2021年11月28日日曜日

Tasty / kiki vivi lily (2021)

セカンド・フル・アルバムです。全9曲、内2曲が間奏系なので、実質7曲。ミニ・アルバムちゃうんかい、とツッコミたくなりますが、内容は充実しています。

いつものことですが、サウンド・プロダクションが素晴らしい。
テクノでソフトでポップ。今回はそれにちょっとアコースティックも入ってます。
自分の声に合うサウンドというのをよく理解してるんでしょうね。

ハイライトは "手を触れたら" かなあ。ジャンプするグルーヴは最高です。
最後の "Onion Soup" はなんとピアノ・ソロの伴奏。しみじみと仲直り。


  1. Intro : wip
  2. Lazy
  3. 手を触れたら
  4. Yum Yum (feat. Shin Sakiura & Itto)
  5. Whiskey
  6. Interlude : Tasty
  7. You Were Mine
  8. New Day (feat. Sweet William)
  9. Onion Soup

サウンドプロデューサー:荒田洸(WONK)、MELRAW


2021年11月21日日曜日

CrazySexyCool / TLC (1994)

おそらく何度聴いても飽きがこないアルバム。
1994年といえば、もうかなり前になりますが、今聴いても古さ、時代性をあまり感じません。
音作りに関わった人たちの力なんでしょうか。Dallas Austin, Babyface, Jermaine Dupri, Organized Noize, Chucky Thompson 等がプロダクションに加わっています。

1曲1曲のカラーと音はかなり違っているのですが、全体を通してミッド・テンポからロー・テンポのダウン・ビートが効いています。いわゆるスロー・ジャムですね。
Babyface の "Diggin' on You", "Red Light Special" なんかはその代表でしょう。

Organized Noize プロデュースのミッド・テンポ "Waterfalls" は特徴的なメロディ・ラインの名曲です。"Don't go chasing waterfalls, Please slick to the rivers and the lake that you're used to, I know that you're gonna have it your way or nothing at all but I think you're moving too fast" HIVやドラッグを取り上げた社会的なメッセージを含んでいます。

実は一番かっこいいなと思うのが、"If I Was Your Girlfriend" です。Prince が1987年に出した "Sign o' the Times" の中の1曲ですが、メロディ・ラインと基本的な構成は原曲を踏襲しながら、硬質なリズム・アレンジとコーラス・ワークが秀逸です。カバーの成功例でしょう。

TLC を TLC たらしめているのは、T-Boz のヴォーカル・スタイルだと思います。高い声全盛の中、クールに中低音で攻めています。そんなヴォーカル・グループいる?

1990 年代を代表する R&B, Pop だと思います。


  1. Intro-lude" (featuring Phife)
  2. Creep -Austin
  3. Kick Your Game -Dupri
  4. Diggin' on You -Babyface
  5. Case of the Fake People -Austin
  6. CrazySexyCool – Interlude
  7. Red Light Special -Babyface
  8. Waterfalls -Organized Noize
  9. Intermission-lude
  10. Let's Do It Again -Babyface
  11. If I Was Your Girlfriend -Austin
  12. Sexy – Interlude
  13. Take Our Time -Austin
  14. Can I Get a Witness – Interlude
  15. Switch -Dupri
  16. Sumthin' Wicked This Way Comes (featuring Dre of Outkast)


2021年11月14日日曜日

Imaginary Visions / 挾間美帆 featuring Danish Radio Big Band (2021)

元々ビッグバンド・ジャズのフォーマットでの作家なのですが、今回は "Danish Radio Big Band" を前提としているという点で、よりビッグバンド傾向が強いアルバムだと思いました。
何も制約がないよりも、特定のバンドを前提としていて制約がある方が、よりクリエイティブになると言います。

また、どの曲も、よく編曲されています。
インプロビゼイション主体のジャズではなく、全て書かれています。
よくここまで多くの楽器を制御して曲に収斂できるものだと感心します。

コロナ禍の中で作曲し、より人と関わりたいと感じレコーディングしたと言います。
また、全員が集まって「せいの!」で音合わせできず、レコーディングは困難だっとも聞きました。
そういう思いにキッチリ応えられる Danish Radio Big Band の人たちは、本当に素晴らしいミュージシャンなんだろうなと感じました。


  1. I Said Cool, You Said... What?
  2. Your Scenery Story
  3. Mingle-Mangle Goody Bag
  4. Home
  5. Mimi’s March
  6. On That Side
  7. Green


#1.Soloist: Nicolai Schultz (fl), Per Gade (g)
#2.Soloist: Mads la Cour (flh), Hans Ulrik (ts)
#3.Soloist: Henrik Gunde (p), Peter Fuglsang (as)
#4.Soloist: Petter Hängsel (tb), Henrik Gunde (p), Mads la Cour (flh)
#5.Soloist: Peter Dahlgren (tb), Anders Gaardmand (bs)
#6.Soloist: Kaspar Vadsholt (b), Mårten Lundgren (tp), Karl-Martin Almqvist (ts), Søren Frost (ds)


Soloist: Karl-Martin Almqvist (ts)
Recorded on March 8th - 11th, 2021 at DR Koncerthuset Studio 2 & 3, Copenhagen,Denmark


2021年11月6日土曜日

Celebrate! / Kool & the Gang (1980)

大ヒット曲 "Celebration" を擁したミリオンセラー・アルバム。
新リード・シンガー James Taylor のソフトなボーカルの魅力満載です。
70年代はファンクをリードしてきた彼らですが、このアルバムではファンクを昇華して、ポスト・ディスコというのか、コンテンポラリーR&Bを展開しています。

プロデューサーは、ブラジリアン・フュージョンの Eumir Deodato ですが、ラテン感はなく、イギリスのファンカラティーナ的な明るいポップに貢献しているんでしょうか。

表題曲とも言うべき "Celebration" は、Ronald Bell がコーランから着想を得たそうで、神によってアダムが作られ、それを天使たちが歌って賛美している様子がイメージされているようです。カッティング・ギターがかカッコいいですよね。


  1. Celebration
  2. Jones vs. Jones
  3. Take It to the Top
  4. Morning Star
  5. Love Festival
  6. Just Friends
  7. Night People
  8. Love Affair


  • Bass – Robert "Kool" Bell
  • Lead guitar – Charles Smith
  • Keyboards, saxophone, backing vocals – Ronald Bell
  • Drums, percussion, backing vocals – George Brown
  • Lead and backing vocals – James "J.T." Taylor
  • Alto saxophone – Dennis Thomas
  • Trumpet, backing vocals – Robert Mickens
  • Keyboards, backing vocals – Earl Toon, Jr.
  • Keyboards – Kevin Bell
  • Additional keyboards – Adam Epolito
  • Backing vocals – Cedric Toon, Meekaeel Muhammad, Robert Bell, Coffee, Something Sweet
  • Producer – Eumir Deodato
  • Associate producer – Kool & The Gang


2021年11月2日火曜日

KOE / 佐藤千亜妃 (2021)

待望の佐藤千亜妃の最新作が出ました。約2年ぶりでしょうか。
「転がるビー玉」「声」「カタワレ」の3枚のシングル曲を含む全12曲です。
今回も美しいメロディと、思い入れすぎないストレートなヴォーカルが素晴らしいできです。

ギター・サウンドをベースとしながらも、シャープなストリングス・アレンジが混じり、適度なポップスに仕上がっています。
中にはキーボード・ベースの曲もあったりして。

歌詞の世界は、揺らぎ、迷い、焦燥、ぬくもり、といった、日常にありながら、忘れてはいけないものがテーマでしょうか。
ラブソングなのか、解散したバンドメンバーを歌ったものなのか。
はたまた、ポップ・ミュージシャンでありながら、イマイチ売れない、ポップであることのアイデンティティを思い返したり。

売れなくても好きですよ。


  1. Who Am I
  2. rainy rainy rainy blues
  3. カタワレ
  4. 甘い煙
  5. 転がるビー玉
  6. リナリア
  7. Love her...
  8. 愛が通り過ぎて
  9. ランドマーク
  10. 橙ラプソディー


Produced by 佐藤千亜妃、河野圭
G: 名越由貴夫、岡田拓郎、真壁陽平、井上銘
B: 新井和輝、越智俊介、山口寛雄、須藤優、あきらかにあきら
D: 石若駿、mabanua
Harp: Ichika