2023年3月5日日曜日

Sparkle / Aretha Franklin (1976)

70年代後半は、Aretha にとって厳しい時代でした。
いいレコードが作れなかったのです。
アトランティックも Aretha の売り方が分からなくなっていたのか。

それでも唯一気を吐いているのがこのアルバムです。
映画 "Sparkle" のサウンドトラックという形を取っていますが、Aretha のアルバムと言っていいでしょう。

特徴は、Curtis Mayfield プロデュースということ。
実は僕がこのアルバムを聴こうと思ったのは Curtis だったからです。
全曲 Curtis 作。
それでも、Aretha の歌が勝っています。
こういうのを聴くと、Aretha のヴォーカルの力というのを改めて認識させられます。
曲が勝っているんじゃなくて、歌が勝っている。
もちろん曲もアレンジも素晴らしいんですが、Aretha の鞠のような弾力のあるヴォーカルが強烈なグルーヴを作り出しています。

僕が一番気に入っているのは、#3 "Hooked on Your Love"。バックの Kitty Haywood Singers との掛け合いでものすごい高揚感を出しています。2枚目にシングルカットされた #6 "Jump" のB面だったそうです。

表題曲 #1 "Sparkle" もいいですね。Curtis はこの曲を77年の "Never Say You Can't Survive" でセルフカバーしています。これはこれで Curtis 節でいい味が出ているのですが、Aretha 版の方が明るく仕上がっているような気がします。

ちなみに、#4 "Look into Your Heart" は、Curtis Mayfield のトリビュートアルバムで、Whitney Houston がカバーしています。Whitney にとって Aretha はアイドルの1人だったんでしょう。

録音はシカゴのカートムスタジオ。カートムの腕利きミュージシャンが脇をガッチリ固めてます。 


  1. Sparkle
  2. Something He Can Feel 
  3. Hooked on Your Love
  4. Look into Your Heart
  5. I Get High
  6. Jump
  7. Loving You Baby
  8. Rock with Me


  • Rich Tufo : Arrange, Orchestration 
  • Kitty Haywood Singers : Backing Vocals
  • Lenard Druss : Horns
  • Sol Bobrov : Strings
  • Produced & Arranged by Curtis Mayfield


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