2025年3月30日日曜日

AINOU / 中村佳穂 (2018)

セカンド・アルバムらしいです。
もちろん、ファーストは聴いたことがありません。この後も聞いたことがありません。
「竜とそばかすの姫」で初めて知った人も多いようですが、僕は残念ながらそうではありませんでした。

前情報なしにまっさらで聴きましたが、粗削りでアマチュアリズムいっぱい、という第一印象です。
アルバムの#1~#3は最高ですが、その後は散らかっている感じです。
いろんな顔を見せて、いろんなアイデアがたくさんあるんでしょうね。基本はピアノ弾き語りの人なのかな。

歌詞が独特です。
自由な歌詞世界、自由な音楽世界。
スキャットを多用して、歌い方も自由で独特。
カテゴライズできない唯一無二という意味では、「アーティスト」だと思います。

関西弁の歌詞があるので、どこの人やろ?と思いましたが、京都の人らしいです。


  1. You may they
    • 作曲:中村佳穂、荒木正比呂
    • 編曲:荒木正比呂
  2. GUM
    • 作詞:中村佳穂、munero
    • 作曲:中村佳穂、荒木正比呂
    • 編曲:荒木正比呂
  3. きっとね!
    • 作曲:荒木正比呂
    • 編曲:中村佳穂Band
  4. FoolFor日記
    • 作曲:中村佳穂、荒木正比呂
    • 編曲:荒木正比呂
  5. 永い言い訳
  6. intro
  7. SHE'S GONE
    • 作曲:中村佳穂、荒木正比呂
    • 編曲:中村佳穂Band
  8. get back
    • 編曲:MASAHIRO KITAGAWA
  9. アイアム主人公
    • 編曲:中村佳穂、荒木正比呂
  10. 忘れっぽい天使
  11. そのいのち
    • 作詞:中村佳穂、荒木正比呂
    • 編曲:中村佳穂Band
  12. AINOU
    • 作詞:中村佳穂、ASAYAKE 01
    • 作曲:ASAYAKE 01、中村佳穂Band
    • 編曲:中村佳穂Band


  • 記述なしの作詞、作曲、編曲:中村佳穂


2025年3月23日日曜日

Live Around The World / Miles Davis (1996)

The Soul Searchers のドラマーだった Ricky Wellman を Miles は引き抜きます。
1987年のこと。
Chuck Brown のやっていたシャッフル・ベースの Go-Go ビート、これが気に入ったんでしょうね。
スタジオ・アルバムでは 1989年の "Amandla" から参加しています。
このライブアルバムは、1988年から1991年までのライブを集めたもので、すべての曲で Ricky Wellman が叩いています。
曲調が Go-Go ビートの曲ばかりではないのですが、Ricky Wellman は自然に、うまくバンドに溶け込みビートを刻んでいるように感じます。

集められたライブ音源は、ほとんどが1985年の "You're Under Arrest"、1986年の "Tutu"、1989年の "Amandla" から。
ベストな11曲を選曲して、セット・リストに近い構成に並び替えたとのこと。
年と場所がバラバラですが、違いは感じられず、統一感はあります。

この頃の Miles バンドの音楽監督をつとめていたのは Marcus Miller ですが、ライブには参加してません。
でも、アルバムの中で一番カッコいいのは、Miller が作った "Tutu" じゃないでしょうか。
テーマがきまってて、スタジオよりライブ向きですね。
ちなみに "Tutu" は反アパルトヘイトの Desmond Mpilo Tutu 大主教のことで、"Full Nelson" は Nelson Mandela です。
黒人意識が強い Miles らしいネーミングです。

目玉は、ラストの "Hannibal"。生前最後のライブパフォーマンスです。
1991年7月21日フランスで。2か月後に65歳で亡くなります。
このライブ・パフォーマンスを聴くと、とても死期が迫ってきている人には思えません。

ジャズ・マナーじゃなく、ファンク・マナーでジャズをやり切って、新しい王道を作っているところはさすがです!


  1. In A Silent Way
    • Alto Saxophone : Kenny Garrett
    • Bass : Foley, Benny Rietveld
    • Drums : Ricky Wellman
    • Keyboards : Adam Holzman, Joey DeFrancesco
    • Percussion : Marilyn Mazur
    • Trumpet : Miles Davis
    • Written by Joe Zawinul
    • Live in New York, NY, Indigo Blues Club, Saturday, December 17, 1988, 2nd show
  2. Intruder
    • Alto Saxophone : Kenny Garrett
    • Bass : Foley, Benny Rietveld
    • Drums : Ricky Wellman
    • Keyboards : Adam Holzman, Joey DeFrancesco
    • Percussion : Marilyn Mazur
    • Trumpet : Miles Davis
    • Written by Miles Davis
    • Live in New York, NY, Indigo Blues Club, Saturday, December 17, 1988, 2nd show
  3. New Blues
    • Alto Saxophone : Kenny Garrett
    • Bass : Foley, Benny Rietveld
    • Drums : Ricky Wellman
    • Keyboards : Adam Holzman, Robert Irving III
    • Percussion : Marilyn Mazur
    • Trumpet, Keyboards : Miles Davis
    • Written by Miles Davis
    • Live in Los Angeles, CA, Greek Theatre, Sunday, August 14, 1988
  4. Human Nature
    • Alto Saxophone : Kenny Garrett
    • Bass : Foley, Benny Rietveld
    • Drums : Ricky Wellman
    • Keyboards : Adam Holzman, Joey DeFrancesco
    • Percussion : Marilyn Mazur
    • Trumpet, Keyboards : Miles Davis
    • Written by Steve Porcaro, John Bettis
    • Live in Graz, Austria, Liebenauer Eishalle, Tuesday, November 1, 1988
  5. Mr. Pastorius
    • Alto Saxophone : Kenny Garrett
    • Bass : Foley, Benny Rietveld
    • Drums : Ricky Wellman
    • Keyboards : John Beasley, Kei Akagi
    • Percussion : Munyungo Jackson
    • Trumpet : Miles Davis
    • Written by Marcus Miller
    • Live in Montpellier, France, Le Zenith - Domaine de Grammond, Wednesday, April 12, 1989
  6. Amandla
    • Bass : Foley, Benny Rietveld
    • Drums : Ricky Wellman
    • Keyboards : Adam Holzman, Kei Akagi
    • Percussion : Munyungo Jackson
    • Tenor Saxophone : Rick Margitza
    • Trumpet : Miles Davis
    • Written by Marcus Miller
    • Live in Rome, Italy, Pallazo della Civita "The Steps", Wedenesday, July 26, 1989
  7. Wrinkle
    • Alto Saxophone : Kenny Garrett
    • Bass : Foley, Richard Patterson
    • Drums : Ricky Wellman
    • Keyboards : Kei Akagi
    • Percussion (Electronic) : Erin Davis
    • Trumpet, Keyboards : Miles Davis
    • Written by Miles Davis
    • Live in Montreux, Switzerland, Casino de Montreux, Montreux International Festival, Friday, July 20, 1990
  8. Tutu
    • Bass : Foley, Richard Patterson
    • Drums : Ricky Wellman
    • Flute : Kenny Garrett
    • Keyboards : Kei Akagi
    • Percussion (Electronic) : Erin Davis
    • Trumpet, Keyboards : Miles Davis
    • Written by Marcus Miller
    • Live in Montreux, Switzerland, Casino de Montreux, Montreux International Festival, Friday, July 20, 1990
  9. Full Nelson
    • Alto Saxophone : Kenny Garrett
    • Bass : Foley, Benny Rietveld
    • Drums : Ricky Wellman
    • Keyboards : Adam Holzman, Robert Irving III
    • Percussion : Marilyn Mazur
    • Trumpet : Miles Davis
    • Written by Marcus Miller
    • Live in Osaka, Japan, Osaka Expo Park, Live under the Sky Festival, Sunday, August 7, 1988
  10. Time After Time
    • Bass : Foley, Benny Rietveld
    • Drums : Ricky Wellman
    • Flute : Kenny Garrett
    • Keyboards : Adam Holzman, Kei Akagi
    • Percussion : Munyungo Jackson
    • Trumpet : Miles Davis
    • Written by  Cyndi Lauper, Rob Hyman
    • Live in Chicago, Illinois, Chicago Theatre - JVC Jazz Festival, Monday, June 5, 1989
  11. Hannibal
    • Alto Saxophone : Kenny Garrett
    • Bass : Foley, Richard Patterson
    • Drums : Ricky Wellman
    • Keyboards : Deron Johnson
    • Trumpet : Miles Davis
    • Written by Marcus Miller
    • Live in France, Andernos, July 21, 1991


2025年3月15日土曜日

Where the Butterflies Go in the Rain / Raveena (2024)

「インディアン・スロウ・ソウル」というのをどこかで聞いたことがあります。
確かに、彼女の場合、こういう言い方がそれなりに合っていると思います。
インドにルーツを持ち、ヘブンリーやドリーミーとも言われる曲調ですので。

インド北西部のパンジャブ出身のシク教徒の家族に生まれ、両親はシク教への迫害事件でアメリカに逃れてきたようです。
インドはヒンズー教とばかり思っていたのですが、パンジャブ地方ではシク教もそれなりに教徒がいるみたいですね。
シク教の教義は知りませんが、15世紀に生まれた比較的新しい宗教で、イスラム、ヒンズーそれぞれからの改宗者が多かったため、特にイスラム教からの迫害がたびたび起きているようです。

インドの楽器は少し使っているようですが、基本的にはアメリカンな音楽でR&Bにカテゴライズされています。
聴いた感じだと、R&Bをベースとしたポップですね。
流行りのオルタナティブな感じはありません。
ダークというよりブライト。
R&B寄りの曲もあれば、アルバムの後半は、もはやカントリーというような曲もあります。
当然R&Bの方が僕は好きですが。


  1. Pluto
  2. Lucky
  3. Rise
  4. Every Color
  5. Baby Mama
  6. Junebug [feat. JPEGMAFIA]
  7. Lose My Focus
  8. We Should Move Somewhere Beautiful [feat. Arima Ederra]
  9. Kid
  10. 16 Candles [feat. Ganavya]
  11. Smile For Me
  12. Afternoon Tea with the Auroras (Interlude)
  13. Little Bird
  14. Water


2025年3月8日土曜日

Speaking in Tongues / Talking Heads (1983)

"Stop Making Sense" はこのアルバムのツアーだったんですね。
確かに映画でも(アルバムでも) "Slippery People", "Burning Down the House", "Making Flippy Floppy", "Swamp", "This Must Be the Place (Naive Melody)", "Girlfriend Is Better" と6曲もこのアルバムから入ってます。
ちなみに "Stop Making Sense" は、#3 "Girlfriend Is Better" の歌詞の一部です。

僕はリアルタイムではこのアルバムはちゃんと聴いてなかったような気がします。
前作 "Remain in Light" が出たのが1980年で、このアルバムが1983年。
1980年はおそらく僕のアンテナの感度が低く、感知範囲外だったと思います。
スピンアウトした Tom Tom Club は1981年で、エレクトリック・サウンドということもあり好きだったので、その頃には Talking Heads は視野に入ってきてたと思います。
ただ、まだ田舎の高校生だったしな...
少なくとも、Robert Rauschenberg がデザインした初回LPジャケットは知らないので、やっぱリアルタイムじゃないのか、と思ったり。

ということで改めて聴いてみました。

素晴らしい!

"Remain in Light" のファンク路線を継承し、アフリカ音楽も消化したいいアルバムだと思います。
前作後のライブから引き続き、Bernie Worrell が参加しています。
基本的には、Talking Heads はダンス・バンドなんですね。
ロックとダンスを融合させるのに、アフリカ、ファンクをうまく使って。
ダンスと言えば、やはり David Byrne のライブ・パフォーマンスです。"Stop Making Sense" なんかを観ると、ライブで彼のダンスから感じるのが Talking Heads の魅力かもしれません。
奇妙であり、芸術的であり。
独特のシニカルな歌詞と相まって、アートですね。
ポップ・ミュージックにアートを感じるのは、Pink Floyd とこの Talking Heads くらいかな。


  1. Burning Down The House
    • Percussion : Steve Scales
    • Synthesizer : Wally Badarou
  2. Making Flippy Floppy
    • Guitar : Alex Weir
    • Violin : Shankar
  3. Girlfriend Is Better
    • Synthesizer : Bernie Worrell
  4. Slippery People
    • Backing Vocals : Dolette McDonald, Nona Hendryx
    • Percussion : Raphael Dejesus
    • Saxophone : Richard Landry
  5. I Get Wild / Wild Gravity
    • Percussion : David Van Tieghem, Raphael Dejesus
  6. Swamp
    • Guitar : Alex Weir
    • Synthesizer : Wally Badarou
  7. Moon Rocks
    • Guitar : Alex Weir
    • Percussion : Steve Scales
  8. Pull Up The Roots
    • Guitar : Alex Weir
    • Percussion : Raphael Dejesus
  9. This Must Be The Place (Naive Melody)
    • Percussion : David Van Tieghem
    • Synthesizer : Wally Badarou


  • Guitar, Vocals, Bass, Percussion, Keyboards, Synthesizer : David Byrne
  • Bass, Guitar, Synthesizer : Tina Weymouth
  • Drums, Synthesizer : Chris Frantz
  • Guitar, Keyboards : Jerry Harrison
  • Produced by Talking Heads


  • Recorded at Blank Tapes, NY.


2025年3月1日土曜日

Love One Another / Furui Riho (2024)

「ピンクの髪」を何かで聴いて、アルバム聴いてみようと思いました。
正直「ピンクの髪」を超える曲はありませんでしたが、他の曲も、それはそれで味わい深いものでした。

けっこうアレンジが凝っていて、いろんなアイデアを詰め込むタイプなんですね。
いろんなギミック音やコーラスを散りばめてて、アレンジャーとしてもいいサウンド作りそうに思いました。
ルーツはゴスペル・クワイアにあるそうで、そう思って聴くと確かにコーラスや曲の作りなんかはゴスペル的な感じがします。

最近、日本のオルタナティブな音楽を聴くことが多いんですが、ホント日本の音楽シーンも豊かになったなと感心します。
ちょっと前は、バンド形式のギターサウンドのワンパターンって感じを受けてましたが、アンダーグラウンドでもいい曲が多い。

Furui Riho もほとんど売れてませんが、曲のクオリティはかなり高いです。ホントすごい。

#1「LOA」はまさに「Love One Another」。落ち込んだ妹からの電話がきっかけで作った曲らしい。まず自分のことを愛そうという歌詞と優しいメロディが表題曲としてふさわしく感じます。
#2「Super Star」は自分のアスピレーションの曲。ただし、ここでも「誰かのスーパースターにならなくても私のスーパースターならなれるわ」と、ここでも自己愛。ちょっと諦めもあるのかも。
#6「ピンクの髪」はピンクに染めた髪の話で、比喩でも何でもなく、そのままの歌詞なのは面白いと思いましたが、コーラスの使い方がこの上なくポップです。
#9「SAPPORO TOKYO」は、小樽出身で札幌と東京を行き来している彼女自身の話でしょう。タイトルはおそらくフライトのことかな。「チケットは高いや」というのはライブチケットかと思ってましたが。

Furui Riho は33ということなので、けっこう遅咲きですが、諦めずによく音楽活動を続けてきたもんだと思います。
今後も期待できるかな。


  1. LOA
  2. Super Star
  3. Your Love
  4. PSYCHO
  5. ウソモホント
  6. ピンクの髪
  7. Friends (Album ver.)
  8. We are
  9. SAPPORO TOKYO