2022年5月29日日曜日

佐野元春 & The Coyote Band Tour 2022 "WHERE ARE YOU NOW" Osaka Festival Hall 2022.5.29

開演前に会場にかかっていたのは、The Band の "The Weight"。久々のライブで、気分上がっていきます。

オープニングはなんと "彼女はデリケート"。
いきなりかよ、と思いましたが、ここから数曲はアルバム "サムデイ" あるいはその時期の曲が続きました。
"サムデイ" 発表から40年ということと、名盤再現ライブのブルーレイの発売記念らしい。
"マンハッタンブリッヂにたたずんで" も弾き語りバージョン以後、久々にライブで聴きましたし、なんと言ってもライブではほとんどやらない "I'm in Blue" や "Vanity Factory" の演奏があったのが驚きでした。

"ハートビート" を挟んで、この後ここ10年くらいの曲が続きましたが、やっぱ昔の曲より「今」を感じられる「今」の曲がええなあ、と思いました。

むしろ、7月のニューアルバムから知らない曲をいくつか演るのかと思ってびくついてたくらいでしたが、それはありませんでした。

「今」の曲 "禅ビート"、"ポーラスタア"、"境界線"、"愛が分母"、"銀の月"、"優しい闇" とたたみかけられました。
"銀の月" はイントロのシンセが特報的ですが、レーザーを使った演出も斬新でした。もっとこれ使ったらええのに、と思ったくらいです。

そしていきなりの "約束の橋" で終了(?) 何も言わずにステージサイドへ走って行ったので、戸惑いました。

そのブレイクの後は、まあ昔の80年代の曲だったかな。
もう1ブレイクあったのも戸惑ったけど。

昔と違って、極端なアレンジ替えがないのはちょっと物足りない気がします。
もちろんホーンセクションがある曲は、ギターとかでそのパートを代替するようなアレンジはあるんですが。
唯一違ってたのは、"インディビジュアリスト" かな。オリジナルアルバムバージョンではなく、ホーボーキングバンドセッション・バージョンでした。
安心感はありますけどね。

"禅ビート" でウクライナの国旗をさりげなく掲げたりするところが元春らしいところでした。


Set List 

  1. 彼女はデリケート
  2. Happy Man
  3. マンハッタンブリッジにたたずんで
  4. I'm in blue
  5. Vanity factory
  6. ハートビート
  7. 東京に雨が降っている
  8. 悲しい話
  9. 禅ビート
  10. ポーラスタア
  11. 世界は慈悲を待っている
  12. 境界線
  13. 愛が分母
  14. 銀の月
  15. 純恋
  16. エンタテイメント!
  17. La Vita e Bella
  18. 優しい闇
  19. 約束の橋
(Break)
  1. 悲しきレイディオ
  2. サムデイ
(Break)
  1. インディビジュアリスト
  2. ニュー・エイジ


藤田顕(g)、渡辺シュンスケ(key)、小松シゲル(ds)、高桑圭(b)、深沼元昭(g)



2022年5月20日金曜日

Ventura / Anderson .Paak (2019)

グラミーのベストR&Bアルバム賞を受賞した傑作アルバムです。

前作 "Oxnard" からわずか6か月のインターバルで出されましたが、前作の延長にあるものではなく、全く違うアプローチのアルバムとなっています。

思えば、Bruno Mars はグラミー受賞者を前座に使ってたんですね。豪華!
Silk Sonic では Bruno Mars から、もっと歌うように言われていたようですが、実はこのアルバムではしっかり歌っています。
ラップを抑えて、歌っていることが曲の価値を上げているように思えます。
実にザラザラ感のある声がいい。

曲調は、Silk Sonic にも通じるフィリー・ソウルのようなソフィスティケイテッド系。

ゲストも豪華です。
なんと Smokey Robinson がフィーチャされている他、Jazmine Sullivan、Lalah Hathaway、Brandy、Sonyae Elise、André 3000、Nate Dogg が参加しており、それぞれの持ち味を出しています。

前半の出だし3曲 "Come Home", "Make It Better", "Reachin' 2 Much" と、後半2曲 "Jet Black", "Twilight" が特によろし。


  1. Come Home (featuring André 3000)
    • Writer: Brandon Anderson, André Benjamin, Jairus Mozee
    • Producer: Anderson .Paak, Jairus "J. Mo" Mozee
  2. Make It Better (featuring Smokey Robinson)
    • Wr: Anderson, Alaina Chenervert, Daniel Maman, Farid Nassar, Miguel Atwood-Ferguson, William Robinson
    • Pr: .Paak, Fredwreck, The Alchemist
  3. Reachin' 2 Much (featuring Lalah Hathaway)
    • Wr: Anderson, Dan Edinberg, Danny McKinnon, David Pimentel, Dwayne Abernathy Jr., Kelsey González, Matthew Merisola, Vicky Nguyen
    • Pr: .Paak, Dem Jointz, Pomo, The Free Nationals, Nguyen
  4. Winners Circle
    • Wr: Anderson, González, M. Henderson, Nguyen
    • Pr: Nguyen, .Paak, González, Mell
  5. Good Heels (featuring Jazmine Sullivan)
    • Wr: Anderson, McKinnon, Pimentel, Jazmine Sullivan
    • Pr: .Paak, Pomo
  6. Yada Yada
    • Wr: Anderson, Alekos Syropoulos, Kiefer Shackelford, Merisola
    • Pr: Callum and Kiefer
  7. King James
    • Wr: Anderson, Syropoulos, Shackelford, Merisola
    • Pr: Callum and Kiefer
  8. Chosen One (featuring Sonyae Elise)
    • Wr: Anderson, Jose Rios, González, Ron Avant, Sonyae Elise, Tia Myrie
    • Pr: .Paak
  9. Jet Black (featuring Brandy)
    • Wr: Anderson, Brandy Norwood,Pimentel
    • Pr: Pomo
  10. Twilight
    • Wr: Anderson, Pharrell Williams
    • Pr: Williams
  11. What Can We Do? (featuring Nate Dogg)
    • Wr: Anderson, Nassar, Nathaniel Hale
    • Pr: Fredwreck


  • "Come Home" contains a sample from "Best One", written by Glen Boothe and Brandon Anderson, and performed by NxWorries.
  • "Winners Circle" contains excerpts from the film, A Bronx Tale (1993), performed by Chazz Palminteri and Robert De Niro, courtesy of Universal Pictures.
  • "Chosen One" contains a sample from "On The Level", written and performed by Mac DeMarco.


  • Anderson .Paak – vocals (all tracks), drums (1,3,5,7), percussion (1,4), additional drums (11)
  • Adam Turchin – alto saxophone, tenor saxophone (11)
  • Alekos Syropoulos – horn arrangement, horn, saxophone (7)
  • BJ the Chicago Kid – background vocals (1)
  • Cocoa Sarai – background vocals (8)
  • Dem Jointz – background vocals (3)
  • Durand Bernard – additional vocals (4)
  • Callum Connor – drums (3)
  • Dan Edinberg – bass (3)
  • Erick "Baby Jesus" Coomes – bass (11)
  • Danny McKinnon – guitar (3,5,9)
  • Fredwreck – guitar (2,11), keyboards (2), percussion (7), additional percussion (10), piano (11)
  • Jairus "J. Mo" Mozee – guitar, bass (1)
  • Chris Gray – trumpet (11)
  • J. P. Floyd – trombone (11)
  • Jhair "JHA" Lazo – strings (2)



2022年5月15日日曜日

Candydrip / Lucky Daye (2022)

Lucky Daye 初めて聴きました。
ラップではない、ナイス R&B です。

率直な感想は、Prince と Childish Gambino と H.E.R. が同居してるなあ、ということです。
D'Mile と共同制作しているのですが、この D'Mile は、Childish Gambino と H.E.R. の楽曲制作にも関わっているようで、僕が感じた同居の糸が見えました。

"Touch Somebody" なんかはまんま Childish Gambino テイストで好きです。
"Cherry Forest" は Silk Sonic。D'Mile は Silk Sonic の楽曲制作にガッツリ入ってます。
すごく平坦で、メロウ。そんなところは H.E.R. です。

そのうちファースト・アルバムも聴かなあかんな。


  1. Intro
  2. God Body (Featuring Smino)
  3. Feels Like
  4. NWA (Featuring Lil Durk)
  5. Guess
  6. Candy Drip (Interlude)
  7. Candy Drip
  8. Deserve
  9. Intermission
  10. Over
  11. Fuckin' Sound
  12. Compassion (Featuring – Chiiild)
  13. Touch Somebody (Interlude)
  14. Used To Be
  15. Fever
  16. Cherry Forest
  17. Ego



2022年5月8日日曜日

Terminal / YUKI (2021)

初めはつかみどころのないアルバムかな、と思いましたが、何回か聴いているうちによくできたポップ・アルバムだと感じるようになりました。
一昔前のハイパー・ポップな YUKI 健在と言えなくもありません。
特に前半、#1〜#6までの打ち込み系のサウンドと歌詞はいいですね。

いやあ、ハイパー・ポップです。きゃりーぱみゅぱみゅか、くらいのポップさです。潔い!
歌詞は全体的にゲームを連想させます。

それだけに後半#7からが残念。ガラッと雰囲気を変えたのは、昔の LP みたいな感じを意識したんでしょうか。


  1. My lovely ghost (Takeshi Ogi, Morito Yonezawa & KISIMEN)
  2. Baby, it's you (T-Sk, Andrew Choi & Tesung Kim)
  3. good girl (Claire Rodrigues Lee & Kevin Charge)
  4. NEW ! ! ! (Claire Rodrigues Lee & Kevin Charge)
  5. ご・く・ら・く terminal (Ally Ahern, Mark Raggio & Ryo Ito)
  6. ラスボス (Yuichiro Nagano)
  7. ベイビーベイビー (Ritsu Ito)
  8. 雪が消してく(Henrik Nordenback, Christian Fast, Didrik Thott & Shin Agnes)
  9. 泣かない女はいない (KOMODA)
  10. Sunday Service (Kenichi Shirane)
  11. チューインガム (YUKI)
  12. (YUKI)
  13. はらはらと(LASTorder)




2022年5月1日日曜日

Coney Island Baby / Lou Reed (1975)

Coney Island はニュー・ヨークの東、Lou Reed が生まれ育ったブルックリンの南端の地名です。

このアルバムのいくつかの曲は、当時のガールフレンド Rachel へのラブ・レターと言います。ちなみに彼女は性転換者です。
表題曲の中でも直接 Rachel の名前が出てきます。

I'd like to send this one out to Lou and Rachel, and all the kids at P.S. 192.

P.S. はパブリック・スクールのこと。実在の P.S.192 が Lou Reed とどういう関係なのか僕は知りません。

アルバムは全体として、ゆっくりとして、静かな印象。
それでいて、メロディアックで、分かりやすくもあります。

表題曲は、Lou Reed の曲の中でも代表曲と言える名曲だと思います。

このアルバムは、ボーナス・トラック付きなのですが、その中でも、"Crazy Feeliong" のデモ・バージョンが素晴らしい!
ロックで、ロールしてます。かき鳴らすアコースティック・ギターのロール感がたまりません。
この曲を仕上げて、最終バージョンに持っていくんだから、ミュージシャンってほんとすごいと思います。

最終バージョンはスライド・ギターとコーラスが特徴で、それが牧歌的で明るい印象をもたらしているのですが、デモ・バージョンでは全くスライド・ギター・アレンジもありませんし、コーラスもありません。
でも僕、こっち(デモ)の方が好き。

"Coney Island Baby" のデモもいいです。こちらもアコギとヘビーなエレキが効いていて、歌詞がハッキリ発音して聞きやすい。最終バージョンはボソボソ喋ってますからね。

ちなみに、"She's My Best Friend" は Velvet Underground でもやってますが、これまた全く違うアレンジです。

正直、Lou Reed は "Transformer" から続く3枚しか聴いたことがなかったのですが、改めて他も聴いてみようと思わせる1枚でした。


  1. Crazy Feeling
  2. Charley's Girl
  3. She's My Best Friend
  4. Kicks
  5. A Gift
  6. Ooohhh Baby
  7. Nobody's Business
  8. Coney Island Baby
  9. Nowhere at All (bonus track)
  10. Downtown Dirt (bonus track)
  11. Leave Me Alone (bonus track)
  12. Crazy Feeling (bonus track)
  13. She's My Best Friend (bonus track)
  14. Coney Island Baby (bonus track)


  • Lou Reed – vocals, rhythm guitar, piano
  • Bob Kulick – lead guitar, slide guitar
  • Bruce Yaw – bass guitar
  • Michael Suchorsky – drums, percussion