2020年3月22日日曜日

Roberta Flack & Donny Hathaway (1972)

Roberta Flack と Donny Hathaway は当時のニュー・ソウルと言われる音楽運動の中では、かなり近い音楽性を持っていると思うので、ベスト・マッチだと思います。
Roberta Flack の音楽は、それまでのいわゆる黒人音楽、Black Music のカテゴリーからはかなり逸脱した、リリカル、フォーキー、クラシカルなものなので、その当時の人は驚いたことでしょう。

The Beatles 以降のロックの隆盛とともに、R&B ×ロック、ジャズ×ロック、ラテン×ロック、クラシック×ロックの掛け算ムーヴメントが起こり、一気にポピュラー・ミュージックの可能性が広がりました。Roberta Flack の音楽はその一形態であり、残念ながら十把一絡げにニュー・ソウルにカテゴライズされてしまいましたが、かなりユニークです。

Roberta Flack 自身はあまり曲を書かないので、当然アルバムも他人の曲、あるいはカバーが中心になります。
このアルバムでは、Carole King の "You've Got a Friend" や "Where Is the Love" あたりが有名ですが、僕は黒人アイデンティティーを強調した、"Be Real Black for Me" や "I (Who Have Nothing)" が好みです。Nina Simone にも通ずるところがあります。
それと、"You've Lost That Lovin' Feelin'" ですよね。僕の世代では、なんと言っても、Hall & Oates のカバーですが、この The Righteous Brothers の名曲を見事に自分流にアレンジしているのは素晴らしいです。

全体に、フュージョンの香りのする、気持ちのいいアルバムです。

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