2019年7月14日日曜日

Signed, Sealed and Delivered / Stevie Wonder (1970)

'70年代の幕開けは、Stevie にとっては20歳代の幕開けでもありました。
モータウンと交渉して、セルフプロデュースができるようになった最初のアルバムでもあります。
全12曲のうち7曲を共作し、全体をプロデュースしています。
まだまだ曲作りという面では、成長途中という感じですが、才能の片鱗、断片が十分に見えます。

Stevie といえば、'72年の "Talking Book" 以降の活躍と曲が素晴らしいのですが、だからといってそれ以前がダメかというとそうではありません。傑作が多くあります。
"Rubber Soul" 以降の The Beatles がアーティスティックだからといっても、アイドル時代のアルバムもやはり傑作なのと同じです。

2019年7月7日日曜日

三毒史 / 椎名林檎 (2019)

新三部作の最終章らしい。1stから3rdまでが旧三部作というようで、本人の意識はそうかもしれませんが、出産を挟んで、2ndと3rdの間には大きなギャップがあります。
今回改めて、1stと2ndを聴き直してみましたが、見事な傑作さが際立っています。
東京事変で心機一転、その後は付け足しなのかもしれません。

今回のアルバムでは、半分がデュエットという異色の形になっています。正直そういうのいらんのになあ、という感じなんですが、本人には大きな意味があるんでしょう。新しい刺激が必要だったのだろうと思います。

このアルバム発売にあたってのインタビューを読みましたが、宇多田ヒカルとの共鳴度合いに驚きました。宇多田ヒカルが復帰したからこそ、自分はダークを表現できるのだと。同時代でこれほど他のアーティストのことが自分の作品に反映する事例ってあるんでしょうか。影響を受けるってことはあるかもしれませんが。

アルバムの中では"マ・シェリ"という曲が一番異色感が強く、アレンジも多彩な楽器を使って面白いものになっています。子供のことを歌った曲でしょうか。
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