僕が初めて Quincy Jones の音楽に触れたのは "11-PM" のはずです。 この前亡くなった桂朝丸(ざこば)らの事件簿の最初の入りに使われてたテーマです。 その時はもちろん Quincy Jones は知らなかったですが、後で "Ironside" のテーマ曲だと知りました。
11/3に91歳で亡くなったそうです。
一般的には "Thriller" のプロデューサーとして有名で、僕が初めて彼の名前を認識したのもこの "Thriller" だったと思います。煌びやかなサウンドと、ポップセンス、ギリギリのところでアートに踏みとどまる見極めも含めてすばらしいの一言でした。その前作の "Off the Wall" も大好きです。
1991年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでの Miles Davis とのライブ(発売は1991年)も思い出深いです。友達との登山の帰りにCD買いました。Gil Evans と Miles が作った音楽を、Quincy のバンドで演るというもの。金にものを言わせた、成功した者の特権ですかね。ちなみに Miles は2ヶ月後に亡くなっています。
Miles と Gil は Quincy のアイドルだったんでしょうが、3人ともヒップな音楽を目指していたところは共通していると思います。ジャンルとしてのジャズを志向してたんじゃなくて、イカした音楽を志向してたところ。 そういう意味では、Quincy は Miles と Gil の後継者であるとも言えます。音楽性は後年ずいぶん違った方向に進みましたけど、僕にはおんなじことをやっているように思えました。
前作はほぼ2人で作ったらしいですが、今作は豪華ゲストが参加しています。 H.E.R., Snoop Dogg, October London, Earl Sweatshirt, Dave Chappelle, Thundercat, Charlie Wilson などなど。 アウトロのような最後の曲 "EvnMore" でルパン三世の大野雄二の曲を使っているのが面白いところ。
プロデューサーの Chris Allison はこのアルバムの制作について言います。 "Mick could never finish anything. I’ve never worked with anyone like him, and I hope I never do again. But he's a songwriting genius and one of the most gifted artists I’ve ever worked with." (ミックは何も完成させることができなかった。私は彼のような人と仕事をしたことがなく、二度と仕事をしないことを願っています。しかし、彼はソングライティングの天才であり、私が今まで一緒に仕事をした中で最も才能のあるアーティストの一人です)
Gilberto Gil 来日記念 & Sergio Mendes 追悼ということで聴いてみました。 "Aquele Abraço Tour 2024" ということで16年ぶりの来日なんだそうです。ロームシアター京都、めぐろパーシモンホール、高崎芸術劇場を巡ります。9/26の京都は行っときゃよかったかなぁ。 Sergio Mendes は9月の頭に83歳で亡くなりました。結構最近まで最前線でアルバム出してましたよね、かなりクオリティ高い。
ブラジルで活躍していた Gilberto Gil がアメリカ市場向けに作ったアルバムが、この "Nightingale" です。 なので、西海岸に住んでいる Sergio Mendes を頼ったんでしょうか。あるいは Sergio Mendes が Gilberto Gil を誘ったのかもしれません。
驚くことに、ミュージシャンは、ブラジルのミュージシャンではなく、アメリカのフュージョン系の一流メンバーを集めています。 Lee Ritenour, Michael Sembello, Don Grusin, Alex Acuna.... だから聴きやすいんでしょうね。トロピカル・フュージョン、といった趣です。