2022年1月29日土曜日

More Songs About Buildings and Food / Talking Heads (1978)

これまで Talking Heads のアルバムはけっこう聴いてきましたが、これだけ聴いてませんでした。
で、聴いてみてびっくり。正直僕にはこれがベストです。

シングルカットは、Al Green のカバー "Take Me to the River"。これで名を上げたようです。
これは確かにいい。オリジナルよりテンポを落とし、強烈にグルーヴを生み出しています。ですがアルバムの最初から飛ばしてくる他の曲がすごくいい。
ヒット曲のようなフックのある曲というわけではなく、勢いで攻めてきます。

このアルバムから Brian Eno をプロデューサーに迎えていますが、大正解でしょう。キレのいいシャープなサウンドは、Brian Eno ならではかもしれませんし、多少加わっているギミックも Brian Eno のアイデアかもしれません。

ニューヨーク・パンクというよりは、やはりニュー・ウェーヴと呼ぶのがふさわしいでしょう。

素晴らしい!


  1. Thank You for Sending Me an Angel
  2. With Our Love
  3. The Good Thing
  4. Warning Sign
  5. The Girls Want to be With the Girls
  6. Found a Job
  7. Artists Only
  8. I'm Not in Love
  9. Stay Hungry
  10. Take Me to the River
  11. The Big Country

  • Tina Weymouth – Bass Guitar
  • Chris Frantz – Drums, Percussion
  • Jerry Harrison – Piano, Organ, Synthesizer, Guitar, Backing Vocals
  • Brian Eno – Synthesizer, Piano, Guitar, Percussion, Backing Vocals
  • David Byrne – Vocals, Guitar, Percussion
  • Producer – Brian Eno, Talking Heads


2022年1月23日日曜日

Bodyheat / James Brown (1976)

"Bodyheat" はディスコとフィラデルフィア・ソウルへの James Brown なりの回答ではないでしょうか。

ホーンで始まり、カッティング・ギターが軽快な表題曲は、ディスコチックなダンスナンバー。Van McCoy の "The Histle" が出たのが 1975年なので、影響を受けたのかな。1976年という発売年を考えると、James Brown は時代の先を走っていたのかもしれません。

続く "woman" は "It's a Man's, Man's, Man's World" の曲に乗せて歌う、自己アンサー・ソングですかね。

一番驚くのが、次の "Kiss in 77" です。シングル・カットもされています。ファンクなし、ソフトR&Bともいえる、コンテンポラリー感漂う1曲です。
他にも、Burt Bacharach の曲を歌ったりと、かなり異色な選曲が目立ちます。

そんな中でも、従来のファンク路線に近い曲も2曲 "I'm Satisfied"(B面1曲目) とラストの "Don't Tell I"。いずれも Deanna Brown, Deidra Brown, Yamma Brown という家族作の曲ですね。

アルバム全体として、試行錯誤の結果まとまりがないのはしょうがないのですが、僕は James Brown の新境地として、好きです。
以外と70年代のヒゲ時代もいいのです。



2022年1月16日日曜日

Love Me Back / Jazmine Sullivan (2010)

2枚目にしてこの大御所ぶりはどうでしょう。
シャウティング・ヴォーカルに乗せた率直な歌詞、素晴らしいです。
ユニークなダーク系のヴォーカル・スタイルは Aretha や Chaka のような過去の偉大な R&B シンガーと肩を並べると思います。

サウンド的にもプロデューサー陣が充実しています。Missy Elliott、Cainon Lamb、Salaam Remi、Anthony Bell、Chuck Harmony、Los da Mystro、Ne-Yo、Toby Gad、No I.D.、Prolyfic、Ricky Blaze、暗めの曲が多いですが、ポップで明るい曲も含まれています。

彼女のアルバムを全て聴いたことがあるわけではないのですが、おそらくこれがベストなんじゃないでしょうか。


  1. Holding You Down (Goin' in Circles) Elliott, Lamb
  2. 10 Seconds Remi
  3. Good Enough Harmony
  4. Don't Make Me Wait Los da Mystro
  5. Love You Long Time Remi
  6. Redemption Bell
  7. Excuse Me Elliott, Lamb
  8. U Get on My Nerves (featuring Ne-Yo) Bei Maejor, Ne-Yo
  9. Stuttering Gad, Remi
  10. Famous No I.D., Prolyfic
  11. Luv Back Elliott, Blaze, Lamb
  12. Catalogue Girl (Japan Bonus) Carvin & Ivan


  • Jesse Bonds guitar
  • Steve Wyreman guitar
  • Calvin Parmer bass
  • Kevin Randolph keyboards
  • Salaam Remi bass, drums, Fender rhodes, keyboards
  • Harold Robinson bass



2022年1月10日月曜日

Special Edition / Jack DeJohnette (1980)

ドラマーのことを「すごいな」、と初めて思ったのは、Tony Williams でした。もちろん、Miles のアルバムでしたが、何のアルバムだったか...
煽るドラミングで、疾走感が半端なかったですね。

次にすごいなと唸ったのは Elvin Jones です。ポリリズムって言うんですか、僕はドラムを叩けませんので、テクニック的なことは分かりませんが、常人ではないことは分かります。

それに、Art Blakey ですね。超人さは感じないのですが、そのビッグ・ビートがサウンドを引き締めます。

そして、Jack DeJohnette、Miles で一番好きな "Bitches Brew" のドラマーですよね。

ドラミングもすごいんでしょうが、自身ピアノも弾くということで、サウンド・クリエーター的な感じも強い、異色な存在です。

同じ Special Edition の4thアルバム "Album album"(1984) を聴いたことがあります。ポップで明るい色調だった印象があるのですが、この1stは少し難解度が高いです。多少のテーマはあるんでしょうが、大半は即興だと思われます。

Arthur Blythe のアルト・サックス、David Murray テナー・サックスの役割が大きいんでしょうね。この2本の管楽器の絡みが絶妙です。
ここでは、DeJohnette のドラムは控えめ。もちろんバンドのキーとなっているのは確かですが。


  1. One for Eric (Jack DeJohnette)
  2. Zoot Suite (Jack DeJohnette)
  3. Central Park West (John Coltrane)
  4. India (John Ashton / Richard Butler / Tim Butler / John Coltrane / Vince Ely / Duncan Kilburn / Roger Morris)
  5. Journey to the Twin Planet (Jack DeJohnette)


  • Jack DeJohnette Drums, Guitar, Keyboards, Mellophonium, Melodica, Piano, Synthesizer
  • Arthur Blythe Alto Sax
  • David Murray Tenor Sax, Bass Clarinet 
  • Peter Warren Bass, Cello
  • Manfred Eicher Executive Producer, Mixing, Mixing Engineer