これは貴重な音源です。
何が貴重かと言うと、Collins 兄弟が在籍した JB's の唯一のライブ音源だからです。
ベースの "Bootsy" Collins と兄でギターの Phelps "Catfish" Collins は1970年から71年の間の11か月だけ JB's に在籍していましたが、その間に "Get Up (I Feel Like Being a) Sex Machine", "Super Bad", "Soul Power", "Talkin' Loud and Sayin' Nothing" などの名曲を生み出しています。
と言って、このライブがその他のライブ音源に比べて特別な演奏か、というとそこまでは感じません。
JB's は James Brown のサウンドを形作る一つのピースではあるものの、James Brown の音楽は James Brown そのものが生み出すもの、だと思うからです。
そういう意味では、JB's はよく調教されたバンド、とも言えるかもしれません。
さて、"Love Power Peace" というヘンテコなタイトル名は、最初 LP の3枚組を想定して、それぞれの盤のタイトルが "Love" "Power" "Peace" になるはずだったことによるものらしいです。
1970年代の初頭の Love and Peace の時代らしいタイトルかもしれません。"Power" を挟むあたり JB らしいと言えばらしいのですが。
この LP 構想は、Collins 兄弟の脱退というか、レコード会社移籍により頓挫してしまいます。
元の3枚組LP(構想)は全31曲ですが、それをCD1枚分の17曲に再編成したのがこのアルバム。1992年版になります。
曲順は似たような感じですが、途中抜けてるパートもあります。当然ですが。
人によると、冗長な元の3枚組アルバムより、編集1992年版の方がいいという意見も。
オリジナルを聴いていないので何とも言えませんが、コンパクトにまとまっていていいのかも。
"Sex Machine" 当時のファンク路線で決めればいいのにと思いますが、アルバムは新旧取り混ぜた、オール・タイム・ベストの様相。
少しそこが残念ですが、コンサートではどうしてもそうならざるを得ないところもあるでしょう。
ファンク路線のダンス・チューンは最高、演奏も素晴らしい。
YouTubeで動画も一部見ることができますが、やはり JB は動きもセットで見ないと、というさすがのキレのあるダンスです。変なコスチュームは何だろな、と思いますが。
観客のノリもあわせて、ご機嫌なライブ・アルバムであることに間違いはありません。
- Intro
- Brother Rapp
- Ain't It Funky Now
- Georgia on My Mind [Hoagy Carmichael, Stuart Gorrell]
- It's a New Day
- Bewildered [Teddy Powell, Leonard Whitcup]
- Sex Machine [Brown, Bobby Byrd, Ron Lenhoff]
- Try Me
- Medley: Papa's Got A Brand New Bag / I Got You (I Feel Good) / I Got The Feelin'
- Give It Up Or Turnit A Loose [Charles Bobbit]
- It's A Man's Man's Man's World [Brown, Betty Jean Newsome]
- Please Please Please [Brown, Johnny Terry]
- Sex Machine (reprise) [Brown, Byrd, Lenhoff]
- Super Bad
- Get Up, Get Into It, Get Involved [Brown, Byrd, Lenhoff
- Soul Power
- Get Up, Get Into It, Get Involved (finale) [Brown, Byrd, Lenhoff]
- James Brown : vocals, organ
- Bobby Byrd : MC, vocals, organ
- Darryl "Hasaan" Jamison : trumpet
- Clayton "Chicken" Gunnells : trumpet
- Fred Wesley : trombone
- St. Clair Pinckney : tenor saxophone
- Phelps "Catfish" Collins : lead guitar
- Hearlon "Cheese" Martin : rhythm guitar
- William "Bootsy" Collins : bass guitar
- John "Jabo" Starks : drums
- Don Juan "Tiger" Martin : drums