2025年2月22日土曜日

Grande-Terre / Roy Hargrove's Crisol (2024)

これは奇跡のアルバムです。
1998年にフルアルバムとして録音された音源が、今になって発売されたということですから。
しかも、アルバムの選から漏れた未発表曲集というわけではなく、フルパッケージのアルバムです。
Crisol としては1997年に名盤 "Habana" を出し、翌1998年にセカンドアルバムを早速録音したようです。少しメンバーは違いま
その録音がなぜお蔵入りになったのかはよく分からないようです。これだけの内容ですから、出来が悪かったと判断したとは考えられません。
どうも、レコードの発売が混んでいたのではないか、と憶測されているようです。

内容は前作同様、強烈なアフロ・キューバン・ジャズです。
パーカッションが効いてます。

曲順まで Roy が指定したとは思えませんが、#1 "Rhumba Roy", #2 "A Song For Audrey", #3 "Lake Danse" と畳み掛けてきます。

#4 "Kamala's Dance" の Kamala とはRoy の娘のことで、ゆったりとした美しい曲に仕上がっています。彼女は今プロのダンサーとなっており、この曲のビデオにも出演しています。

再度 #5 "B And B" でダンサブルな曲に戻り、あとはバラードとアフロな曲に寄って行き、最後また強烈なラテン #10 "Priorities" で締め括られ余す。
何度聞いても飽きない、不朽の名盤だと思います。

ちなみに#8 "Afreaka" は Lee Morgan のカバー。この曲が入っている1967年の "The Sixth Sence" も素晴らしいアフロ・キューバンです。

Grande-Terre というのは、カリブ海の島の名前。フランス領グアドループが2つの大きな島からなっていて、その一方がグランドテール島です。位置的には、キューバ→ジャマイカ→ハイチ→ドミニカと続く先にあり、トリニダード・トバゴとの中間くらいでしょうか。ちなみにグアドループというのはコロンブスの命名だそうです。
この島での録音なので、それがそのままアルバム・タイトルになっています。


  1. Rhumba Roy [Gabriel Hernández]
  2. A Song For Audrey [Gerald Cannon]
  3. Lake Danse [Roy Hargrove]
  4. Kamala's Dance [Roy Hargrove]
  5. B And B [Ed Cherry]
  6. Another Time [Willie Jones III]
  7. Lullaby From Atlantis [Jacques Schwarz-Bart]
  8. Afreaka [Cedar Walton]
  9. Ethiopia [Larry Williams]
  10. Priorities [Roy Hargrove]


  • Trumpet, Flugelhorn : Roy Hargrove
  • Trombone : Frank Lacy
  • Alto Saxophone : Sherman Irby
  • Tenor Saxophone : Jacques Schwarz-Bart
  • Drums : Willie Jones III
  • Drums, Vocals : Julio Barreto
  • Percussion : Changuito, Miguel "Angá" Díaz
  • Bass : Gerald Cannon
  • Piano : Larry Willis
  • Guitar : Ed Cherry
  • Produced by Larry Clothier, Roy Hargrove


  • Recorded in April 1998 at La Terreur studio in Pointe-à-Pitre Guadeloupe.


0 件のコメント:

コメントを投稿