アルバムジャケットで Papa Wemba が着ているのは、ユニオンジャックのパーカー。決意のほどがうかがえます。
インターナショナル・マーケットでの成功を目標にパリで活動していた Papa Wemba の転機となったアルバムです。
1989年に Peter Gariel が作った REALWORLD レコードからの2枚目のアルバムになりますが、彼はここで2つの大きな変革を決断します。
1つは Pascal Lokua Kanza の起用で、曲作りとヴォーカルスタイルに変化が現れました。
もう1つは アメリカのプロデューサー Stephen Hague の起用です。1980年代に、Pet Shop Boys, Malcolm McLaren, Orchestral Manoeuvres in the Dark, New Order などのイギリス勢と仕事をしています。Stephen Hague のプロデュースで、サウンドがグッとポップになりました。
このアルバムは彼の大きな転機となったとともに、大きなチャレンジの軌跡でもあります。
「25年歌ってきましたが、このアルバムは音楽的方向性がトータルに違っています。私は聴衆のリアクションが心配です。これはエモーショナルな時間です。だからこのアルバムを "Emotion" と呼ぶことになりました」と Papa Wemba は言っています。
残念ながら、 Papa Wemba は昨年コートジボアールのステージで倒れて、66才で亡くなりましたが、彼のハイトーンヴォイスとサウンドはこの先も忘れられないでしょう。