この時代にビッグバンド形式でジャズをやるということがどういう風に捉えられていたかは知りませんが、時代を超越してよくできています。
セルフカバーになる "Elegy" から始まり、いきなりアルバムに引き込まれます。もちろんビッグバンドなのですが、彼女のピアノソロ、Lew Tabackin のサックスソロもモダンな味わいを出しています。いい曲ですよね。
2曲目の "Memory" ではのっけからヴォイスが入っているのが面白いです。
ハイライトは、表題曲 "孤軍” で、彼女の日本人としてのアイデンティティが十分に表現されています。アメリカ暮らしが長くなり、外から日本とは、日本人とは、ということを考えさせられたのでしょう。
鼓の音、尺八的なフルートなどを使い、日本的なものを取り入れただけにとどまらず、それがビッグバンドジャスの中でうまく消化されていると思います。
テーマは小野田少尉。僕が小学生の時の事件ですが、大騒ぎになったのをよく覚えています。そういう意味では、まだ戦後だったんでしょうね。
新しい音楽に挑戦をした、彼女の勝負アルバムであり、快作です。
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