2019年3月30日土曜日

Some Time in New York City / John Lennon / Yoko Ono / Plastic Ono Band (1972)

この頃の John Lennon はかなり政治的、社会的に先鋭化していたようです。
極左思想の疑いということでFBIにもマークされていたという話もあります。
"Imagine" が1971年、同じ年のクリスマスには "Happy Xmas (War Is Over)" を出していますが、その流れの中で、さらに先鋭化していったのかもしれません。

それまでは、ある程度普遍的なテーマを扱っていたと思いますが、このアルバムでは、目の前の事象を、ニュースのように取り扱っています。
"Woman is the Nigger of the World", "Sisters, O Sisters" では女性解放を、"Attica State" ではアッティカ刑務所での暴動を、"Sunday Bloody Sunday", "The Luck of the Irish" ではアイルランド問題を、"John Sinclair", "Angela" では囚われた活動家に対するシンパシーを歌っています。

ヨーコが歌う曲もいくつか含まれ、そういう意味で、あまり聴こうと思わなかったアルバムなのですが、それなりにいい曲が入っています。

それとライブパートがおまけでついているのですが、正直これはいりません。ヨーコの金切り声もやめてほしい。

2019年3月24日日曜日

Lost & Found / Ledisi (2007)

もう春かと思っていたら、昨日今日とずいぶん寒い。三寒四温というんですかね。

2007年に出た Ledisi の "Lost & Found" は、「ネオ・ソウル」とジャンル分けされることがありますが、コンテンポラリーなところとオールド・マナーなところが同居した、なかなかな佳作です。
少し抑制のきいたサウンドと、ほぼスローな曲調が「ネオ・ソウル」と言われる所以なのかもしれませんが、基本は昔から変わらない、ソウル・シンガー、というところだと思います。

このアルバムを出した時は既に35才。今までやってきたことと、時代をうまくマッチさせた力はすばらしいと思います。

2019年3月17日日曜日

瞬間的シックスセンス / あいみょん (2019)

1枚目で見せた尖った感じが少し薄れましたが、より音楽的な広がりを獲得した2枚目となっていると思います。

特に、メロディ・メイキングがうまくなったな、と。
Lennon-McCartney も少しずつ曲作りがうまくなってきた、と自身で言っていますが、曲作りもなんかコツがあるんでしょうね。メロディがいい曲がズラっと並んでます。
特に、"マリーゴールド"なんか傑作と言わずしてなんというのでしょうか。オーソドックス、真正面、ギミックなし。これ以上の曲をあいみょんは書けるのか、と1ファンとして心配してしまうほどです。
"ひかりもの"もそうですが、時折見せるザラっとした感じ。オールド・ロックやプロテスト・フォーク、さらに言えば吉田拓郎のマナーも汲んでますね。

異彩を放っているのが"二人だけの国"で、このアルバムのキーだそうです。「失楽園」のインスパイアらしいですが、「ナンマイダ」の連呼は、なんじゃこれ、て思いました。

ちなみに、「ベンガル」というタイトルと疾走感のある曲調は?と思いましたが、やっぱりandymoriのリスペクトでした。

2019年3月10日日曜日

Where I'm Coming From / Stevie Wonder (1971)

Stevie Wonder 21才、70年代が始まるとともに、一斉に才能が開き始めます。
70年代の快進撃は72年の "Talking Book" が始まりかと思いきや、その2作前の本作が全ての始まりでした。

曲は全て、当時の妻の Syreeta Wright との共作。まだ習作といった感が強いですが、楽器の音色や曲調は片鱗が見えます。
60年代の The Beatles が開いた世界が、Stevie Winder を目覚めさせたのかもしれません。Marvin Gaye が作った社会的な音楽が Stevie Winder を導いたのかもしれません。

全てはここから始まった!記念碑的アルバムです。

2019年3月3日日曜日

SAFARI / 土岐麻子 (2018)

前作に続く、トオミヨウ氏の曲をフィーチャしたアルバムですので、期待してました。
全曲トオミヨウ氏作編曲です。(個人的には、G.Rina の曲がないのが残念ですが)。

テーマは今回ももちろん、シティ・ポップ。ちょっとパンチが少ないように思いますが、いいんじゃないですか。ブラスを使って華やかな面もありますが、適当にテクノも入ってます。

土岐麻子の書く詞は女性の日常を切り取ったような日記のようなもので、目に入ったものを詞にするというか。