2018年12月24日月曜日

SHISHAMO 4 / SHISHAMO (2017)

若い! 全編青春!ついていけません!

"夏の恋人"を聴きたくてアルバムを聴いてみたのですが、怒涛のPOPでした。
3ピースに少し音を足しているだけだと思いますが、ドライブ感がすばらしい。
どちらかというと"夏の恋人"が異質な曲の作りですね。
AIKOのような、椎名林檎のような、特徴のあるグルーヴと曲調を持った佳曲です。

2018年12月8日土曜日

Oumou / Oumou Sangare (2004)

マリのアーティスト Oumou Sangare の1989~2000のコンピレーションです。計20曲入ってます。
西マリのワサル地区のワサル・ミュージックの第一人者のようです。トラディショナルな音楽がベースになっています。

まず驚いたのが、1曲目 "Ah Ndiya (Oh My Love) " のグルーヴ感です。シンプルなバックですが、ヴォーカルだけで非常なグルーヴを生み出しています。

なんと発音するのか知りませんが、 kamalengoni というハープを多用していて、それが彼女のサウンドを特徴づけています。ちなみに kamalengoni というのは、ngoni という楽器の派生形のようです。

2018年12月2日日曜日

Computer World / Kraftwerk (1981)

1981年というと、YMOが名作"BGM"を出した年、イギリスでは Gary Numan が活躍し、Depeche Mode がデビューしています。思えば、Kraftwerk が "Autobahn" を出したのが1974年ですから、その先進性に驚きます。

Kraftwerk が素晴らしいなと思うのは、そのサウンドチョイスです。ラジカル過ぎずまったく心地よいサウンドを選んできます。 "Autobahn" 以降、この傾向と実力はだんだんと磨かれてきたように感じます。一旦彼らの活動はこのアルバムで一段落しますが、ここまでの活動の中ではベストと言えるでしょう。ちなみに僕的には、再活動後の "Tour de France" も大好きです。

このアルバムは、「コンピュータ」をテーマにしたコンセプトアルバムですが、なんとこのとき Kraftwerk のメンバーはコンピュータを持っておらず、当然曲にもコンピュータは使われていないそうです。

2018年11月25日日曜日

Who Is Jill Scott? Words and Sounds Vol. 1 / Jill Scott (2000)

ラップというよりポエトリーリーディング、R&Bというよりクワイエットストーム、あるいはスロージャム。
いわゆるネオソウルに分類されることが多いと思いますが、それだけにはとどまらない、独特の空気感、サウンド、グルーヴを生み出しています。
目立つ曲はなく、淡々と、に近くスローな曲が続きますが、意外と退屈しませんし、逆に心地よさにいざないます。1曲1曲を取り上げて聴くというより、アルバム全体をBGMとして聴く、という聴き方が正解かもしれません。

#1 "Jilltro" から#7 "He Loves Me (Lyzel in E Flat)" まで、本当にナチュラルに流れていきます。
#8 "It's Love" になり、かなり唐突にアップテンポになりますが、これがこのアルバムで唯一といっていいファンキーナンバーです。強烈なベースラインとホーンセクションが特徴的なR&Bで、僕自身は一番好きです。
#9 "The Way" はサビ部分のメロディが素晴らしい美しい曲です。
そして、#10 "Honey Molasses" 以降、エンディングに向かって、また静かに、グルーヴィーに曲が進んでいきます。

聴けば聴くほど味わい深い名盤です。

2018年11月10日土曜日

Crossbreed Park / Newest Model (1990)

この次のアルバム "ユニバーサル・インベーダー" はよく聴いたなあ。"知識を得て、心を開き、自転車に乗れ" は啓蒙的でした。

それを想像して聴いてみましたが、似ているようで似ていない。同じようで同じじゃない。消化してない感じ。ごった煮に具材をぶち込んだけど、メルトしていない感じ。

この前聴いた ボ・ガンボス に近いなあと思ったら、やっぱり影響されてたみたいです。
沖縄、ロック、パンク、ソウル、アイリッシュ、ファンク...ホーン・セクションなんかも使っていろいろ頑張ってるこのアルバムのテーマは混雑。そう、雑種天国です。

パンクから出発して、数年でよくここまで吸収したものです。

2018年11月4日日曜日

The Imagine Project / Herbie Hancock (2010)

Herbie Hancock の70歳を記念して始まった "The Imagine Project" ですが、「7つの国、5つの大陸、7つの言語」で録音されたという、壮大かつワールドワイドなアルバムになっています。コンセプトは "Peace and Global Responsibility" ということで、社会的メッセージを意識した内容であり、選曲となっていますが、すべての曲はいわゆるジャズではありません。
"Imagine", "Don't Give Up", "The Times, They Are A' Changin'", "Exodus", "A Change Is Gonna Come" といったタイトルを見ても分かります。

ここでの Herbie のピアノは、主旋律を弾くというより、バックでのインプロビゼーションを楽しんでいるような感じですが、そこがまたリリカルで素晴らしい。Miles バンドの時の Herbie が秀逸であるように、この人はバックの時にも力を発揮します。前作 "River" もそうでした。

曲調は、バラエティ豊かなワールドミュージックで、英米の曲をベースとしながら、北米、アフリカ、南米の濃いブレンドとなっています。

Jeff Beck, Chaka Khan, Wayne Shorter というビッグネームや、John Legend, P!nk, Seal, India Arie, John Legend, Susan Tedeschi, James Morrison, Los Lobos といった若手・中堅、Konono No.1, Céu, Toumani Diabaté, Juanes, Tinariwen, K'naan といったアフリカ、南米のミュージシャンらが豪華に参加しています。Herbie のもとに集まって録音したのではなく、Herbie 自ら赴いて録音したといいます。

ハイライトは何と言っても表題曲である、"Imagine" ですが、僕としてはゆったりした ブラジリアン "Tempo de Amor" や、タンゴ "La Tierra"、アフリカンの曲に"Exodus" をミックスした "Tamatant Tilay, Exodus" あたりが好みです。

  1. "Imagine" (John Lennon) by P!nk, Seal, India.Arie, Jeff Beck, Konono No.1, Oumou Sangaré
  2. "Don't Give Up" (Peter Gabriel) by P!nk, John Legend
  3. "Tempo de Amor" (Vinicius de Moraes, Baden Powell) by Céu
  4. "Space Captain" (Matthew Moore) by Susan Tedeschi, Derek Trucks
  5. "The Times, They Are A' Changin'" (Bob Dylan) by The Chieftains, Toumani Diabaté, Lisa Hannigan
  6. "La Tierra" (Juan Esteban Aristizabal) by Juanes
  7. "Tamatant Tilay / Exodus" (Bob Marley, Alhassane Ag Touhami) by Tinariwen, K'naan, Los Lobos)
  8. "Tomorrow Never Knows" (Lennon–McCartney) by Dave Matthews
  9. "A Change Is Gonna Come" (Sam Cooke) by James Morrison
  10. "The Song Goes On" (Larry Klein) by K.S.Chithra, Chaka Khan, Anoushka Shankar, Wayne Shorter


2018年10月28日日曜日

Starboy / The Weeknd (2016)

カナダシンガー The Weeknd の3rd. アルバムで、1st. と 2nd. でスターになった男の苦悩を描いています。

このアルバムの中では、Daft Punk が参加している2曲 "Starboy" と "I Feel It Coming" が素晴らしい!2013 の Nile Rodgers と組んだ "Random Access Memories" 、2014の Pharrell Williams の "GIRL" に続くプロジェクトと言っていいでしょう。かなり Daft Punk の色が強く出ています。

The Weeknd のアルバムを聴くのは初めてですが、歌声はかなり Michael Jackson に似ていると感じました。曲調もかなりポップです。おそらくヒップホップカルチャーの人だと思いますが、 Michael Jackson になかったヒップホップの要素を掛け合わせ、ダークな歌詞もミックスしたところが今風を感じさせます。

60th グラミーのベスト・アーバン・コンテンポラリーを受賞しています。

2018年10月20日土曜日

Secrets / Robert Palmer (1979)

"Double Fun" の次は、何とロックへの挑戦でした。前3作は ブルー・アイド・ソウル の路線をひた走っていましたが、俺もロックできるぞ、なのか、たまたまロックやることが心地よかったのか。続く "Clues" もロックと言えばロックですが、どちらかといえば、Gary Numan に触発されたテクノ・ロックですので、これ以降ロック路線、というわけでもなさそうです。
ロック、テクノ、ワールド・ミュージックへの扉を開いたというべきなのかもしれません。

"Secrets" のハイライトは、何と言っても1曲目の "Bad Case of Loving You (Doctor, Doctor)" でしょう。Moon Martin が前年に出した曲を1年後にカバーしましたが、オリジナルより Robert Palmer バージョンの方が断然有名になりました。これが、ギター・サウンドのガンガンのロックなんですね。後のヒット "Addicted To Love" への前触れと捉えられなくもありません。
続く "Too Good to Be True" は、 Palmer オリジナル。変則レゲエリズムの心地よい佳曲です。
3曲目は、Todd Rundgren の "Can We Still Be Friends?" を忠実にカバーしています。Todd Rundgren は本当にいい曲を書きますね。
このアルバムの中で、唯一(?)のソウルバラード "Mean Old World" もいい曲です。
さらに、これも Palmer のオリジナル "What's It Take?" は、少しカリビアンの香り。このアルバムが、 Palmer の好きなバハマ録音だということを思い出させます。

2018年10月14日日曜日

Crucial Reggae: Driven by Sly & Robbie (1982)

Sly Dumber と Robbie Shakespeare の2人がやっていて、かつバックをつとめている Taxi レコードのコンピレーション。ポップ・サイドの曲が集められているらしい。

サウンドは極めてオーソドックス。アバンギャルドなところはありませんが、そのベースとドラムのさりげない主張が素晴らしい! まさしく "Driven by Sly & Robbie" 。
The Mighty Diamonds, Dennis Brown, Yellowman などの有名どころの曲もありますし、Jimmy Riley の "Sexual Healing" (もちろん Marvin Gaye のカバー) がいい感じ。

ベースとドラムのレゲエサウンドが心地いい1枚です。

2018年10月11日木曜日

All Day Music / War (1971)

Eric Burdon と袂を分かった War の快心作。
乾いたアーシーなファンク・サウンドが心地いいです。
決してメロディー的にキャッチ―なものはないのですが、サウンドで押してきます。
まずはタイトル曲 "All Day Music"。フォーキーでラテン・フレイバー、オルガンとハーモニカが効いています。日曜日の午後に聴きたい。
そして "Slippin' into Darkness"。ゴスペル調に始まりますが、途中からの図太いベースラインと、ユニゾンするギターと、タイトなドラムで、ファンキー地帯へ。
ロック、ラテン、ファンク、ブルーズのミクスチャ―がいいサウンドを生み出しているんでしょうね。

2018年9月29日土曜日

BO & GUMBO / BO GUMBOS (1989)

熱狂的なファンを持つ、 Bo Gumbos のファーストアルバム。
初めて聞きましたが、曲の感じは RC ですが、アレンジ、テクニック的にはこちがらずいぶん上に感じられます。ロックがベースで、"GUMBOS" というだけあって、ごった煮感満載です。
男子が好きそうなバンドやね。

2018年9月24日月曜日

Yankee Hotel Foxtrot / Wilco (2002)

2001年の9.11の大きな影響を反映した1枚。

"Jesus, Etc." を聴いたのは、 Norah Jones のカバーを集めたコンピレーションでした。正確には、 Norah Jones のガールズ・バンド ”Puss N Boots" のカバーですけど。
Norah Jones が、 Wilco の中でも、なぜこの曲をカバーしたのか分かりませんが、このアルバムの中では特異な曲調となっています。カントリーサイドから出てきたバンドなので親近感はあったんでしょうね。

しかし、ここに集められている曲はカントリーの枠からは大きく外れてます。オルタナティブなフォーク・ポップ・ロックといった感じでしょうか。美しいメロディラインはすばらしいものがあります。フロントマン Jeff Tweedy の才能を感じます。

残念なのはほとんどの曲で共作しているキーボードの Jay Bennett がこのアルバムを最後にバンドを離れたことです。この後のアルバムは聴いたことがないので、どういう変化になったのか。

2018年9月19日水曜日

Cool / Bob James & Earl Klugh (1992)

1979年の "One on One" 、1982年の "Two of a Kind" に続く、フュージョン界のスーパースター2人のコンビネーション・アルバムの第3弾になります。

"Two of a Kind" から10年ですが、その間に、メディアはCDになり曲数が増えました。その分少し散漫な感じになったかな。
また、録音技術とシンセサイザーの力がだいぶ上がったように感じますが、僕は "Two of a Kind" の「古さ」の方が気持ちよく感じます。少し70年代っぽいというか。

この中ではやはり、ゆったりとした、音数の少ない曲、例えば #1 "Movin' On" や #3 "So Much in Common" がいいですね。心地いい!

2018年9月8日土曜日

Pleasure / The Ohio Players (1972)

The Ohio Players の Westbound での2枚目となるアルバム。
彼らがブレークする前夜ですが、「さあ、これから」という意欲作です。
"Funky Worm" なんか、最高ですね!

The Ohio Players はファンク・バンドというイメージが強いですが、スィート・ソウルあり、ファンクあり、R&Bあり、そのウィングの広さが魅力だと思っています。
そんな中で、僕が一番好きな分野は、Jazz です。
このアルバムのボーナストラックは7曲入っていますが、その最後の3曲は ジャジー。これがメロウでいいです。

2018年9月2日日曜日

H.M.S. Fable / Shack (1999)

The Pale Fountains の Michael Head 率いる Shack の3rd. アルバム。
改めて聴いて思ったのは、Michael Head は希代のメロディメイカーだということです。
こんな美しいメロディラインを連発して書ける人は他にいるのでしょうか。

実は、Shack は同時代で聴いていません。僕の記憶では、ほとんど売れてないと思います。The Pale Fountains 解散後、メンバーがどうなったのかも知りませんでした。

商業的な不成功と Michael Head の薬物中毒によって90年代は非常に不活発でしたが、突然活動を再開したのがこのアルバムでした。しかしその背景を感じさせないような、完成度の高さ!

The Pale Fountains とともに、Shack はもっと評価されるべきだと思います。

2018年8月27日月曜日

愛をあるだけ、すべて / KIRINJI (2018)

KIRINJI を聴いたのはほぼ初めて。
兄弟でやっているという程度の認識しかありませんでしたが、このポップ・サウンドは非常にクオリティが高いのに驚きました。しかも、今は兄弟でもない。

「大人の上質なポップ・ミュージック」。そんな感じです。
若干、歳をとってしまったことへの後悔なんかも歌詞に織り交ぜたりしてますが、歌詞がもっと良ければもっといいんでしょうね。

"AIの逃避行" なんか、シンセが効いててとても惹かれます。
一番気になるのが "After the Party"。酔っぱらった夜中に放り出されて住宅街に独りぼっちな感じが、めちゃくちゃ共感しますが、これがまた女性ボーカルで、女性の目線なのが悲しすぎなくていいです。

2018年8月11日土曜日

Machito at the Crescendo / Machito (1961)

The Crescendo は Gene Norman によって経営された Hollywood Sunset Boulevard のNight Club、1954-1964なので今はありません。

ノリのいいアフロ・キューバン・ジャズやお得意のマンボだけでなく、スローな曲や、サルサの原型のようないい曲もあります。
スタジオでの録音より、こういった時代のミュージシャンは本物ですから、ライブのクオリティでも変わらないんでしょうね。

ライブ感 Good です。食事の音とかが入ってるのが、クラブの感じがよく出てます。

2018年7月6日金曜日

Musical Massage / Leon Ware (1976)

Marvin Gaye の同年の名盤 "I want you" の裏版ともいうべきアルバム。
Leon Ware の "I want you" を聴いた Marvin Gaye が気に入ったため、Marvin Gaye に曲を提供し、さらにアルバム全体のプロデュースも Leon Ware が行っています。
楽曲提供の代償として Motown からソロ・アルバム製作の許可をもらい、同じフォーマットで残りの曲をレコーディングしたのが、この "Musical Massage" です。Ray Parker, Jr. , Chuck Rainey, David T. Walker らのバック陣もほぼ同じで、フィーリングも空気感も "I want you" を踏襲しています。

Leon Ware の "I want you" も聴いてみたいところですが、おそらく Marvin Gaye の方が何倍もいいでしょう。それだけ Marvin Gaye のヴォーカルは超絶だと思います。そういう意味でやはり、"I want you" を提供したことは、"I want you" という曲にとっても良かったですし、名声を高められたということは Leon Ware にとっても良かったのではないかと思います。

Quincy Jones と以前に一緒にやった "Body Heat"、 Minnie Riperton がいいテイストを出している "Instant Love" やボーナストラックの ”Comfort” ("I want you" アルバムに提供した "Come Live With Me, Angel")、Bobby Womack がバッキングで参加しているタイトル曲と "Holiday"(Marvin Gaye 自身も参加)と、贅沢なゲスト陣という面でも楽しめます。

2018年6月24日日曜日

卒業と、それまでのうとうと / 泉まくら (2012)

ラップ、というより、ポップ。確かにラップなのですが。

アルバムタイトルにあるように、「卒業」というキーワードがチラホラします。大人になりきっていないのに、大人だと言われる気分とそれまでの学生生活。

秀逸なのは #2 "sen-sei!" 。なんでヤギ!? なんで鼓!?

アルバムは5曲の新曲と、そのリミックス5曲が同じ順番で並んでいる、特殊な構成です。

2018年6月18日月曜日

Modern Times / Bob Dylan (2006)

2000年代以降の Dylan は、カントリー、シャッフル、ブルーズ、ジャズなどのルーツ・ミュージックを自在にミックスした、オリジナルの音楽を作り出しており、味があって好きです。

特に、スローな曲がいいですね。
このアルバムでも、スチール・ギターの音色が耳に残る "When the Deal Goes Down"、イントロのピアノが美しい "Workingman's Blues #2"、渋いボーカル "Nettie Moore"、バイオリンが効いている "Ain't Talkin'" などのスロー・ナンバーが光っています。

2018年6月10日日曜日

Manhattan Latin / Dave Pike (1964)

ビブラフォン奏者 Dave Pike によるNYラテン。
ジャズメンが多く参加していますが、イージーリスニングのラテンミュージックです。

2018年6月5日火曜日

Extension of a Man / Donny Hathaway (1973)

彼の一番の意欲作であり、ラスト・ソロアルバムでもあります。

1曲目の "I Love the Lord; He Heard My Cry, Pts. 1 & 2" は、何とオーケストラですし、3曲目 "Flying Easy" はフォーク・ロックとも言えます。
4曲目は、エレキ・ピアノが軽快なインスト・ナンバー、5曲目は Blood Sweat & Tears のカバー。
"Extension of a Man" というタイトルに、その意欲が表れています。

なかでもやはりハイライトは、2曲目 "Someday We'll All Be Free" でしょう。
"Keep on walking tall
Hold your head up high"
スーパー・ポジティブなメッセージ・ソングです。

2018年5月27日日曜日

Tale Spinnin' / Weather Report (1975)

前作 "Mysterious Traveller" からファンキー路線が本格的になったと言われますが、確かに本作は前作の流れを踏襲しています。
かつ、次作 "Black Market" への下地も確実に作っています。特に、Zawinul のシンセの音色が前作に続き、そして次作へつながります。

今作の中で一番お気に入りは、1曲目 Zawinul 作の "Man In The Green Shirt" です。特徴的なソプラノサックスによるテーマと、重層的なサウンドの重なり、スピード感のあるベースとテクニカルなドラムス、ユニゾンもばっちり決まってます。

Zawinul, Shorter 以外のメンバーはコロコロ変わるのが W.R. ですが、今回のベースは、前作に引き続き Alphonso Johnson で、ドラムは Leon "Ndugu" Chancler が担当しています。Ndugu は、Santana での仕事が Zawinul に認められてレコーディングに参加しますが、正式加入はせず、また Santana の仕事に戻って行ったようです。

2018年5月13日日曜日

H.O.T / Nulbarich (2018)

昔、桑田佳祐は評論家に「日本語をもっとはっきり発音しなさい」と怒られたそうですが、Nulbarich のヴォーカル JQ の発音はもはや何を言っているのかわかりません。英語を歌っている中で、突然日本語が混じる。しかも英語っぽい。佐野元春が始めた、日本語と英語を交互に並べる歌詞の手法ともまた違った形です。Suchmos も同類ですが、うーん、これでいいのか。

サウンドは洗練されていて、ブラック・ミュージックをうまく消化したポップで、イギリスで言えば Jamiroqai といったところでしょうか。日本のポピュラー・ミュージックもだいぶいいところまで来たな、と思います。

カッティング・ギターとファルセット気味のハイ・トーン・ヴォイスが効いています。

BGMにいいのかもしれません。

2018年4月28日土曜日

Classikhan / Chaka Khan (2004)

London Symphony Orchestra をバックに、ジャズやポップスのクラシックを歌い上げる企画ものです。

純粋なジャズを生粋のジャズメンをバックに歌うというのは、1982年の "Echoes of an Era" がありますが、今回はそれと似たようなものではあるものの、ゴージャス感を前面に出しているところが違うように思います。ジャズテイストを出しながらも、あくまでオーケストラバックなんですね。

さすがの歌声で文句なしです。
007の歌が2曲入っていますが、ロンドン=イギリスへのオマージュでしょうか。

1曲だけオリジナルが入っています。最後の曲 "I Believe" 、悩める人への応援歌のようですが、なかなかいいバラッドです。