“流線形” と聞いて思い浮かべるのは、松任谷由実の1978年のアルバム “流線形'80” です。
“埠頭を渡る風” が入った名盤ですが、まさしくこのアルバムタイトルをグループ名にした “流線形”。
70年代は、歌謡曲、フォークが力を持った時代でしたが、80年代近辺になると、オフコースや尾崎亜美、松山千春、八神純子などが売れるようになって「ニューミュージック」などと呼ばれるようになります。洋楽的なサウンドが特徴だったと思います。
この系譜に一番影響を与えたのが、荒井由実〜ティン・パン・アレイ〜山下達郎が70年代中盤から続けていたポップ・ミュージックですね。
ついに山下達郎が'80年に ”RIDE ON TIME” でブレイクすると、“シティ・ポップ” という宣伝文句まで生まれました。
2010年代後半になって、“シティ・ポップ・リバイバル” が流行しますが、このアルバムが出たのが2003年。'70〜'80年代 “シティ・ポップ” がほとんど注目されていなかった時代です。
“シティ・ポップ” の時代風景に、落ち着いた大人の雰囲気、洗練されたサウンドなどをブレンドした音楽は少し時代の先を行き過ぎてたのかもしれません。
この当時クニモンド瀧口氏、林有三、押塚岳大の3人のバンドでしたが、ヴォーカルにサノトモミを迎えて制作されたのが “シティミュージック” です。
このサウンドには、やはり女性ヴォーカルがベストなんでしょうね。切ないサノトモミの歌声がぴったりハマってます。
サウンドは松任谷正隆の世界とダブるところが多いかもしれません。R&B、ディスコ、ファンクを取り入れて、時にはシンセ、ストリングスを組み合わせ、耳に心地よいサウンドに仕上げています。
歌詞が、男性が見る女性のスタンスなのがちょっと気になりますが、これも時代ですかね。
アルバム・ジャケットにはバンドの3人が遠景で三角構図で写っています。晴れた日ではなく曇り空を背景にしているところが、アルバムの雰囲気と合っているかもしれません。
駒沢オリンピック公園の風景だそうです。1964年の東京オリンピックの第2会場だったそうで、首都高3号線を西に向かうと左手に見えます。つまり ”中央フリーウェイ” の ”右に見える競馬場 左はビール工場” へのオマージュです。
アルバム1曲目は ”3号線” ですからね。ちなみに英語タイトルは “Route No.3 Shibuya” です。
オマージュということでは、#2 ”恋のサイダー” は大滝詠一、山下達郎へのオマージュかもしれません。
“シティミュージック” というタイトルは、Jorge Calderón の '75 “City Music” からとっているそうです。アメリカでいうところの ”ソフト・ロック”、日本でいうところのAORの名盤です。
- 3号線 Route No.3 Shibuya
- 恋のサイダー
- 東京コースター (Album Version)
- きっとメイって I Love You
- エアーポート'80
- 恋の始めは甘く切なく Don't Stop Feeling Loving You
- フライデーナイト Friday Nite
- 作詞・作曲:クニモンド瀧口
- 編曲:クニモンド瀧口、林有三
- Electric Guitar, Backing Vocals : クニモンド瀧口
- Electric Piano, Keyboards : 林有三
- Synthesizer : 押塚岳大
- Vocals : サノトモミ
- Drums : 木村直樹
- Bass : 岡雄三
- Percussion : 佐藤唯史
- Backing Vocals : 千田真友美
- Strings : 青山玲子
- Recorded and Mixed by : 林有三
- Produced by : 流線形