2021年2月22日月曜日

Insights / 秋吉敏子 & Lew Tabackin Big Band (1976)

秋吉敏子の楽曲のいいところは、非常に親しみやすいというところだと思います。難解ではなく、分かりやすい。曲自体は変調が絡み合った複雑な作りだとは思うのですが。

また、基本ストレートなビッグ・バンド・ジャズで、その中に日本的なものを混ぜてくるのもユニークです。

このアルバムでも、墨絵を題材にした代表曲 "Sumie" であったり、水俣を題材にした "Minamata" であったり。

いずれも鼓を用いて、テーマだけではなく、サウンドでも日本的に仕上げています。 "Sumie" での Lew Tabackin のフルートも効いています。

"Minamata" は組曲になっていて、「平和な村」~「繁栄とその結果」~「終章」というストーリーになっています。ほぼテイストの違う曲がつながって1曲になっていますが、深刻な題材にもかかわらず、サウンド自体は親しみやすい感じになっているのは才能なんでしょうね。

素晴らしいアルバムです。


  1. Studio J
  2. Transience
  3. Sumie
  4. Minamata
    1. Peaceful Village
    2. Prosperity & Consequence
    3. Epilogue


  • Jerry Hey   Trumpet
  • Bill Reichenbach Trombone
  • Lew Tabackin Tenor Saxophone, Flute
  • 穐吉敏子   Piano
  • 観世寿夫  
  • 亀井忠雄   大鼓

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