70年代後半は、Aretha にとって厳しい時代でした。
いいレコードが作れなかったのです。
アトランティックも Aretha の売り方が分からなくなっていたのか。
それでも唯一気を吐いているのがこのアルバムです。
映画 "Sparkle" のサウンドトラックという形を取っていますが、Aretha のアルバムと言っていいでしょう。
特徴は、Curtis Mayfield プロデュースということ。
実は僕がこのアルバムを聴こうと思ったのは Curtis だったからです。
全曲 Curtis 作。
それでも、Aretha の歌が勝っています。
こういうのを聴くと、Aretha のヴォーカルの力というのを改めて認識させられます。
曲が勝っているんじゃなくて、歌が勝っている。
もちろん曲もアレンジも素晴らしいんですが、Aretha の鞠のような弾力のあるヴォーカルが強烈なグルーヴを作り出しています。
僕が一番気に入っているのは、#3 "Hooked on Your Love"。バックの Kitty Haywood Singers との掛け合いでものすごい高揚感を出しています。2枚目にシングルカットされた #6 "Jump" のB面だったそうです。
表題曲 #1 "Sparkle" もいいですね。Curtis はこの曲を77年の "Never Say You Can't Survive" でセルフカバーしています。これはこれで Curtis 節でいい味が出ているのですが、Aretha 版の方が明るく仕上がっているような気がします。
ちなみに、#4 "Look into Your Heart" は、Curtis Mayfield のトリビュートアルバムで、Whitney Houston がカバーしています。Whitney にとって Aretha はアイドルの1人だったんでしょう。
録音はシカゴのカートムスタジオ。カートムの腕利きミュージシャンが脇をガッチリ固めてます。
- Sparkle
- Something He Can Feel
- Hooked on Your Love
- Look into Your Heart
- I Get High
- Jump
- Loving You Baby
- Rock with Me
- Rich Tufo : Arrange, Orchestration
- Kitty Haywood Singers : Backing Vocals
- Lenard Druss : Horns
- Sol Bobrov : Strings
- Produced & Arranged by Curtis Mayfield
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