Danish Radio Big Band (DRBD) の60周年を祝うアルバムだそうです。
DRBD は1964年に設立されましたので、2024年に60周年になります。ちょうど還暦。
ちなみに1964年は、東京オリンピックの年で、The Beatles がアメリカ上陸を果たした年です。一般家庭では白黒テレビの時代ですよね。
ご存知の通り、挾間美帆は2019年から DRBD の主席指揮者を務めています。
このアルバムは全曲挾間美帆の作曲ですが、DRBD の歴史と歴代主席指揮者の遺産を反映しているようです。
歴代主席指揮者には錚々たるメンバーが名を連ねています。
- Palle Mikkelborg (70年代, 80年代)
- Thad Jones (70年代)
- Bob Brookmeyer (90年代)
- Jim McNeely (90年代〜2000年代)
彼らの作風を曲に取り入れたとのこと。
挾間美帆も勉強熱心だなと思いますが、このチャレンジは DRBD なくしては成し得なかったものですので、このアルバムでの DRBD は演奏者・共演者としてだけではなく、インスピレーションの源という意味で、共作者の位置付けだと思います。
挾間美帆自身、次のようなことを言っています。
- #1 曲の始まり方と、浮遊するベースラインの上にメロディーが乗るテーマの構造は Bob Brookmeyer からヒント。和音は Jim McNeely を意識。
- #2 初めてアメリカから招聘された指揮者の Ray Pitts の長いロンド曲にインスパイアされた。途中の音の重ね方は Jim の影響。
- #3 Thad Jones と Bob Brookmeyer の斬新な和音を取り入れた。
- #4 初代指揮者の Ib Glindemann が George Russell の曲を指揮する映像にインスパイアされた。
- #5 Palle Mikkelborg の "Palle" の5文字を音階にした。
- #6 80年代から90年代の指揮者/ピアニスト Ole Kock Hansen に捧げ、ピアニストなしでは成立しない音楽を意識。
("Jaz.In Vo.031")
ちなみに、Palle Mikkelborg は晩年の Miles と1989年の "Aura" を作っていますが、このメインテーマは "MILESDAVIS" という10文字を音階にしたもののようです。どうやって音階にしたのかはさっぱり分かりませんが。なので、#5は "Aura II" なんですね。
また、彼女の大学の恩師でもある Jim McNeely は #3 "LuLu" を作曲中に亡くなりました。彼への鎮魂の思いを込めた曲になったようです。
なお、このアルバムの発表を記念して、日本ツアーを行うそうです。前回2023年の日本ツアーの時は、m_unit でしたが、今年は DRBD のコンサートになりそうで、楽しみです。
- And the Door Unsealed
- Feature : Karl-Martin Almqvist (sax)
- Rondo
- LuLu
- The Pioneer’s Quest
- Aura II
- The First Notes
- Trumpet : Dave Vreuls, Ari Bragi Karason, Thomas Kjærgaard, Mads La Cour, Gidon Nunes Vaz
- Trombone, Bass Trombone, Tuba : Peter Dahlgren, Petter Hängsel, Annette Saxe, Gustaf Wiklund, Jakob Munck Mortensen
- Saxophone, Woodwind : Peter Fuglsang, Nicolai Schultz, Hans Ulrik, Karl-Martin Almqvist, Frederick Menzies
- Piano : Artur Tuźnik
- Guitar : Per Gade
- Bass : Kaspar Vadsholt
- Drums : Søren Frost
- All Songs composed by 挾間美帆
- 指揮:挾間美帆
- 演奏:Danish Radio Big Band
- 録音:2025年11月18日~21日 at The Village Studios, Copenhagen
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