2017年2月25日土曜日

Monster / Herbie Hancock (1980)

1曲目 "Saturday Night" がやたらフュージョンぽいな、と思ったら、ギターが Carlos Santana でした。
「初めてのロックアルバム」と Hancock 自身が語ったことから、そういうアピールで売り出されたようですが、ロック色よりブラック・コンテンポラリー色の方が強いアルバムだと思います。

スローな2曲 "Stars in Your Eyes" と "Making Love" は、まるで Quincy Jones のサウンドのようでもあります。
Quincy は、このアルバムの2年前に、傑作 "Sounds...And Stuff Like That!!" を出してますし、翌年にはヒットした "The Dude" を出してますので、影響はあったんでしょうね。

また、LPで言うところのA面の3曲は Hancock が関わっていますが、B面の3曲は関わっていません。ゲストに Carlos Santana , Ray Parker Jr. , Bill Champlin(Chicago) が参加しているのも特徴です。

前作 "Feets Don't Fail Me Now" はディスコに寄ったアルバムでしたが、こっちの方がストレートで好感が持てます。
しかし、今作でヴォコーダーを使わず、ゲストシンガーの生ヴォーカルに変えたのは良かったんじゃないでしょうか。

DJに評価の高いアルバムのようですが、全般には比較的平凡な曲のオンパレードです。オッと思うのは、ボーナストラックの "Go for It " の12インチバージョンの Clavitarのイントロと Freddie Washington のスラップベースくらいでしょうか。
この後の "Magic Windows" ~ "Lite Me Up" につながる、習作的な時期と位置づけてもいいのかもしれません。

2017年2月17日金曜日

日出処 / 椎名林檎 (2014)

東京事変と並行して作られた"三文ゴシップ"以来、5年半ぶり、そして東京事変解散以来初のソロ・アルバムです。

13曲中6曲が既発表曲だし、"ありあまる富"にいたっては2009年の曲なので、寄せ集めてきな印象があるでしょうが、アルバム全体がパワフルで、それなりのまとまりを持っています。椎名林檎の過去のアルバムの中でも、有数の完成度を示してるんじゃないでしょうか。
過去によく見られた、昭和ロマン的な歌は影を潜め、ポップというかメインストリームを意識したメロディ、アレンジが好感が持てます。東京事変での経験あるいは亀田誠治からの吸収が大きかったのかもしれません。

"走れゎナンバー"でのフルートのカッコいい使い方は素晴らしいし、”赤道を越えたら"の村田陽一のブラスアレンジもいけてる。"自由へ道連れ”のスピード感は東京事変を思い起こさせます。
最初からの4曲("静かなる逆襲","自由へ道連れ","走れゎナンバー","赤道を越えたら")でぐっとつかみ、終盤は既発表曲("いろはにほへと","カーネーション","孤独のあかつき","NIPPON","ありあまる富")でまとめるような形になってます。

東京事変後の再スタートの意気込みが感じられる一枚です。
もっと評価が高くあるべきだと思います。

2017年2月12日日曜日

Here / Alicia Keys (2016)

今回はそれほど目立った曲もなく、淡々とした印象を受けました。
シンセサイザーを抑え、ピアノ中心にアコースティックに編曲しています。
前半少し暗めの曲が続き、後半近くから明るさが増してきます。

そういう意味では、今回のメインは、メロディやサウンドよりも、歌詞なのかもしれません。

近年になく、かっこいいアルバムジャケットですね。

2017年2月4日土曜日

Honey / Ohio Players (1975)

恥ずかしながら、 Ohio Players は、"Gold" しか聴いたことがありませんでした。
オリジナルアルバムも聴いてみないとね!
代表曲 "Love Rollercoaster" と "Sweet Sticky Thing" が入ったこのアルバムは、彼らのキャリアにおいても絶頂期だったようです。
ただ、この2曲以外は、あまり冴えません。

ファンクバンドと言われ、ファンクネスが注目されますが、実はソフト&メロウというか、サウンドがおしゃれなんですよね。 "Sweet Sticky Thing" に代表されるように。
なんでしょう、凄腕のミュージシャンの、プロの技だと、どうしてもおしゃれになっちゃうんですかね。

しかし、このジャケットセンスはどうよ。他のアルバムよりはましに思えますが、最も Controversy を呼んだようです。
内ジャケットの撮影では、フェミニストからバッシングを受けた模様です。