2017年1月4日水曜日

TO CHI KA / 渡辺香津美 (1980)

この時代の日本のフュージョンというのは、今思えばある意味「日本」を表現してたと思います。
バタ臭くないというか、ファンキーでないというか、いわゆる洋楽っぽくないという意味で。
特に、高中正義カシオペアなどのギターをフィーチャしたフュージョンがそうですよね。
だからヒットしたんですかね。日本人の血というか。僕も大好きです。

この渡辺香津美の"TO CHI KA"は、こうした日本人のリズム感・メロディを表現しつつも、バックを豪華なUSメンバーで固めた、いわば混血サウンドが素晴らしい傑作アルバムだと思います。

Michael BreckerPeter ErskineKenny KirklandMarcus Miller、こういったメンバーをよく集めたものだと思います。しかも、プロデューサー兼ヴィブラフォンは Mike Mainieri
自分のサウンドを一流の人を集めて表現する、という姿勢がスゴイと思います。

Michael Brecker のサックスが素晴らしい"Cokumo Island"や当時Lo-DのコンポのCMに使われたキャッチ―な"Unicorn"をはじめ、ギターソロのかっこいい"Liquid Fingers"、"Don't Be Silly"、ルーズなファンキーナンバー"Black Canal"、シンセサイザーが特徴的な"Sayonara"など、名曲ぞろいです。
ヴィブラフォンとアクースティック・ギターのデュエットが美しい"To Chi Ka"が好きな人も多いと思います。

1979年のYMOのワールドツアー後のN.Y.録音ということで、名実ともにノッていた時期でしょう。
ちなみに、"TO CHI KA"は、裏ジャケットに写っている愛犬の名前だそうです。

2016年12月25日日曜日

Provision / Scritti Politti (1988)

僕が初めて Scritti Politti を聴いたのは、"Hypnotize" だったと思います。
クリアなサンプリングサウンドとエレクトリックビートに乗せた、中性的なヴォーカルが印象的で、なんてカッコいい曲なんだろうと衝撃を受け、すぐに12インチシングル輸入盤を買いに行ったような気がします。

"Hypnotize" や "Wood Beez" が入ったフルアルバム "Cupid & Psyche 85" に続くアルバムが、この "Provision" になります。
基本的には、 "Cupid & Psyche 85" の路線を踏襲していて、サンプリング、打ち込み系のキラキラサウンドを継承しているのですが、音数は削減されているように感じます。よりブラック・コンテンポラリーに近くなったような。
それなりに味わいはあるのですが、前作までと比べて、勢いというか、集中力、緊張感が低いように思います。
"Provision" は、支給、供給の意味もあります。Green がこのときどういう心境だったのかは分かりませんが、レコード会社を含め世間的に、大成功した "Cupid & Psyche 85" の続編を期待され、それに応える形でアルバム制作せざるを得なかったのではないでしょうか。

また、RogerMiles DavisMarcus Miller ら、豪華ゲスト・ミュージシャンに目を惹かれます。しかしその使われ方は控えめで、必然性は感じられません。
Miles はこの頃、晩年にかけて、ヒップホップやテクノや Prince など、新しい音楽に積極的に接近しています。盛んにミュートを使い、自分のトランペットがうまく活きるサウンドを最後まで模索していたということでしょうか。

2016年12月17日土曜日

Steppin' Out / Joe Cuba Sextet (1963)

ダンス・ナンバーとバラッドが半々くらいかな。

後に Boogaloo の代表選手になるわけですが、ここではまだ片鱗も見えません。
N.Y. 生まれなので、やはり N.Y. Salsa なのでしょうが、後の Fania 勢とはまた違い、素朴な Latin といった感じでしょうか。

しかし、 N.Y. というアメリカ文化の真ん中にいて、よくルーツ音楽である Latin をやろうと思いますよね。
そういうコミュニティがしっかりある、ということでしょうか。そのあたり、日本じゃちょっとわからない感覚ですね。

2016年12月11日日曜日

Floetic / Floetry (2002)

今から十数年前のアルバムですが、まったく古さを感じさせません。
ラップと歌との融合が絶妙です。

ほとんどが、ミッド・テンポからロウ・テンポの曲ですし、その方が彼女らの特色が出ていて、いい曲が多いように思います。

イギリス出身ではありますが、活動の中心はアメリカであり、アメリカのプロダクションと言ってもいいと思います。

いずれにしても、そのラップの量さから、ネオ・ソウルにひとくくりにされてしまうのは惜しい感じがします。

2016年12月4日日曜日

Global a Go-Go / Joe Strummer & the Mescaleros (2001)

何と言ったらいいんでしょう、この感じ。
前作より、さらに趣味性と複雑性が増しております。
さらにアコースティック性も増しています。

パンク・アイコンとしての "Joe Strummer" の姿は最小限となっていますが、ちょいちょい姿を見せます。
決して落胆ではなく、かといって大満足でもなく。

"Mescaleros" の仲間と一緒に、音楽を楽しんでいる、そんな姿を感じます。

僕としては前作の方が好みに合ってますが、これはこれで味わい深いです。

2016年11月27日日曜日

Buffalo Springfield / Buffalo Springfield (1966)

1966年は、Bob Dylan が "Blonde on Blonde" を出し、Beach Boys が "Pet Sounds" を出し、Beatles が "Revolver" を出した年であり、僕の生まれた年でもあります。

フォーク・ロックからカントリー・ロックそして後にサイケデリックが時代の先端を行ってたんじゃないでしょうか。
本作はそういう時代背景を確実に写しています。

その中で光るのは、1曲目の "For What It's Worth" です。Stephen Stills のセンスが既に全開です。名曲ですね。

2016年11月19日土曜日

Mr. Hands / Herbie Hancock (1980)

過去('73~)に録音された、いわゆるお蔵入り曲に、 Herbie 自身がシンセサイザーを追加したものを集めたコンピレーションアルバムになります。(ただしラストの"Textures"のみは新録です)
したがって、ミュージシャンも多彩で、1曲ごとにリズムセクションが異なっています。
  1. Spiraling Prism - Byron Miller (bs), Leon "Ndugu" Chancler (ds)
  2. Calypso - Ron Carter (bs), Tony Williams (ds)
  3. Just Around The Corner - Freddie Washington (bs), Alphonse Mouzon (ds)
  4. 4 A.M. - Jaco Pastorius (bs), Harvey Mason (ds)
  5. Shiftless Shuffle - Paul Jackson (bs), Harvey Mason (ds)
特筆すべきはベースです。豪華ですね。

メロディラインはそれほどエッジが立っているわけではないので、全編マイナーな感じは否めませんが、じっくり聴くと奥ゆかしい味が出てくる、そんな感じです。

このアルバムでは Herbie は Apple II を使っているとのこと。今のパーソナルコンピュータから考えると恐ろしいほどスペックが低かったでしょうから、どんなことに使ってたんでしょうね。