2025年11月1日土曜日

Just Dennis / Dennis Brown (1975)

42年の短い生涯で75枚ものアルバムを作ったと言われている多作の Dennis Brown ですが、このアルバムを聴く限り、適当な曲を集めてアルバムを作っている風には見えません。
エクスパンデット ヴァージョンを聴きましたが、オリジナル アルバムにはない、いろんな曲を集めている割に、駄作がないというか。

彼のキャリアの中でも、比較的初期に位置付けされ、いわゆるルーツ レゲエ時代の傑作と言われているようです。
この時代のジャマイカのレゲエは、結構ラスタファリズム傾向が強く、ハードな感じを受けるのですが、Dennis Brown はその影が薄いのがいいですね。
何曲かは Jah を歌ったものや、アフリカ回帰の曲があったりするのですが、そいうものより、ロック ステディのカバーとかラブ ソングがいいです。なんか安心します。
エッジが立ってない感じというのかな。

60年代の終わり頃から、多作の Dennis Brown はいろんなプロデューサーのために多くの録音をしたそうです。どういうシステムでそうなるのか分かりませんが。
で、今回は Winston 'Niney' Holnes プロデュースで彼のレーベル Observer からです。
Niney は、ハウス バンドのセッション ミュージシャン集団 The Soul Syndicate を使い録音しますが、このアルバムもバックは The Soul Syndicate です。

レゲエには「リディム」という独特のものがあって、他の人の曲のドラムとベースからなるリズム体を使って、自分の曲を載せるみたいな感じで曲を作ったりするそうです。パクりと紙一重のような気がしますが、そういう文化なんですね。


  1. Show Us The Way [Dennis Brown]
  2. Cassandra [Dennis Brown]
  3. Run Too Tuff [Dennis Brown]
  4. Westbound Train [Dennis Brown, Winston Holness]
  5. Africa [Harris Seaton]
  6. Love Jah [Dennis Brown]
  7. No More WIll I Roam [Dennis Brown]
  8. Some Like It Hot [Dennis Brown]
  9. Conqueror [Dennis Brown]
  10. Only A Smile [Howard Barrett, John Holt, Tyrone Evans]
  11. Silver Words [Sixto Rodriguez]
  12. Yagga, Yagga (You'll Suffer) [Dennis Brown]


Produced by Winston 'Niney' Holness


2025年10月26日日曜日

Misslim / 荒井由実 (1974)

荒井由実の、ポップ メロディ センス炸裂のセカンド アルバムです。
“やさしさに包まれたなら” “12月の雨” “魔法の鏡” などの秀逸なポップスが揃っています。
10歳くらい年上の人が言うには、ファーストの”ひこうき雲”を聴いて「天才」だと思ったらしいです。
当時、売れなかったばんばひろふみが、荒井由実の才能に感動して曲を依頼した、というのも聞いたことがあります。(“いちご白書をもう一度”(1975))
このアルバムが出た時点で20歳!
しかも時代としては、歌謡曲、フォーク全盛で、その中でこのサウンド クオリティというのは2回りほど先を行っている感じです。
いわゆる「シティ ポップ」が形作られてきたのはようやく1970年代の終わりくらいですよね。

サウンド面では、バックを務めるキャラメル・ママの功績は大きいんでしょうが、アレンジ的に全面に出る、というよりは歌に合わせたバックを務める、という感じでしょうか。
そんな中でも、アレンジ先行と思えるような曲が2曲あります。#1 “生まれた街で” と#6 “あなただけのもの” で、いずれもLPのAB面の1曲目になります。
“生まれた街で” は特徴的なキーボードとベースのユニゾンから始まり(そのパターンは曲中続きます)、洋楽かと見紛うばかりです。
“あなただけのもの” は、なんでこのメロディと歌詞に、このサウンド?と思うほどファンキーなアレンジが施されています。強烈なベースにワウワウ ギター、キーボードとホーン。キャラメル・ママは Sly をやりたかったんだそうです。

知りませんでしたが、#4 “海を見ていた午後” に出てくる「山手のドルフィン」は実在のレストランで、八王子の荒井由実としては憧れの場所だったんでしょうね。モーグ シンセを使ったバックが素晴らしいですが、松任谷正隆が言うには、当時モーグ(ミニ モーグ?)は単音しか出なかったので、和音にするために多重に被せたとのこと。アナログ時代の苦労が垣間見えます。

当時シュガーベイブの山下達郎に参加を依頼したところ、コーラス アレンジであればOKとのことで、全面的に山下達郎のアレンジが効いてます。この頃コーラスを研究していたんでしょうか。彼の敬愛する Brian Wilson の Beach Boys でのコーラス ワークは素晴らしいですからね。

“やさしさに包まれたなら” は後に “魔女の宅急便” で使われたことによりイメージが定着したきらいがありますが、映画で使われたのはこのアルバム バージョン。したがって今ではこのアルバム バージョンの方が有名です。

そういえば “魔法の鏡” は別れた彼氏の部屋を鏡で見る、という歌詞ですが、江口寿史がパロディにしてました。男の部屋なんか覗き見るものじゃない、と(その通り!)。バンジョーは松任谷正隆。昔ブルー グラスをやっていたとのこと。

ちなみに #9 “私のフランソワーズ” の “フランソワーズ” とはフレンチ ポップの Françoise Hardy。ユーミンの音楽とはイマイチ結びつきませんが、意外な音楽が好きだったんですね。


  1. 生まれた街で
    • Backing Vocals : 吉田美奈子, Sugar Babe
    • Cowbell : 細野晴臣
    • Finger Cymbals, Congas : 斎藤ノブ
    • Flute : 清水万紀夫
    • Timbales : 林 立夫
  2. 瞳を閉じて
    • Acoustic Guitar : 吉川忠英
    • Backing Vocals : Sugar Babe
    • Congas : 林 立夫
  3. やさしさに包まれたなら
    • Acoustic Guitar : 吉川忠英
    • Pedal Steel Guitar : 駒沢 裕城
    • Twelve Strings Guitar : 鈴木茂
  4. 海を見ていた午後
    • Bongos, Tambourine, Bells : 林 立夫
  5. 12月の雨
    • Acoustic Guitar : 吉川忠英
    • Backing Vocals : Sugar Babe
    • Cowbell : 細野晴臣
    • Twelve Strings Guitar : 鈴木茂
  6. あなただけのもの
    • Backing Vocals : 鈴木あきこ, 吉田美奈子, 大貫妙子, 山下達郎
    • Congas, Shaker : 斎藤ノブ
    • Vibraslap : 林 立夫
  7. 魔法の鏡
    • Mandolin : 松任谷正隆
  8. たぶんあなたはむかえに来ない
    • Backing Vocals : 吉田美奈子, Sugar Babe
    • Guiro : 林 立夫
  9. 私のフランソワーズ
  10. 旅立つ秋
    • Acoustic Guitar, Twelve Strings Guitar : 瀬戸龍介


  • Bass : 細野晴臣
  • Drums : 林 立夫
  • Guitar : 鈴木茂
  • Keyboards, Arrange(Rhythm, Horns, Strings) : 松任谷正隆
  • Backing Vocals Arrange : 山下達郎
  • Produce : 村井邦彦, 下河辺 晴三


2025年10月21日火曜日

Never Too Much / Luther Vandross (1981)

ファースト アルバムだそうです。
驚きのクオリティでとてもファーストとは思えません。しかもセルフ プロデュース!
サウンドが都会的。ヴォーカルもおしゃれ。ギターとベースの使い方が素敵。

70年代後半から80年代は、いわゆるブラック コンテンポラリーが流行った時代ですが、そのブラコンの真ん中にいたのが Luther Vandross という印象があります。
80年代ブラコンは、シンセ/キーボード/ドラムマシンを多用した、ちょっと安上がりな音作りが特徴かな、と思っていましたが、このアルバムは、そういったサウンドよりも腕ききのスタジオ ミュージシャンを使った洗練されたサウンドという感じです。

表題曲が特に素晴らしいですが、その他の曲も粒揃いで、ブラコンを前にちょっと食わず嫌いだったことを後悔しています。

これだけのアルバムを出したら、そら他のミュージシャンもほっとけないでしょう。
Aretha Franklin が再興を願って彼をプロデューサーに迎え作ったのが "Jump to It"。これは Aretha の願いを叶えました。2匹目のドジョウを狙った次の "Get It Right" はイマイチだったけど。

いずれも、ベースの Marcus Miller を相棒にしています。
この "Never Too Much" でも1曲を除きベースは Marcus Miller ですし、サウンドも Marcus Miller っぽい感じはするんですが、"Never Too Much" の曲のアレンジは Nat Adderley Jr. (高校時代の同級生)がやってたり、アルバム全体のプロデュースは Luther 本人がやったりしてますから、それほど Marcus Miller はイニシアチブをとっていない感じです。
むしろ、このアルバムで学習し、Luther と一緒にやる中で、サウンド クリエーターとしての腕を磨いていったのかもしれません。

Luther Vandross はバッキング ヴォーカルで頭角を表し、70年代は様々なアーティストのバックで歌っています。
75年には David Bowie の僕の大好きな "Young Americans" でバック ヴォーカルを務めるとともに、アルバムの中の1曲、ファンク ナンバーの "Fascination" を提供しています。勉強不足で知りませんでした。

いずれにしても、このアルバムは文句のつけようがありません。
セカンドも聴こうっと。


  1. Never Too Much
    • Written by Luther Vandross
    • Arranged by Luther Vandross, Nathaniel Adderley, Jr.
    • Guitar : Georg Wadenius
    • Keyboards : Nathaniel Adderley, Jr.
    • Bass : Marcus Miller
    • Drums : Buddy Williams
    • Congas : Bashiri Johnson
    • Percussion : Crusher Bennett
    • Strings, Horns :Paul Riser
  2. Sugar And Spice (I Found Me A Girl)
    • Written by Luther Vandross
    • Arranged by Luther Vandross, Nathaniel Adderley, Jr.
    • Guitar : Georg Wadenius
    • Keyboards : Nathaniel Adderley, Jr.
    • Synthesizer : Ed Walsh
    • Bass : Marcus Miller
    • Drums : Buddy Williams
    • Percussion, Congas : Bashiri Johnson
    • Strings, Horns : Paul Riser
  3. Don't You Know That?
    • Written by Luther Vandross
    • Arranged by Luther Vandross, Nathaniel Adderley, Jr., Paul Riser(Strings)
    • Guitar : Georg Wadenius, Steve Love
    • Keyboards : Nathaniel Adderley, Jr.
    • Bass : Marcus Miller
    • Drums : Buddy Williams
    • Congas : Billy King
  4. I've Been Working
    • Written by Luther Vandross
    • Arranged by Gary King, Luther Vandross, Nathaniel Adderley, Jr.
    • Guitar : Steve Love
    • Keyboards : Nathaniel Adderley, Jr.
    • Synthesizer : Ed Walsh
    • Bass : Marcus Miller
    • Drums : Buddy Williams
    • Congas, Percussion : Crusher Bennett
  5. She's A Super Lady
    • Written by Luther Vandross
    • Arranged by Luther Vandross, Nathaniel Adderley, Jr.
    • Guitar : Steve Love
    • Keyboards : Nathaniel Adderley, Jr.
    • Bass : Marcus Miller
    • Drums : Buddy Williams
    • Congas : Billy King
    • Percussion : Crusher Bennett, Bashiri Johnson
    • Strings, Horns : Paul Riser
  6. You Stopped Loving Me
    • Written by Luther Vandross
    • Arranged by Luther Vandross, Nathaniel Adderley, Jr., Leon Pendarvis(Strings)
    • Guitar : Steve Love
    • Keyboards : Nathaniel Adderley, Jr.
    • Bass : Marcus Miller
    • Drums : Buddy Williams
    • Congas : Billy King
  7. A House Is Not A Home
    • Written by Burt Bacharach And Hal David
    • Arranged by Luther Vandross, Leon Pendarvis(Strings & Horns)
    • Guitar : Georg Wadenius
    • Keyboards : Nathaniel Adderley, Jr.
    • Bass : Anthony Jackson, Marcus Miller
    • Drums : Buddy Williams
    • Percussion : Crusher Bennett


  • Produced by Luther Vandross 


2025年10月12日日曜日

Flaco's Amigos / Flaco Jimenez (1988)

テックス メックスです。

Flaco Jimenez (フラコ ヒメネス)はアコーディオン奏者。テキサス州サンアントニオ出身ということですから、メキシコ国境に近く、人種的、文化的にメキシコと混じり合っている地域なんでしょう。
父親がコンフント(メキシコ音楽のバンド形式)のパイオニア Santiago Jiménez, Sr. ということで、7歳から父親のバンドで活躍していたそうです。
"Flaco" は父のあだ名で、彼はそれを引き継いだ形です。ちなみに "Flaco" は「痩せっぽっちの」といった意味のようですね。

テックス メックスは、つまりテキサス&メキシコという意味ですが、テハーノ ミュージックとも呼ばれます。
テハーノはスペイン語で「テキサスの人」という意味。
テハーノ ミュージックがスペイン系の音楽かと言えば、単純にそうにあらず。ドイツ系移民が演奏していたポルカやワルツを、メキシコ系住民が民族音楽に取り入れて生まれたようです。

このアルバムでは、そういったルーツ ミュージックに忠実に、かつ Ry Cooder との親交で得た新しいものを取り入れています。
Ry Cooder は "Paradise and Lunch" あたりからテックス メックスを取り入れ、"Chicken Skin Music" では Flaco Jimenez のアコーディオンをフィーチャし、その後のツアーでも Flaco Jimenez が参加しています。
このアルバムは3つのセッションでの録音をまとめたものですが、そのうちのセッションCと呼ばれるものは、Ry Cooder のバンドによるものになります。

セッションBはブルー グラスの Peter Rowan とのものになり、歌詞も概ね英語です。
そういう意味ではセッションAが一番ルーツ的であり、濃いのかな。


  1. La Tumba Sera El Final -Session A-
  2. The Free Mexican Air Force [Peter Rowan] -Session B-
  3. Lucerito [Santiago Jimenez] -Session B-
  4. Did I Tell You [A. Meyers, G. Povey] -Session B-
  5. Para Toda La Vida -Session A-
  6. Espero Tu Regresso [Daniel Garzes] -Session B-
  7. I'm Gonna Love You, Like There Is No Tomorrow [P. Rowan] -Session B-
    • Feature : Peter Rowan
  8. Jennette [Antoine Duroseau] -Session C-
    • Mandolin by Ry Cooder
  9. Mi Primer Amor [Jesus Ramos] -Session A-
  10. Yo Quisier A Saber [Gilberto Parra] -Session A-
  11. Poquita Fe -Session C-
    • Guitar by Ry Cooder
  12. Atotonilco -Session C-
    • Bajo Sexto by Ry Cooder
  13. Te Quiero Mas [Rafael Elizondo] -Session A-
  14. La Feria Polka -Session C-
    • Bajo Sexto by Ry Cooder


  • Session A
    • Accordion : Flaco Jimenez
    • Vocals : Fred Ojeda
    • Bajo Sexto : Fred Ojeda
    • Bass : Rubén Ovalle
    • Producer : Joe S. Lopez
    • San Antonio, Texas, 1986
  • Session B
    • Accordion : Flaco Jimenez
    • Vocals : Flaco Jimenez
    • Vocals : Oscar Telles
    • Vocals : Toby Torres
    • Vocals : Peter Rowan
    • Bajo Sexto : Oscar Telles
    • Guitar : Peter Rowan
    • Bass : Ruben Valle
    • Drums : Isaac Garcia
    • Producer : Chris Strachwitz
    • San Antonio, Texas, January 1988
  • Session C
    • Accordion : Flaco Jimenez
    • Piano : Van Dyke Parks
    • Bass : Jorge Calderon
    • Drums : Jim Seltner
    • Percussion : Miguel Cruz
    • Alto Saxophone : Don Garcia
    • Producer : Ry Cooder
    • Santa Monica, Ca. June 1987 


2025年10月4日土曜日

Live Under The Sky Tokyo '84 / Gil Evans & Jaco Pastorius (2016)

タイトルどおり 1984年のライブ アンダー ザ スカイでのライブです。

聴いて驚くのは、会場の盛り上がりです。ジャズのライブでこんなに盛り上がるのか、と。
日本でのフュージョン ブームの盛り上がりと、スーパー スター Jaco Pastorius の人気なんでしょうね。
客層が若そう。
映像を見ると確かに若い。女性も多い。いい時代だったんですね。

FM放送音源なので、アナウンサーの実況も入ってます。クレジットには NHK と書いてるのもありますが、FM東京?映像も日本テレビっぽい(映像の最初でなんと Peter Barakan 氏が解説されてます)。
映像にもあるし、アナウンスでも言ってますが、雨が降ってますね。ステージには屋根がありそうにも見えますが(2013に閉鎖されたよみうりランド野外音楽堂はドーム状の屋根があります)。
で、夜のステージです。

Gil Evans Orchestra に Jaco Pastorius が入りベースを弾いている、というもの。
3回ほど、彼のソロ・パートがあります。
その他、彼の持ち曲が2曲。それを Gil Evans Orchestra が演奏しているという点では貴重な音源です。
最後の "Dania" なんかは最高にカッコいいですね。僕はこれがハイライトと思います。

Gil Evans Orchestra には、Mark Egan というこれまた素晴らしいベース・プレーヤーがいるのですが、時に彼が前に出たり Jaco が前に出たり。いずれにせよ、Jaco のユニークな音色が混じることにより、Gil Evans Orchestra に新しい色がついているのは確かです。悪くないです。締まった感じもあります。

Jaco は 1981年にビッグ バンドの傑作 "Word of Mouth" を出し、’82年に Weather Report を脱退、自らのバンドを率いてソロ活動に入ります。この'82年、'83年あたりまでがピークで、そこからはドラッグ、アルコール、躁鬱病などでひどい状態になっていったようです。この'84年7月の段階ではどうだったんでしょう?このステージでも泥を被った姿でベースを弾いています。演奏は確かなように思えますが。

ちなみに、FMのアナウンスでは、"The Chicken" を Jaco のオリジナルと言っていますが、JB's のナンバー。いくつか曲も飛んでます。それとアナウンスの "Gone" は正しいように思いますが、なぜかクレジットは "Eleven" に。どうでもええけど。
アナウンスの最後に、次の日の放送予定で Herbie Hancock & Rockit Band の紹介がありました。そっちも気になるう。


  1. Stone Free [Jimi Hendrix]
  2. Up From The Skies [Jimi Hendrix]
  3. Orange Was The Color Of Her Dress, Then Blue Silk [Mingus]
  4. Jaco Solo
  5. Soul Intro / The Chicken [Pee Wee Ellis]
  6. Here Comes De Honey Man / Gone [Gershwin]
  7. Jaco Solo / Goodbye Pork Pie Hat [Mingus]
  8. Variations On The Misery [Gil Evans] / Jaco Solo
  9. Dania [Jaco]


  • Keyboards, Arranger : Gil Evans
  • Bass : Jaco Pastorius
  • Trumpet : Hannibal Marvin Peterson, Lew Soloff, Miles Evans
  • Saxophone : Chris Hunter, George Adams
  • Tuba, Baritone Saxophone : Howard Johnson
  • Trombone : George Lewis
  • Guitar : Hiram Bullock
  • Synthesizer : Peter Levin
  • Bass : Mark Egan
  • Drums : Adam Nussbaum


Recorded live at よみうりランド オープンシアターEAST(野外音楽堂), on "Select - Live Under The Sky, Gil Evans Orchestra With Jaco Pastorius" , 1984/7/28.


2025年9月27日土曜日

NIA / 中村佳穂 (2022)

なんか随分カラフルになったな、というのが第一印象です。
前作はアマチュアリズムあふれるアルバムでしたが、今回はそれをさらに前進させて、プロフェッショナルによるアマチュア作品、という感じになってます。
オーソドックスな旋律から突拍子もないギミックが突然挟まったり、意味がよく分からない歌詞が歌われたり、ホント自由だな、と思います。音楽は自由でいいんだ、と。

そんな中でも「さよならクレール」はかなり普通でポップな曲になってます。

シングルになってたんでしょうね、やっぱり。
でも売れたとは聞いたことがありません。

2021年に「竜とそばかすの姫」の主人公の声優と劇中歌の歌を担当し、一気に知名度を上げました。細田守監督が中村佳穂のファンだって聞いたことがあります。
当時は「中村佳穂って誰?」て感じでしたが、その続きで紅白にも出場しています。
世間の注目が上がった後のアルバムだけに、プレッシャーもあったでしょうが、結果それを感じさせない作りになっています。
サウンド的にはかなり作り込んでいるので、それなりにちゃんとしたものを作ろうとしてますが、全体的に遊んでる感じが伝わってきますので、それがリラックス感に繋がってるのかな。

僕が特に好きなのは、#5 "Hey日" 〜 #6 "Q日" 〜 #7 "ブラ~~~~~" と続くところ。
忘れ難い変な曲たちです。
"Hey日" は平日、"Q日" は休日、ほとんどのタイトルが、仮タイトルのままだそうです。
"Hank" に至っては、阪急百貨店からつけた仮タイトルらしいです。
"KAPO✌︎" だって自分の名前みたいです。


  1. KAPO✌︎
  2. さよならクレール featuring 石若駿
  3. アイミル
  4. voice memo #2
  5. Hey日
  6. Q日
  7. ブラ~~~~~
  8. 祝辞
  9. MIU
  10. Hank featuring 君島大空
  11. NIA
  12. voice memo #3


  • 作曲 : 中村佳穂・荒木正比呂・西田修大
  • 編曲 : 中村佳穂・荒木正比呂・西田修大
  • 作詞 : 中村佳穂


2025年9月23日火曜日

Ctrl / SZA (2017)

デビュー・アルバムということになります。
EPで、"S"、"Z" ときたので、当然 "A" やろうというところ、"Ctrl" ときました。(当初のアルバム名はやはり "A" だったようですが)

僕的には、これの次の "SOS" があまりに良かったので、一つ前も聴いてみよう、ということで聴きました。
結果、こちらも素晴らしい。

最近の R&B 同様、少しわかりづらいメロディ・ラインですが、何度も聴けばしっくりきます。
サウンドはアクースティック、エレクトリックと多様ですが、凝ったサウンドでも前に出過ぎることはなく、伴奏に徹しています。
先行シングル #4 "Drew Barrymore"、#2 "Love Galore"、アルバム発売後の #6 "The Weekend"、#9 "Broken Clocks"、#8 "Garden (Say It like Dat)" とも比較的キャッチーなサビを持っているものの、全体的には難解で、スローです。
どうしても僕はポップな #5 "Prom" のような曲に耳を奪われてしまいます。

アルバム制作のために数百曲の断片を記録していたらしいですが、レコード会社はそのハード・ディスクを没収してしまい、再度作り直したのが本作らしいです。多くの曲からどう選択していいのか、本人が不安になってしまったからのようです。
労作なんですね。

ちなみに、#15〜#21 はデラックス・エディションのボーナストラックです。


  1. Supermodel
    • Written by Solána Rowe, Tyran Donaldson, Terrence Henderson, Greg Landfair, Jr.
    • Produced by Scum
  2. Love Galore
    • Featuring Travis Scott
    • Written by Rowe, Jacques Webster II, Cody Fayne, Carter Lang, Donaldson, Henderson
    • Produced by ThankGod4Cody, Lang, Scum
  3. Doves in the Wind
    • Featuring Kendrick Lamar
    • Written by Rowe, Kendrick Duckworth, Cameron Osteen, Reggie Noble, John Bowman, Dana Stinson, Trevor Smith, James Yancey
    • Produced by Cam O'bi
  4. Drew Barrymore
    • Written by Rowe, Lang, Donaldson, Henderson, Macie Stewart
    • Produced by Lang, Scum
  5. Prom
    • Written by Rowe, Donaldson, Lang
    • Produced by Scum, Lang
  6. The Weekend
    • Written by Rowe, Fayne, Justin Timberlake, Timothy Mosley, Nathaniel Hills
    • Produced by ThankGod4Cody
  7. Go Gina
    • Written by Rowe, Donaldson, Lang, Adam Feeney
    • Produced by Scum, Lang, Frank Dukes
  8. Garden (Say It like Dat)
    • Written by Rowe, Daniel Tannenbaum, Craig Balmoris
    • Produced by Bēkon, Balmoris, The Donuts
  9. Broken Clocks
    • Written by Rowe, Fayne, Feeney, Thomas Paxton-Beesley, Ashton Simmonds
    • Produced by ThankGod4Cody, Frank Dukes
  10. Anything
    • Written by Rowe, Donaldson, Lang, Donna Summer, Giorgio Moroder, Pete Bellotte, Peter Wilkins
    • Produced by Scum, Lang
  11. Wavy (Interlude)
    • Featuring James Fauntleroy
    • Written by Rowe, James Fauntleroy II, Fayne, Lukasz Plas
    • Produced by ThankGod4Cody, Prophit
  12. Normal Girl
    • Written by Rowe, Lang, Donaldson, Henderson
    • Produced by Lang, Scum
  13. Pretty Little Birds
    • Featuring Isaiah Rashad
    • Written by Rowe, Isaiah McClain, Donaldson, Lang, Josef Leimberg
    • Produced by Scum, Lang, Leimberg
  14. 20 Something
    • Written by Rowe, Lang, Donaldson
    • Produced by Lang, Scum
  15. Love Galore (alt version)
    • Written by Rowe, Fayne, Lang, Donaldson, Henderson
    • Produced by ThankGod4Cody, Lang, Scum
  16. 2AM
    • Written by Rowe, Fayne, Aubrey Graham, Jahron Brathwaite, Noah Shebib
    • Produced by ThankGod4Cody
  17. Miles
    • Written by Rowe, Donaldson
    • Produced by Scum
  18. Percolator
    • Written by Rowe, Fayne, Donaldson, Charlene Keys, Craig Brockman, Nisan Stewart
    • Produced by ThankGod4Cody, Scum
  19. Tread Carefully
    • Written by Rowe, Fayne
    • Produced by ThankGod4Cody
  20. Awkward
    • Written by Rowe, Michael Uzowuru
    • Produced by Uzowuru
  21. Jodie
    • Written by Rowe, Tyler Okonma
    • Produced by Tyler, the Creator


  • Stix : additional drums (#1)
  • Pharrell Williams : programmatic drums (#1)
  • Macie Stewart : strings (#4)
  • Peter Cottontale : bass (#10)
  • Mommyçskit (#1, 4, 14)
  • Granny : skit (#3)


  • "Doves in the Wind" contains a sample of the recording "Let's Get Dirty (I Can't Get in da Club)", written by Reggie Noble, John Bowman and Dana Stinson and performed by Redman, and an interpolation from "Turn Me Up Some", written by Trevor Smith and James Yancey and performed by Busta Rhymes.
  • "The Weekend" contains elements of "Set the Mood (Prelude)", written by Justin Timberlake, Timothy Mosley and Floyd Hills and performed by Justin Timberlake.
  • "Broken Clocks" embodies portions of "West", written by Thomas Paxton-Beesley, Adam Feeney and Ashton Simmonds and performed by River Tiber featuring Daniel Caesar.
  • "Anything" contains a sample of the recording "Spring Affair", written by Giorgio Moroder, Pete Bellotte and Donna Summer and performed by Donna Summer.
  • "Normal Girl" contains an interpolation of "Controlla" by Drake.
  • "2AM" interpolates "Come and See Me" by PartyNextDoor and Drake.