2024年1月28日日曜日

Boneyard / Jim McNeely (2007)

 
一般的には Jim McNeely のアルバムということでしょうが、トリオのアルバムで、実際ジャケットの表記は3人の併記です。
ピアニスト Jim McNeely、ベース Kelly Sill、ドラム Joel Spencer のシンプルな構成のトリオで、ピアノトリオらしい引き締まった演奏を聴かせてくれます。

Jim McNeely はビッグバンドの作曲家でもあり、アバンギャルドの演奏も得意としているようですが、ここでの演奏はいたってストレートアヘッド。

自身の作曲した曲(Jim McNeely、Kelly Sill)の他、 Dizzy Gillespie、Dave Brubeck、Wayne Shorterなどの曲も取り上げています。

"Boneyard" というのの意味を考えたんですが、どうもイリノイの川の名前らしい。3人が出会ったイリノイという場所が起点となったアルバムだということでしょう。

先日経済界の集まりに柄にもなく出てみたんですが、静かなスピーチの中、iPhone のスピーカーでこのアルバムをずっと再生してしまってました。まさか自分の iPhone から音が出てたなんて!
でもその場の BGM として非常にオシャレでいい感じだったと思います。そんなサウンドです。


  1. Speak Low
  2. Con Alma [Dizzy Gillespie]
  3. In Your Own Sweet Way [Dave Brubeck]
  4. For Many [Jim McNeely]
  5. Fe Fi Fo Fum [Wayne Shorter]
  6. A Sense Of Fairness [Kelly Sill]
  7. Naomi [Kelly Sill]
  8. Ernie Banks [Jim McNeely]
  9. In The Wee Small Hours Of The Morning [Bob Hilliard, David Mann]


  • Bass : Kelly Sill
  • Drums : Joel Spencer
  • Piano : Jim McNeely

2024年1月20日土曜日

Jordan: The Comeback / Prefab Sprout (1990)

Prefab Sprout の頂点とみなされる5th.アルバム。

トータル時間が64分を超え、当時のLPとしては破格の長さだったはずです。おそらく限界近く、音も最高とは言えなかったんじゃないでしょうか。そういう意味では、CD時代あるいはダウンロード、サブスク時代がこのアルバムにとってはいい時代になったと思います。当時CDは主流になりつつあったと思いますが。ちなみに僕が初めてCDプレーヤーを手に入れたのが1989年1月でした。

全19曲は、"Straight pop"、"Elvis Presley"、"Love songs"、"Death and fate" という4つのコンセプト・パートに分かれるという独特の作りとなっています。

タイトルの "Jordan: The Comeback" は "Elvis" パートで、1977年に亡くなったプレスリーがまだ生きていて、ネバダの砂漠で隠遁生活を送っていると想像しているというもの。日本語表記が「ヨルダン」になっているのは、ヨルダン川も題材になっているからです。
僕にはちょっと想像できませんが、この時代のミュージシャンにとってはまだ Elvis の存在は大きかったんでしょうね。

独特の歌詞世界とシンクロするように、サウンドはなんというかロマンチック・ポップ。
アコースティック、コーラス、シンセの程よい融合、Paddy McAloon の中性的なヴォーカルが活きてます。
プロデューサーは Thomas Dolby です。80年代のシンセを使ったソロ曲とは違い、奇をてらわずに Prefab Sprout らしさを表現していると思います。

"Looking for Atlantis"、"Machine Gun Ibiza"、"Jordan: The Comeback" などの佳曲がちりばめられていますが、シングルとしてはそれほどヒットしていません。

アルバムとしては、コンセプチュアルさが評価され、"Pet Sounds"、"Sign o' the Times"、"White Album" などと比較されることがあるように、高い評価を得ています。


"Straight pop"#1-5, "Elvis Presley" #6-9, "Love songs" #10-14, "Death and fate" #15-19
  1. Looking for Atlantis
  2. Wild Horses
  3. Machine Gun Ibiza
  4. We Let the Stars Go
  5. Carnival 2000
  6. Jordan: The Comeback
  7. Jesse James Symphony
  8. Jesse James Bolero
  9. Moon Dog
  10. All the World Loves Lovers
  11. All Boys Believe Anything
  12. The Ice Maiden
  13. Paris Smith
  14. The Wedding March
  15. One of the Broken
  16. Michael
  17. Mercy
  18. Scarlet Nights
  19. Doo Wop in Harlem


Prefab Sprout

  • Paddy McAloon
  • Martin McAloon
  • Wendy Smith
  • Neil Conti

Additional musicians

  • Luís Jardim – percussion
  • Judd Lander – harmonica (on "Looking for Atlantis")
  • Jenny Agutter – spoken word (on "Wild Horses")
  • The Phantom Horns – horns (on "Carnival 2000")

Produced by Thomas Dolby

2024年1月13日土曜日

Life After Love, Pt.1 / Victoria Monét (2018)

父親がフランス人なんで Monét なんですね。うらやましい名前です。

エンターテインメント系のSNS、MySpace で Rodney Jerkins とつながり、この道に入ったようです。今どきですねぇ。
ソングライターとして活動していた彼女が初期に出した EP のうちの1つがこのミニアルバム。

"Pt.1" とあるように "Pt.2" も同じ時期に出していて、じゃあアルバムにすればええやん、と思いますが。

Cool なサウンドは Rodney Jerkins ゆずりか。

思った以上にフックのある曲はありませんでした。
そんな中でも、"Freak" は唯一いい曲だなあと思います。

この後の活躍はすばらしい。


  1. Intro
  2. Wish I Never Met You
  3. Freak
  4. No Good
  5. Water Fall Out of Love
  6. Next Thing: Bet You Didn't Know
  7. Ten New Friends
  8. Let Her Go
  9. Open Your Eyes (Interlude)

2024年1月6日土曜日

Over The Rainbow / SUKISHA x Kiki Vivi Lily (2019)

世界は「コロナ前」と「コロナ後」に分かれてしまったような気がします。
このミニアルバムは、コロナ前。と言っても、12月に出たので、コロナ直前ですね。
コロナでアルバム発表パーティをやる予定が流れて、コロナ後の2023年に行われたとのこと。

一応10曲入ってるのに「ミニ」アルバムというのは、歌詞付きの曲の間に、1分程度のインタールードが入るという構成になっていることと、最後10曲目はリミックスバージョンだから。
実質4曲ですが、これがまた全曲レベルが高い。いい曲ばかりです。
全曲 SUKISHA の作詞作曲。Kiki Vivi Lily との相性バッチリです。
ライト R&B の流れるような曲調に、無理やり詰め込んだ歌詞。それを歌いこなすスウィートヴォイス。

さりげなく "Mother Ship Connection" が歌詞に出てくるあたり、侮れません。

インタールードは次の曲のイントロダクションになっていて、
"Departure" → "Rainbow Town" へ
"The Summer Storm ...ing"  → "Blue in Green" へ
"Falling Asleep" → "Pink Jewelry Dream" へ
"Winter Stroll" → "Gray Spring" へ
そして最後 "Destination" へ
と繋がっています。

また、色がコンセプトで、"Rainbow” "Blue in Green" "Pink" "Gray" と繋がって行っています。

もう一度やってくれたらいいのに。


  1. Departure
  2. Rainbow Town
  3. The Summer Storm ...ing
  4. Blue in Green
  5. Falling Asleep
  6. Pink Jewelry Dream
  7. Winter Stroll
  8. Gray Spring
  9. Destination
  10. Rainbow Town (Tofubeats Remix)


  • Compose, Lyrics, Arrange : SUKISHA
  • Vocals : Kiki Vivi Lily
  • Artwork : Shota Nemoto

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