2017年9月24日日曜日

Mellow Madness / Quincy Jones (1975)

これはもはやジャズではありません。高等なブラック・コンテンポラリーです。
60年代の終わりに Miles Davis が示した方向の、Quincy Jones なりの答なのかもしれません。
もちろん、これで終わりではなく、1978年の大傑作 "Sounds...And Stuff Like That!!" に拡張していきますし、1979年の "Off the Wall" 、1982年の "Thriller" にもつながっていきます。

今回のアルバムで一番色を出しているのは、ギターの George Johnson とベースの Louis Johnson かもしれません。翌年彼らは、"The Brothers Johnson" としてデビューします。

それにしても、"Mellow Madness" というタイトルは最高にカッコいいですね。
Quincy Jones 42才。挑戦してます。

2017年9月17日日曜日

ZabaDuo / Rafael Pereira & Charlie Wooton (2015)

"Pandeiro & Bass Duo" とサブタイトルに書かれてある通り、ブラジリアン・タンバリンを操るパーカッショニストの Rafael Pereira と、ベースの Charlie Wooton のデュオ・アルバムです。
2人とも存じ上げなかったのですが、Rafael Pereira はブラジルの人、 Charlie Wooton はルイジアナの人みたいです。

Peter Barakan 氏が紹介していたので聴いてみましたが、シンプルな曲ながらも、非常に心地よいサウンドでした。どうしてこういうフォーマットで音楽をつくろうと思ったのかは分かりませんが、いいアイデアだと思います。
2曲だけ Laura Reed のボーカルが入っていますが、これがまた心地よい。

ときどき聴きたくなりそうなアルバムです。

ちなみに昨年6月に、 Barakan 氏が主催する "Live Magic!" に出演のために来日されています。

2017年9月9日土曜日

Streetcore / Joe Strummer & the Mescaleros (2003)

Joe Strummer は2002年12月に、心疾患により急死しましたが、そのとき録音中だった音源を元に翌年に発表されたのが本作です。

The Mescaleros としてのそれまでの2作、すなわち "Rock Art And The X-Ray Style" と "Global A Go-Go" から趣を変え、ロック・テイストが主のアルバムとなっています。
『彼の作品としては、The Clash の "London Calling" 以来の傑作』と評論家から高く評価されているアルバムでもあります。
僕は、正直前2作のワールド・ミュージックを無理やり取り入れた作風の方が、 Mescaleros らしくていいなと思っています。
やはり、世の中の人たちは、The Clash が好きで、The Clash の Joe Strummer を愛していて幻想を追いかけているのでしょう。あるいは、彼の遺作に敬意を表して、傑作と言っているのかもしれません。

彼の死の4年後に発表された映画 "VIVA JOE STRUMMER" の中で、売れないワールド・ミュージックを仲間の The Mescaleros と一緒にライブで楽しそうに演奏している姿を見たことがあります。パンク・ロッカーという鎧を脱いで、本当にやりたい音楽をやってるんだな、と感じました。