これは奇跡のアルバムです。
1998年にフルアルバムとして録音された音源が、今になって発売されたということですから。
しかも、アルバムの選から漏れた未発表曲集というわけではなく、フルパッケージのアルバムです。
Crisol としては1997年に名盤 "Habana" を出し、翌1998年にセカンドアルバムを早速録音したようです。少しメンバーは違いま
その録音がなぜお蔵入りになったのかはよく分からないようです。これだけの内容ですから、出来が悪かったと判断したとは考えられません。
どうも、レコードの発売が混んでいたのではないか、と憶測されているようです。
内容は前作同様、強烈なアフロ・キューバン・ジャズです。
パーカッションが効いてます。
曲順まで Roy が指定したとは思えませんが、#1 "Rhumba Roy", #2 "A Song For Audrey", #3 "Lake Danse" と畳み掛けてきます。
#4 "Kamala's Dance" の Kamala とはRoy の娘のことで、ゆったりとした美しい曲に仕上がっています。彼女は今プロのダンサーとなっており、この曲のビデオにも出演しています。
再度 #5 "B And B" でダンサブルな曲に戻り、あとはバラードとアフロな曲に寄って行き、最後また強烈なラテン #10 "Priorities" で締め括られ余す。
何度聞いても飽きない、不朽の名盤だと思います。
ちなみに#8 "Afreaka" は Lee Morgan のカバー。この曲が入っている1967年の "The Sixth Sence" も素晴らしいアフロ・キューバンです。
Grande-Terre というのは、カリブ海の島の名前。フランス領グアドループが2つの大きな島からなっていて、その一方がグランドテール島です。位置的には、キューバ→ジャマイカ→ハイチ→ドミニカと続く先にあり、トリニダード・トバゴとの中間くらいでしょうか。ちなみにグアドループというのはコロンブスの命名だそうです。
この島での録音なので、それがそのままアルバム・タイトルになっています。
- Rhumba Roy [Gabriel Hernández]
- A Song For Audrey [Gerald Cannon]
- Lake Danse [Roy Hargrove]
- Kamala's Dance [Roy Hargrove]
- B And B [Ed Cherry]
- Another Time [Willie Jones III]
- Lullaby From Atlantis [Jacques Schwarz-Bart]
- Afreaka [Cedar Walton]
- Ethiopia [Larry Williams]
- Priorities [Roy Hargrove]
- Trumpet, Flugelhorn : Roy Hargrove
- Trombone : Frank Lacy
- Alto Saxophone : Sherman Irby
- Tenor Saxophone : Jacques Schwarz-Bart
- Drums : Willie Jones III
- Drums, Vocals : Julio Barreto
- Percussion : Changuito, Miguel "Angá" Díaz
- Bass : Gerald Cannon
- Piano : Larry Willis
- Guitar : Ed Cherry
- Produced by Larry Clothier, Roy Hargrove
- Recorded in April 1998 at La Terreur studio in Pointe-à-Pitre Guadeloupe.