2024年5月12日日曜日

The Glass Hours / Linda May Han Oh (2023)

ジャズベーシスト Linda May Han Oh の6枚目のリーダー作ですが、ちゃんと聴くのは初めてです。

前作 "Aventurine" 後に彼女はコロナ下で子供を産み母となりました。
その経験が今回の音楽に反映されているかどうかは分かりませんが、大きな転機となりうる経験だったでしょう。

Linda May Han Oh はマレーシア生まれの中国系で、オーストラリア・パース育ち。
僕が大学生の時の生まれですが、もう40手前なんですね。当たり前か。
ウッドベースを軽やかに演奏する姿を YouTube で見ましたが、中華系のクールビューティでカッコいいです。

今回のアルバムは変則的なクインテット編成のバンドからなっています。
ベース、ドラムス、ピアノ、サックス、ヴォーカル
旧知のコラボレーターのようです。特にピアノの Fabian Almazan は学生の時からの知り合いで、夫でもあるんですね。今回のアルバムでは流れるような演奏で、このアルバムの音楽に大きな影響を与えています。
基本的にアコースティックであり、シンプルな楽器構成でありながら、複雑さを感じさせます。
繰り返すテーマは時にわかりづらく、他の楽器とユニゾンするスキャットのようなヴォーカルが独特の感じを醸し出しています。
静寂を思い起こさせるようでありながら、バックでは忙しく音が鳴っている、そんな感じ。
ジャズのような、ジャズではないような。
アクが強いですが、時折聞きたくなるような音楽です。


  1. Circles
  2. Antiquity
  3. Chimera
  4. Jus Ad Bellum
  5. The Glass Hours
  6. The Imperative
  7. Phosphorus
  8. Respite
  9. The Other Side
  10. Hatchling

Composed by Linda May Han Oh
Recorded at Brooklyn Recording on June 13th and 14th 2022

2024年5月6日月曜日

Stone Love / Angie Stone (2004)

年齢不詳、と言われるということは、結局年齢より若く見えるってことでしょ。
アルバム出たとき42歳。
だいたいデビューアルバムが30代後半ですもん。

"Black Diamond""Mahogany Soul" といずれも名作が続きましたが、今回のサードアルバムも名作です。
ネオソウルを基調としつつ、ちょっとずつずらしてもやっぱり Angie Stone やなあー、と感じられるのは何なんでしょう。
今回は、Snoop DoggAnthony HamiltonBetty WrightFloetry など豪華ゲスト陣をフィーチャー。いい味付けになってます。

Snoop Dogg フィーチャーの "I Wanna Thank Ya"、いいですねー。
Jonathan RichmondJuanita Wynn 作の "Remy Red" もいいです。
両曲とも跳ねてます。
Missy Elliott プロデュース "U-Haul" は、ブルージー R&B。確かグラミーノミニーなんですよね。

アルバムは当初、Gladys KnightChaka KhanRoberta FlackNatalie Cole らを迎えて、“Diary of a Soul Sister“ というコンセプトで作られる予定だったのが、レーベルの創始者 Clive Davis から反対されて路線変更したそうです。
"Diary" が同じ年リリースの Alicia Keys "The Diary of Alicia Keys“ と被るから。ちなみに Alicia は Davis のアリスたレコード。
"The Diary of Alicia Keys“ はかなりヒットしたので、当然ビジネスマン Davis としては、儲かる方を選んだんでしょう。

サンプルに使われている曲は多岐にわたります(ようそんな曲知ってるな、というのもいくつかあります)が、使い方がさりげないんですよね。ちょっと聴いただけでは分かりません。

  1. Stoned Love (Intro)
    • The Supremes cover
  2. I Wanna Thank Ya
  3. My Man
    • Featuring Floetry
    • Produced by Warryn "Baby Dubb" Campbell, Lilly
  4. U-Haul
    • Produced by Missy Elliott, Natalie Stewart, Craig Brockman, John "Jubu" Smith
  5. Stay for a While
    • Featuring Anthony Hamilton
  6. Lovers' Ghetto
    • Producedby Rufus Blaq Prince, Charles Alexander, Jamel "Melekeyz" Olive
  7. Little Bit of This, Little Bit of That... (Interlude)
    • Produced by Jonathan Richmond
  8. You're Gonna Get It
    • Featuring Diamond Stone
    • Produced by Walter Millsap III
  9. Come Home (Live with Me)
    • Produced by Supa Ugly K-Love
  10. You Don't Love Me
    • Produced by Jonathan Richmond
  11. Remy Red
    • Produced by Jonathan Richmond
  12. That Kind of Love
    • Featuring Betty Wright
    • Produced by Warryn "Baby Dubb" Campbell
  13. Touch It (Interlude)
    • Produced by Jonathan Richmond
  14. Cinderella Ballin'
    • Produced by Jonathan Richmond
  15. Karma
    • Featuring T.H.C.
    • Produced by Andreao "Fanatic" Heard, Sherrod Barnes
  16. Wherever You Are (Outro)
    • Produced by Jonathan Richmond
  17. I Wanna Thank Ya (No Rap)
    • Produced by Jazze Pha

Sample credits

2024年4月27日土曜日

SUPERMARKET / 藤原さくら (2020)

初めて真面目に藤原さくらのアルバムを聞いてみました。
メジャー3作目だそうです。
フォーキーなイメージがありましたが、そこそこロックな感じでした。

#2 "Ami" がダントツでいいですね。
Wilco を思わせる都会的ブルージーなギターサウンドと軽快なドラムスが特徴でしょうか。うまくハスキーヴォーカルに合ってます。
初めてエレキギターとエフェクターを使ったツアー用にバンドで作った曲だそうです。
そんな感じのMVがいい感じ。

これ以外の曲は、結構バラエティに富んでます。
ポップ、Lo-Fi HIPHOP、フォーク、インディー・ロック、ファンクなどなど。
これも、多くのアレンジャーが参加していることも影響しているでしょう。
冨田ラボ、Ovall、SPECIAL OTHERS、Yasei Collective、別所和洋、澤部渡、VaVa….何だかよく分かりませんが、バラエティに富んでいることだけは分かります。

なんでも売ってるスーパーを意識したタイトルですかね。

  1. Super good [Ovall]*
  2. Ami
  3. Waver [関口シンゴ]
  4. 生活 [VaVa]
  5. コンクール [冨田恵一]
  6. marionette
  7. Right and light [mabanua]*
  8. Monster [冨田恵一]*
  9. spell on me *
  10. ゆめのなか [澤部渡]
  11. BPM [YAGI & RYOTA (SPECIAL OTHERS)]
  12. Twilight
  13. 楽園

  • 曲:藤原さくら
  • 詞:藤原さくら、*& Michael Kaneko
  • 編曲:[ ]、無記名=藤原さくら

参加ミュージシャン

  • Shingo Suzuki(Ovall)
  • 須田洋次郎(ミツメ)
  • 猪爪東風(ayU tokiO)
  •  渡辺将人(COME BACK MY DAUGHTERS)
  •  松下マサナオ(Yasei Collective)
  •  中西道彦(Yasei Collective)
  •  斎藤拓郎(Yasei Collective)
  •  別所和洋
  •  秋田ゴールドマン(SOIL&"PIMP"SESSIONS)
  •  H ZETT M(H ZETTRIO)
  •  高桑圭(Curly Giraffe)
  •  小林創
  • 手島大輔(BimBomBam楽団)
  • 大内満春(GENTLE FOREST JAZZBAND)
  • 佐瀬悠輔(GENTLE FOREST JAZZBAND)
  • 佐久間裕太
  • 岩崎なおみ
  • 佐藤優介
  • シマダボーイ

2024年4月20日土曜日

Tyla / Tyla (2024)

南アフリカの歌姫、Tyla のファーストアルバムです。

昨年、このアルバムにも入っている "Water" でブレークしました。
インド系とモーリシャス系の血を引く22歳。
まずそのキュートでオープンなルックス、ボディとダンスが目を引きますが、サウンド的には「アマピアノ」をベースとしているようです。

アマピアノという言葉自体は初めて聞きましたが、2020年代に入ってブレークした、南アフリカのハウスの一種のようです。
ハウス、南アフリカ独自のクワイト(Kwaito)、ラウンジなどが混じったサウンドで、「ログドラム」と呼ばれる木をベースにした打楽器を使っているのが特徴なんでしょうか。
確かにこのアルバム全般を通じて、ヘヴィーなドラムスは皆無で、遅めのBPMとライトなドラム、パーカッションが続きます。
ミュージックビデオ見ても、演奏シーンがないので、どんな奏法なのかはさっぱり分かりません。もしかしたら意外とほとんど打ち込みなのかもしれません。
そのチルさ具合が心地よいサウンドになっていて、いい感じです。

アルバムの曲は、"Water" の系統の曲を集めた感じ。中には "On And On" のようにR&Bもあり、彼女の好みも垣間見れます。
歌い方は多少エキゾチックなところもあり、その辺りも特徴かもしれません。

今後に大きく期待です。

  1. Intro [Featuring Kelvin Momo]
  2. Safer
  3. Water
  4. Truth Or Dare
  5. No.1 [Featuring Tems]
  6. Breathe Me
  7. Butterflies
  8. On And On
  9. Jump [Featuring Gunna, Skillibeng]
  10. Art
  11. On My Body [Featuring Becky G]
  12. Priorities
  13. To Last
  14. Water (Remix)

2024年4月13日土曜日

Straight Up Funk Go Go Style / Trouble Funk (1981)

いやあ、これは最高ですね。

多分これが一番最初に出たレコードだと思うのですが、今まで聞いた Trouble Funk の中では1,2を争う傑作です。
ライブアルバムですが、DC Go-Go のバンドはどれをとっても、スタジオ録音より、ライブの方が段違いにいいのはどうしてなんでしょう。

Trouble Funk の特徴は、パーカッションの多用、シャッフルビートを基礎とした3連打のドラムパターン、P-Funk に強く影響を受けたうねるシンセと永遠に続くループ、コール・アンド・レスポンス、でしょうか。
特に、コール・アンド・レスポンスと、エンドレスのループはライブならではのものになりますので、「ライブ最高」となるのは仕方のないことです。
このライブ・アルバムは、その特報を余すところなくパックしています。

一応4曲入っていますが、それぞれは曲名がなく、Part A〜D です。ただ、"Drop the Bomb" などの曲をエンドレスに続けている感じです。
当時出たのが 12inchの2枚組ということで、15分程度に編集した4パートとなっているんでしょう。
ただ、元は全部繋がっているのかもしれません。というのは、パートの終わりが次のパートの最初にフェード・アウト、フェード・インしているのが明らかなのが複数パートで認められます。

1981年は僕が高校1年の時。アメリカの一角でこんな音楽が生まれていたなんて、全く知らない生活を送ってました。
この前、佐野元春のライブ映像を見返していたのですが、1984年の "Visitors Tour" の "Complication Shake Down" のライブのパーカッションの多用は、明らかに Trouble Funk の影響を受けたものに感じました。彼が生活してた N.Y. に DC Go-Go の波が伝わっていたのかは謎ですが。
ちなみに 80 年代後半 New Jack Swing が DC Go-Go に対して N.Y.  Go-Go と呼ばれていたんですが、僕にはビート以外の共通点は分からず、全く別物に感じます。Teddy Riley は DC Go-Go に影響を受けたと言っているようですが。

いずれにしても、最高です!


  1. Part A
  2. Part B
  3. Part C
  4. Part D


  • Bass : Tony Fisher
  • Drums : Emmett Nixon
  • Keyboards : James Avery, Robert Reed
  • Lead Guitar : Chester Davis
  • Percussion : Mack Carey, Timothy David
  • Saxophone : David Rudd
  • Trombone : Gerald Reed, Robert Reed
  • Trumpet : Taylor Reed

2024年4月6日土曜日

He's Coming / Roy Ayers Ubiquity (1971)

Miles が "Bitches Brew" を出したのが1970年でしたかね。
それからほとんど日も経たない1971年に本作が出されているのは、Roy Ayers の先進性でしょうね。

Mizell Brothers が活躍するのも1972年以降。"On the Corner" も1972年です。
このアルバムで重要なパートとなっているフルートを使ったファンク・ジャズも当時それほどなかったはずです。

このアルバムでは、ニュー・ソウル・ムーヴメントにも呼応しているようにも思えます。
"What's Gong on" が1971年。 

そう言う意味で鬼才ですよね。

自身はヴァイブ奏者ですが、ここではその演奏は控え目。キーボードの方が目立っています。
ファンク・ジャズ、クロス・オーバー、フュージョン、スピリチュアル・ジャズ....なんとでも呼べます。
名曲は "We Live In Brooklyn Baby"。ヴィブラフォンとストリングスが特徴的です。


  1. He's A Superstar
    • Written by Myrnaleah Williams, Roy Ayers
  2. He Ain't Heavy He's My Brother
    • Written by Bobby Russell, Bobby Scott
  3. Ain't Got Time
    • Written by Roselle Weaver
  4. I Don't Know How To Love Him
    • Written by Andrew Lloyd Webber, Tim Rice
  5. He's Coming
    • Written by Roy Ayers
  6. We Live In Brooklyn, Baby
    • Written by Harry Whitaker
  7. Sweet Butterfly Of Love
    • Vocals : Sandy Hewitt
    • Written by Emily Jane Manning
  8. Sweet Tears
    • Written by Roselle Weaver, Roy Ayers
  9. Fire Weaver
    • Written by Roy Ayers


  • Electric Piano, Organ, Vocals : Harry Whitaker
  • Vibraphone, Organ, Vocals : Roy Ayers
  • Backing Vocals : Carol Smiley, Gloria Jones, Victoria Hospedale
  • Bass : John Williams (except on #6), Ron Carter (on #6)
  • Congas : Juma Santos
  • Drums : David Lee, Jr.
  • Drums, Percussion : Billy Cobham
  • Guitar : Bob Fusco (on #6), Sam Brown (except on #6)
  • Soprano Saxophone, Flute : Sonny Fortune
  • Strings : Selwart Clarke
  • Engineer : Rudy Van Gelder
  • Producer : Myrnaleah Williams
  • Recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey

2024年4月2日火曜日

告白 / チャットモンチー (2009)

3枚目のアルバム。
「シャングリラ」で大ブレークしたアルバム「生命力」の次とあって、期待が高まっていたでしょうね。

スピード感のある曲が多いように思います。
「風吹けば恋」なんかは最たるもの。いいノリです。自主作成CD「チャットモンチーになりたい」(2004年)収録曲の再録。資生堂「シーブリーズ」CMソングのようですが、覚えてません。

全員がヴォーカルをとる「長い目で見て」も面白いですね。ドラムパターンがカッコいい。
全体的にチャットモンチーはドラムが凝ってますね。何かしらギミックを入れてくる。

今まで作詞を誰がやっているのか気にしてなかったんですが、基本的には高橋と福岡が担当してるんですね。意外でした。曲を書いてる橋本が歌詞も書いているもんだと思ってました。

今回は亀田誠治といしわたり淳治の2人をサウンドプロデューサーに起用。ドライブ感とギターロック感のそれぞれの良さが曲に反映されていると思います。


  1. 8cmのピンヒール [高橋久美子/いしわたり淳治]
  2. ヒラヒラヒラク秘密ノ扉 [高橋久美子/いしわたり淳治]
  3. 海から出た魚 [福岡晃子/亀田誠治]
  4. 染まるよ [福岡晃子/亀田誠治]
  5. CAT WALK [高橋久美子/亀田誠治]
  6. 余談 [橋本絵莉子/亀田誠治]
  7. ハイビスカスは冬に咲く [高橋久美子/亀田誠治]
  8. あいまいな感情 [高橋久美子/チャットモンチー]
  9. 長い目で見て [福岡晃子/いしわたり淳治]
  10. LOVE is SOUP [福岡晃子/いしわたり淳治]
  11. 風吹けば恋 [高橋久美子/いしわたり淳治]
  12. Last Love Letter [福岡晃子/チャットモンチー]
  13. やさしさ [橋本絵莉子/いしわたり淳治]

作曲:橋本絵莉子 [作詞/プロデューサー]


  • 橋本絵莉子:Vocals, Guitars, Sauce Pan (#10), Finger Snap (#10)
  • 福岡晃子:Bass, Vocal (#9), Pan (#10), Finger Snap (#10)
  • 高橋久美子:Drums, Vocal (#9), Bongo (#7), Tambourine (#8.11), Wood Block (#8), Milk Pan (#10), Finger Snap (#10), Cow Bell (#11), Tongue Click (#12)