2020年3月1日日曜日

Dancer in Nowhere / 挾間美帆 (2018)

グラミー賞にノミネートされたということで(残念ながら受賞は逃しましたが)聴いてみました。不勉強でそれまでは名前も知りませんでした。
ラージ・ジャズ・アンサンブル部門は、基本的には僕の好きなタイプのジャンルです。

聴いてみると、素晴らしくいい!
ジャズ、クラシックというジャンルを超えた、別の次元にあるかなりオリジナリティの高い音楽だと思いました。ストリングス、ボイス(コーラス)、フレンチホルン、ヴィブラホン、クラリネット、フルートなどの多用が特徴的なのか、古典的なジャズのスイングが表に出ていない曲調がそう感じさせるのか。とにかくすべての曲が単調では終わりません。テーマは繰り返されるのですが、ダイナミックに曲調が変わっていくのが面白いところです。一方でジャズらしく、インプロビゼーションもあります。

アルバムの冒頭は、"Today, Not Today"。最初のピアノとクラリネットがゆるい感じで、女性的です。重層的な金管楽器の重なりに弦楽器。不思議な感触です。
一転、2曲目は激しく始まります。"The Cyclic Number" は「整数を掛けると各桁の数字を巡回させた数になる整数」という数学用語のようですが、その趣向を曲にも込めているのが面白いところです。
ラストのタイトル曲は元々、“いま、ここに立って風を感じるの” だったのを英語に上手く訳しきれず、"Dancer in Nowhere" になったとのこと。そう思って聴くと、そんな風にも聴こえます。いい風なのか悪い風なのかは分かりませんが。

昨年から The Danish Radio Big Band の指揮者になっている彼女。今後の活躍にも期待したいです。

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