2021年6月26日土曜日

Vamonos Pa'l Monte / Eddie Palmieri ‎(1971)

Eddie Palmieri のアルバムは初めて聴きました。何となくジャズ・ミュージシャンのイメージがあったので、サルサとして聴けるのかな、と思って食わず嫌いで敬遠してました。
このアルバムを聴いて、そんな自分の浅はかさに気づき、ごめんなさいです。
かなり熱い、立派なラテンです。

Eddie Palmieri はこれまでフルート、トロンボーンのフロントラインを実験してきたようですが、このアルバムではそれに加え、バリトン・サックス、オルガン、エレクトリック・ピアノを試しており、うまく使われています。

オールドスタイルな "Caminando"、ブラスで華々しく始まる古典的な "Viejo Socarron" ロマンティックな "Yo No Se" などの聴きどころはあるのですが、ハイライトはやはり熱いサウンドを聴かせてくれる "La Libertad Logico" と "Vamonos Pal Monte" でしょう。いずれも Ismael Quintana のシャープなヴォーカルが効いています。
"Vamonos Pal Monte" では、兄 Charlie がオルガンを弾いていて、この曲のキーになっています。
"La Libertad Logico" は「論理的な自由」、"Vamonos Pal Monte" は「山に行こう」。抵抗勢力は武器を取って山にこもるところから来ているとも。題名から分かるように、非常に政治的メッセージを含んだ曲で、この頃 Eddie Palmieri の貧困と不公正の問題への取り組みが反映しています。


  1. Revolt / La Libertad Logico
  2. Caminando
  3. Vamonos Pal Monte
  4. Viejo Socarron
  5. Yo No Se
  6. Comparsa De Los Locos


  • Eddie Palmieri Band Leader, Piano
  • Ismael Quintana Vocal
  • Bob Vianco Guitar
  • Jose Rodriguez Trombone
  • Alfredo Armentereos Trumpet
  • Victor Paz Trumpet
  • Charles Camilleri Trumpet
  • Pere Yellin Tenor Sax
  • Ronnie Cuber Baritone Sax
  • Nick Marrero Timbales & Bongo
  • Monchito Munoz Bombo
  • Eladio Perez Perez Conga
  • Arturo Franquiz Clave & Chorus
  • Fred Weinberg Engineer 
  • Miguel Estivill Producer

2021年6月19日土曜日

My Life / Mary J. Blige (1994)

90年代R&Bの傑作です。

親しみやすいメロディと、70年代を中心としたサンプリング、それと90年代ヒップホップが絶妙の融合をみせています。

Curtis Mayfield や Roy Ayers の曲なんかは、やっぱいいな、と思いますし、知らなかった曲もたくさんサンプリングされています。ようそんな曲をこの曲のバックとしてサンプルしたな、と思えるような曲も使っていて、このあたりはプロデューサーのセンスなんでしょうね。スゴイ。

アルバム全体を決定づけているのは #1 "Mary Jane" でしょうか。サンプルのちょっと懐かしいミディアムグルーブは、Rick James の作曲らしいです。

何枚か彼女のアルバムは聴きましたが、これが一番いいですね!

Title Sampling
1.Intro
2.Mary Jane (All Night Long) All Night Long / Mary Jane Girls
Close the Door / Teddy Pendergrass
3.You Bring Me Joy It's Ecstasy When You Lay Down Next to Me / Barry White
4.Marvin (Interlude)
5.I'm The Only Woman Give Me Your Love (Love Song) / Curtis Mayfield
6.K. Murray (Interlude) Tell 'Em / Erick Sermon
7.My Life Everybody Loves the Sunshine / Roy Ayers
8.You Gotta Believe
9.I Never Wanna Live Without You
10.I'm Goin' Down (cover)Rose Royce
11.My Life (Interlude)
12.Be With You High Powered / Dr. Dre
13.Mary's Joint Top Billin' / Audio Two
14.Don't Go Goodbye Love / Guy
Stay with Me / DeBarge
Speak to My Heart / Donnie McClurkin
15.I Love You Ike's Mood / Isaac Hayes
16.No One Else Free at Last / Al Green
La Di Da Di / Doug E. Fresh
17.Be Happy You're So Good to Me / Curtis Mayfield
I Want You / Marvin Gaye
18.(Bonus)(You Make Me Feel Like) A Natural Woman (Cover)Aretha Franklin

Producer : Chucky Thompson, Puff Daddy, Prince Charles Alexander, Mark Ledford, Mr. Dalvin, Poke


2021年6月13日日曜日

Long Yellow Road / 秋吉敏子-Lew Tabackin Big Band (1975)

Apple Music のロスレス配信開始は、僕医自身にとってはかなりの衝撃でした。もう CD いらんやん、ということです。
ホントにロスレス配信なるものが、それほどの音質を保っているのかどうかは検証の必要がありますが。
しかもロスレスだけでなく、一部ハイレゾも配信されているとのこと。そんなのオンラインで再生できるんかいな。
どうも空間オーディオにシフトしようとすると、ロスレスが必須ということで Apple はしょうがなくロスレスに踏み切ったようですが、とにかく英断に拍手を送りたいと思います。

というわけで Apple Music 依存が増しそうですが、Apple Music で配信されていない音楽もたくさんあるわけで、そこには CD の意味も十分あります。
例えば、このアルバム。権利関係が複雑なのか、権利者が許していないのか、配信対象ではありません。

秋吉敏子のビッグバンド楽曲は、本当に素晴らしい。
分かりやすいのかな。煌びやかで、スイングしていて、メリハリがついている。

表題曲の #1 "Long Yellow Road" から #4 "Quadrille, Anyone?" まで一気にスイングします。

#5 "Children in the Temple Ground" でちょっと日本の民謡が入るところが、いつもの秋吉敏子のオリジナルなところです。神妙なピアノとフルートのテーマの繰り返しが聴きどころでしょうか。

とにかく、アルバム全体として少し短く感じられるほど、素晴らしいです。


  1. Long Yellow Road
  2. The First Night
  3. Opus No. Zero
  4. Quadrille, Anyone?
  5. Children in the Temple Ground
  6. Since Perry / Yet Another Tear


  • Bobby Shew (tp)
  • John Madrid (tp)
  • Stu Blumberg (tp)
  • Lynn Nicholson (tp)
  • Don Rader (tp)
  • Mike Price (tp)
  • Richard Cooper (tp)
  • Charlie Loper (tb)
  • Jim Sawyer (tb)
  • Bruce Paulson (tb)
  • Britt Woodman (tb)
  • Phil Teele (bass tb)
  • Dick Spencer (a sax, fl, cla)
  • Gary Foster (a sax, s sax, fl, Cla)
  • Joe Roccisano (alt sax)
  • Lew Tabackin (t sax, fl, piccolo)
  • Tom Peterson (t sax, a fl, cla)
  • Bill Perkins (bari sax, a fl, bass cla)
  • Peter Donald (d)
  • Chuck Flores (d)
  • Gene Cherico (b)
  • 秋吉敏子 (p)
  • Tokuko Kaga (v)


2021年6月6日日曜日

COBALT HOUR / 荒井由実 (1975)

1970年代の中盤に、このサウンドのクオリティはヤバいでしょ。ティン・パン・アレイがバックを固めているとはいえ。

特に素晴らしいのは、#1 "COBALT HOUR" と#10 "アフリカへ行きたい" でしょうか。両曲はセスナの音でつながっていますが、いずれもパーカッションが効果的に使われています。

名曲 #2 "卒業写真" は、ハイファイセットへの提供曲だったんですね。ユーミン版の方が普通になってますが。高校時代の恩師を題材にしているのは後で知りました。鈴木茂のギターがいいです。

#8 "少しだけ片想い" もいいですね。ここでもギターがカッコいい。ジャンプするポップスはユーミンの十八番ですかね。

完成度の高いアルバムだと思います。


  1. COBALT HOUR
  2. 卒業写真
  3. 花紀行
  4. 何もきかないで
  5. ルージュの伝言
  6. 航海日誌
  7. CHINESE SOUP
  8. 少しだけ片想い
  9. 雨のステイション
  10. アフリカへ行きたい

鈴木茂(g)、細野晴臣(b)、林立夫 (d)、松任谷正隆(p,Key)、斉藤ノブ(per)