Dave Grusin は過去に "West Side Story" だけ聴いたことがあります。1997年の作で、映画 "West Side Story" をジャズ・オーケストレーションで再現したアレンジは見事だったように記憶しています。
その印象しかなかったので、このアルバムを聴いた時は驚きました。
その美しいフュージョン・サウンドに。
というか、こっちが本業だったんですね!
ポップでファンキー、綺麗なメロディに、タイトなリズムセクション。
フュージョンのメインストリームといったところでしょうか。
Bob James に近いような気もしますが、Bob James に感じるジャズの気配はほとんどしません。
一番特徴があるのは、表題曲。De Niro と Meryl Streep の1984年の映画 "Falling in Love" にも使われたことでも有名のようです(観たとことありませんが)。美しいピアノの主旋律が特徴的ですね。
#1 "Rag-Bag"、#2 "Friends And Strangers" とも完璧です。メインのピアノが際立っているというのではなく、サウンド全体で曲が出来上がっている感じ。
"Friends And Strangers" は Ronnie Laws のカバーということで、"Allways There" が一緒にはいったアルバムを聴いたことがあるはずなんですが、覚えてませんでした。改めて聴いてみると、本家はメロディは一緒なものの、全く違った印象の曲でした。
これ、聴いたことあるやん、と思ったのは #7 "Captain Caribé"。1977年の Lee Ritenour のアルバム "Gentle Thoughts" の中の1曲。Dave Grusin 作なんですね。当時 Grusin はバンド The Gentle Thoughts のメンバーでもありました。
でも僕が聴いたことがあったのは、Earl Klugh の "Living Inside Your Love" でのカバー・バージョン。つい最近やね。覚えやすいメロディを Klugh がアコースティック弦で完璧に仕上げてます。
先ほど触れたリズムセクションは、若き Marcus Miller と Harvey Mason。まだ Marcus Miller は有名になる前でしょう。この2人がサウンドを締めてます。すばらしい!
ちなみに、レーベルの GRP は Grusin がエンジニアの Larry Rosen と作ったレーベル(会社)で "Grusin-Rosen Productions" の略だということを初めて知りました。GRP はよく見かけますよね。
アルバムジャケットは複数あるみたい。最初日本のJVCで製作されたものは、今のに近い構図ですが、後日CD化される時に、写真が差し替えられています。旧ニヒル→新笑顔。前のやつの方がええように思うけどなぁ。一方アメリカ版はカウボーイ風。こっちは全くいけてません。
- Rag Bag [Dave Grusin]
- Friends And Strangers [William Jeffery]
- City Lights [Dave Grusin]
- Rondo - "If You Hold Out Your Hand" [Dave Grusin]
- Mountain Dance [Dave Grusin]
- Thanksong [Dave Grusin]
- Captain Caribé [Dave Grusin]
- Either Way [Harvey Mason]
- Steinway piano, Fender Rhodes electric piano, Minimoog synthesizer : Dave Grusin
- Guitar : Jeff Mironov
- Bass : Marcus Miller
- Drums : Harvey Mason
- Percussion : Rubens Bassini
- Oberheim synthesizer : Edward Walsh
- OBX / Prophet-5 synthesizer : Ian Underwood
- Produced by Toshi Endo