるというのは、ある意味彼にとって理想的な形だったのではないでしょうか。
ここで演奏されているのは、”Voodoo Chile”, “Orange was the Color of Her Dress the Silk Blue”, “Jelly Roll”, “Stone Free” など、後期 Evans が繰り返し演奏したレパートリーになりますが、どれを聴いてもすばらしいです。
彼のオーケストラは、ソロイストのソロの連続によって成り立っている、という特殊な形態をとっていたようで、ここでの演奏もそのような形です。この時期は、テナーの George Adams 中心に、ペットの Lew Soloff やチューバの Howard Johnson などが絡む形になっています。昔のようにカチッとオーケストレーションを決めて演奏するのではなく、自由が支配しています。

クラシカルやバップ・ジャズではなく、かといってフュージョンやロックではない、独特な雰囲気を出しているのはさすがだと思います。

2019/12/01

Survival / The O'Jays (1975)

安定の Gamble & Huff によるフィラデルフィア・ソウルです。
Gamble & Huff とのコラボレーションは3枚目になるでしょうか。

なんと言っても、1曲目 "Give The People What They Want" のハイハットはらの始まりが印象的です。ストリングスではなく、ブラスを大きくフィーチャしています。
次はいきなりラブ・バラッド "Let Me Make Love To You"。こちらはメロウなギターとストリングスの典型的なフィラデルフィア・ソウルです。同じく4曲目 "Where Did We Go Wrong" もいいです。

メッセージ・ソングとラブ・ソングが半々ぐらい?
今では考えられませんが、この時代って、メッセージ色が強いんですね。

2019/11/23

The Magazine / Rickie Lee Jones (1984)

Rickie Lee Jones 3枚目のアルバムですが、全体的な感じとしては、1枚目 "Rickie Lee Jones" と2枚目 "Pirates" を足して2で割ったような印象です。
1枚目、2枚目と比べてそれほど評価は高くないようですが、僕は好きです。
それまでの、ジャズ、フォーク、ロック、ポップを混ぜた、独特のサウンドは際立ってはいませんが、70年代にレイドバックしたようなメロディとサウンドが心地よいです。もちろんブラスも入れて、ジャズテイストも忘れていません。

麻薬と酒のアディクションから逃れて、パリで作った曲を完成させたようで、やはり女性にしてはかなり飛んだ人ですよね。

1984年は、ブリティッシュインベイジョンの真っ最中で、エレクトロニカ、ファンカラティーナといったポストパンクの中では埋没したのでしょう。僕自身当時は正直眼中にありませんでした。
でも、いい曲、いいアルバムというのは普遍性があるんですね。

2019/11/13

vivid / kiki vivi lily (2019)

今年聴いたアルバムの中でベストじゃないでしょうか。
こういうの好きです。
テクノでもあり、ディスコでもあり、ポップでもあり。
けだる系のヴォーカルとコーラスとラップもよし。

以前の彼女のミニアルバムと比べると、歌詞に重点が置かれているように思います。キラキラ大人女子的なところは、僕にとっては異次元ですが、あまり聴いたことのない類の歌詞です。"デニールの意味"とか、"カフェインの中毒"とか、"アイスみたいに溶ける"とか、"52分だけ"とか。

サウンドはソフト、スカスカ感がちょうどいいですね。松任谷由美や土岐麻子が好き、というのも分かります。

本人のヴィジュアルが意外と素朴なのが少し驚きでした。

2019/11/03

孤軍 / 秋吉敏子 & Lew Tabackin Big Band (1974)

この時代にビッグバンド形式でジャズをやるということがどういう風に捉えられていたかは知りませんが、時代を超越してよくできています。


セルフカバーになる "Elegy" から始まり、いきなりアルバムに引き込まれます。もちろんビッグバンドなのですが、彼女のピアノソロ、Lew Tabackin のサックスソロもモダンな味わいを出しています。いい曲ですよね。
2曲目の "Memory" ではのっけからヴォイスが入っているのが面白いです。

ハイライトは、表題曲 "孤軍” で、彼女の日本人としてのアイデンティティが十分に表現されています。アメリカ暮らしが長くなり、外から日本とは、日本人とは、ということを考えさせられたのでしょう。
鼓の音、尺八的なフルートなどを使い、日本的なものを取り入れただけにとどまらず、それがビッグバンドジャスの中でうまく消化されていると思います。
テーマは小野田少尉。僕が小学生の時の事件ですが、大騒ぎになったのをよく覚えています。そういう意味では、まだ戦後だったんでしょうね。

新しい音楽に挑戦をした、彼女の勝負アルバムであり、快作です。