1曲目 "Saturday Night" がやたらフュージョンぽいな、と思ったら、ギターが Carlos Santana でした。
「初めてのロックアルバム」と Hancock 自身が語ったことから、そういうアピールで売り出されたようですが、ロック色よりブラック・コンテンポラリー色の方が強いアルバムだと思います。
スローな2曲 "Stars in Your Eyes" と "Making Love" は、まるで Quincy Jones のサウンドのようでもあります。
Quincy は、このアルバムの2年前に、傑作 "Sounds...And Stuff Like That!!" を出してますし、翌年にはヒットした "The Dude" を出してますので、影響はあったんでしょうね。
また、LPで言うところのA面の3曲は Hancock が関わっていますが、B面の3曲は関わっていません。ゲストに Carlos Santana , Ray Parker Jr. , Bill Champlin(Chicago) が参加しているのも特徴です。
前作 "Feets Don't Fail Me Now" はディスコに寄ったアルバムでしたが、こっちの方がストレートで好感が持てます。
しかし、今作でヴォコーダーを使わず、ゲストシンガーの生ヴォーカルに変えたのは良かったんじゃないでしょうか。
DJに評価の高いアルバムのようですが、全般には比較的平凡な曲のオンパレードです。オッと思うのは、ボーナストラックの "Go for It " の12インチバージョンの Clavitarのイントロと Freddie Washington のスラップベースくらいでしょうか。
この後の "Magic Windows" ~ "Lite Me Up" につながる、習作的な時期と位置づけてもいいのかもしれません。