2022年6月18日土曜日

Camouflage / Rufus with Chaka Khan (1981)


Chaka Khan が参加した Rufus 最後のアルバム。
ビッグ・ヒット・シングルがなかったので、あまり人気のないアルバムですが、僕はすごくクオリティ高いと思います。
Quincy Jones のプロデュースを受けた前作 "Masterjam" の経験が活かされて、きらびやかなアレンジとなっています。

最初の "Better Together" はキックの強いビートが特徴で、やっぱバンド Rufus はすごいなと思わせます。
#2 はノリのいい "Jigsaw"。アルバムベスト・ソングじゃないでしょうか。
アルバムの中盤 (A面ラスト〜B面)は比較的スローな曲が中心となりますが、これもまた良し。
シングルカットされた "Sharing the Love" もいいですが、僕はA面最後の曲 "True Love" と、途中レゲエ調でスチール・ドラムが入る "Quandary" が好きですね。

1981年は、イギリスのシンセ・ポップ・バンド The Human League が "Don't You Want Me" を出した年。そう思うと、このアルバムの世界は少し古くなっていたのかもしれません。
時代の波に乗っていなくても、いいものはいい!
長いポピュラー・ミュージックの歴史の中ではいつか再評価されるでしょう。


  1. Better Together [Tony Maiden, Lalomie Washburn]
  2. Jigsaw [Maiden, Chaka Khan]
  3. Secret Friend [Maiden, René Moore, Angela Winbush, Allee Willis]
  4. Music Man (The D.J. Song) [John Robinson, David Wolinski]
  5. True Love [Wolinski]
  6. Sharing the Love [Kevin Murphy]
  7. Quandary [Maiden, Khan]
  8. Lilah [Wolinski, Willis]
  9. Losers in Love [Wolinski, Danny Seraphine]
  10. Highlight [Bobby Watson, Moore, Winbush]


  • Chaka Khan - vocals
  • Tony Maiden - guitar, vocals
  • Bobby Watson - bass guitar
  • Kevin Murphy - keyboards
  • David "Hawk" Wolinski - synthesizer, keyboards
  • John Robinson - percussion, drums
  • Angela Winbush - keyboards, background vocals
  • René Moore - background vocals
  • Lalomie Washburn - background vocals
  • Vince Charles - steel drums
  • Paulinho Da Costa - percussion
  • Greg Phillinganes - keyboards
  • Larry Williams - saxophone


  • Produced  by Rufus
  • Mixed by Bruce Swedien

2022年6月14日火曜日

Best of Friends / Twennynine featuring Lenny White (1979)

僕はほぼ Return to Forever は聞いてませんので、Lenny White も当然聞いたことがありません。
このアルバムは、そういう意味で、彼が通ってきたジャズの道からは外れるものです。
Return to Forever のようなフュージョンを大きく通り越して、純粋なR&Bあるいはファンクのジャンルになるでしょう。
若干、Stanley Clarke に通ずるフュージョン・ファンク的な感じもありますが。

Lenny White は Jack DeJohnette と同時に若くして Bitches Brew に起用されたドラマーです。
同じく Miles のバンドにいた Herbie Hancock もフュージョンを経て、R&B の世界に入っていきましたので、Miles の見えざる影響力の一つのコースなのかもしれません。

曲はほヴォーカルもので、Earth, Wind & Fire のようにブラスが効果的に使われるきらびやかなサウンドです。
シングル・ヒットしたのは "Peanut Butter" ですが、僕はタイトル曲が一番好きです。ピアノ・ソロの導入が意表をついてます。
ラストの "Tropical Nights" だけがインストゥルメンタル曲で、メタリックなギターが聴ける、典型的なフュージョン曲になってます。


  1. Citi Dancin' [Lenny White]
  2. Take Me or Leave Me [Eddie Martinez]
  3. Best of Friends [Lenny White, Danall Miller]
  4. Peanut Butter [Donald Blackmon]
  5. Betta [Barry Johnson]
  6. Morning Sunrise [Donald Blackmon]
  7. Oh Sylvie [Denzil Miller, Valmon Burke]
  8. Tropical Nights [Lenny White]


  • Lenny White Drums, Percussion, Synthesizer
  • Barry Johnson Bass
  • Eddie Martinez Guitar
  • Nick Moroch Guitar, Glockenspiel
  • Denzil Miller Keyboards
  • Skip Anderson keyboards
  • Don Blackman Clavinet, Electric Piano, Organ, Piano, Synthesizer
  • Paulinho Da Costa Percussion
  • Produced by Lenny White and Larry Dunn
  • Executive Producer Don Mizell
  • Recorded at the Indigo Ranch, Malibu, May - June 1979



2022年6月5日日曜日

The Thornhill Sound / Claude Thornhill And His Orchestra (1958)

1曲目の "Snowfall" 以外は Gil Evans の編曲です。
Claude Thornhill 時代の Gil Evans の録音はほとんど入手困難なので、非常に貴重です。
1958年の発売となっていますが、録音は1947年のはずです。

Gil Evans は1930年代に自分のオーケストラを持った後、ピアニスト Claude Thornhill と出会い、彼が新しく編成したオーケストラのアレンジャーとなります。1941年から10年ほど Claude Thornhill と一緒に仕事をし、いくつかの編曲を残しています。
最も Gil Evans の編曲がまとまって聴けるのがこのアルバムになります。

Gil Evans の編曲について、オーケストラのもう一人のアレンジャー Bill Borden によれば、「Gil の編曲は革新的、天才的。ただしあまりに多くを詰め込み過ぎてスイングしないこともあった」とのこと。
当時のジャズバンドでスイングしない、というのがどういう意味を持っていたのかは分かりませんが、その後の Gil Evans はスイングしないジャズを推し進めていったように思えます。
スイングしないジャズの系譜は Duke Ellington につながるように思いますが、Gil のアイドルは Louis Armstrong だったというのは興味深い事実です。

しかし、このアルバムを聴くと、職業音楽家の最初から基本的にはずっと同じことをやってきているんだなあ、と感じます。


  1. Snowfall [Thornhill]
  2. Anthropology [C. Parker, Gillespie]
  3. Polka Dots And Moonbeams [Burke Van Heusen]
  4. Donna Lee [C. Parker]
  5. Lover Man (Oh, Where Can You Be?) [J. Davis, Jimmy Sherman, Ramirez]
  6. Robbins' Nest [Jacquet, Thompson]
  7. Yardbird Suite [C. Parker]
  8. La Paloma Gris (The Grey Dove) [De Yradier]
  9. Sorta Kinda [J. Young]
  10. Arab Dance [Based on the Nutcracker Suite of Tchaikovsky]