2023年3月26日日曜日

Magic in Your Eyes / Earl Klugh (1978)

僕が Earl Klugh を初めて聞いたのは、この1つ前のサード・アルバム "Finger Paintings" だったと記憶しています。
友達のお薦めでした。
高校生の時だったから、リアルタイムじゃなかったんですね。4〜5年遅れくらいかな。

当時も好きでしたけど、最近もどハマりしてます。特に寝る時の音楽として。
このイージー・リスニングさが非常に心地いいんです。
BGM として聴くのはもちろん、1曲1曲もメロディーが立っていて、ホント素晴らしい!

で、この4枚目のスタジオ・アルバムですが、本当によくできています。
表題曲 #1 を含め、アルバム通してどの曲もいい!
彼のナイロン・ストリングスの音色は、人が歌っているかのよう。歌詞がないだけ、歌詞の出来に左右されず、逆にいいようにも思います。
バックのサウンド・アレンジも素晴らしく、アコースティック・ギターを邪魔せず、引き立てるフュージョン・サウンド。

今回は、Booker T. & The M.G.'s の Booker T. Jones がプロデュース。この辺のサウンド・プロデュースが絶妙なんでしょうかね。

終盤の #7 "Good Time Charlie's Got the Blues" では Chet Atkins がアコースティック・ギターを弾いています。
Chet Atkins は Earl Klugh が最も影響を受けたギタリストの1人。ギタリストがギタリストをゲストに呼ぶというのはよくわかりませんが、憧れの人との共演、って感じなんでしょうか。


  1. Magic in Your Eyes [Earl Klugh]
  2. Alicia  [Earl Klugh]
  3. Julie [Earl Klugh]
  4. Lode Star [Greg Phillinganes]
  5. Cast Your Fate to the Wind [Vince Guaraldi]
  6. Rose Hips [Earl Klugh]
  7. Good Time Charlie's Got the Blues [Danny O'Keefe]
  8. Mayaguez [Earl Klugh]
  9. Cry a Little While [Earl Klugh]


  • Earl Klugh : acoustic guitar
  • Chet Atkins : acoustic guitar #7
  • Lloyd Green : steel guitar #3,7,9
  • Scott Edwards : bass #1,2,4-6,8
  • Hubie Crawford : bass #3,7,9
  • Gene Dunlap : drums, percussion
  • Paulinho da Costa : castanets #5
  • Darryl Dybka : Rhodes piano #3
  • Greg Phillinganes : Rhodes piano, piano, synthesizer #1,2,4-8
  • Produced by Booker T. Jones


2023年3月18日土曜日

Painted / Lucky Daye (2019)

ニュー・オーリンズ出身の Lucky Daye のファースト・アルバム。
グラミーのベスト R&B アルバムにノミネートされ、リード・シングルの "Roll Some Mo" はベスト R&B ソングとベスト R&B パフォーマンスに、"Real Games" もベスト・トラディショナル R&B パフォーマンスにノミネートされました。
早くから Keith Sweat, Ne-Yo, Boyz II Men, Ella Mai, Mary J. Blige など有名アーティストへの楽曲提供で注目されていましたが、プロデューサーの D'Mile との出会いによって、その音楽性が初めて開花したといいます。

特徴は、スローでダークなサウンドですが、このアルバムではそれだけでなく、多彩な面も見せています。
どこか Prince 風の曲であったり、ストリングスを多用したり、アコースティック・ギターを前面に出したり。
セカンド・アルバムにも登場するようなヴォコーダーを使った独特の曲も披露しています。

"Roll Some Mo"、"Karma" あたりが Lucky Daye らしいんでしょうが、僕は #2 "Late Night" が一番好きです。他にも "Paint It"、"Call" など、おもしろくていい曲が揃っています。
なかなかの名盤だと思います。


  1. Roll Some Mo
  2. Late Night
  3. Extra
  4. Concentrate
  5. Ready for Love (Interlude)
  6. Karma
  7. Paint It
  8. Real Games
  9. Misunderstood
  10. Floods
  11. Call
  12. Try Your Fire
  13. Love You Too Much


  • All music composed by David Brown
  • Produced by D'Mile


2023年3月13日月曜日

À Paris / Mory Kante (1984)

3年後の1987年に、このアルバムにも入っている "Yé Ké Yé Ké" でブレークした Mory Kante。
"À Paris" はブレーク前とは思えない、非常に内容の濃いアルバムに仕上がっております。

全6曲ですが、全て6分超え、一番長い #2 "Gnaga Lemba" は8分を超えています。

Mory Kante はギニアのミュージシャン。ギニアは旧フランス領だったので、フランス語も話すんですね。
7歳の時にコラを学ぶために隣国マリに出され、15歳の時に、Salif Keita も在籍したことのある The Rail Band に参加しミュージシャンとしての道を歩み始めます。
コラとは、民族楽器であるアフリカン・ハープで、このアルバムでももちろん中心的役割を果たしています。
80年代の初頭にパリに移り住み、このアルバムを録音しました。

伝統的な民族音楽がどんなんかは知りませんが、欧米のダンス・ミュージックを取り入れ、いい化学反応を引き出しています。

すごい!


  1. Yé Ké Yé Ké
  2. Gnaga Lemba
  3. Wari Massilani
  4. Ça Va Là Bas
  5. M'Balou
  6. Soumba


  • All Music wrintten and arranged by Mory Kante
  • Bass : Penda Hilaire
  • Drums : Denis Hekemian
  • Guitar : Jules Kamga, Samba N'Diaye
  • Keyboards : Rato Venance
  • Percussion : Marcel De Souza
  • Saxophone : Johnny Sax, Michel Gaucher
  • Trumpet : Tete, Jean Brezon
  • Backing Vocals : Diaou Kouyate, Doh Albert, Fanta Kanoute, Gnama Makalou
  • Percussion, Kora : Mory Kante
  • Produced by Mory Kante


2023年3月5日日曜日

Sparkle / Aretha Franklin (1976)

70年代後半は、Aretha にとって厳しい時代でした。
いいレコードが作れなかったのです。
アトランティックも Aretha の売り方が分からなくなっていたのか。

それでも唯一気を吐いているのがこのアルバムです。
映画 "Sparkle" のサウンドトラックという形を取っていますが、Aretha のアルバムと言っていいでしょう。

特徴は、Curtis Mayfield プロデュースということ。
実は僕がこのアルバムを聴こうと思ったのは Curtis だったからです。
全曲 Curtis 作。
それでも、Aretha の歌が勝っています。
こういうのを聴くと、Aretha のヴォーカルの力というのを改めて認識させられます。
曲が勝っているんじゃなくて、歌が勝っている。
もちろん曲もアレンジも素晴らしいんですが、Aretha の鞠のような弾力のあるヴォーカルが強烈なグルーヴを作り出しています。

僕が一番気に入っているのは、#3 "Hooked on Your Love"。バックの Kitty Haywood Singers との掛け合いでものすごい高揚感を出しています。2枚目にシングルカットされた #6 "Jump" のB面だったそうです。

表題曲 #1 "Sparkle" もいいですね。Curtis はこの曲を77年の "Never Say You Can't Survive" でセルフカバーしています。これはこれで Curtis 節でいい味が出ているのですが、Aretha 版の方が明るく仕上がっているような気がします。

ちなみに、#4 "Look into Your Heart" は、Curtis Mayfield のトリビュートアルバムで、Whitney Houston がカバーしています。Whitney にとって Aretha はアイドルの1人だったんでしょう。

録音はシカゴのカートムスタジオ。カートムの腕利きミュージシャンが脇をガッチリ固めてます。 


  1. Sparkle
  2. Something He Can Feel 
  3. Hooked on Your Love
  4. Look into Your Heart
  5. I Get High
  6. Jump
  7. Loving You Baby
  8. Rock with Me


  • Rich Tufo : Arrange, Orchestration 
  • Kitty Haywood Singers : Backing Vocals
  • Lenard Druss : Horns
  • Sol Bobrov : Strings
  • Produced & Arranged by Curtis Mayfield