2016年4月24日日曜日

Gil Evans Orchestra Live at Umbria Jazz at San Francesco al Prato (1987)

1988年3月に友達に誘われて行った"Sweet Basil"の"Gil Evans Monday Night Live"の定期演奏は、残念ながら直前になって休止されていました。体調を崩したGil Evansはその月に亡くなってしまいました。

このアルバムは、1987年7月に行われた、イタリア・ウンブリアでのジャズ・フェスティバルのライブです。
このとき、Gil Evansは、Stingと共演するためにジャズ・フェスティバルに参加し(Stingは有頂天だったことでしょう)、その後サン・フランチェスコ・アル・プラト教会の廃墟で数夜にわたって演奏しており、その教会での演奏がこの音源です。

80年代前半の彼のオーケストラよりも、80年代後半の演奏は、よりファンキーさが前面に出ており、好きです。
アレンジとフリー・ソロの絶妙なバランスは、いつもの通りですが、ロック・スターとの共演の緊張感から解き放たれたのか、あるいは逆にインスパイアされたのか、ここではよりアグレッシブな演奏が聴けます。

また、年齢を重ねるごとに新しいものを貪欲に取り入れていこうという姿勢が強くなっているように思え、感心させられます。
「すべてが実験で、それが成功すれば、傑作と呼ばれます。すべての傑作は実験として始まりました。」Gil Evans

2016年4月16日土曜日

Back Stabbers / O'Jays (1972)

3人になったO'Jaysによる、フィリー・ソウルの名盤です。

Gamble & Huffの全面バックアップを受け、ストリングスとブラスの鮮やかなバックと、コーラスがバッチリ合っています。

何と言っても、ハイライトは"What they doin'"の軽快なコーラスで始まる"Back Stabbers"です。日本語タイトルは"裏切り者のテーマ"。このB級映画のようなチープさがいいですよね。確かに内容は、ラブソングではなく、後ろから刺す者に気をつけろ、ってことですが。

洗練された都会的なフィリー・ソウル・サウンドですが、彼らのヴォーカルの土臭さと相まって、同じフィリー・ソウルの、Spinnersとはまた違ったオリジナリティがあります。

2016年4月3日日曜日

Right Place, Wrong Time / Otis Rush (1976)

すばらしいシカゴ・モダン・ブルーズです。
Otis Rushの音楽は、古典的なブルーズに加えて、ブラスやオルガンが入り、大変カラフルですよね。
ブルーズにR&Bの要素を持ち込んだというか。それがうまく溶け込んで、非常にカッコいい。

もちろん、Rushのピッキングの強いギターも素晴らしいのですが。

ちなみに、このアルバムは1971年に録音されたけど、リリースされるのに5年かかったようです。