2021年2月27日土曜日

San Juan 73 / Fania All Stars (1973)

最近はCDが急激に入手しにくくなってます。
"Live at Cheetah" も Vol.2 を買おうと思ったらどこにも売っていない。
オンラインシフトなんでしょうか。悲しい世の中になってきました。

その Cheetah の71年のライブの2年後に行われた、プエルトリコでのライブ音源です。
かなり貴重なもので、2009年に奇跡的に発売されました。
一番脂の乗り切ったときの演奏と言っていいでしょう。

Cheetah のようなクラブではなく、1万人規模のスタジアムです。プエルトリコはニュー・ヨーク・サルサの故郷の一つ、熱狂的に迎えらているように聴こえます。それでもマネージャは一杯になるのか心配してたようですが、結果的には2千人もの人がチケットを買えなかったそうです。

未だに僕はラテンのリズムの基本が分かってませんが、このポリリズムの嵐は本当に気持ちいい。特にこれだけの人数が集まっての演奏ですから、そこが通常の演奏より、このオール・スターズがよりすごいところだと思います。演奏者が増えれば増えるだけ心地よくなる。奇跡ですね。


  1. Intro
  2. Mi Debilidad (featuring Ismael Quintana)
  3. El Raton   (featuring Cheo Feliciano)
  4. Pueblo Latino (featuring Pete "El Conde" Rodriguez)
  5. Mi Gente    (featuring Hector Lavoe)
  6. Que Rico Suena Mi Tambor (featuring Ismael Miranda)
  7. Soy Guajiro
  8. Soul Makossa
  9. Congo Bongo
  10. Ponte Doro (Roberto Roena Y Su Apollo Sound)
  11. Cui Cui   (Roberto Roena Y Su Apollo Sound)


  • Pete "El Conde" Rodriguez, Hector Lavoe, Ismael Miranda, Ismael Quintana, Justo Betancourt, Santos Colon, Cheo Feliciano (vocals)
  • Anibal Vazquez, Dizzy Sanabria, Symphony Sid (spoken vocals)
  • Yomo Toro (guitar, cuatro)
  • Manu Dibango (tenor saxophone)
  • Raymond Maldonado, Roberto Luis Rodriguez , Robert Rodriguez, Victor Paz (trumpet)
  • Barry Rogers, Willie Colon, Lewis Kahn (trombone)
  • Larry Harlow (piano)
  • Bobby Valentin (electric bass)
  • Mongo Santamaria, Ray Barretto (congas)
  • Roberto Roena (bongos, cowbells)
  • Johnny Pacheco (guiro, percussion)
  • Nicky Marrero (timbales)

Live at Coliseo Roberto Clemente Stadium, San Juan, Puerto Rico (11/13/1973)


2021年2月22日月曜日

Insights / 秋吉敏子 & Lew Tabackin Big Band (1976)

秋吉敏子の楽曲のいいところは、非常に親しみやすいというところだと思います。難解ではなく、分かりやすい。曲自体は変調が絡み合った複雑な作りだとは思うのですが。

また、基本ストレートなビッグ・バンド・ジャズで、その中に日本的なものを混ぜてくるのもユニークです。

このアルバムでも、墨絵を題材にした代表曲 "Sumie" であったり、水俣を題材にした "Minamata" であったり。

いずれも鼓を用いて、テーマだけではなく、サウンドでも日本的に仕上げています。 "Sumie" での Lew Tabackin のフルートも効いています。

"Minamata" は組曲になっていて、「平和な村」~「繁栄とその結果」~「終章」というストーリーになっています。ほぼテイストの違う曲がつながって1曲になっていますが、深刻な題材にもかかわらず、サウンド自体は親しみやすい感じになっているのは才能なんでしょうね。

素晴らしいアルバムです。


  1. Studio J
  2. Transience
  3. Sumie
  4. Minamata
    1. Peaceful Village
    2. Prosperity & Consequence
    3. Epilogue


  • Jerry Hey   Trumpet
  • Bill Reichenbach Trombone
  • Lew Tabackin Tenor Saxophone, Flute
  • 穐吉敏子   Piano
  • 観世寿夫  
  • 亀井忠雄   大鼓

2021年2月14日日曜日

Chilombo / Jhené Aiko (2020)

"Chilombo" って変なタイトルやな、と思ってたら、彼女のラスト・ネームらしい。
いろんな人種が混じってるので、"Chilombo" がどこのルーツを表しているのかは分かりません。

彼女の音楽は初めて聴きました。
なんて言うのがいいいのか。今まで聴いたことのない類の音楽です。
オーガニックでもあり、スローであり、ラップも絡み、癒し的でもあり。非常にゆったりした R&B です。

ハワイで録音したらしいのですが、ハワイ的な時間のゆっくり度が表されているように思います。Triggered の MV もハワイなのでしょうか。

落ち着いた気持ちのときに聴きたいですね。


  1. Lotus (Intro)
  2. Triggered (Freestyle)
  3. None of Your Concern (featuring Big Sean)
  4. Speak
  5. B.S. (featuring H.E.R.)
  6. P*$$y Fairy (OTW)
  7. Happiness Over Everything (H.O.E.) (featuring Future and Miguel)
  8. One Way St. (featuring Ab-Soul)
  9. Define Me (interlude)
  10. Surrender (featuring Dr. Chill)
  11. Tryna Smoke
  12. Born Tired
  13. Love
  14. 10k Hours (featuring Nas)
  15. Summer 2020 (interlude)
  16. Mourning Doves
  17. Pray for You
  18. Lightning & Thunder (featuring John Legend)
  19. Magic Hour
  20. Party for Me (West Coast Version) (featuring Ty Dolla Sign)


Produced by Fisticuffs, Lejkeys, Jhené Aiko, Micah Powell, Heavy and Mellow
"Summer 2020" contains a sample of "Summer Madness", performed by Kool & the Gang.
Recorded on the big island of Hawaii


2021年2月6日土曜日

FANTASMA / Cornelius (1997)

ロック・ミュージシャンというより、サウンド・アーティストといった方がいいのかもしれません。
ロック、あるいはポップ・ミュージックをベースとしながら、音へのこだわりをプロダクトとして世の中に問うてみたい、という表現者としての衝動が感じられます。

コード進行をきれいに並べたポップ・ミュージックではなく、突拍子もない音と、突然のギターの爆音が混じる、時にアバンギャルドな曲の集まりです。
サンプリング音を多く使い(コーネリアスの名前の由来となった「猿の惑星」からの音も使われています)、演奏して撮った音なのか、作った音なのか分かりませんが、バックのサウドはかなり複雑で、それでいてメロディはどことなく牧歌的。

これが傑作と言われるのもなんとなくわかります。

曲で際立っているのは「Star Fruits Surf Rider」です。これもメロディ的には優れていて、バックのサウンドが複雑。いろんなアイデアが詰め込まれています。
当初、「Star Fruits」と「Surf Rider」という2枚のシングルを同時に鳴らすと1曲になるということを試そうとしたらしいです。このアルバムにも「Star Fruits Green」と「Surf Rider Blue」が収録されてるから、それなのかな、残念ながらウチには同時に鳴らせる機材がありませんが。

Brian Wilson へのオマージュか、Beach Boys マナーの曲もいくつか。

ファイン・アートで例えるなら、コラージュ作品を観ているようです。


  1. MIC CHECK
  2. THE MICRO DISNEYCAL WORLD TOUR
  3. NEW MUSIC MACHINE
  4. CLASH
  5. COUNT FIVE OR SIX
  6. MONKEY
  7. STAR FRUITS SURF RIDER
  8. CHAPTER 8 〜Seashore and Horizon〜
  9. FREE FALL
  10. 2010 
  11. GOD ONLY KNOWS
  12. THANK YOU FOR THE MUSIC
  13. FANTASMA
  14. STAR FRUITS GREEN
  15. SURF RIDER BLUE