この時代の日本のフュージョンというのは、今思えばある意味「日本」を表現してたと思います。
バタ臭くないというか、ファンキーでないというか、いわゆる洋楽っぽくないという意味で。
特に、高中正義、カシオペアなどのギターをフィーチャしたフュージョンがそうですよね。
だからヒットしたんですかね。日本人の血というか。僕も大好きです。
この渡辺香津美の"TO CHI KA"は、こうした日本人のリズム感・メロディを表現しつつも、バックを豪華なUSメンバーで固めた、いわば混血サウンドが素晴らしい傑作アルバムだと思います。
Michael Brecker、Peter Erskine、Kenny Kirkland、Marcus Miller、こういったメンバーをよく集めたものだと思います。しかも、プロデューサー兼ヴィブラフォンは Mike Mainieri!
自分のサウンドを一流の人を集めて表現する、という姿勢がスゴイと思います。
Michael Brecker のサックスが素晴らしい"Cokumo Island"や当時Lo-DのコンポのCMに使われたキャッチ―な"Unicorn"をはじめ、ギターソロのかっこいい"Liquid Fingers"、"Don't Be Silly"、ルーズなファンキーナンバー"Black Canal"、シンセサイザーが特徴的な"Sayonara"など、名曲ぞろいです。
ヴィブラフォンとアクースティック・ギターのデュエットが美しい"To Chi Ka"が好きな人も多いと思います。
1979年のYMOのワールドツアー後のN.Y.録音ということで、名実ともにノッていた時期でしょう。
ちなみに、"TO CHI KA"は、裏ジャケットに写っている愛犬の名前だそうです。
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